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「ソバ」の版間の差分

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主に植物的特性と栽培に加筆。
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== 特徴 ==
== 特徴 ==
草丈は60130cmで、[[茎]]の先端に[[総状花序]]を出し、6mmほどの[[花]]を多数つける。花の色は白、淡紅、赤、茎の色は緑、淡紅、濃紅であり、鶏糞[[肥料]]のような臭いを放つ。[[果実]]の果皮色は黒、茶褐色、銀色である。主に実を食用にする。[[花粉]]の媒介は[[ミツバチ]]や[[ハナアブ]]類だけでなく吸血性アブ類によって行われている<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmez/55/0/55_0_45/_article/-char/ja/ 佐々木均、竹田洋介:吸血性アブ類のソバ授粉昆虫としての役割] 第55回日本衛生動物学会大会 セッションID: C06 一般講演 C01-21]</ref>。
草丈は60-130cmで、[[茎]]の先端に[[総状花序]]を出し、6mmほどの[[花]]を多数つける。花の色は白、淡紅、赤、茎の色は緑、淡紅、濃紅であり、鶏糞[[肥料]]のような臭いを放つ。[[果実]]の果皮色は黒、茶褐色、銀色である。主に実を食用にする。自家受粉植物であるが[[花粉]]の媒介は[[ミツバチ]]や[[ハナアブ]]類だけでなく吸血性アブ類によって行われている<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmez/55/0/55_0_45/_article/-char/ja/ 佐々木均、竹田洋介:吸血性アブ類のソバ授粉昆虫としての役割] 第55回日本衛生動物学会大会 セッションID: C06 一般講演 C01-21]</ref>。


ソバは、新たに作ったばかりの畑のような痩せた土壌やpH6程度までの酸性土壌でも成長し結実する。[[亜寒帯]]に属するような冷涼な気候、雨が少なかったり水利が悪かったりする乾燥した土地でも、容易に生育する。しかも、種まきをしてから2〜3ヶ月程度で収穫できることから、[[救荒作物]]として[[5世紀]]頃から栽培されていた。しかし他の主食となる作物と比較すると作付面積当たりの収穫量は依然として少ないままに留まっている(後述)。
種まきをしてから70-90日程度で収穫できることから、[[救荒作物]]として[[5世紀]]頃から栽培されていた。しかし他の主食となる作物と比較すると作付面積当たりの収穫量は依然として少ないままに留まっている(後述)。

ソバは、痩せた土壌やpH6程度までの酸性土壌でも成長し結実する。しかし、痩せた土地では結実するだけで収穫量は少ない。


日長反応の違いから、感光性が弱い夏型、強い秋型、両者の中間タイプの中間型があり、中間タイプはさらに夏型に近い中間型、秋型に近い中間型に分れる。さらに、栽培形態として、播種期の違いにより春播きの夏蕎麦と夏播きの秋蕎麦がある。
日長反応の違いから、感光性が弱い夏型、強い秋型、両者の中間タイプの中間型があり、中間タイプはさらに夏型に近い中間型、秋型に近い中間型に分れる。さらに、栽培形態として、播種期の違いにより春播きの夏蕎麦と夏播きの秋蕎麦がある。
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== 栽培 ==
== 栽培 ==
[[image:Rijpend Boekweit in Salland 2013.jpg|200px|thumb|登熟の異なる子実が混在している様子]]
日本の主産地北海道では年一作で、夏蕎麦、秋蕎麦の区別はない。つまり、北海道のソバは夏型であるが夏蕎麦ではない。東北以南では、いわゆる夏蕎麦、秋蕎麦に別れ、地域により年に2回、ないし3回収穫できる。例えば、北海道の夏型の牡丹そばを本州で夏播きした場合には秋蕎麦になる。北海道産品種は夏蕎麦にも秋蕎麦にも利用できる品種群である。そのため、北海道の新蕎麦も秋の味覚の走りとして最近は「秋新」と呼ばれる。また、最近、45月播種の春播きソバを春蕎麦と呼ぶ事例があるが、夏蕎麦の低質のイメージを回避した呼称であり、従来通り夏蕎麦と呼ばれるべき作型である。
[[image:Kooluil_Mamestra_brassicae_op_boerenkool_(Curly_kale).jpg|200px|thumb|主な害虫となる[[ヨトウガ]]の幼虫]]
[[亜寒帯]]に属するような冷涼な気候、雨が少なかったり水利が悪かったりする乾燥した土地でも、容易に生育するが、湿潤には極端に弱い<ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/110001742100/ 生育時期別過湿処理の差異が夏ソバの子実収量に及ぼす影響] 日本作物學會紀事 69(2), 189-193, 2000-06-05</ref>ため多くの圃場(農場)では、暗渠施設を施工したり傾斜地が選定される。また、日最低気温の平均値が17.5℃を越えると実に栄養が行かず結実率は顕著に低下するため、山間地や冷涼な気候の地域で栽培される事が多い。


収穫量を確保するために施肥は必須であり化学肥料のほかに緑肥として[[レンゲ]]を利用することもある<ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/110001740003/ 夏ソバに対する緑肥レンゲの有効性] 日本作物學會紀事 69(1), 24-30, 2000-03-05</ref>。しかし過度の施肥は葉だけが成長し開花数が少なくなり、収量の低下や食味の低下に繋がる。また、[[アレロパシー]]作用もある<ref>[http://dx.doi.org/10.3719/weed.45.Supplement_92 ソバのアレロパシーの検証と作用物質の分析] 雑草研究 Vol.45 (2000) No.Supplement P92-93</ref>。病害虫は少ないが栽培圃場では、[[ヨトウガ]]や[[モザイク病]]が問題になることもある<ref>[http://dx.doi.org/10.11337/ktpps1954.1973.21 ソバのモザイク病の病原ウイルス] 関東東山病害虫研究会年報 Vol.1973 (1973) No.20 P21</ref>。
元は救荒作物である事から安価で流通していたが、それゆえに[[1940年代]]から[[1960年代]]にかけての、いわゆる『[[緑の革命]]』による穀物の飛躍的収量増加の恩恵を受けておらず、現在では他の穀物よりも単位面積あたりの収量が低く、むしろ流通価格が比較的高価になっている。

