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== 自動車等の走行クラッチ ==
== 自動車等の走行クラッチ ==
[[ファイル:Pedalerie Peugeot 206.jpg|thumb|200px|自動車運転席のペダル。左から'''クラッチペダル'''・[[ブレーキペダル]]・[[アクセルペダル]] ]]
[[ファイル:Pedalerie Peugeot 206.jpg|thumb|200px|自動車運転席のペダル。左から'''クラッチペダル'''・[[ブレーキペダル]]・[[アクセルペダル]] ]]
自動車をはじめ、陸上を走行する乗り物や作業機械原動機の動力を駆動輪に伝達する過程にクラッチを介している場合が多い。
自動車をはじめ、陸上を走行する乗り物や作業機械[[内燃関|エンジン]]の動力を駆動輪に伝達する過程にクラッチを介していて、エンジンを停止すことなく停車できるようにしてる。[[マニュアルトランスミッション]]を搭載した自動車や農業機械などではディスククラッチが利用されるのが一般的である


=== 乗用車・小型貨物車 ===
[[マニュアルトンスミション]]を搭載した自動車や農業機械で多くの場合、[[操縦席|運転席]]に備えられた足踏み式の[[クラッチペダル]]で操作される。また、ほとんどの場合には運転者から見て左端に配置されており、左足で操作を行う。ペダルを完全に踏み込んだ状態でクラッチ切れ、放した状態クラッチが繋がる。踏み加減を中間の状態にすると「[[半クラッチ]]」と呼ばれる、滑りながら動力を伝達する状態となる。発進するときやギアチェンジするとき急にクラッチを繋ぐと[[エンスト]]を起こしたり車体挙動が不安定になったりするため、半クラッチを利用することで滑らかにトルの伝達行うこができる。
マニュアルトランスミッションを搭載した乗用車や小型貨物車の場合、'''クラッチディスク'''({{lang-en-short|clutch disk}})と呼ばれる1枚の円板を'''クラッチカバー'''({{lang-en-short|clutch cover}})と呼ばれる圧着機構によって[[フライホイール]]に押しつけて挟む構造の乾式単板ディスククラッチが一般的に利用されている<ref name=masuda>{{cite book|和書|author=益田明|year=2008|title=ひとにやさしい自動車工学基礎講座 NO1自動車の歴史と構造|publisher=工学研究社|isbn=4876465444}}</ref>。クラッチディスクはトランスミッションのインプットシャフトに支持され、スプラインを介してトルクを伝達し、軸方向には自由に摺動できる<ref name=masuda/>。クラッチディスクの基部材である鋼板の両面には'''クラッチフェーシング'''({{lang-en-short|clutch cover}})と呼ばれる摩擦材が取り付けられていて、クラッチフェーシングの材質には繊維や金属粉を樹脂で成型したものが用いられている<ref name=masuda/>。古くは繊維材質のひとつとしてアスベストが用いられていた<ref name=masuda/>。クラッチフェーシングが取り付けられた鋼板と、スプラインを備えたハブとの間には'''トーションスプリング'''({{lang-en-short|torsion spring}})と呼ばれるバネが複数個あり、クラッチ接続時に生じる急激なトルクの変化を緩和している<ref name=masuda/>。クラッチカバーはフライホイールに固定され、エンジンと同じ回転速度で回転する。クラッチカバーにはクラッチディスクの片面にあるクラッチフェーシングと接触し面圧を与える'''プレッシャープレート'''({{lang-en-short|pressure plate}})やプレッシャープレートに圧着荷重を与える'''クラッチスプリング'''({{lang-en-short|clutch spring}})、ならびにそれらを支持し、動作させるための複数の部品が組み込まれ<ref name=masuda/>、これらを含んだサブアッセンブリをクラッチカバーと呼ぶ場合が多い。クラッチスプリングには乗用車や小型貨物車では'''ダイヤフラムスプリング'''({{lang-en-short|diaphragm spring}})と呼ばれる薄い円錐形状の板バネが用いられるのが一般的で、中央付近を軸方向に押す(あるいは引く)ことで円周部が逆方向に移動し、プレッシャープレートにかけた荷重を弱める<ref name=masuda/>。競技用に改造した自動車では摩擦材を変更したりクラッチプレートの枚数を増やすなどといった方法でクラッチ容量を強化する場合がある。またエンジンのトルク変化をよりダイレクトに伝達させるためにトーションスプリングを廃したクラッチプレートが利用される場合もある。


