ナイター

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スポーツのナイター(大阪市今津公園軟式野球場)

ナイター (nighter)

  1. 野球サッカースキーなどの野外で行われる競技を夜間に照明下で行うこと。夜間試合のこと。本項で詳述。
  2. 昆虫が光に集まる性質を利用する昆虫採集方法。灯火採集。

ナイターに対して、昼間に開催される試合はデーゲームと呼ばれる。また試合開始が午後4時以後に行われる場合は「薄暮試合」(準ナイターあるいはトワイライトゲーム)とも呼ばれる。

概要[編集]

ナイターは、野外で行われる試合に限り使われ、ボクシングなどの室内競技において、ナイターと呼ばれることはほとんどない(ただし1950年代に球場自体がボクシング会場として利用され、ナイターとして実施された例は多数ある)。しかし、近年野球などにおいてドーム球場が完成し、室内での試合となっているが、野球などは伝統的に夜間の試合はナイターと呼ばれる。また、日本放送局が行うプロ野球中継のナイトゲームの放送を「○○ナイター」と表記するのもよくある。

なお、1998年より北九州メディアドームでの開催を始め、2000年10月18日より競輪祭を除く全日程を夜間開催とした小倉競輪場については、夜間用照明設備のある他の屋外型公営競技場同様、ナイター競走として扱われている。

また、通常室内で興行を打つ大相撲においても、20時打出を「ナイター」と呼ぶこともある。本場所では1955年(昭和30年)の九月場所で17時半中入20時打出のナイターを試験的に行ったこともあり、サラリーマンからは好評だったものの、力士のコンディションの問題、新聞社からのクレームにより1場所限りで終わった。ただし、本場所以外では極稀にナイター巡業が行われることもある。

英語ではナイトゲーム (night game) ということから、「ナイター」は一般的に和製英語である[1]とされる。そのため、NHKではナイターではなくナイトゲームを採用している。しかし、野球解説者である伊東一雄は異論[2]を唱えた。アメリカンフットボールなどでも「ナイター」を使うことから、和製英語ではないという説もある。英語では night game と呼ぶことは確かであるが、nighter も稀にではあるが(野球に限らず)「夜間興行」という意味で確かに存在する。

これらのことについて、日本生まれの和製英語が偶然英語でまれに使われている語と一致したのか、あるいは英語の稀語が日本で定着したのか(言語の伝来においてこのようなことは珍しくない)、はたまた和製英語が逆輸出された結果なのか、定説はない。

  • 2014年6月18日付日刊スポーツ(大阪版)2面「そこが聞キティ」によると、1949年6月10日付のAP通信によるメジャーリーグ原稿の英文の中に『nighters』という記述が見られ、日本の新聞はそれを参考にした模様。

Jリーグではナイトマッチ (night match) と表現する。ノエビアスタジアム神戸など開閉式屋根付き競技場が屋根を閉じた状態であったり、札幌ドームのような本来屋内型である競技場でも屋外型競技場同様ナイトマッチと呼んでいる。ナイトマッチは大抵19時開始となるが、日曜日・祝日は夏場を除きデイマッチで行われ、土曜日も1試合組まれる程度である。また、札幌厚別公園競技場など照明設備が常設でない競技場でのナイトマッチは平日のみとなっている。

スキー場においては、夜間に照明下でゲレンデを営業することをナイターと呼ぶ。大抵のスキー場では一般の営業時間とナイター営業時間は分かれており、リフト券も一般営業時間のものをそのまま利用することはできず、「ナイター券」と呼ばれる専用の券を別に求めなくてはならない場合が多い。

ナイターの照明を「カクテル光線」と称するものもあるが、これは自然光に近づけるため異なる色温度の光源を複数混在させて照射することをカクテル(混酒)に例えているものである。

1879年のウィーンで、白熱電球を用いたフィギュアスケートのナイターの競技会が実施された[3]

日本のプロ野球における各球団のナイターの試合開始時間[編集]

日本において初のナイター開催は、1948年8月17日横浜ゲーリッグ球場(現在の横浜スタジアムとほぼ同じ位置)で行われた読売巨人軍中部日本ドラゴンズの試合。当時ゲーリッグ球場はアメリカ軍接収下にあったため照明設備があり、20時8分から開催された(プロ野球ナイター記念日参照)。