子実(種子)の登熟は、開花からの日数(積算温度<ref>{{PDFlink|[http://www.ari.pref.niigata.jp/nourinsui/seika11/katuyou/05/p110205.pdf そば「とよむすめ」の播種適期と積算気温による収穫適期判定のめやす])新潟県農林水産業研究成果集(平成23年)</ref>によって決まるため、1本のソバの中に熟し具合(登熟度)の異なる物が混在し、開花が早く熟した実は落下し易い。そのため収穫時期の判断は難しく、高品位の実を収穫する為に全ての実の登熟を待つと収穫作業中に落下する実が多く発生するため、[[コメ]]や[[ムギ]]の様な機械化された収穫が困難と言う側面がある。しかし、落下による損失や早熟実の混入を有る程度容認すれば機械による収穫(刈り取り)は可能であり、コンバインやソバ刈機による収穫も行われている<ref>[http://dx.doi.org/10.11357/jsam1937.31.63 ソバのコンバイン収穫] 農業機械学会誌 Vol.31 (1969-1970) No.1 P63-64</ref><ref>{{PDFlink|[http://www.n-nourin.jp/ah/agrilink/hukyuu/tsushima/240totiriyou/h16/1116/gentikentou.pdf そば収穫機械現地検討会開催される]}}</ref>。

夏型・秋型それぞれに適した品種があり、品種が適さない時期に栽培した場合、収量の減少や品質の低下を招く。

日本の主産地北海道では年一作で、4-5月に種蒔きをし7-8月に収穫をする。東北地方などでは、4-5月に種蒔きをし7-8月(夏蕎麦)の収穫と、7-8月に種蒔きをし9-11月の収穫(秋蕎麦)が行われる。九州など温暖な地域では種蒔き時期を3-4月とすることで収穫量を確保した栽培も可能である<ref>[http://dx.doi.org/10.1626/jcs.68.39 西南暖地における夏ソバ栽培 : 播種期の違いが生育・収量に及ぼす影響] 日本作物學會紀事 Vol.68 (1999) No.1 P39-44</ref>。


例えば、北海道の夏型の牡丹そばを本州で夏播きした場合には秋蕎麦になる。北海道産品種は夏蕎麦にも秋蕎麦にも利用できる品種群である。そのため、北海道の新蕎麦も秋の味覚の走りとして最近は「秋新」と呼ばれる。また、最近、4-5月播種の春播きソバを春蕎麦と呼ぶ事例があるが、{{要出典範囲|夏蕎麦の低質のイメージを回避した呼称であり、従来通り夏蕎麦と呼ばれるべき作型である|date=2013年11月}}
[[1980年代]]より新品種の開発が加速化し、下記の品種群が開発されたが、[[蕎麦]]の原材料として食味が重視されており、それとの両立を図る必要があり、未だ収穫量の大幅向上には至っていない({{要出典範囲|ソバは75日程度で成熟する短期作物の故、やむを得ないという説明がなされる事もあるが、それが理由なら成熟期間を長期化させて収量増加を図る事もできるはずだが、そのような品種改良は行われていない|date=2013年11月}}。また、[[ジャガイモ]]など短期作物で収穫量の多い農作物は存在する)。


収穫後に高水分のまま放置すると、食味の低下やカビの発生を招くため速やかに乾燥をする必要があり、機械を使用した送風乾燥の場合は 30℃以下の送風が望ましいとされている。
[[水田|休耕田]]などを利用した栽培が増えているので、日本での生産量は増加傾向ではあるが、消費量の80%は輸入品であり、その84%が[[中華人民共和国]]、12%が[[アメリカ合衆国]]と続き、[[カナダ]]からの輸入は1.2%。日本での主要産地は[[北海道]]、[[山形県]]、[[長野県]]、[[茨城県]]である。世界での主要産国としては中華人民共和国、[[ロシア]]、[[ウクライナ]]、[[スロベニア]]が挙げられる。


== 語源 ==
== 語源 ==
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日本においては、縄文時代から食されていた<ref>[[現代ビジネス]]『中国4000年より深い「そば」の歴史9000年』「日本でソバの栽培。高知県内で9000年以上前の遺跡からソバの花粉が見つかり、当時からソバが栽培されていたと考えられている。」</ref>。麺状ではなく塊状の「[[蕎麦がき]]」・「そばもち」として食べられていたが、[[江戸時代]]中期には麺状にした「蕎麦」が発明され大流行した。
日本においては、縄文時代から食されていた<ref>[[現代ビジネス]]『中国4000年より深い「そば」の歴史9000年』「日本でソバの栽培。高知県内で9000年以上前の遺跡からソバの花粉が見つかり、当時からソバが栽培されていたと考えられている。」</ref>。麺状ではなく塊状の「[[蕎麦がき]]」・「そばもち」として食べられていたが、[[江戸時代]]中期には麺状にした「蕎麦」が発明され大流行した。


{{Main2|麺類・蕎麦料理など、ソバを原料にした食品については[[蕎麦]]を}}
{{Main2|麺類・蕎麦料理など、ソバを原料にした食品については[[蕎麦]]を、}}[[蕎麦殻]]も枕の内容物等に産業的に利用される。{{main|蕎麦殻}}