ラッは[[操縦席|運転席]]に備えられた足踏み式の[[クラッチペダル]]を踏み込むとクラッチが切、放した状態でクラッチが繋がる。る。ペダルは運転者から見て左端に配置され、左足で操作を行う通常る。踏み加減を中間の状態にすると「[[半クラッチ]]」と呼ばれる、滑りながら部分的に動力を伝達する状態となり、踏み加減を調整して滑りと伝達のバランスをとりながら滑らかに繋ぐ操作ができる。特に発進するにクラッチを繋ぐと[エンスト]]を起こしたり車体挙動が不安定になったりするため、半クラッチを利用して滑らかにクラッチ繋ぐ技能が必要る。
[[トルクコンバータ]]を搭載したATではトルクコンバータが流体クラッチとしての機能を併せ持っているため、MTのようなクラッチ自体が存在しない。ほかのATでは自動的にクラッチの操作が行われている。


マニュアルトランスミッションを搭載した種に、流体クラッチと摩擦クラッチ組み合わせて採用された例がある。三菱自動車は1980年に発売された4代目[[三菱・ギャランΣ]]のガソリンターボ車とディーゼルターボ車に「フルードカップリング」として採用しマツダは2代目[[マツダ・ルーチェ|ルーチェ・ロータリー]]や[[マツダ・パークウェイ|パークウェイ・ロータリー26]]などのロータリーエンジン車に「トルクグライド」として採用した。いずれも、通常の5速MTのパターンにATと同じく駐車用のPポジションが設けられている。{{要出典範囲|date=2015年10月|自動車競技に用いられる車両には円錐クラッチが用いられる例もある}}
エンジンをチューンしてパワーアップした乗用車では摩擦材を[[ブレーキパッド]]と同じメタル系の材質に替えたシングルプレートクラッチのほか、ツインプレートやトリプルプレートといった多板クラッチに換装することがある。こうしたクラッチ板は一般的に'''強化クラッチ'''と呼ばれている<ref>なお、こうした強化クラッチではクラッチ接続時のロスを極限まで減らすことや、クラッチ板自体の重量を軽量化する目的で一般的な単板クラッチで設けられているダンパースプリングを省略する場合がある。</ref>。ドゥカティや一時期のレーサーレプリカなどでは乾式多板クラッチを採用している車種もあり、クラッチが切れた状態ではカラカラと特徴的な音がする。エンジンオイルの攪拌抵抗を受けず交換が容易など、レースの世界ではメリットがあるが、耐久性に難があり[[ジャダー]]が出やすく、コストも手間もかかるので一般的ではない。またBMW、[[モト・グッツィ]]などの縦置きエンジン車は、四輪と同じ構造の乾式単板である。


[[オートマチックトランスミッション]]を搭載した乗用車では、摩擦クラッチをアクチュエーターによって自動的に断接する方式や、流体クラッチを利用した動力伝達が行われている。1900年代半ば以降は流体クラッチの発展機構である[[トルクコンバータ]]が広く普及した。また、主な動力伝達をトルクコンバーターで行い、流体クラッチに特有の伝達ロスを排除したい走行条件では自動的に断接する摩擦クラッチで伝達するロックアップ機構を備えたものが普及してる。
なお、自動車用として円錐クラッチを用いる例としては、[[カーレース|レース]]、[[ラリー]]あるいは[[エンデューロ]]等の競技車両がある。


シフトチェンジの操作を運転手が行いクラッチの動作を自動で行う、[[セミオートマチックトランスミッション]]を搭載した車種では、遠心クラッチや電磁摩擦クラッチ、あるいはバキュームアクチュエータで動作する摩擦クラッチが採用されている。クラッチ動作を自動で行う機構を発展させたトランスミッションとして、[[デュアルクラッチトランスミッション]]がある。
MT搭載車流体クラッチと摩擦クラッチ組み合わせて採用された例がある。三菱は主に{{要出典範囲|date=2014年11月|大トルクを発生するエンジンにおいてクラッチの繋がりをスムーズにする目的で}}、1980年に発売された4代目[[三菱・ギャランΣ]]のガソリンターボ車とディーゼルターボ車に「フルードカップリング」として採用した。マツダは{{要出典範囲|date=2014年11月|低回転域のトルクが弱いロータリーエンジンのトルク増幅効果を狙い}}、2代目[[マツダ・ルーチェ|ルーチェ・ロータリー]]や[[マツダ・パークウェイ|パークウェイ・ロータリー26]]などのロータリーエンジン車に「トルクグライド」として採用した。いずれも、通常の5速MTのパターンにATと同じく駐車用のPポジションが設けられている。

