ジョン・コリンズ (カクテル)

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ジョン・コリンズ: John Collins)は、ジンまたはウイスキーレモンジュースソーダ水で作るカクテル。

蒸留酒に甘酸味と炭酸飲料を加えたカクテルを「コリンズ」スタイルと呼ぶが、このカクテルの考案者であるロンドンボーイ長ジョン・コリンズの名前に由来する[1][2]

概要[編集]

誕生は19世紀の半ばとも言われるが、誕生の経緯は不明[3]

ロンドンの「リマーズ・コーナー」でボーイ長を務めていたジョン・コリンズが考案したとされる[2]。当初はオランダ・ジン(イェネーバ英語版)が使用されていた[3]。やがてオールド・トム・ジンが使用されるようになり、これはトム・コリンズと呼ばれるようになった。

1930年代以降はヨーロッパを中心にドライ・ジンが用いられるようになり、ジンに代わってウイスキーを用いるレシピも広まった[4][5]

なお、トム・コロンズもドライ・ジンを用いるレシピが広まっており、この場合はジョン・コリンズとトム・コリンズは同一となる[4]

ジンベース[編集]

ジョン・コリンズ
基本情報
種別 ロングドリンク
作成技法 ビルド
スタイル コリンズ
グラス   ハイボールグラス
国際バーテンダー協会のレシピ
ベース ドライ・ジン
装飾材料 レモンスライス、マラスキーノチェリー
材料
ドライ・ジン …… 45ml
レモンジュース …… 30ml
シュガーシロップ …… 15ml
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ジンベースのジョン・コリンズは国際バーテンダー協会の公認カクテルの1つである[6]

国際バーテンダー協会によるレシピを以下に挙げる。

レシピの例[6]
材料
  • ドライ・ジン - 45ml
  • レモンジュース - 30ml
  • シュガーシロップ - 15ml
  • ソーダ水 - 60ml
作り方
  1. 全ての材料をハイボールグラスに注ぎ、静かに混ぜる。
  2. レモンスライス、マラスキーノチェリーを飾る。

ジンにオールド・トム・ジンを使用するとトム・コリンズになる[6]

アメリカ合衆国ではジンベースのジョン・コリンズはオランダ・ジンが使用されることが多く、ヨーロッパではロンドン・ドライ・ジンが使用されることが多い[3]

ウイスキーベース[編集]

ジョン・コリンズ

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基本情報
種別 ロングドリンク
作成技法 シェイク
スタイル コリンズ
グラス   コリンズグラス
レシピの一例
ベース ウイスキー
装飾材料 レモンスライス、マラスキーノチェリー
材料
ウイスキー …… 45ml
レモンジュース …… 20ml
砂糖 …… 2tspl
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ウイスキー・コリンズとも呼ばれる[5]アメリカ合衆国日本ではウイスキーベースのジョン・コリンズが一般的である[3]

レシピの例[3][4][5]
材料
  • ウイスキー - 45ml
  • レモンジュース - 20ml
  • 砂糖 - 2tsp
  • ソーダ水 - 適量
作り方
  1. ソーダ水以外の材料と氷をシェイクし、コリンズグラスに注ぐ。
  2. グラスに氷を加え、ソーダ水で満たす。
  3. 好みで、レモンスライスやライム、マラスキーノチェリーを飾る。

類似するカクテル[編集]

ジンベースのジョン・コリンズ(トム・コリンズ)に類似するカクテルとしてジン・フィズが挙げられる[2]。以下のように違いがある。

  • ジョン・コリンズはロンドン産まれ。ジン・フィズは1888年にアメリカ合衆国ニューオーリンズで産まれた[2]
  • ジン・フィズにはレモンやチェリーなどの飾りは使用しない[2]
  • 比較するとジン・フィズはやや辛口・ジョン・コリンズはやや甘口[2]

出典[編集]

  1. ^ 福西英三『カクテル入門』保育社、1982年、139頁。ISBN 978-4586505630 
  2. ^ a b c d e f 福西英三『カクテル教室』保育社、1996年、77頁。ISBN 978-4586508877 
  3. ^ a b c d e ジョンコリンズ レシピ”. サントリー. 2022年10月9日閲覧。
  4. ^ a b c 中村健二『世界一のカクテル』主婦の友社、2010年、56頁。ISBN 978-4072743935 
  5. ^ a b c 『カクテル完全ガイドうまいつくり方の方程式』(改定版)池田書店、2021年、158頁。ISBN 978-4262130705 
  6. ^ a b c John Collins” (英語). 国際バーテンダー協会. 2022年10月9日閲覧。