食用とされるのは実ばかりではなく、幼い[[茎]]や[[葉]]は、[[スプラウト]](新芽野菜)として[[サラダ]]の材料などとしても食用となる。このため、家庭でソバを栽培した時などは、間引きを行った時に、間引いたソバを野菜として利用することもある。また、ソバは[[蜂蜜]]の[[蜜源植物]]としても知られている。ソバの[[花]]からは黒色で鉄分が多く独特の香りを持つ蜂蜜が得られる。さらに食用以外にも利用され、ソバの実の殻(果皮)は比較的簡単に取ることが可能であり、これを[[蕎麦殻]]と呼ぶ。
食用とされるのは実ばかりではなく、幼い[[茎]]や[[葉]]は、[[スプラウト]](新芽野菜)として[[サラダ]]の材料などとしても食用となる。このため、家庭でソバを栽培した時などは、間引きを行った時に、間引いたソバを野菜として利用することもある。また、ソバは[[蜂蜜]]の[[蜜源植物]]としても知られている。ソバの[[花]]からは黒色で鉄分が多く独特の香りを持つ蜂蜜が得られる。さらに食用以外にも利用され、ソバの実の殻(果皮)は比較的簡単に取ることが可能であり、これを[[蕎麦殻]]と呼ぶ。
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ソバは、主に製粉して[[蕎麦粉]]として用いられる<ref>小原章裕、玉置ミヨ子 『食品科学』 p.83 三和書房 [[1996年]][[4月15日]]発行 ISBN 4-7833-0620-6</ref>。蕎麦粉は、ソバの実(種実)から殻([[果皮]])を除き(丸抜き)、[[種子]]の[[胚乳]]の部分を粉状にすることで作られている。こうして作られた蕎麦粉を、さらに加工、加熱して食用にする。しかしながら、粉状にはせずに利用されることもある。例えば、殻を剥いたそば米<ref group="注釈">ソバの種実を水に浸した後に蒸して、その後に乾燥させるという方法によって精白したものを、そば米と呼ぶ。</ref>は、[[カーシャ]]、[[そば茶]]に利用されたり、コメと混ぜて炊いて食べたりもする。
ソバは、主に製粉して[[蕎麦粉]]として用いられる<ref>小原章裕、玉置ミヨ子 『食品科学』 p.83 三和書房 [[1996年]][[4月15日]]発行 ISBN 4-7833-0620-6</ref>。蕎麦粉は、ソバの実(種実)から殻([[果皮]])を除き(丸抜き)、[[種子]]の[[胚乳]]の部分を粉状にすることで作られている。こうして作られた蕎麦粉を、さらに加工、加熱して食用にする。しかしながら、粉状にはせずに利用されることもある。例えば、殻を剥いたそば米<ref group="注釈">ソバの種実を水に浸した後に蒸して、その後に乾燥させるという方法によって精白したものを、そば米と呼ぶ。</ref>は、[[カーシャ]]、[[そば茶]]に利用されたり、コメと混ぜて炊いて食べたりもする。


また、ソバは[[焼酎]]の主原料としても使用されることがある。ソバが原料として使用された焼酎は[[焼酎#そば焼酎|そば焼酎]]と呼ばれるが、本項は植物体のソバを扱うので、詳細は[[焼酎]]を参考にされたい。
また、ソバは[[焼酎]]の主原料としても使用されることがあ[[焼酎#そば焼酎|そば焼酎]]と呼ばれる。{{main|焼酎}}

[[蕎麦殻]]も枕の内容物等に産業的に利用される。詳細は[[蕎麦殻]]を参考にされたい。


=== 成分と健康 ===
=== 成分と健康 ===
[[File:Fagopyrin.svg|thumb|ファゴピリンの構造式]]
[[File:Fagopyrin.svg|thumb|150px|ファゴピリンの構造式]]
[[ビタミンB]]群、[[ルチン]]などを多く含むとされ、健康食としてのイメージが強い。しかし、実や茎に[[ファゴピリン]](''fagopyrin'')という物質を含む為、食後に日焼けを伴う程度の[[紫外線]](日光)に当たった場合、[[光線過敏]]を起こす。
[[ビタミンB]]群、[[ルチン]]などを多く含むとされ、健康食としてのイメージが強い。しかし、実や茎に[[ファゴピリン]](''fagopyrin'')という物質を含む為、食後に日焼けを伴う程度の[[紫外線]](日光)に当たった場合、[[光線過敏]]を起こす。


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実や[[蜂蜜]]を含む食品の摂取や接触、粉末の吸引により、[[アナフィラキシー]]ショック等を伴う急性[[アレルギー]]症状を起こすことがある。従って、[[食品衛生法]]による[[アレルゲン]]の特定原材料5品目の一つとして表示が義務付けられている。
実や[[蜂蜜]]を含む食品の摂取や接触、粉末の吸引により、[[アナフィラキシー]]ショック等を伴う急性[[アレルギー]]症状を起こすことがある。従って、[[食品衛生法]]による[[アレルゲン]]の特定原材料5品目の一つとして表示が義務付けられている。
{{main|アレルギー}}
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{{-}}

== 流通 ==
[[image:Heljda.JPG|thumb|200px|殻を剥かれた玄ソバ]]
収穫後は十分な乾燥を経て殻付きのまま保管され、殻付き或いは殻を剥いた玄ソバや、製粉業者によって製粉加工されたものが流通する。

元は救荒作物である事から安価で流通していたが、それゆえに[[1940年代]]から[[1960年代]]にかけての、いわゆる『[[緑の革命]]』による穀物の飛躍的収量増加の恩恵を受けておらず、現在では他の穀物よりも単位面積あたりの収量が低く、むしろ流通価格が比較的高価になっている。

[[1980年代]]より新品種の開発が加速化し、下記の品種群が開発されたが、[[蕎麦]]の原材料として食味が重視されており、それとの両立を図る必要があり、未だ収穫量の大幅向上には至っていない({{要出典範囲|ソバは75日程度で成熟する短期作物の故、やむを得ないという説明がなされる事もあるが、それが理由なら成熟期間を長期化させて収量増加を図る事もできるはずだが、そのような品種改良は行われていない|date=2013年11月}}。また、[[ジャガイモ]]など短期作物で収穫量の多い農作物は存在する)。