=== 自動クラッチ ===
{{main|セミオートマチックトランスミッション#自動クラッチ車|:en:Saxomat}}
オートマチックトランスミッションが普及する1960年代より以前には、マニュアルトランスミッションのシフト操作と連動してクラッチを自動的に動作させ、クラッチペダルを廃して'''2ペダル式'''とした車種が存在し、日本では'''オートクラッチ'''と呼ばれた。オートマチックトランスミッションの普及と共に一時は廃れたが、[[デュアルクラッチトランスミッション]]の実用化などにより、再び自動クラッチを採用する車種が増えている。[[マニュアルトランスミッション]]では'''オートクラッチ'''の名称で、[[昭和39年]]式[[スバル・360]]に初めて採用された<ref>[http://www.geocities.jp/misamima90/t04.htm オートクラッチ]</ref>。それ以外では[[スバル]]の[[ECVT]] (Electro Continuously Variable Transmission) に採用。オートクラッチはシフトノブの操作とクラッチ断続の電子制御を連動させる事で、''クラッチペダルを装備しない''操作体系である'''2ペダル式MT'''を実現、まだオートマチックトランスミッションが普及の途上にあった昭和40年代初頭においては、女性や足に負傷や[[身体障害|障害]]を持つ者であっても運転が容易な形式として、一定の需要を喚起する事となった。しかし、オートクラッチはオートマチックトランスミッションの技術の進歩、特に[[トルクコンバーター]]の効率向上と量産による製品価格の低廉化などが原因で、オートマチックトランスミッションに取って代わられる事となった。後にスバルはこの技術を応用してECVTの動力伝達機構として再起を図ったが、ECVTが採用された当時の技術では、通常のMT車で使うテクニックである[[半クラッチ]]の制御が不十分であり、低速走行においてはギクシャク感が目立ち、また上り道でブレーキを使わずにアクセルだけで停止したり、(特に[[スバル・サンバー]]においては)荷物の過積載で走行したりするなど、通常のAT車ではさほど問題とならないような運用であっても電磁クラッチにとっては大きな負担となり、電磁クラッチ部分の故障が頻発。通常の乾板クラッチと比較して部品代が高価であることもネックとなり、ECVTのイメージ悪化の一因となった。この点を反省点として、サンバー・ヴィヴィオのマイナーチェンジでは、一部グレードを除いて通常のATミッションに変更され、プレオ以降は、CVTミッションを全機種採用としながらもロックアップ付トルクコンバータを使用する方式に変更され (i-CVT)、電磁クラッチは今日では自動車のエンジン動力伝達機構としては用いられなくなっている。


=== オートバイ ===
=== オートバイ ===
マニュアルトランスミッションを搭載したオートバイでは複数のクラッチディスクとプレッシャープレートを交互に重ねて油の中に浸された、湿式多板ディスククラッチを採用する車種が多い。一部の車種では摩擦面に油が介在しない乾式多板ディスククラッチを採用する車種があるほか、縦置きエンジンを搭載した車種では乗用車と同様の乾式単板クラッチを採用する車種もある。乾式多板クラッチはエンジンオイルの攪拌抵抗を受けず交換が容易など、競技用としては利点があるが、耐久性や静粛性が低いため一般的ではない。クラッチが切れた状態ではカラカラと特徴的な音がする。[[ホンダ・スーパーカブ]]などに搭載される、クラッチ操作を不要としたマニュアルトランスミッションでは入力軸の回転によって生じる遠心力を利用してクラッチが繋がり、シフトペダルの操作によってクラッチが切れる機構を設けた湿式多板クラッチが採用されている。
一部の車両を除き、動力の接続は油圧またはワイヤーを介して左手レバーで操作する。ほとんどの車種はリターンスプリングが組み込まれた湿式もしくは乾式多板クラッチが用いられる。左手レバーを握るとクラッチが切れ、レバーの操作を途中で止めることで半クラッチ状態にできる。


