かっぱえびせん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
かっぱえびせん
Kappa Ebisen (Calbee).jpg
販売会社 カルビー
種類 スナック菓子
販売開始年 1964年1月1日
関係する人物 松尾孝
外部リンク http://www.calbee.co.jp/kappaebisen/
テンプレートを表示

かっぱえびせんは、カルビーが製造している小麦粉エビを主原料とするスナック菓子である。

概要[編集]

1955年に発売されたスナック菓子「かっぱあられ」に由来する。漫画家清水崑の代表作『かっぱ天国』のキャラクターのカッパをパッケージに起用したためにこの名称となった。かっぱあられの27番目の派生商品として、1964年に量り売り用一斗缶入りで「かっぱえびせん」を日本国内で発売開始。一斗缶入りでは湿気を吸いやすかったため売り上げは芳しくなかったが、湿気を防ぐため袋入りにしたところ人気商品となった。[1]

原料として使用されている小エビは当初は瀬戸内海産だったが、現在はグリーンランド近海・中国・日本産のアカエビサルエビキシエビホッコクアカエビの4種類で、製造時の漁獲量によって種類ごとの割合が変化する。パッケージに描かれているエビは一般的なエビのイメージを元にデザインされたもので、特に種の特定はされず、愛称も付けられていない[2]

歴史[編集]

カルビー創業者の松尾孝エビ天ぷらが好物で、少年の頃は生まれ故郷の広島市内ので捕ったエビをかき揚げにして食べていた[3]太平洋戦争後の食糧難の時代、松尾は「このおいしさをお菓子に」と、ではなく小麦粉を使ってあられを作り、1955年「かっぱあられ」として発売した。その後も研究を重ね、様々な味のかっぱあられを商品ラインナップに加えていき、1964年、生地に生エビを練り込んだ「かっぱえびせん」を誕生させた。

1969年のテレビCMで登場した「やめられない、とまらない」というキャッチコピー[4]も相俟って、かっぱえびせんはカルビー製菓(当時)の売上高を急激に押し上げる人気商品となった[5]

日本国内での成功を受け、1967年8月、松尾はかっぱえびせんを売り込むためアメリカ合衆国を訪れた。その際[6]、現地のメーカーが作っていたポテトチップスに着目し、後にカルビーは自社のポテトチップスを最主力商品に育てていくこととなる。1970年、同社はアメリカ合衆国に進出し、かっぱえびせんの現地生産を開始[7]。2008年時点でかっぱえびせんは、同国のほか中国タイ王国などで製造・販売が行われている[8]

2014年に発売開始50周年を迎えた。同年6月、かっぱえびせんの原点となる「かっぱあられ」シリーズの内、「味王将」(1963年発売。香ばし焼きしょうゆ味)と「かっぱの一番槍」(1963年発売。こんぶしお味)の2商品が期間限定で復刻販売された。なお、「味王将」はかっぱえびせんより先にエビを練りこんだスナック菓子であった。

フレーバー[編集]

1986年からシリーズ展開を開始し、通常の塩味以外にもフレンチサラダ味、ごま油風味、えびちりソース味、さくさくチーズ味、おつまみ海老、ピリピリマヨネーズ味、ローストガーリック味、辛一味醤油味、松茸風味、韓国のり味、香港バーベキュー味、タイスパイシーヤンミー味、タイトムヤム味、紀州の梅 焼きのり風味、本わさび味、辛口たまりしょうゆ味、荒挽きえびせん、柚子こしょう味、お茶づけ海苔味(永谷園との共同開発)、都こんぶ味(中野物産都こんぶとのコラボ)、ごはんですよ味(桃屋海苔佃煮とのコラボ)など数多くのフレーバーが発売された。

2007年9月下旬からは、ネット投票で再発売の要望が多かった2種類、「青じそ風味」「じんわり唐辛子」について期間・数量限定で再発売する[9]

2003年からは、幼児向けに油を使用せず、塩分を半分に減らした「1才からのかっぱえびせん」が発売されている。

なお最高級のかっぱえびせんは、「かっぱえびせん 匠海(TAKUMI)」という商品名で、年数回、通信販売限定で発売されている。かっぱえびせんの原点である「瀬戸内海産の海老」をふんだんに練りこみ、調味料として藻塩を使ったもので、広島工場で限定製造されている。