稲作の転作作物として[[水田|休耕田]]などを利用した栽培が増えているので、日本での生産量は増加傾向ではあるが、消費量の80%は輸入品であり、その84%が[[中華人民共和国]]、12%が[[アメリカ合衆国]]と続き、[[カナダ]]からの輸入は1.2%。日本での主要産地は[[北海道]]、[[山形県]]、[[長野県]]、[[茨城県]]である。世界での主要産国としては中華人民共和国、[[ロシア]]、[[ウクライナ]]、[[スロベニア]]が挙げられる。


== 需給動向 ==
=== 日本 ===
=== 日本 ===
==== 作付面積 ====
==== 作付面積 ====
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==== 輸入 ====
==== 輸入 ====
第二次世界大戦以前に[[満州]]からの輸入が行われた<ref name="taiyo"/>。戦後、[[1952年]]に[[南アフリカ]]からの輸入が開始され<ref name="taiyo"/>その後は急激な伸びを続け、[[1970年]]頃には70%を超え、[[1980年]]頃に80%を超えてからは80%台を推移していた。日本国内でのソバ消費と生産の上方傾向によって[[2000年]]に輸入ソバが80%を切り、それ以降は輸入ソバが80%前後を推移している。近年の消費量の約80%は輸入品であり、[[2006年]]の貿易統計によると、中華人民共和国・63,363トン、アメリカ合衆国・11,196トンと万トン単位の輸入があるが、それ以下は極めて少なく、カナダ・1,474トン、その他となっている。
第二次世界大戦以前に[[満州]]からの輸入が行われた<ref name="taiyo"/>。戦後、[[1952年]]に[[南アフリカ]]からの輸入が開始され<ref name="taiyo"/>その後は急激な伸びを続け、[[1970年]]頃には70%を超え、[[1980年]]頃に80%を超えてからは80%台を推移していた。日本国内でのソバ消費と生産の上方傾向によって[[2000年]]に輸入ソバが80%を切り、それ以降は輸入ソバが80%前後を推移している。近年の消費量の約80%は輸入品であり、[[2006年]]の貿易統計によると、中華人民共和国・63,363トン、アメリカ合衆国・11,196トンと万トン単位の輸入があるが、それ以下は極めて少なく、カナダ・1,474トン、その他となっている。

===== 輸入に関する最近のトピック =====
===== 輸入に関する最近のトピック =====
* [[2003年]]2月 - 旧神居農協組合長が所得税法違反(脱税容疑)逮捕され、引き続き中国産の玄そばを江丹別産と偽って販売していたという不正競争防止法違反(原産地を誤認させる行為)容疑で再逮捕された。
* [[2003年]]2月 - 旧神居農協組合長が所得税法違反(脱税容疑)逮捕され、引き続き中国産の玄そばを江丹別産と偽って販売していたという不正競争防止法違反(原産地を誤認させる行為)容疑で再逮捕された。
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** 12月 - 中国から輸入されたソバから残留基準値を超える[[殺虫剤]]・[[メタミドホス]]が検出された。
** 12月 - 中国から輸入されたソバから残留基準値を超える[[殺虫剤]]・[[メタミドホス]]が検出された。
* [[2007年]]12月
* [[2007年]]12月
** 中国政府は、輸出奨励金(そば5%)を [[2008年]]3月以降廃止すると発表、[[2008年]][[1月1日]]から輸出する農産物57品目に520%の関税を賦課すると発表した(玄蕎麦は20%、抜き実は5%)。
** 中国政府は、輸出奨励金(そば5%)を [[2008年]]3月以降廃止すると発表、[[2008年]][[1月1日]]から輸出する農産物57品目に5-20%の関税を賦課すると発表した(玄蕎麦は20%、抜き実は5%)。
* [[2008年]]
* [[2008年]]
** 3月 - 松屋製粉が5月より外国産そば粉23円/kg値上げを発表。
** 3月 - 松屋製粉が5月より外国産そば粉23円/kg値上げを発表。
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* ポーランド:88,000ton
* ポーランド:88,000ton


ソバは主要作物でないため、各国において必ずしも正しい生産量の調査・統計がなされているとはいえない。特に中国では、統計が公表されていないため、正確な数量は把握できない。日本の農林水産統計は世界的にもその精確さが評価されているが、ソバ生産量としての総計されるのは2007年以降主要11道県の生産量のみとなっており、実生産数から23割程度除外された数量が公表される形になっている。
ソバは主要作物でないため、各国において必ずしも正しい生産量の調査・統計がなされているとはいえない。特に中国では、統計が公表されていないため、正確な数量は把握できない。日本の農林水産統計は世界的にもその精確さが評価されているが、ソバ生産量としての総計されるのは2007年以降主要11道県の生産量のみとなっており、実生産数から2-3割程度除外された数量が公表される形になっている。


近年、中国産玄ソバの輸入が減少傾向にあるが、これは加工品(抜き実)の輸入が増加しているためである。しかし、貿易統計では加工品として一括されるため、抜き実の正確な量は公表されていない。また、バイオ燃料などの影響により世界的に穀物の需給動向は変化している。
近年、中国産玄ソバの輸入が減少傾向にあるが、これは加工品(抜き実)の輸入が増加しているためである。しかし、貿易統計では加工品として一括されるため、抜き実の正確な量は公表されていない。また、バイオ燃料などの影響により世界的に穀物の需給動向は変化している。
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* {{PDFlink|[http://www.tokusanshubyo.or.jp/jouhoushi10/j10-07.pdf 日本におけるソバ育種の現状]}} 日本特産農作物種苗協会
* [http://www.nihon-soba-kyoukai.or.jp/index.html 社団法人 日本蕎麦協会]
* [http://www.nihon-soba-kyoukai.or.jp/index.html 社団法人 日本蕎麦協会]
* [http://www.niah.affrc.go.jp/disease/poisoning/plants/buckwheat.html ソバ] 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
* [http://www.niah.affrc.go.jp/disease/poisoning/plants/buckwheat.html ソバ] 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構