ナイター初期(1950年代から1970年代前半)は主にシングル開催(1試合のみ)である場合19時開始が多かったが、1973年第1次石油オイルショック以後は省エネルギー対策の一環として試合開始時刻が繰り上げられ、チームにより18時から18時30分までの範囲で試合開始時間を設定するようになった。2014年現在では、ナイター開催は千葉ロッテマリーンズ(18時15分開始)を除く全ての球団が原則的に18時開始としている。

2009年は、平日の試合の場合、ロッテの金曜日開催試合が18時半開始、また横浜ベイスターズの一部の火曜日開催の試合がTBSの編成の都合で、また2011年の横浜も金曜日の一部の試合で同じく18時半開始となった。その他2010年から那覇で毎年開催されている公式戦(主催は2013年阪神タイガースを除いてDeNA)では、当地のライフスタイルに合わせて19時開始とした(2013年まで。2014年は18時30分開始)。

2012年は、7月25日の巨人対DeNA戦(東京ドーム)を19時開始とした。これは、来場者から「会社帰りでもプレーボールから試合が見たい」などの意見が寄せられたことから、試験的に試合開始を1時間遅らせることにしたもの[4]。ただし、19時開始は前述した通り1970年代中盤までは本拠地開催でも盛んに行われ、それ以後も開幕戦後楽園球場東京ドームを併用した日本ハムファイターズと巨人が前年にAクラスを勝ち取って同日開幕となった場合、どちらか一方が19時開始となった例もある。

全球団とも平日は原則的にナイター開催[5]だが、パ・リーグでは、原則的に週末と祝日開催をデーゲーム(おおよそ13時から15時までに開始)としている。だが、本拠地が屋外球場であるロッテと東北楽天ゴールデンイーグルス、そして試合当日がほっともっとフィールド神戸である場合のオリックスは、夏場の一部[6]は暑さ対策のためナイターとしている。また、本拠地が空調完備のドーム球場である福岡ソフトバンクホークスとオリックスでは、土曜日はナイターであることが多い。

セ・リーグでも、近年は全球団とも週末・祝日開催では夏場の一部を除いて極力デーゲームとしているが、東京ヤクルトスワローズでは本拠地である明治神宮野球場大学野球の試合を優先しているため、夏場でなくてもナイターであることが多い。

東京ドーム完成後の1988年以降、巨人戦に絡む試合はテレビ(地上波)でのプロ野球中継視聴率が稼げることもあり、照明設備のない地方球場及び消化試合の一部を除いてホーム・ビジター問わずほぼナイターとしていたが、2005年頃から興業的な面(子供達が観戦しやすい時間帯を利用して開催)への考慮や、プロ野球中継の視聴率低下によりゴールデンタイムの通常番組を潰してまでナイター中継する事をテレビ局が敬遠するようになったため、巨人戦でも再び週末や祝日開催では薄暮を含むデーゲーム開催が増えた。その為、現在では週末や祝日ではプロ野球全6試合がデーゲームで行われ、ナイトゲームを組まなくなる例が多くなっている。

日本シリーズはかつては全試合デーゲームで行われていたが、1994年に試験的に平日開催の第3-5戦をナイトゲームとし、1995年より全試合ナイターに移行した。

オープン戦(春季)では気候の問題もありデーゲームで行われているが、例外的にドーム球場の一部では平日にナイターを組む場合もある。

日本で初めてナイター営業した施設[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 球太郎の野球雑学ページ 和製英語
  2. ^ 『“ナイター”ってホントに和製英語?』~時とともに、野球用語も移り変わる~
  3. ^ 『日本のスケート発達史』 ベースボール・マガジン社 1981年 p.22
  4. ^ 7・25巨人対DeNA戦、午後7時開始を試行 - 読売新聞 2012年1月25日 なおこの前日まで都市対抗野球大会が行われ、その会場の後片付け作業(清掃・応援台の撤去など)が行われたためでもある。
  5. ^ パ・リーグでは例外的に平日でもごく稀にデーゲームが組まれることもある。
  6. ^ 概ね7月から9月上旬。

関連項目[編集]