アルファロメオ・155

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アルファロメオ・155
フロント
リア
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 FF/4WD
パワートレイン
エンジン 2.0L DOHC 直4 NA
2.0L DOHC 直4 ターボ
2.5L SOHC V6 NA
変速機 5速MT
サスペンション
サス前 ストラット
サス後 トレーリングアーム
車両寸法
ホイールベース 2.540mm
全長 4,445mm
全幅 1,695mm(V6モデルは1,730mm)
全高 1,440mm(V6モデルは1,425mm)
車両重量 1,310~1,490kg
その他
姉妹車 フィアット・テムプラ
ランチア・デドラ
系譜
先代 アルファロメオ・75
後継 アルファロメオ・156
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アルファロメオ・155Alfa Romeo 155)は、イタリアの自動車会社アルファロメオ1992年から1997年まで製造、販売していたFF/4WD駆動4ドアセダン型の乗用車である。後輪駆動車の75の後継にあたる。

概要[編集]

フィアット系3社(フィアット、ランチア、アルファロメオ)の小型セダン開発プロジェクト「ティーポ3」により開発され、当初から小型ハッチバック開発プロジェクト「ティーポ2」とともに進められ、基本骨格の共通化が図られた。そのためフィアット・ティーポとシャーシを共有するフィアット・テムプラランチア・デドラとは兄弟車種にあたり、駆動方式も基本的にFFである。兄弟車種と異なり、ボディタイプはセダン1種のみであり、変速機も販売終了までMTのみであった[1]

デザインは、内外装共にI.DE.A(チーフデザイナーはエルコーレ・スパーダ)が担当した。イタリア・ツーリングカー選手権用に開発されボディ下半分の形状が異なるGTAはシンテシス・デザインが担当した。

1995年に大幅なマイナーチェンジを受け、全車ワイドボディーとし、グレードはラグジュアリー仕様のスーパーとスポーティ仕様のスポルティーバが設定された(それまでのボディーをナローボディーと呼ぶ)。同時に2.0L ツインスパーク8Vは、鋳鉄製のフィアット系モジュラーエンジンに伝統のツインスパーク仕様のシリンダーヘッドを搭載してマルチバルブ化した2.0L ツインスパーク16Vに変更された。しかし兄弟車種との差別化が不十分とみなされ、セールスはふるわず、1998年に生産を終了。後継車は156

日本での155[編集]

日本では1992年に発売。以前のアルファスッド、アルファ75などに比べると信頼性も向上したことから、日本での販売は比較的良好であり、マニアだけでなく、一般大衆からの人気も上々であった。日本でのアルファロメオ人気の中興の祖とみなすこともでき、一説には155の販売次第では日本市場からの撤退も検討されていたといわれる。

日本仕様車はオールアルミ製2リッター直列4気筒DOHC8バルブエンジンを搭載した2.0L ツインスパーク8Vと、デルタ・HF・インテグラーレのエンジン(2リッター+ターボ)と四輪駆動の駆動系を移植したQ4の2種類。1993年にABSを、1994年にはエアバッグとサイドインパクトバーが装備された。ヘッドライトは本来、プロジェクター式であるが、当初は運輸省の認可が下りず、1992年に販売された物にはハロゲン式が装着されていた(その後1993年1月に認可が下り、その際にキャンペーンとしてプロジェクター式に換装されている)。

1995年のマイナーチェンジ後は、日本仕様車は2.0L ツインスパーク16Vスーパーとオールアルミ製2.5リッターV型6気筒のエンジンを搭載した2.5L V6スポルティーバ、及びワイドボディー化されたQ4の3車種となった(Q4はその後販売台数の減少に伴い、廃止となった)。また、1996年には2.0L ツインスパーク16Vスーパーに変えて2.0L ツインスパーク16Vスポルティーバが導入された。

その他、限定車として1996年に250台限定のV6リミテッドバージョン(2.5L V6スポルティーバをベースにツェンダー社製エアロパーツ、レカロ社製シートを装備。ホイールを白色。ボディーカラーはアルファレッドのみ)、1998年には販売終了を記念した特別仕様車(それぞれのベース車にシリアルプレートを付けた物)がV6-250台、ツインスパーク-500台が販売された。

モータースポーツ[編集]

モータースポーツではアルファコルセによる改造車が各国のツーリングカーレースに参戦した。1992年には155GTAがイタリア・ツーリングカー選手権(CIVT)を制覇し、1993年155V6 TIに乗るニコラ・ラリーニドイツツーリングカー選手権(DTM)、1994年は155TSに乗るガブリエル・タルキーニイギリスツーリングカー選手権(BTCC)を制している。

日本でも全日本ツーリングカー選手権(JTCC)にスポット参戦し、ジャンバティスタ・ブージがドライブした。1995年には元F1ドライバーのジョルジオ・フランシアもスポット参戦している。

脚注・出典[編集]

  1. ^ 当初はATも投入される計画があったが、レース車両開発が影響し頓挫した。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]