2013年11月28日 (木) 08:25時点における版

ソバ
ソバ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: タデ目 Polygonales
: タデ科 Polygonaceae
: ソバ属 Fagopyrum
: 普通種 F. esculentum
学名
Fagopyrum esculentum
和名
ソバ、普通ソバ、甘ソバ、和ソバ
英名
buckwheat, common buckwheat, sweet buckwheat

ソバ(蕎麦、学名 Fagopyrum esculentum)は、タデ科ソバ属一年草。一般に穀物は、イネ科単子葉類)であるのに対して、ソバはタデ科、つまり双子葉類である。このようにイネ科以外の穀類として、アマランサスヒユ科)、キヌアアカザ科)等があり、これらは擬穀類とよばれる。利用方法として、主にソバの実の製粉して蕎麦粉として利用し、それを用いた蕎麦)や蕎麦掻等を食用にする。

特徴

草丈は60-130cmで、の先端に総状花序を出し、6mmほどのを多数つける。花の色は白、淡紅、赤、茎の色は緑、淡紅、濃紅であり、鶏糞肥料のような臭いを放つ。果実の果皮色は黒、茶褐色、銀色である。主に実を食用にする。自家受粉植物であるが花粉の媒介はミツバチハナアブ類だけでなく吸血性アブ類によって行われている[1]

種まきをしてから70-90日程度で収穫できることから、救荒作物として5世紀頃から栽培されていた。しかし他の主食となる作物と比較すると作付面積当たりの収穫量は依然として少ないままに留まっている(後述)。

ソバは、痩せた土壌やpH6程度までの酸性土壌でも成長し結実する。しかし、痩せた土地では結実するだけで収穫量は少ない。

日長反応の違いから、感光性が弱い夏型、強い秋型、両者の中間タイプの中間型があり、中間タイプはさらに夏型に近い中間型、秋型に近い中間型に分れる。さらに、栽培形態として、播種期の違いにより春播きの夏蕎麦と夏播きの秋蕎麦がある。

原産地

原産地は、ド・カンドル中国北部からシベリアという説を提出し、これが信じられてきたが、1992年京都大学のグループが中国南部で野生祖先種 F. esculentum ssp. ancestraleを発見したことから、中国南部説が有力となっている。

栽培

登熟の異なる子実が混在している様子
主な害虫となるヨトウガの幼虫

亜寒帯に属するような冷涼な気候、雨が少なかったり水利が悪かったりする乾燥した土地でも、容易に生育するが、湿潤には極端に弱い[2]ため多くの圃場(農場)では、暗渠施設を施工したり傾斜地が選定される。また、日最低気温の平均値が17.5℃を越えると実に栄養が行かず結実率は顕著に低下するため、山間地や冷涼な気候の地域で栽培される事が多い。

収穫量を確保するために施肥は必須であり化学肥料のほかに緑肥としてレンゲを利用することもある[3]。しかし過度の施肥は葉だけが成長し開花数が少なくなり、収量の低下や食味の低下に繋がる。また、アレロパシー作用もある[4]。病害虫は少ないが栽培圃場では、ヨトウガモザイク病が問題になることもある[5]

子実(種子)の登熟は、開花からの日数(積算温度[6]によって決まるため、1本のソバの中に熟し具合(登熟度)の異なる物が混在し、開花が早く熟した実は落下し易い。そのため収穫時期の判断は難しく、高品位の実を収穫する為に全ての実の登熟を待つと収穫作業中に落下する実が多く発生するため、コメムギの様な機械化された収穫が困難と言う側面がある。しかし、落下による損失や早熟実の混入を有る程度容認すれば機械による収穫(刈り取り)は可能であり、コンバインやソバ刈機による収穫も行われている[7][8]

夏型・秋型それぞれに適した品種があり、品種が適さない時期に栽培した場合、収量の減少や品質の低下を招く。

日本の主産地北海道では年一作で、4-5月に種蒔きをし7-8月に収穫をする。東北地方などでは、4-5月に種蒔きをし7-8月(夏蕎麦)の収穫と、7-8月に種蒔きをし9-11月の収穫(秋蕎麦)が行われる。九州など温暖な地域では種蒔き時期を3-4月とすることで収穫量を確保した栽培も可能である[9]

例えば、北海道の夏型の牡丹そばを本州で夏播きした場合には秋蕎麦になる。北海道産品種は夏蕎麦にも秋蕎麦にも利用できる品種群である。そのため、北海道の新蕎麦も秋の味覚の走りとして最近は「秋新」と呼ばれる。また、最近、4-5月播種の春播きソバを春蕎麦と呼ぶ事例があるが、夏蕎麦の低質のイメージを回避した呼称であり、従来通り夏蕎麦と呼ばれるべき作型である[要出典]

収穫後に高水分のまま放置すると、食味の低下やカビの発生を招くため速やかに乾燥をする必要があり、機械を使用した送風乾燥の場合は 30℃以下の送風が望ましいとされている。

語源

古代日本語ではソバのことを「そばむぎ」、「くろむぎ」と呼んだ。「そばむぎ」は稜角(物のかど)を意味する古語「そば」と「むぎ(麦)」が複合した語で、角のある麦という意味である。後世には「そばむぎ」が略されて「ソバ」と呼ばれるようになった。ちなみに、「ブナ(橅)」の古名を「そばのき」、ブナの実を「そばぐり」というのは、その実の形状が一般のドングリと異なり稜角を持っていることに由来する。

同様に英語名の「buckwheat」、ドイツ語名の「Buchweizen」もまた、ブナと似た形の実を付ける小麦のような作物という意味を含む(英名「buckwheat」=「beech(ブナ、転じて『buck』の形)」+「wheat(小麦)」)。

また、ソバの異称の「くろむぎ(黒麦)」は平安時代以降は使われなくなり、後にライムギの異称として使われた。

利用

日本においては、縄文時代から食されていた[10]。麺状ではなく塊状の「蕎麦がき」・「そばもち」として食べられていたが、江戸時代中期には麺状にした「蕎麦」が発明され大流行した。