創成期には四輪の自動車と同様に、手動レバーによる変速(ハンドシフト)と足踏み式クラッチの組み合わせが一般的だった。足踏み式クラッチの場合、操作方法の違いにより'''ロッカークラッチ''' ({{lang-en-short|Rocker Clutch}}) と'''ノンロッカークラッチ''' ({{lang-en-short|Non-Rocker Clutch}}) に区別される。いずれもレリーズシャフトを軸に揺動するペダル付きのレバーであるが、ロッカークラッチは軸の前後にペダルがありいずれか一方を踏んでクラッチを切り、もう一方を踏んでクラッチを繋ぐ。メーカーによって操作方法が異なり、たとえば[[ハーレー・ダビッドソン]]の場合、後ろのペダルを踏むとクラッチが切れ、足を離してもクラッチはつながらず、前を踏むことでクラッチが繋がる<ref>[http://www.harley-w.com/Clutch-shift.html ハーレーのクラッチ&シフト(ハンドシフトの仕組み)]</ref>。ノンロッカークラッチは軸の前か後ろの一方にのみペダルがあり、踏み込むとクラッチが切れ、足を離すとリターンスプリングの作用によりクラッチが繋がる。ハンドシフトと足踏み式クラッチの組み合わせは'''スーサイド・クラッチ'''([[自殺]]クラッチ、[[:en:Suicide clutch]])とも呼ばれる。
一部の車両を除き、動力の接続は油圧またはワイヤーを介して左手レバーで操作する。左手レバーを握るとクラッチが切れ、レバーの操作を途中で止めることで半クラッチ状態にできる。創成期には四輪の自動車と同様に、手動レバーによる変速(ハンドシフト)と足踏み式クラッチの組み合わせが一般的だった。足踏み式クラッチの場合、操作方法の違いにより'''ロッカークラッチ''' ({{lang-en-short|Rocker Clutch}}) と'''ノンロッカークラッチ''' ({{lang-en-short|Non-Rocker Clutch}}) に区別される。いずれもレリーズシャフトを軸に揺動するペダル付きのレバーであるが、ロッカークラッチは軸の前後にペダルがありいずれか一方を踏んでクラッチを切り、もう一方を踏んでクラッチを繋ぐ。メーカーによって操作方法が異なり、たとえば[[ハーレー・ダビッドソン]]の場合、後ろのペダルを踏むとクラッチが切れ、足を離してもクラッチはつながらず、前を踏むことでクラッチが繋がる<ref>[http://www.harley-w.com/Clutch-shift.html ハーレーのクラッチ&シフト(ハンドシフトの仕組み)]</ref>。ノンロッカークラッチは軸の前か後ろの一方にのみペダルがあり、踏み込むとクラッチが切れ、足を離すとリターンスプリングの作用によりクラッチが繋がる。ハンドシフトと足踏み式クラッチの組み合わせは'''スーサイド・クラッチ'''([[自殺]]クラッチ、[[:en:Suicide clutch]])とも呼ばれる。


[[CVT]]を搭載した車種では、遠心クラッチが採用されている。
小型エンジンや[[スクーター]]などの遠心クラッチは上記の制御のみで遠心クラッチの動作が行われているが、[[ホンダ・スーパーカブ]]に代表されるマニュアルトランスミッションのオートバイの場合には、さらに下記のような制御が加わった'''自動遠心クラッチ'''が用いられることが一般的である。
# 自動遠心クラッチの場合にはクラッチの構造自体は湿式多板クラッチと同様である。
# 原動機がアイドリング状態の時にはクラッチスプリングが湿式多板クラッチを押し広げ、伝達が遮断される。
# 湿式多板クラッチの外側には、クランクシャフトと共に回転するドライブプレートに取り付けられたクラッチウエイトが設けられている。
# 原動機の回転数が上がるとクラッチウエイトが遠心力で内側に倒れ込み、湿式多板クラッチを押し付けて動力が伝達する。
# 原動機の回転数が下がるとクラッチウエイトは垂直に起きあがり、伝達が遮断される。
# シフトチェンジの際には変速シャフトに連結されたクラッチカムがクラッチアウター全体を押し込み、強制的にクラッチを切る。
# シフトペダルを踏み続けると、いくら回転が上がっても倒れたクラッチウエイトが湿式多板クラッチに接触できなくなるため、伝達が遮断し続けられる。
# シフトペダルを少しずつ戻すことで徐々にクラッチカムが戻っていき、半クラッチ状態を起こす事が出来る。


== クラッチのメンテナンス ==
== クラッチのメンテナンス ==

2015年10月15日 (木) 06:28時点における版

自動車用乾式単板クラッチの模式図 : クラッチプレート(中央)はプレッシャープレート(右)のプレートスプリング(ダイヤフラムスプリング)に押さえつけられ、摩擦力により動力を伝達している。クラッチペダルの操作によりレリーズフォーク(クラッチレバー)の端部に荷重がかかり(黒色矢印)、レリーズベアリング(スラストベアリング)がプレートスプリングの中心付近を押すことでプレートスプリングによる圧着荷重が解放され、回転を遮断する。この図のレリーズフォークはプレートスプリングを原動機の方向に押す「プッシュ式」であるが、原動機から離す方向へプレートスプリングを引く「プル式」もある。

クラッチ: Clutch)は、2つの動力伝達軸の間で回転を伝達したり遮断したりする機械要素である[1]。機械的に噛み合う構造や摩擦力を利用した構造のほか、粘性や電磁力を用いる方式がある。

概要

クラッチは伝達元となる軸の回転させたまま、伝達先となる軸の回転を停止させる必要がある場合に用いられる。たとえば、電動モーターにより動作のきっかけを作り、定常運転中はモーターを動力として利用しない機械では、モーターが回転抵抗とならないようにクラッチを利用して回転を遮断する場合がある。また自動車などで原動機内燃機関を用いる場合、内燃機関は停車中も原動機の運転状態を維持し、発進時などに滑らかにトルクを伝達するために走行用のクラッチが利用される。あるいは1つの動力源から複数の要素を選択的に駆動する際にもクラッチが用いられて動力の伝達先が切り替えられる。

