ランチア・デルタ
デルタ(Delta )は、イタリアの自動車会社、ランチアが製造するハッチバック型の乗用車。ランチアの草創期1911年にも「デルタ」という車種が存在したが、ここでは1979年発表のモデル以降を記述する。
目次 |
第1世代 [編集]
| ランチア・デルタ(第1世代) | |
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デルタGT ie
HF turbo
デルタHFインテグラーレ コレッツィオーネ
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| 販売期間 | 1979年 - 1995年 |
| デザイン | イタルデザイン |
| 乗車定員 | 5人 |
| ボディタイプ | 5ドア ハッチバック |
| エンジン | (エンジンはすべて直列4気筒) 1.3L SOHC 1.5L SOHC 1.6L DOHC 1.6L DOHCターボ 1.8L DOHCツインチャージャー 1.9L DOHCターボディーゼル |
| 変速機 | 5速MT/3速AT(LXの1.5L仕様) |
| 駆動方式 | FF 4WD |
| サスペンション | 前:独立 マクファーソンストラット コイル 後:独立 マクファーソンストラット コイル |
| 全長 | 3,885mm(GT) 3,900mm(インテグラーレEvo) |
| 全幅 | 1,620mm(GT) 1,770mm(インテグラーレEvo) |
| 全高 | 1,380mm(GT) 1,365mm(インテグラーレEvo) |
| ホイールベース | 2,475mm(GT) 2,480mm(インテグラーレEvo) |
| 車両重量 | 975kg(GT) 1,350kg(インテグラーレEvo) |
| -自動車のスペック表- | |
ランチアは、フィアットに吸収される前1972年までフルヴィアを、フィアット吸収後の1972年~1980年にはベータという車種を製造しており、1979年発表のデルタもその流れを汲んだものである。先代のベータがセダン、クーペ、ステーションワゴンからオープンカー、ミッドシップまで豊富なボディバリエーションを持っていたのに対して、デルタは5ドアハッチバックのみであった。[1]
当時の欧州では、1975年に発表されたフォルクスワーゲン・ゴルフが非常に大きな人気を博しており、2ボックス車に勢いがあった。デルタは、フィアットから先に発表されたリトモに引き続き、この流れに乗るべく投入された。スタイリングは、ゴルフを手がけたジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタルデザインが担当し、大衆車然としたゴルフに対し、人工皮革のアルカンターラを多用した上品な内装によって「小さな高級車」を目指している。
ボディサイズは、全長3,885mm×全幅1,620mm×全高1,380mm、ホイールベースは2,475mm。普及モデルのヘッドランプは写真のとおり角形2灯であるが、グループAのホモロゲーションモデルとなったHF 4WD以降の高性能モデルは丸形4灯となっている。
駆動方式は前輪を駆動。エンジンは全て横置き直列4気筒で、SOHCの1.3L、1.5L、DOHCの1.6L、1.6Lターボのガソリンエンジンと、1.9Lターボのディーゼルエンジンが設定された。特別なモデルとして、DOHCの2.0LターボでガソリンエンジンのHF 4WD、HF インテグラーレと呼ばれるフルタイム4WDモデルも設定されている。このDOHCエンジンは、アウレリオ・ランプレディの設計でフィアットが多用したタイミングベルト駆動のツインカムユニット、通称「ランプレディ・ユニット」が採用されている。1980年にヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。1993年に発表された2世代目のデルタ(通称デルタII)が後継車種となる。
バリエーション [編集]
- LX
1.3Lと1.5Lのガソリンエンジンを積むレギュラーモデル。1.5には3速ATの設定もあった。
- GT
1.3L、1.5L、1.6L DOHCの各エンジンがあり、アルカンタラ内装も選べる上位モデル。
- TD
1.9Lターボディーゼルエンジン搭載車。最高出力は80PS(59.7kW)/4,200rpmながら、17.5kg-m(172Nm)/2,400rpmの低回転、高トルクを出力。
- HFターボ
130PS(97kW)のDOHC 1.6Lターボエンジンを積むモデル。[2]
- S4
1985年当時の世界ラリー選手権であったグループBのレース用車両および、その出場権獲得(ホモロゲーション)用の市販モデル。エンジン、シャシ共にデルタとは全く関連性がなく、デルタの販売促進のためにデルタとある程度似た姿と名前となった。全長4,005mm×全幅1,800mm×全高1,500mm、ホイールベースは2,440mmとなっている。エンジンは1.8L 4気筒DOHCスーパーチャージャー+ターボのガソリンエンジンで、それをシャーシ中ほどに縦置きし、4輪を駆動するミッドシップフルタイム4WDであった。詳しくは「ランチア・デルタS4」を参照のこと。
- HF 4WD
1986年をもって廃止されたグループBに代わり、世界ラリー選手権となったグループAのレース用車両および、その出場権獲得用の市販モデル。ファミリーカーであるデルタを、167PS(123kW) のDOHCターボエンジンとトルセンセンターデフを用いたフルタイム4WDにしたスポーツモデル。
- HFインテグラーレ