蕎麦殻も枕の内容物等に産業的に利用される。

食用とされるのは実ばかりではなく、幼いは、スプラウト(新芽野菜)としてサラダの材料などとしても食用となる。このため、家庭でソバを栽培した時などは、間引きを行った時に、間引いたソバを野菜として利用することもある。また、ソバは蜂蜜蜜源植物としても知られている。ソバのからは黒色で鉄分が多く独特の香りを持つ蜂蜜が得られる。さらに食用以外にも利用され、ソバの実の殻(果皮)は比較的簡単に取ることが可能であり、これを蕎麦殻と呼ぶ。

実または蕎麦粉

ソバは、主に製粉して蕎麦粉として用いられる[11]。蕎麦粉は、ソバの実(種実)から殻(果皮)を除き(丸抜き)、種子胚乳の部分を粉状にすることで作られている。こうして作られた蕎麦粉を、さらに加工、加熱して食用にする。しかしながら、粉状にはせずに利用されることもある。例えば、殻を剥いたそば米[注釈 1]は、カーシャそば茶に利用されたり、コメと混ぜて炊いて食べたりもする。

また、ソバは焼酎の主原料としても使用されることがありそば焼酎と呼ばれる。

成分と健康

ファゴピリンの構造式

ビタミンB群、ルチンなどを多く含むとされ、健康食としてのイメージが強い。しかし、実や茎にファゴピリンfagopyrin)という物質を含む為、食後に日焼けを伴う程度の紫外線(日光)に当たった場合、光線過敏を起こす。

アレルギー

実や蜂蜜を含む食品の摂取や接触、粉末の吸引により、アナフィラキシーショック等を伴う急性アレルギー症状を起こすことがある。従って、食品衛生法によるアレルゲンの特定原材料5品目の一つとして表示が義務付けられている。

流通

殻を剥かれた玄ソバ

収穫後は十分な乾燥を経て殻付きのまま保管され、殻付き或いは殻を剥いた玄ソバや、製粉業者によって製粉加工されたものが流通する。

元は救荒作物である事から安価で流通していたが、それゆえに1940年代から1960年代にかけての、いわゆる『緑の革命』による穀物の飛躍的収量増加の恩恵を受けておらず、現在では他の穀物よりも単位面積あたりの収量が低く、むしろ流通価格が比較的高価になっている。

1980年代より新品種の開発が加速化し、下記の品種群が開発されたが、蕎麦の原材料として食味が重視されており、それとの両立を図る必要があり、未だ収穫量の大幅向上には至っていない(ソバは75日程度で成熟する短期作物の故、やむを得ないという説明がなされる事もあるが、それが理由なら成熟期間を長期化させて収量増加を図る事もできるはずだが、そのような品種改良は行われていない[要出典]。また、ジャガイモなど短期作物で収穫量の多い農作物は存在する)。

稲作の転作作物として休耕田などを利用した栽培が増えているので、日本での生産量は増加傾向ではあるが、消費量の80%は輸入品であり、その84%が中華人民共和国、12%がアメリカ合衆国と続き、カナダからの輸入は1.2%。日本での主要産地は北海道山形県長野県茨城県である。世界での主要産国としては中華人民共和国、ロシアウクライナスロベニアが挙げられる。

日本

作付面積

休耕田などを利用した栽培が増えており、生産量は増加傾向にある。農林水産省の統計によると、ソバの作付面積は、1986年の19,600haから2008年では47,300haへ増加し、2008年の主産道県の収穫量は23,200トンである。2010年の作付面積は前年より2,300ha増加した。2011年農業者戸別所得補償制度の本格実施により作付面積は急増した。過去8年間の道府県別作付面積上位10位は以下のとおりである。

単位:ha
順位 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
1 北海道
14,800
北海道
16,800
北海道
16,400
北海道
16,800
北海道
16,500
北海道
14,900
北海道
15,400
北海道
19,300
2 福島県
3,350
山形県
3,200
山形県
3,250
山形県
3,430
山形県
3,920
山形県
4,090
山形県
4,110
山形県
4,670
3 山形県
2,980
福島県
3,070
福島県
2,970
福島県
2,990
福島県
3,300
福島県
3,190
福島県
3,450
福井県
3,950
4 長野県
2,650
青森県
2,830
青森県
2,780
青森県
2,880
青森県
2,910
福井県
2,730
福井県
3,260
福島県
3,750
5 青森県
2,460
長野県
2,600
長野県
2,640
長野県
2,580
福井県
2,710
長野県
2,680
長野県
2,960
長野県
3,630
6 茨城県
2,350
茨城県
2,340
茨城県
2,480
茨城県
2,550
長野県
2,660
青森県
2,430
茨城県
2,370
茨城県
2,680
7 新潟県
2,020
福井県
1,740
福井県
2,060
福井県
2,400
茨城県
2,280
茨城県
2,260
秋田県
2,090
秋田県
2,540
8 秋田県
1,850
新潟県
1,590
栃木県
1,590
栃木県
1,600
秋田県
2,010
秋田県
2,010
栃木県
1,860
栃木県
2,100
9 福井県
1,790
栃木県
1,580
新潟県
1,520
新潟県
1,430
栃木県
1,630
栃木県
1,690
青森県
1,810
青森県
1,940
10 栃木県
1,490
秋田県
1,430
秋田県
1,410
秋田県
1,420
新潟県
1,560
新潟県
1,450
新潟県
1,520
新潟県
1,590
国内
作付面積
43,500 44,700 44,800 46,100 47,300 45,400 47,700 56,400

生産量

過去8年間の生産量上位10道県は次のとおりである。2007年より、主産道県として、11道県のみが報告されるようになった。ソバが農業者戸別所得補償制度の戦略作物に指定されたことにより、2010年より全国の生産量が報告されるようになった。2011年、農業者戸別所得補償制度の実施により、収穫量が急増した。