動力がまったく伝わっていない状態を「クラッチが切れている」と表現し、この状態にすることを「クラッチを切る」という。反対に、動力を完全に伝えている状態を「クラッチがつながっている」と表現し、この状態にすることを「クラッチをつなぐ」という。

種類

代表的なクラッチ
1.角型つめ
2.台形つめ
3.三角つめ
4.スパイラルつめ
5.のこ歯つめ
6.摩擦クラッチ(円盤)
7.摩擦クラッチ(円錐)
8.トルクリミッタ
9.ワンウェイ・クラッチ

クラッチの種類はトルクを伝達する機構や、切断と接続を切り替える方式により分類される。トルクの伝達には機械的な噛み合いや摩擦のほか、流体による伝達や磁力による伝達が利用される。断接機構には人力を油圧やリンク機構、コントロールケーブルを介して操作する方式や、ソレノイドや負圧アクチュエータにより動作する方式、クラッチ自身の回転で生じる遠心力を利用した方式がある。

噛み合いクラッチ

ドグクラッチ確動クラッチとも呼ばれ、互いに噛み合う爪により動力を伝達する方式である、爪の断面形状には矩形や三角形、台形などがあり、逆方向の回転にはトルクを伝達せずに噛み合わない形状としたものもある。滑ることなくトルクを伝達する一方、伝達トルクを調整することはできず、回転速度の差が大きい場合は互いの爪が弾き合って噛み合うことができない。

代表的な例としては常時噛み合い式マニュアルトランスミッションで軸と歯車の間でトルクを伝達するクラッチや自動式デフロックの内部の伝達機構、スターメーアーチャー社が開発した自転車用の内装変速機にて用いられている。

摩擦クラッチ

自動車用乾式クラッチディスク(クラッチプレート)の一例
(三菱4G63エンジン用)
摩擦材はメタル系。円周方向に6本のダンパースプリングが設けられた強化型クラッチである。
自動車用乾式クラッチカバーの一例
(三菱4G63エンジン用)
円錐クラッチの模式図:
1. 円錐(コーン): 雌円錐 (female cone)(緑), 雄円錐 (male cone)(青)
2. インプットシャフト: スプラインが刻まれており、雄円錐が前後移動する。
3. 摩擦材 : 雄円錐側に設けられ、摩擦で動力を伝達する
4. リターンスプリング : クラッチペダルを離すと、雄円錐を雌円錐側に押し戻す。
5. クラッチコントロール : クラッチペダルを踏む事で動力伝達が切られる。
6. アウトプットシャフト : エンジン側の動力を円錐クラッチに伝達する

摩擦力により動力を伝達するクラッチで、入力軸と出力軸の回転速度に差があっても、圧着荷重を調節することで滑りながらなめらかにトルクを伝達することができる。また、機械的に噛み合う構造ではないため、入力軸と出力軸の位相差に関わりなく接続が可能である。摩擦部が円板形状のディスククラッチ(: disk clutch)、円筒形状のドラムクラッチ(: drum clutch)、円錐形状の円錐クラッチ(: cone clutch)がある[2]。円錐クラッチは同じ外径で同じ圧着加重のディスククラッチと比べると面圧を高くでき、トルク伝達の許容量をより高くできる。また、摩擦面が潤滑油潤滑された湿式と、潤滑されない乾式があり、湿式は耐摩耗性や冷却性に優れ、潤滑油がクラッチ接続時の衝撃を吸収する。これに対して乾式は構造が単純で保守性が高く、潤滑油の粘性による動力の伝達が生じない。いずれの場合も急速にクラッチを接続した際のトルク伝達の衝撃を和らげるためにバネゴムによる衝撃吸収機構を備える場合がある。ディスククラッチの一種として、トルク伝達の許容量を保ったまま外径を小さくするため、複数の円板を交互に重ねた多板クラッチとする場合もある

ディスククラッチは自動車などの走行クラッチとして広く用いられている。このうち、湿式クラッチはオートバイで広く用いられているほか、一部の農業機械で用いられている。オートバイでは湿式多板クラッチを採用する場合が多い。乾式クラッチはマニュアルトランスミッションの自動車で広く用いられている。

円錐クラッチは戦前の自動車(フォード・モデルTなど)や戦車などの軍用車両のマニュアルトランスミッションで一般的であった。パワーボートでも円錐クラッチが用いられているほか、自動車のマニュアルトランスミッションに内蔵されるシンクロメッシュ機構に小型の円錐クラッチが用いられている。