1988年に設定。上記のHF4WDが「HF インテグラーレ」となり、フェンダー形状もブリスターフェンダーと呼ばれる、張り出したものとなった。最高出力は185PS(136kW)。
- HFインテグラーレ16v
1989年に設定。4気筒DOHC2.0Lターボエンジンを16バルブ化し最高出力は200PS(147kW)に達した。この変更に伴いそれまでのモデルは「8V」と呼ばれるようになった。大型化したエンジンのクリアランスのため、16V以降のボンネットは盛り上がった形に変更されている。このモデルからライト周辺にも通気穴が開けられ、フロントバンパー周辺にも可能な限りの通気穴を開けられた。これはWRCへの対策のため。また、駆動系もFF寄りだった駆動配分をFR寄りの前44:後56に設定し直され、拡大したトレッド、短いホイールベース、インチアップしたタイヤなどと相まって回頭性とコーナリング能力が大幅向上している。
- HFインテグラーレ16vエヴォルツィオーネ
1992年にはエボリューションモデルである「HFエヴォルツィオーネ」が設定。各部の改良強化とともにボディデザインが大幅に変更され、最高出力も210PS(154kW)となった。車体剛性が向上し、リアドアパネルと一体化されたブリスターが外観上の特徴となった(エヴォルツィオーネ以前はブリスターフェンダーとドアパネルを溶接している。)。このモデルから国内でいう「3ナンバーボディ」となり、足周りではピロボール式リンクなどの装備が搭載され、また5穴ハブに変更、角度調整のできるリアスポイラの標準装備化などがあげられる。ボンネットの張り出しはいっそう拡大し、ボンネット前部左右に更に小型のエアスクープが追加されている。フロントブリスターフェンダーの後ろ側にはブレーキ周りの排熱を効率よく排出するためのダクト(市販車ではダミーパネルとなっている)が追加されている。なお、世界ラリー選手権5連覇の記念として、マルティニカラーストライプの限定車、「HFインテグラーレV」(5)が発売された。後にダークグリーンメタリックの「ヴェルデ・ヨーク」を発表。
- HFインテグラーレ16vエヴォルツィオーネII
1993年に発売。完全な独立モデルとして継続販売されたが、ラリーへの投入機会は無い。燃料噴射がシーケンシャルとなり、最大出力は215PS(158kW)となった。エヴォルツィオーネIと同形状のホイールだが15インチから16インチに変更されている。 1994年、車体色を黄色とした220台限定の「ジアッラ」(黄色)と青メタリックに黄色のピンストライプの「ブルー・ラゴス」を発表(台数は215台)。内装色はベージュとなる。 1995年、最終ロットの限定車は、「ディーラーズ コレクション」と、日本市場向け「コレッツィオーネ」(コレクション、正式名称ランチア・デルタ・アッカエッフェ・インテグラーレ・エボルツィオーネ・ドゥエ・コレツィオーネ・エディツィオーネ・フィナーレ)となった。紅の車体の上面に、ランチアカラーの青と黄色のストライプを配したものとなった。コレッツィオーネの販売台数は、当初200台の予定であったが、受注に対応し250台へ変更された。
第2世代 [編集]
| ランチア・デルタ(第2世代) | |
|---|---|
| 販売期間 | 1993年 - 1999年 |
| デザイン | I.DE.A |
| 乗車定員 | 5人 |
| ボディタイプ | 3ドア ハッチバック 5ドア ハッチバック |
| エンジン | (エンジンはすべて直列4気筒) 1.6L SOHC 1.6L DOHC 1.8L DOHC 1.9L DOHC ディーゼル 2.0L DOHC 2.0L DOHC ターボ |
| 変速機 | 5速MT・3速AT |
| 駆動方式 | FF |
| サスペンション | 前:独立 マクファーソンストラット コイル 後:独立 トレーリングアーム コイル |
| 全長 | 4,011mm |
| 全幅 | 1,703mm 1,759mm(HF) |
| 全高 | 1,430mm |
| ホイールベース | 2,540mm |
| 車両重量 | 1,130kg 1,330kg(HF) |
| -自動車のスペック表- | |
1993年に先代デルタの後継車種として、フィアット・ティーポ同様ティーポ2/3プロジェクトのひとつとして発表された。よってフィアット・テムプラやランチア・デドラ、アルファロメオ・155とは基本構造が同じであった。
ボディは5ドアハッチバックと3ドアハッチバック。ボディサイズは、全長4,011 mm×全幅1,703 mm×全高1,430 mm、ホイールベース2,540mm。先代同様にHFというスポーツモデルがあり異なったボディが設定されていた。フェンダーが張り出した分、全幅が1,759 mmとなる。エンジンは全て4気筒で、SOHCの1.6L、DOHCの1.6L、1.8L、2.0L、2.0Lターボのガソリンエンジンと1.9Lターボのディーゼルエンジン。それらをFF方式で駆動した。内外装ともにイタリアのデザイン会社I.DE.Aが担当した。販売的には先代デルタの印象があまりにも強く、さらに2代目とともに先代イングラーレの生産・発売が続いていたため、その陰に隠れてしまった感がある。日本でも数台がガレーヂ伊太利屋によって輸入、販売された。
1999年に生産終了。
第3世代 [編集]
| ランチア・デルタ(第3世代) | |
|---|---|
| 販売期間 | 2008年 - |
| デザイン | ランチア・チェントロ・スティーレ |
| 乗車定員 | 5人 |
| ボディタイプ | 5ドア ハッチバック |
| エンジン | 本文参照 |
| 変速機 | 6速MT・6速AT |
| 駆動方式 | FF |