単位:t
順位 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
1 北海道
7,650
北海道
15,600
北海道
14,200
北海道
12,900
北海道
11,400
北海道
7,000
北海道
11,100
北海道
11,400
2 福島県
2,410
茨城県
2,410
茨城県
2,880
茨城県
2,520
長野県
2,130
長野県
1,340
長野県
2,220
福島県
2,630
3 長野県
1,960
長野県
2,080
長野県
2,320
長野県
2,090
福島県
1,910
山形県
1,100
山形県
1,930
山形県
2,570
4 山形県
1,730
山形県
1,700
福島県
1,900
山形県
1,890
山形県
1,610
茨城県
1,080
福島県
1,860
長野県
2,400
5 茨城県
1,220
栃木県
1,220
福島県
1,600
栃木県
1,690
福井県
1,610
茨城県
1,600
福井県
1,060
福井県
1,730
茨城県
2,330
6 栃木県
1,280
山形県
1,620
栃木県
1,570
福井県
1,420
福島県
971
茨城県
1,640
福井県
1,940
7 福井県
627
鹿児島県
1,160
福井県
1,500
福島県
1,560
栃木県
994
栃木県
828
栃木県
1,400
栃木県
1,870
8 青森県
615
福井県
1,060
鹿児島県
1,380
青森県
720
秋田県
704
秋田県
669
鹿児島県
1,220
秋田県
1,020
9 秋田県
574
青森県
849
青森県
778
新潟県
684
新潟県
686
新潟県
551
新潟県
760
新潟県
890
10 新潟県
480
秋田県
586
秋田県
747
秋田県
582
青森県
611
青森県
510
岩手県
721
鹿児島県
775
主産県
生産量
26道県
20,400
26道県
31,200
26道県
33,000
11道県
26,300
11道県
23,200
11道県
15,300
29,700 32,000

輸出

第二次世界大戦以前にアメリカ合衆国等へ輸出が行われた[12]。乾めん等で世界各地へ輸出され[13]振興が図られている。

輸入

第二次世界大戦以前に満州からの輸入が行われた[12]。戦後、1952年南アフリカからの輸入が開始され[12]その後は急激な伸びを続け、1970年頃には70%を超え、1980年頃に80%を超えてからは80%台を推移していた。日本国内でのソバ消費と生産の上方傾向によって2000年に輸入ソバが80%を切り、それ以降は輸入ソバが80%前後を推移している。近年の消費量の約80%は輸入品であり、2006年の貿易統計によると、中華人民共和国・63,363トン、アメリカ合衆国・11,196トンと万トン単位の輸入があるが、それ以下は極めて少なく、カナダ・1,474トン、その他となっている。

輸入に関する最近のトピック
  • 2003年2月 - 旧神居農協組合長が所得税法違反(脱税容疑)逮捕され、引き続き中国産の玄そばを江丹別産と偽って販売していたという不正競争防止法違反(原産地を誤認させる行為)容疑で再逮捕された。
  • 2004年
    • 6月 - A製粉(札幌市)が「北海道産そば粉100%」と表示する商品に米国産の輸入そば粉を混ぜて売っていたことが発覚した。
    • 7月 - B製粉(札幌市)が北海道・幌加内産として製めん業者に卸したそば粉に、中国産を混入していたことが発覚した。
  • 2005年10月 - 中華人民共和国から輸入されたソバからカビ毒(マイコトキシン)であるアフラトキシンが検出された。
  • 2006年
    • 2月 - 日穀製粉(松本市)と松屋製粉(宇都宮市)の2社が業務用そば粉を値上げ。中国産玄そばの高騰並びに原油高によるコストアップがその理由である。
    • 12月 - 中国から輸入されたソバから残留基準値を超える殺虫剤メタミドホスが検出された。
  • 2007年12月
    • 中国政府は、輸出奨励金(そば5%)を 2008年3月以降廃止すると発表、2008年1月1日から輸出する農産物57品目に5-20%の関税を賦課すると発表した(玄蕎麦は20%、抜き実は5%)。
  • 2008年
    • 3月 - 松屋製粉が5月より外国産そば粉23円/kg値上げを発表。
    • 11月 - 世界的な穀物高騰を受けて、食料の国内供給優先政策を取ってきた中国が、食料の輸出制限措置を12月1日から緩和することが分かった。ソバ、トウモロコシの輸出暫定関税を撤廃する。
  • 2010年
    • 8月 - 松屋製粉(宇都宮市)は24日、10月出荷分から中国産ソバ粉を1キロ30円引き上げると発表し、最大手の日穀製粉(長野市)に続いた。最大3割の上げ幅となる。中国産原料の価格が高騰したため。
    • 10月 - ロシアが中国産玄ソバ(2010年産)大量買い付け。10月輸入された2010年産の国内卸価格は45キログラム5750円。9月(2009年産)に比べ3割高い。
  • 2011年
    • 3月 - 中国産玄ソバが29年ぶり高値(6,500円/45kg)。
    • 4月 - 米国産玄ソバの2011年産の日本向け播種前契約価格が、2010年産に比べて約3割の引き上げで決着。

世界

2007年の国別生産量。

  • ロシア:1,004,850ton
  • 中国:800,000ton
  • ウクライナ:160,000ton
  • フランス:117,148ton
  • ポーランド:88,000ton

ソバは主要作物でないため、各国において必ずしも正しい生産量の調査・統計がなされているとはいえない。特に中国では、統計が公表されていないため、正確な数量は把握できない。日本の農林水産統計は世界的にもその精確さが評価されているが、ソバ生産量としての総計されるのは2007年以降主要11道県の生産量のみとなっており、実生産数から2-3割程度除外された数量が公表される形になっている。

近年、中国産玄ソバの輸入が減少傾向にあるが、これは加工品(抜き実)の輸入が増加しているためである。しかし、貿易統計では加工品として一括されるため、抜き実の正確な量は公表されていない。また、バイオ燃料などの影響により世界的に穀物の需給動向は変化している。