遠心クラッチ

チェーンソーの遠心クラッチ。チェーンは遠心クラッチの外側に取り付けられたスプロケットにセットされる。

遠心クラッチ(: centrifugal clutch)はドラムクラッチの一種で、入力軸と共に回転するクラッチシューが遠心力によって、出力軸上のクラッチドラムへ押しつけられてトルクを伝える。入力軸の回転速度が下がって遠心力が弱くなると、内部に組み込まれているバネ(クラッチスプリング)の力によってクラッチシューがドラムから離れトルク伝達が遮断される。接続と遮断を入力軸の回転速度で行い、クラッチを独立して操作する必要がない。

オートバイやエンジン式刈り払器、エンジン式ラジコンヘリなどに採用されている。自動車の走行クラッチとしては、オートクラッチと呼ばれる形式の手動変速システムにおいて、サーブ・オートモービルen:Saxomatの商標でこの形式のクラッチが採用された[3]

電磁摩擦クラッチ

電磁摩擦クラッチ(: electromagnetic friction clutch)は摩擦クラッチの動作をソレノイドで行うものである。カーエアコンのコンプレッサにおいて、プーリーの回転を伝達、切断するクラッチとして採用されている。また、スーパーチャージャーを装備するエンジンで高回転域でスーパーチャージャーの駆動ロスを低減するために電磁クラッチが採用されている。伝達トルクを電流の強さで調節できることから、自動車の走行クラッチとして用いられた例もある。

流体クラッチ

液体で満たされた密閉容器の中に2つの羽根車が対峙しており、それぞれが入力軸と出力軸に連結されている。入力軸側の羽根車が回転して液体に流れを生じさせ、出力軸側の羽根車が液体の流れを受け止めて回転する。この原理を発展させて、流体の運動エネルギーを回生してトルクを増幅する機構を持ったものはトルクコンバータと呼ばれる。オートマチックトランスミッションを搭載した自動車の走行クラッチとして広く普及している。

ワンウェイ・クラッチ

ワンウェイクラッチは定められた一方向のみのトルクを伝達し、逆回転では伝達しない。

磁性粉体クラッチ

わずかな隙間で対向させた1対の円板などの間に磁性体の粉末を入れておき、磁力を作用させて回転を伝えるクラッチのことを電磁粉体クラッチと呼ぶ。

自動車等の走行クラッチ

自動車運転席のペダル。左からクラッチペダルブレーキペダルアクセルペダル

自動車をはじめ、陸上を走行する乗り物や作業機械ではエンジンの動力を駆動輪に伝達する過程にクラッチを介していて、エンジンを停止することなく停車できるようにしている。マニュアルトランスミッションを搭載した自動車や農業機械などではディスククラッチが利用されるのが一般的である。

乗用車・小型貨物車

マニュアルトランスミッションを搭載した乗用車や小型貨物車の場合、クラッチディスク(: clutch disk)と呼ばれる1枚の円板をクラッチカバー(: clutch cover)と呼ばれる圧着機構によってフライホイールに押しつけて挟む構造の乾式単板ディスククラッチが一般的に利用されている[4]。クラッチディスクはトランスミッションのインプットシャフトに支持され、スプラインを介してトルクを伝達し、軸方向には自由に摺動できる[4]。クラッチディスクの基部材である鋼板の両面にはクラッチフェーシング(: clutch cover)と呼ばれる摩擦材が取り付けられていて、クラッチフェーシングの材質には繊維や金属粉を樹脂で成型したものが用いられている[4]。古くは繊維材質のひとつとしてアスベストが用いられていた[4]。クラッチフェーシングが取り付けられた鋼板と、スプラインを備えたハブとの間にはトーションスプリング(: torsion spring)と呼ばれるバネが複数個あり、クラッチ接続時に生じる急激なトルクの変化を緩和している[4]。クラッチカバーはフライホイールに固定され、エンジンと同じ回転速度で回転する。クラッチカバーにはクラッチディスクの片面にあるクラッチフェーシングと接触し面圧を与えるプレッシャープレート(: pressure plate)やプレッシャープレートに圧着荷重を与えるクラッチスプリング(: clutch spring)、ならびにそれらを支持し、動作させるための複数の部品が組み込まれ[4]、これらを含んだサブアッセンブリをクラッチカバーと呼ぶ場合が多い。クラッチスプリングには乗用車や小型貨物車ではダイヤフラムスプリング(: diaphragm spring)と呼ばれる薄い円錐形状の板バネが用いられるのが一般的で、中央付近を軸方向に押す(あるいは引く)ことで円周部が逆方向に移動し、プレッシャープレートにかけた荷重を弱める[4]。競技用に改造した自動車では摩擦材を変更したりクラッチプレートの枚数を増やすなどといった方法でクラッチ容量を強化する場合がある。またエンジンのトルク変化をよりダイレクトに伝達させるためにトーションスプリングを廃したクラッチプレートが利用される場合もある。

