一斗缶

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クリーニング溶剤が入った一斗缶

一斗缶(いっとかん)とは、尺貫法の単位である1(約18リットル)の容量を持つ、角形の金属のことを言う。

概要[編集]

一斗缶の現在の正式名称は'18リットル缶であるが、依然として「一斗缶」と呼ばれることが多い。

胴、地板の形状はJIS規格で統一されているが、天板は、利用目的に応じて形状が異なるため、公式に規定されていない。保存容器として、購入時とは別の内容物を詰めるなど、再利用(リユース)される場合も多い。

一斗缶の缶詰もあり、開けるには缶切を用いる。この缶切は一般的なものとは異なり、切れ味のいい刃が付いた、両手で扱う大型のものである。

2004年の出荷量は、1億8600万缶程度である[1]

5ガロンと18リットルを掛け合わせて、5月18日を「18リットル缶の日」とした[2]

名称の変遷[編集]

もともとは石油缶と呼ばれていたが、容量から一斗缶と呼ばれるようになり、戦後の一時期は5ガロンと呼ばれ、その後、18リットル缶が正式名称となった[1]

形状・容量[編集]

日本工業規格(JIS規格)Z1602-1995により、その形状が定められている。 天板、地板は一辺の長さが238.0±2.0mm、高さは349.0±2.0mm、質量は1140±60g、容量は19.25±0.45リットルと定められている。

規格の大元は、一斗=十升(約18.039リットル)を基準に考案されている。

外観[編集]

  • ブリキで造られた直方体の金属製の缶。内部は、内容物により樹脂によりコーティングされていることもある。
  • 内容物は業務用として流通するものが多いことから、外面に内容物や注意事項などがラベル印刷されていることが多い。
  • 内容物が液体の場合には、ブリキ製の丸いキャップがついている場合が多く、中央部を押して外側のツメを広げて開ける。開封されたことを確認できるように、ビニールカバーでキャップを覆ってあることも多い。キャップの裏側には、ボール紙ゴムパッキンがついていて、素材(や有無)で気密性が左右される。

利用[編集]

塗料[編集]

業務用として供される塗料溶剤は、一斗缶で販売されていることが多い。

食品[編集]

天板全体が蓋になっている一斗缶
  • 外食産業や加工食品の現場で利用する水煮などの食品、食用油醤油などの調味料などの容器として用いられる。
  • 乾燥した食品、せんべい、あられ、海苔など保管容器として使われる。この場合は、缶筒にぴったりはまる、四角い蓋付きの物が主に使用される。

灯油[編集]

1970年代までは灯油を入れる容器の代名詞であり、大抵の家庭で見かけることができた(1973年オイルショック時の報道写真ニュース映像中では、一斗缶で灯油を買い求める人々の姿を見ることができる)。

1980年代以降は、軽量で気密性の高いポリタンクの普及により用途としては急速に廃れた。だが、灯油用ポリタンクの容量に一斗缶に相当する容量18Lの製品が現在でも多数存在するのは、一斗缶が幅広く用いられていた名残である。

芸能[編集]

空の一斗缶もしくは、その蓋は、そのサイズによる視覚効果と頭などにぶつけた際の聴覚効果により(もちろん安全でもあるので)、喜劇・コントなどの小道具にしばしば使われる。また、プロレスラー凶器として使用することもあり、なかでもダンプ松本ブル中野極悪同盟が頻繁に使っていたほか、アジャ・コングが使う通称『アジャ缶』が著名。

スパリゾートハワイアンズでは、ファイヤーナイフダンスのリズムの演奏のため、一斗缶をたたく変わった使い方をする。

その他[編集]

  • 化学薬品やワックス洗剤農薬などの容器として用いられる。
  • 自動車の不凍液やブレーキ液などの容器として用いられる。

再利用[編集]

一斗缶をごみ箱として再利用?

缶内外部を洗浄して2級缶として流通することもあるが、洗浄業者の減少により流通量は激減している。

天板をくり抜いて、建設現場や工場などで灰皿やゴミ箱、たき火の炉などとして再利用される他、斜めに切って、ちりとりを作ることもある。各種工場や揚げ物を扱う店舗などでは、空になったものがそのまま廃油入れとして再利用される事も多い。

脚注ヘルプ[編集]

  1. ^ a b 歴史:18L缶について”. 全国18リットル缶工業組合連合会. 2012年2月16日閲覧。
  2. ^ 18リットル缶の日”. 全国18リットル缶工業組合連合会. 2012年2月16日閲覧。

外部リンク[編集]