マタギ

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村田銃を背負った秋田県八木沢集落のマタギ(1958年)

マタギは、東北地方北海道で古い方法を用いて集団で狩猟を行う者の集団。一般にはクマ獲り猟師として知られるが獲物はクマだけではない(後述)。古くは山立(やまだち)といった。特に青森県秋田県のマタギが有名である。その歴史は平安時代にまで遡るが、近代的な装備の狩猟者(ハンター)とは異なることに注意する必要がある。森林の減少やカモシカの禁猟化により、本来的なマタギ猟を行う者は減少している。

マタギの語源は諸説あって不明である。最も有力なものは、アイヌ語で「冬の人」・狩猟を意味するマンギ・マタンギトノがなまったものだという説である。ただし、日本語のマタギという語が先にあり、この語がアイヌ語に取り入れられたという説もある。

目次

概要 [編集]

マタギは夏季は農業などを営み、冬になると集団をつくって白神山地のような奥深い森林で数日間に渡って狩猟を行う。狩猟の対象は主にカモシカクマだが、カモシカの狩猟が禁じられたため、現在では春先に冬眠から覚めたクマを狩猟するマタギが多い。

夏、狩りの季節の前に、あらかじめ森林の中にマタギ小屋と呼ばれる簡易な小屋を立て、ここに米などを運び込んでおく。狩猟が始まると、ここで寝泊りして狩りを行う。この小屋は非常に簡易なものなので、長持ちはしない。壊れると、翌年はまた新しい小屋がつくられる。

1つの集団の人数は通常8~10名程度だが、狩猟の対象によっては数十人編成となることもある。マタギの頭をシカリと呼ぶ。集団の各人はそれぞれ仕事を分担する。通常は、クマを谷から尾根に追いたて、先回りしている鉄砲打ち(ブッパ)が仕留める狩猟(巻き狩り)を行う。現代では鉄砲が使用されるが、や毒矢を用いた時代もあった。マタギの使用する武器は時代と共に進歩し、明治時代には村田銃、その後はスコープ付きのライフル等どんどん高性能な武器を利用している。しかし、高性能な武器の存在が、集団で狩りを行う必然性をなくし、マタギ文化が衰退した一因ともなっている。

マタギは、山の中ではマタギ言葉という特別な言葉を使い、口笛を吹くこと、鉄砲をまたぐなど禁忌事項も多くあった。厳しい雪山の自然に立ち向かってきたマタギには、「山は山の神が支配する場所、そして熊は山の神からの授かり物」「猟に入る前には水垢離(みずごり)を行う」など独特の信仰を持ち、獲物をしとめたときなどには特別の呪文を唱えるという。マタギの信仰する山の神は醜女であるとされ、より醜いオコゼを供えることで神が喜ぶとされる。マタギ発祥の地と云われる阿仁では戦前まで、一人前のマタギとして集団に属する儀式(成人式)の際、新成人ははと(ペニス)をいきり立たせて、山の神との象徴的な交合を行って結婚をする儀式が執り行われていた。これはマタギ衆以外に公言することが禁忌とされはばかられていたが、戦後の民俗調査での聞き取り記録で明らかになった。

これらの風習について、アイヌ文化の影響を指摘する声がある。また、マタギ言葉もアイヌ語との類似性を指摘されている。これらのアイヌ文化とマタギ文化の類似性は、紀行家の菅江真澄によって江戸時代から指摘されていた。

主なマタギ集落 [編集]

主なマタギが活躍した集落が、そのマタギ集団をさす。集落にはマタギ料理の店がある場合もある。

阿仁マタギ [編集]

現在もマタギの里として特に知られるのが、秋田県北秋田市阿仁の阿仁マタギである。

特定非営利活動法人「秋田花まるっ グリーン・ツーリズム推進協議会」と秋田県観光文化スポーツ部観光戦略課 地域振興班が運営するサイト「美の国秋田・桃源郷を行く」によれば、

▼北秋田・鹿角郡のマタギ・・・根子、荒瀬、萱草、笑内、幸屋渡、比立内、戸鳥内、中村、打当、阿仁前田、小又、森吉、砂子沢、八木沢、萩形、金沢、大湯、大楽前の各集落。

▼世界遺産・白神山地のマタギ・・・峰浜村、藤里町、(青森県西目屋村、鯵ヶ沢、深浦町、岩崎村)

仙北郡のマタギ・・・上桧木内、戸沢、中泊、堀内沢、下桧木内、西明寺、潟尻、玉川、小沢、田沢、生保内、刺巻、神代、白岩、中川、広久内、雲沢、大神成、栗沢、豊岡、湯田の各集落。

由利郡のマタギ・・・百宅、上直根、中直根、下直根、猿倉、上笹子、下笹子、小友の各集落

雄勝郡のマタギ・・・東成瀬(岩井川、入道、手倉、五里台、天江、大柳、桧山台)、羽後町上仙道桧山(鷹匠

平鹿郡のマタギ・・・山内村三ツ又、南郷。

美の国秋田・桃源郷を行く - 旅マタギの記録「秋山紀行」

以上の通り秋田県内には数多くのマタギ集落が存在したため、現在も色濃くマタギ文化が残っている。

中でもその中心が秋田県の中でも特に山深く開発が進まなかった地区に残る「阿仁マタギ」であり、秋田内陸縦貫鉄道には秋田県北秋田市阿仁中村に阿仁マタギ駅がある他、 同駅の周囲に打当温泉「マタギの湯」[1]、マタギの里熊牧場[2]などのマタギの名を冠した観光地がある。

作品 [編集]

参考文献 [編集]

脚注 [編集]

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関連項目 [編集]

外部リンク [編集]