クラッチは運転席に備えられた足踏み式のクラッチペダルを踏み込むとクラッチが切れ、放した状態でクラッチが繋がる。る。ペダルは運転者から見て左端に配置され、左足で操作を行うのが通常である。踏み加減を中間の状態にすると「半クラッチ」と呼ばれる、滑りながら部分的に動力を伝達する状態となり、踏み加減を調整して滑りと伝達のバランスをとりながら滑らかに繋ぐ操作ができる。特に発進する際には急速にクラッチを繋ぐと[エンスト]]を起こしたり車体挙動が不安定になったりするため、半クラッチを利用して滑らかにクラッチを繋ぐ技能が必要となる。

マニュアルトランスミッションを搭載した車種に、流体クラッチと摩擦クラッチが組み合わせて採用された例がある。三菱自動車は1980年に発売された4代目三菱・ギャランΣのガソリンターボ車とディーゼルターボ車に「フルードカップリング」として採用し、マツダは2代目ルーチェ・ロータリーパークウェイ・ロータリー26などのロータリーエンジン車に「トルクグライド」として採用した。いずれも、通常の5速MTのパターンにATと同じく駐車用のPポジションが設けられている。自動車競技に用いられる車両には円錐クラッチが用いられる例もある[要出典]

オートマチックトランスミッションを搭載した乗用車では、摩擦クラッチをアクチュエーターによって自動的に断接する方式や、流体クラッチを利用した動力伝達が行われている。1900年代半ば以降は流体クラッチの発展機構であるトルクコンバータが広く普及した。また、主な動力伝達をトルクコンバーターで行い、流体クラッチに特有の伝達ロスを排除したい走行条件では自動的に断接する摩擦クラッチで伝達するロックアップ機構を備えたものが普及してる。

シフトチェンジの操作を運転手が行いクラッチの動作を自動で行う、セミオートマチックトランスミッションを搭載した車種では、遠心クラッチや電磁摩擦クラッチ、あるいはバキュームアクチュエータで動作する摩擦クラッチが採用されている。クラッチ動作を自動で行う機構を発展させたトランスミッションとして、デュアルクラッチトランスミッションがある。

オートバイ

マニュアルトランスミッションを搭載したオートバイでは複数のクラッチディスクとプレッシャープレートを交互に重ねて油の中に浸された、湿式多板ディスククラッチを採用する車種が多い。一部の車種では摩擦面に油が介在しない乾式多板ディスククラッチを採用する車種があるほか、縦置きエンジンを搭載した車種では乗用車と同様の乾式単板クラッチを採用する車種もある。乾式多板クラッチはエンジンオイルの攪拌抵抗を受けず交換が容易など、競技用としては利点があるが、耐久性や静粛性が低いため一般的ではない。クラッチが切れた状態ではカラカラと特徴的な音がする。ホンダ・スーパーカブなどに搭載される、クラッチ操作を不要としたマニュアルトランスミッションでは入力軸の回転によって生じる遠心力を利用してクラッチが繋がり、シフトペダルの操作によってクラッチが切れる機構を設けた湿式多板クラッチが採用されている。

一部の車両を除き、動力の接続は油圧またはワイヤーを介して左手レバーで操作する。左手レバーを握るとクラッチが切れ、レバーの操作を途中で止めることで半クラッチ状態にできる。創成期には四輪の自動車と同様に、手動レバーによる変速(ハンドシフト)と足踏み式クラッチの組み合わせが一般的だった。足踏み式クラッチの場合、操作方法の違いによりロッカークラッチ (: Rocker Clutch) とノンロッカークラッチ (: Non-Rocker Clutch) に区別される。いずれもレリーズシャフトを軸に揺動するペダル付きのレバーであるが、ロッカークラッチは軸の前後にペダルがありいずれか一方を踏んでクラッチを切り、もう一方を踏んでクラッチを繋ぐ。メーカーによって操作方法が異なり、たとえばハーレー・ダビッドソンの場合、後ろのペダルを踏むとクラッチが切れ、足を離してもクラッチはつながらず、前を踏むことでクラッチが繋がる[5]。ノンロッカークラッチは軸の前か後ろの一方にのみペダルがあり、踏み込むとクラッチが切れ、足を離すとリターンスプリングの作用によりクラッチが繋がる。ハンドシフトと足踏み式クラッチの組み合わせはスーサイド・クラッチ自殺クラッチ、en:Suicide clutch)とも呼ばれる。

CVTを搭載した車種では、遠心クラッチが採用されている。

クラッチのメンテナンス

海外で販売される純正互換部品のクラッチキットに付属する事が多い樹脂製のパイロットシャフトガイドツール。クラッチカバーの装着の際に、クラッチプレートの芯出しのためにこのような特殊工具が必要となるが、丸棒に粘着テープを巻いただけの簡易工具でも代用が可能である。
フォードV6エンジンを後方から見たところ。クラッチカバーがフライホイールに取り付けられている様子が良く分かる。カバー内部にクラッチプレートを入れておき、上記のツールで芯出しを行ってからトランスミッションをクラッチプレートのスプラインに差し込むようにしてエンジンと結合する。