品種

奨励品種

安定生産に寄与する道県の奨励品種として、以下のものがある。

  • 北海道
    • レラノカオリ
    • キタワセソバ
    • キタユキ
    • キタノマシュウ
    • 牡丹そば(よみ:ぼたんそば)
  • 青森県
    • 階上早生(よみ:はしかみわせ)
  • 岩手県
    • 岩手早生
    • 岩手中生(よみ:いわてなかて)
  • 山形県
    • 最上早生(よみ:もがみわせ)
    • でわかおり
  • 福島県
    • 会津のかおり
  • 新潟県
    • とよむすめ
  • 茨城県
    • 常陸秋そば
  • 長野県
    • 信濃1号
    • しなの夏そば
    • 開田早生
    • 信州大そば
  • 宮崎県
    • みやざきおおつぶ

在来種

在来種とは

在来種は、地域に適した品種とされるが、ソバの場合には、その土地の末尾に「在来」と記して在来種とする場合が多い。

長所として、

  • 希少価値のため高く取引される。
  • 特性が雑ぱくなため、特定の障害を回避することがある。

短所として、

  • 知的財産権が設定されないため品種や産地の偽装されやすい。
  • 組織的な採種がないため、特性が雑ぱくである。
  • 特性が雑ぱくなため、同一名称のものでも、食味に当たり外れがある。また蕎麦粉などの工業生産に損失が出る。

などの点が挙げられる。

在来種の一覧

独立行政法人農業生物資源研究所ジーンバンクに保存されている在来種一覧を示す。在来種は便宜上、収集された時点で、地名+「在来」とされたものであり、同一名称のものでも、同じ特性を持つとは限らない。また、収集地は明らかにされていることが多いが、由来等は不明であり、特性の保証はない。

  • 中込在来
  • 戸隠そば
  • 夏そば
  • 在来種(岩手本場)
  • 在来種(尾花沢)
  • 軽米在来
  • 九戸在来
  • 一戸在来
  • 岩手在来(御堂)
  • 滝沢在来
  • 外山在来
  • 宮城在来
  • 有平在来
  • 下深萩在来
  • 大野在来
  • 中妻在来
  • 富士ヶ丘在来
  • 花園在来
  • 原在来
  • 蛇穴在来
  • 大野平在来
  • 所谷在来
  • 葛生在来
  • 矢板在来
  • 益子在来
  • 徳島在来
  • 立川在来
  • 鹿屋
  • 有明
  • 滝沢在来
  • 来迎寺在来
  • 矢祭在来
  • 鳥越在来
  • 殿下在来
  • 妙高在来
  • 堀之内在来
  • 鹿沼在来
  • 番所在来
  • 戸隠在来
  • 開田在来
  • 安曇在来
  • 塩尻在来
  • 北設楽郡在来
  • 朝日在来
  • 伊予三島在来
  • 日吉在来
  • 高知在来
  • 立川在来
  • 三好在来
  • 木頭在来
  • 香川在来
  • 窪川在来
  • 海士在来
  • 大栄在来
  • 新見在来
  • 松浦在来
  • 福岡在来(甘木)
  • 北山在来(佐賀県)
  • 熊本在来
  • 宮崎在来
  • 在来種(串間市北)
  • 鯖江在来(片上産)
  • 金山在来
  • 西合志在来
  • 久木野在来
  • 井原市在来
  • 新見市在来


など多数。

ギャラリー

主な参考文献

  • 俣野敏子『そば学大全 日本と世界のソバ食文化』平凡社〈平凡社新書〉、2002年。ISBN 4-582-85152-5 
  • 小原章裕、玉置ミヨ子『食品科学』三和書房、1996年4月15日。ISBN 4-7833-0620-6 

出典

脚注

  1. ^ 佐々木均、竹田洋介:吸血性アブ類のソバ授粉昆虫としての役割 第55回日本衛生動物学会大会 セッションID: C06 一般講演 C01-21]
  2. ^ 生育時期別過湿処理の差異が夏ソバの子実収量に及ぼす影響 日本作物學會紀事 69(2), 189-193, 2000-06-05
  3. ^ 夏ソバに対する緑肥レンゲの有効性 日本作物學會紀事 69(1), 24-30, 2000-03-05
  4. ^ ソバのアレロパシーの検証と作用物質の分析 雑草研究 Vol.45 (2000) No.Supplement P92-93
  5. ^ ソバのモザイク病の病原ウイルス 関東東山病害虫研究会年報 Vol.1973 (1973) No.20 P21
  6. ^ {{PDFlink|そば「とよむすめ」の播種適期と積算気温による収穫適期判定のめやす)新潟県農林水産業研究成果集(平成23年)
  7. ^ ソバのコンバイン収穫 農業機械学会誌 Vol.31 (1969-1970) No.1 P63-64
  8. ^ そば収穫機械現地検討会開催される (PDF)
  9. ^ 西南暖地における夏ソバ栽培 : 播種期の違いが生育・収量に及ぼす影響 日本作物學會紀事 Vol.68 (1999) No.1 P39-44
  10. ^ 現代ビジネス『中国4000年より深い「そば」の歴史9000年』「日本でソバの栽培。高知県内で9000年以上前の遺跡からソバの花粉が見つかり、当時からソバが栽培されていたと考えられている。」
  11. ^ 小原章裕、玉置ミヨ子 『食品科学』 p.83 三和書房 1996年4月15日発行 ISBN 4-7833-0620-6
  12. ^ a b c 太平物産. “そばの歴史と関わり”. 2008年7月20日閲覧。
  13. ^ 神戸税関 (2005年2月25日). “「うどん、そうめん、そば」の輸出” ({{{1}}} (PDF)). 2008年7月20日閲覧。

注釈

  1. ^ ソバの種実を水に浸した後に蒸して、その後に乾燥させるという方法によって精白したものを、そば米と呼ぶ。

関連項目

外部リンク