| 全長 | 4,520mm |
| 全幅 | 1,797mm |
| 全高 | 1,499mm |
| ホイールベース | 2,700mm |
| -自動車のスペック表- | |
プロトタイプ「ランチア・デルタHPE」はランチア創立100周年を記念して2006年9月5日のヴェネツィア国際映画祭にて初公開され、直後のパリモーターショーにも出展された。生産型は2008年のジュネーヴモーターショーで公開され、同年6月に発売開始された。
全長4,520mm×全幅1,797mm×全高1,499mm・ホイールベースは2,700mmというCセグメントとDセグメントの中間サイズの5ドアハッチバックで、LEDを用いた方向指示器やグラスルーフ(グラン・ルーチェと呼ばれる)、2トーンカラーの塗色などのデザイン処理が行われている。内装もランチアが得意とするアルカンターラやポルトローナ・フラウ製の本皮シートを採用している。
エンジンは全てターボチャージャー付きで、当初はガソリン1.4L 120/150馬力、ディーゼル1.6L 120馬力の計3種類となるが、2.0L ディーゼル165馬力、1.9L ツインターボディーゼル190馬力/ガソリン直噴200馬力も追加される。トランスミッションはいずれも6段のマニュアル、シーケンシャル、そしてオートマチックが用意される。
新世代電動パワーステアリング「アブソリュート・ハンドリング・システム」「リネアリゼーション・トルク・フィードバック&トルク・トランスファー・コントロール」と称するトルクコントロール機能、電子制御サスペンション、さらには縦列駐車を容易にするセミオートマチック・パーキングシステム、車線維持システムなども装備される。
2010年の北米国際オートショーでは、フィアットグループ傘下に入ったクライスラーグループがデルタをクライスラーブランドで参考出品した。クライスラーとランチアを統合する方針に基づいたものである。2011年3月にはランチア版デルタのフェイスリフトが行われてジュネーヴモーターショーで披露されたが、前述の参考出品車に付けられていたクライスラー風のグリルが採用されている[3]。
2011年9月、イギリスにてクライスラー・デルタの販売が開始された[4]。ランチアはかつてイギリス市場から撤退していたため、クライスラーブランドで販売されることとなった。
日本では、かつてランチアの日本代理店であったガレーヂ伊太利屋によって少数ながら並行輸入されている。
関連項目 [編集]
脚注 [編集]
- ^ 1982年にデルタをベースとした3ボックス型の4ドアセダンが発表されたが、プリズマ(Prisma)という名前が与えられ、独立した車種となった。
- ^ ランチアのスポーツモデルに用いられる「HF」は「High-Fidelity」(Hi-Fi)の略で、「高品質でドライバーの意のままに(忠実に)操ることができるクルマ」の意味。
- ^ “2011 Lancia Delta Update Brings Chrysler Family Grille and New Diesel Engine”. Carscoop (2011年2月15日). 2011年11月4日閲覧。
- ^ “New Chrysler Delta Hatch Goes on Sale in the UK [71-Photos]”. Carscoop (2011年9月30日). 2011年11月4日閲覧。
外部リンク [編集]
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| 種類 | 1990年代 | 2000年代 | 2010年代 | ||||||||||||||||||||
| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | |
| ハッチバック | パンダ | パンダ | |||||||||||||||||||||
| 500 | |||||||||||||||||||||||
| ウーノ | プント | プント | グランデプント/プント・エヴォ/プント | ||||||||||||||||||||
| ティーポ | ブラビッシモ | ||||||||||||||||||||||
| Y10 | Y(イプシロン) | イプシロン | イプシロン | ||||||||||||||||||||
| ムーザ | |||||||||||||||||||||||
| デルタ | デルタ | デルタ | |||||||||||||||||||||
| セダン | テムプラ | ||||||||||||||||||||||
| クロマ | クロマ | ||||||||||||||||||||||
| デドラ | リブラ | ||||||||||||||||||||||
| テーマ | カッパ | テージス | テーマ | ||||||||||||||||||||
| ステーションワゴン | デドラ | リブラ | |||||||||||||||||||||
| テーマ | カッパ | ||||||||||||||||||||||
| ミニバン | ムルティプラ | ||||||||||||||||||||||
| クーペ/オープン | プント・カブリオ | ||||||||||||||||||||||
| バルケッタ | バルケッタ | ||||||||||||||||||||||
| クーペ・フィアット | |||||||||||||||||||||||
| カッパ | |||||||||||||||||||||||
| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | |