アルファロメオ・ジュリエッタ

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ジュリエッタ・スプリント

ジュリエッタGiulietta )はイタリア自動車製造会社のアルファ・ロメオ1954年から1965年まで、および1977年から1985年まで製造販売した小型乗用車。もしくは2010年より発売を開始した乗用車。車名こそ共通だが、いずれも技術的なつながりはない。

初代(750系・101系)[編集]

ジュリエッタ・スパイダー

第二次世界大戦後、1900によって量産車メーカーに転換したアルファロメオが、さらに生産規模を拡大すべく開発したより小型のモデルである。

最初に登場したのは、ベルトーネの当時のチーフスタイリストフランコ・スカリオーネがデザインした2ドアクーペの「ジュリエッタ・スプリント」で、翌1955年にベルリーナ(4ドアセダン)と、ピニンファリーナがデザイン・車体製造を行ったスパイダーが追加された。エンジンはアルファロメオに相応しくアルミ合金製1,290cc DOHCで、初期モデルは54psに過ぎなかったが、1959年に大規模なマイナーチェンジが加えられ、101系に発展する際にクラックが入りやすかったシリンダーヘッドが強化されると更なるチューンアップが可能となり、1960年に追加された「SS」(Sprint Speciale) 「SZ」(Sprint Zagato) [1]などのスポーツモデルでは100psまでチューンされた。

ジュリエッタ系は一般市民(西ヨーロッパ)でも無理をすれば手が届くスポーティーカーとして大成功を収め、アルファロメオの経営基盤を確立させた。1963年にはジュリア(105系)に発展するが、スパイダーやスプリントはジュリアに改名され、その1,600ccエンジンが与えられて、1965年まで継続生産された。

第二世代(116系)[編集]

第二世代ジュリエッタ(初期型)
後期型

ジュリア系は初代ジュリエッタ以上に成功し、1970年代後半まで生産されたが、さすがに旧態化したため、GT系は1976年アルフェッタGT1.6にバトンタッチした(スパイダー系のみは1990年代まで生き残った)。翌1977年、ベルリーナ系が同じくアルフェッタベースの新型にモデルチェンジされた際に与えられた名称が14年ぶりの「ジュリエッタ」であった。

この第二世代はイタリア本国では「Alfa Romeo Giulietta Nuova」、あるいは116系として区別される。106系は機械的にはアルフェッタと共通ながら強めのウェッジシェイプとなり、ハイデッキで、さらに後端を跳ね上げたスポイラー形状となったトランクリッドを持ち、アルフェッタより軽快で新しいデザインとなっていた。

当初は1,357cc95ps、1,600cc109psの二種類で、アルフェッタより一つ下の車格として明確に区別されていたが、実際には車重はアルフェッタより逆に重く、ボディに入念な防錆処理が施され、内外装の仕上げもより上質であった[2]。このため1979年に1,779cc122ps、1980年に1,962cc130psが登場、アルフェッタと同格でよりスポーティなモデルという位置づけとなり、一方のアルフェッタは、よりフォーマルな方向にマイナーチェンジされ、棲み分けが図られた。

1982年にはターボ付172psの「ジュリエッタ・ターボデルタ」も登場したが、361台が作られたに過ぎない。同年にはVMモトーリ製1,995cc82psディーゼルエンジンも追加された。116系ジュリエッタは1985年アルファロメオ・75へと世代交代して消滅した。

第三世代[編集]

第三世代

2009年12月2日、147の後継車両としてネーミングを復活させることを発表し、画像を公開。2010年のジュネーブショーでワールドプレミア後、5月よりイタリアで発売を開始した。 日本国内では2012年2月より発売開始。当初は50台限定の「アルフィスティ」を除き、全車右ハンドルのみの設定だったが、同年8月に左ハンドル車も設定された。また、スーパーバイク選手権第5戦よりセーフティカーに使われている。

デザイン・ボディサイズ[編集]

デザインは、かつてピニンファリーナに在籍していた現フィアットグループのデザインディレクター、ロレンツォ・ラマチョッティが統括するアルファスタイリングセンターの作品である。 ボディサイズに関しては、全長4,351×全幅1,798×全高1,465㎜(日本仕様は4,350×1,800×1,460㎜) 、ホイールベース2,634㎜(日本仕様は2,635㎜)、トレッド1,554/1,554mm(日本仕様は1,555/1,555㎜)となっている。

プラットフォーム[編集]

“コンパクト”と名づけられたジュリエッタのプラットフォームはまったく新たに開発されたもので、優れたロードホールディングと俊敏性に加えて快適さを実現し、さらに高度な安全性をも備えている。高剛性シャシ、フロントの進化型マクファーソンストラット、リアのマルチリンクの各部にアルミを多用したサスペンション、デュアルピニオン式ギアボックスに電動パワーアシストを採用したステアリングなどによって実現されている。今後、フィアット、クライスラーグループのCDセグメントの車種に幅広く採用される予定となっており、2012年1月の北米国際オートショー(NAIAS)ではクライスラー側の1番手としてダッジ・ダート(ホイールベース2,703mm)が、同4月の北京モーターショーでは中国で生産される[3]フィアット・ビアッジオ(ホイールベース2,708mm)が発表されている。また、2013年に発表されたジープ・チェロキー(KL型)のベースとしても使用される。

駆動方式[編集]

駆動方式は横置きFF

エンジン[編集]