海外展開と類似商品[編集]

海外では、中華人民共和国本土と香港で「蝦條」(普通話xiātiáo広東語 ha1tiu4)の名で販売され、おなじみの商品となっており、広東省汕頭市に香港企業と合弁の工場も建てられた。一般名詞的な命名のためか、中国、台湾などで作られた、同じ名前のコピー商品も数多く出回っている。

日本では、天狗製菓が「えび天スナック」という、原材料や形状が類似した製品を販売している[10]

韓国では「セウッカン」(새우깡、「えびせん」の意)というパッケージまでそっくりのコピー商品がある。農心1971年12月に韓国で販売開始したもので、日本の一部の韓国食材店でも販売されている。味はかっぱえびせんよりやや薄口だが似ている。カルビーがパッケージに「カルシウム入り」や「ノンフライ」の表示を青色の濃淡の楕円形などで表示するとそれに合わせて、よく似たデザインを追加するなどの徹底ぶりである。2000年には、唐辛子味の「メウン セウッカン」(매운 새우깡、「辛いえびせん」の意)が発売された。中国にも工場があり生産販売されているが、2008年3月17日に「ノレバン セウッカン(노래방 새우깡、「カラオケ(パーティ用の)えびせん」の意)にの頭が混入しているのが発見され、製品を回収する事件があり、中国の工場で混入したと見られている。その際日本で輸入業者経由の商品が一時輸入停止状態になった。

また、タイでは「Hanami」、フィリピンでは「Oishi」(ブランド)という名でパッケージがそっくりのコピー商品が一般化している。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 成美堂出版編集部 編『ロングセラー商品の舞台裏』、成美堂出版、2010年7月、ISBN 978-4-415-30924-8
  2. ^ サイゾーウーマン:かっぱえびせんの原材料の"えび"は、なにエビですか?
  3. ^ 【カルビー かっぱえびせん】やめられないとまらないおいしさの秘密(男の浪漫伝説 Vol.27) | ドリームメール
  4. ^ このキャッチコピーについては、広告代理店「電通」大阪支社に所属していた藤島克彦が考案したという話を、藤島に師事した中島らもが語っていた。一方、栗本慎一郎が学生時代に考案したという説も唱えられているが、綱島理友『お菓子帖』(朝日新聞社、1995年、ISBN 978-4022610836)94-100頁によるとカルビーはこの説を否定しており、広告代理店のスタッフが述べた商品への感想がそのままキャッチコピーになったとしている。
  5. ^ 「ニッポン・ロングセラー考 Vol.010 かっぱえびせん」(『COMZINE』NTTコムウェア株式会社、2004年)によれば、1965年には同社で最も売れる商品になっていたという。一方、『読売新聞』1998年10月11日大阪朝刊33面によると、1968年に前述のキャッチコピーを使ったCMを流すまでは、他のかっぱあられと比べても特に売れる商品ではなかったという。
  6. ^ 『毎日新聞』2006年2月1日東京夕刊4面、『日本食糧新聞』2004年2月25日 より。ただし、藤岡健二「鮮度にこだわる製品管理で食品ビジネスの『常識』を変える」『日経ビズテック』No.009(日経BP社、2005年、ISBN 978-4822222406)によると松尾孝は、1967年11月に訪米した松尾雅彦(後の同社経営者)からの報告を受け、ポテトチップスに着目している。
  7. ^ 「ニッポン・ロングセラー考 Vol.010 かっぱえびせん」(『COMZINE』NTTコムウェア株式会社、2004年)より。
  8. ^ 「よくいただく質問にお答えします スナックについて」(カルビー株式会社)「Q7 日本のかっぱえびせんと海外で売っているかっぱえびせんは同じ味ですか?」より。
  9. ^ 2007年9月14日、日本経済新聞社
  10. ^ 【製品のご案内・えび天スナック】京都 西京極・天狗製菓株式会社、2012年5月14日閲覧。

外部リンク[編集]