クラッチは経年使用により摩擦材が摩耗し、最終的には滑り症状が発生して動力の伝達が不可能となるために、定期的に交換するか、滑りの症状が見られ始めたら直ちに交換することが必要である。

一般的な乾式単板クラッチの場合、「加速の際にスピードが上がらず、エンジン回転数のみが上昇する現象が度々起こり始める」ことが滑りの初期症状である。オートマチックトランスミッションなどの湿式多板クラッチの場合はこの滑り症状がある日突然現れ、一気に症状が悪化する[6]ことが特徴的である。

仮にこの状態を放置した場合、摩擦板が完全に失われたクラッチプレートの金属部分がフライホイールやクラッチカバーのプレッシャープレートを切削してしまうため、最悪の場合フライホイールも使用不能となってしまう場合もある。

滑り症状の原因として、クラッチ板自体の極端な摩耗の他にクラッチ機構の調整不良も原因として挙げられる。現在の油圧式クラッチの多くはクラッチの遊びを自動調整するため、滑り症状の発生は摩擦材の寿命とほぼイコールであるが、比較的設計が古い車両に見られるワイヤー式クラッチの場合は、クラッチの遊びが手動で調整できるためにまずこの機構を用いて遊び調整を行ってみるのも良い方法である。

逆に、クラッチの遊びの設定が極端に少ない場合、クラッチの切れ不良と呼ばれる現象が発生する。クラッチペダルを踏み込んでも完全に動力が断絶されないために、かつてのノンシンクロミッションでは走行中の変速が非常に難しくなるトラブルとなって判明する場合が多かった。現在のフルシンクロトランスミッションではある程度の切れ不良でもシンクロ機構が同調を行うために変速その物は可能な場合が多いのだが、放置すればシンクロ機構に余計なダメージを与えることになる。現在の車両においてこの症状を判別する最も簡単な方法は、1速で少しだけ前進した後にクラッチを踏み、後退ギヤに変速してみることである。極端なギヤ鳴りを起こして後退ギヤにシフトレバーが入らないような場合にはクラッチ切れ不良を疑うべきである。

なお、クラッチ切れ不良はワイヤー式クラッチの場合はワイヤーの遊び調整機構の微調整で解決出来るが、油圧式の場合はクラッチカバーその物の不良による自動調整機構の作動不良が原因のため、この症状が現れた場合には原則としてクラッチカバーの交換が必要になる。

クラッチの不具合の中ではやや特殊な事例ではあるが、クラッチプレートのダンパースプリングが破断することで半クラッチ操作での衝撃が極端に大きくなったり、破断したスプリングの一部がクラッチプレートとフライホイール、或いはクラッチカバーの間に挟まり、クラッチが切れなくなるトラブルが稀に発生する場合がある。これは半クラッチを余り行わずに一気にクラッチを繋ぐ操作を多用することで発生しやすい。この場合も、摩擦材の多寡にかかわらずクラッチプレートの交換が必要となる。

原則としてクラッチ交換の際にはクラッチプレート、クラッチカバー、レリーズベアリング、パイロットベアリング(装備されていない車両もある)の4点交換が推奨されるため、市販のクラッチ交換部品の中にはプレート、カバー、ベアリングの3点ないし4点セット(海外のキットの場合は更にパイロットシャフトガイドツールも付属することが多い)として一括販売される場合も多い。旧車などでクラッチキットが純正、社外互換共に手に入らない事例の場合はやむをえずクラッチカバーを再使用[7]し、クラッチプレートは摩擦材の張り替えで対処する場合もある。

なお、1990年代以前に製造されたクラッチプレートの摩擦材には石綿(アスベスト)を使用したものも多いため、製造時期が不明なクラッチプレートを使用している車体や、1990年代以前に製造された旧車でクラッチプレートの交換履歴が不明な場合には、クラッチの分解整備の際にクラッチの粉塵を絶対に飛散させないように注意する必要がある。

脚注

  1. ^ 大西1997 pp9-19
  2. ^ JIS B0152:1997「クラッチ及びブレーキ用語」
  3. ^ Saab Gearbox: new & used Monster car gearboxes 99, 900 models.
  4. ^ a b c d e f g 益田明『ひとにやさしい自動車工学基礎講座 NO1自動車の歴史と構造』工学研究社、2008年。ISBN 4876465444 
  5. ^ ハーレーのクラッチ&シフト(ハンドシフトの仕組み)
  6. ^ ATの場合は前進も後退も全く不可能となる。
  7. ^ 場合によってはプレッシャープレートを修正研磨するか、新規にプレッシャープレートを製作して分解交換する

参考文献

関連項目