エンジンはすべて直列4気筒で、イタリアではガソリンエンジンは3種類、ディーゼルエンジンが3種類用意されている。ガソリンエンジンはすべてが16バルブターボチャージャー版で、1.4TB120ps仕様(マルチエアなし)、1.4TBマルチエア170ps、1750TBは直噴ガソリンターボエンジンで235ps。ディーゼルエンジンは全て16バルブ+コモンレール+ターボで、1.6L(1.6JTDM 105ps)と2.0L(2.0JTDM 140ps)と(2.0JTDM 170ps)の3種類が用意されている。ちなみにガソリンエンジンの中で1750TBは直噴ガソリンターボエンジンは、ホットモデルのクワドリフォリオヴェルデ(四つ葉のクローバー英国ではクローバーリーフという名称)にのみ搭載されている。

トランスミッション[編集]

トランスミッションは当初6速MTのみであったが、2011年6月にミトに続きアルファロメオ初の6速乾式デュアルクラッチオートマチック(アルファTCT)が設定された。ただし、搭載されるエンジンは、ガソリンの1.4マルチエアTB170psとディーゼルエンジンの2.0L(2.0JTDM 170ps)に限られている。

各国のグレード[編集]

イタリアで設定されているグレード(トリムレベル)は、次のとおり。

ベーシックグレード[編集]

  • ジュリエッタ
エンジン:1.4TB120psと1.6JTDM-2 105ps
トランスミッション:6MTのみ。

中間グレード[編集]

  • プログレシップ
  • ディスティンクティブ
エンジン:1.4TB 120ps、1.4TBマルチエア 170ps、1.6JTDM-2 105ps、2.0JTDM-2 140ps、2.0JTDM-2 170ps
トランスミッション:6MT、TCT(ただし1.4TBマルチエアと2.0JTDM-2の170ps仕様のみ)

上級グレード[編集]

  • エクスクルーシブ
エンジン:1.4TBマルチエア 170ps、1.6JTDM-2 105ps、2.0JTDM-2 140ps、2.0JTDM-2 170ps
トランスミッション:6MT、TCT(ただし1.4TBマルチエアと2.0JTDM-2の170ps仕様のみ)

スポーツモデル[編集]

  • クワドリフォリオヴェルデ
エンジン:1750TBは直噴ガソリンターボエンジン
トランスミッション:6MTのみ


日本で設定されている(た)グレードは、次のとおり。

2013モデル

ベーシックグレード[編集]

  • スプリント
エンジン:1.4マルチエア
トランスミッション:アルファTCT(6速デュアルクラッチトランスミッション)のみ
全グレード共通装備に加え、16インチアルミ&タイヤ、ハロゲンヘッドランプ、ファブリックシート、6スピーカーオーディオなどを装備
右ハンドルのみ

中間グレード[編集]

  • クラシカ
エンジン:1.4マルチエア
トランスミッション:アルファTCTのみ
スプリントに17インチアルミ&タイヤ、バイキセノンヘッドランプ、本皮革シート、パワーシート、パドルスイッチ(パドルシフト)などを装備
右ハンドルのみ
  • コンペティツィオーネ
エンジン:1.4マルチエア
トランスミッション:アルファTCTのみ
スプリントに本皮革/ファブリックコンビシート、ブレンボ製キャリパー、ダーク色ハウジング・バイキセノンヘッドランプ、プライバシーガラス、アルマイト仕上げドアミラーハウジング、17インチアルミ&タイヤ、サイドスカート、スポーツサスペンションなどを装備
右ハンドルのみ
  • スポルティーバ
エンジン:1.4マルチエア
トランスミッション:アルファTCTのみ
コンペティツィオーネに18インチアルミ&タイヤ、専用エンブレム、クアドリフォリオキッキングプレート、本皮革シートなどを装備
右ハンドルのみ

上級グレード[編集]

  • クアドリフォリオ ヴェルデ
エンジン:1.8ガソリンターボ
トランスミッション:6MTのみ
スポルティーバに1.8Lターボエンジン、18インチアルミホイール&タイヤ、BOSE製オーディオシステム、ツインエキゾーストパイプなどを装備する半面、1.4L全車に標準装備のスタート&ストップシステムが省かれる
左・右ハンドルの設定あり


2014モデル

ベーシックグレード[編集]

  • スプリント
エンジン:1.4マルチエア
トランスミッション:アルファTCTのみ
2013モデルのスプリントに17インチアルミ&タイヤ、バイキセノンヘッドランプ、パドルスイッチ(パドルシフト)などを装備しながら、価格を引き下げた。
右ハンドルのみ

上級グレード[編集]

  • スポルティーバ
エンジン:1.4マルチエア
トランスミッション:アルファTCTのみ
2013モデルのスポルティーバにアルカンターラシートを装備し、レザーシートをオプション設定しながら、価格を引き下げた。
右ハンドルのみ

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ザガートが車体設計と組立を担当。
  2. ^ 粗悪なソ連製の材を加工前にざらしにしたあげく、防錆処理も十分に行なわれなかったアルファスッドの悪評を払拭するため。これにかぎらず、ノルド系(ミラノ産)はスッド系に対し、採算度外視とも思える設計や仕上げが多く見られる。
  3. ^ 生産は、広州汽車との合弁による、湖南省長沙市en:GAC Fiat


   

外部リンク[編集]