カウル
カウルは、航空機やオートバイなどで走行風を整流するために、エンジンを覆う部品、あるいは構造である。
航空機
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まだ複葉機が主流であった時代、飛行機の速度が低かったころはエンジン本体は剥き出しであったが、第一次世界大戦後の1920 - 30年代から空気抵抗(抗力)を低減する方策の1つとしてエンジンが覆われるようになった。
空冷エンジンを搭載した機種では、空気抵抗低減のほかにエンジンを冷却する空気の流れを整えて冷却効果を向上させる目的もあり、流路の出口に設けられる可動式の板を開閉することで冷却空気の流量を調整できる機構を備える場合もある。
オートバイ
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空気抵抗を減らし、乗員を走行風から保護する目的で、車体や乗員を覆う風防を指す。主に合成樹脂で作られており、視界を確保する部分は透明な材料が用いられている。適切に設計されたカウルは高速走行時にダウンフォースを発生し、走行安定性を高める効果がある。ロードレース用のオートバイやこれを模したスーパースポーツに分類される車種、ツーリング向けのツアラーに分類される車種で装備される例が多い。
一般向けの量産市販車で最初にフルカウルを装備したのは1976年のBMW・R100RSであった[2]。日本製の車種では1970年代末に、輸出向けの一部でビキニカウルと呼ばれる小型のカウルを装備された[2]。1980年代からはツアラーとして快適性を重視した大柄なカウルを装備する車種が増え、1982年にはホンダ・CB1100Rがロードレース用のイメージを持つカウルを装備して登場した[2]。一方、日本国内向けでは型式認定を得るのが難しく、1982年のホンダ・VT250Fまで導入されることがなかった[2]。認可が下りなかった理由としては、空力的な付加物は暴走行為を助長しかねないという観点が影響したともみられている[2]。
自動車
[編集]自動車では、ボンネットのフードとフロントウインドシールドの間の外板部を指す。現在の自動車におけるワイパーの基部やベンチレーターの吸気口がある部分のことである。フロントフェンダーが独立した形状を持っていた時代には側面に回り込んだ部分までを指していた。
鉄道車両
[編集]アメリカ合衆国を中心に普及しているアメリカ形ディーゼル機関車では、機関部を覆う外板が台枠幅いっぱいに広げられた形状の車両をカウル・ユニットと呼ぶ。これに対して、覆いの幅が台枠幅より狭く、周囲にランボードを持つものをフード・ユニットと呼ぶ。また、単なる覆いではなく、外板構造が車体の強度部材として設計されたものは、キャブ・ユニットあるいはカーボディ・ユニットと呼ぶ。
脚注
[編集]- ^ White, Graham. Allied Aircraft Piston Engines of World War II. pp. Figures 2.2 & 2.3. ISBN 1-56091-655-9
- ^ a b c d e “JAMA -JAMAGAZINE-”. 一般財団法人日本自動車工業会. 2014年3月10日閲覧。
外部リンク
[編集]- NACA Low-Drag Engine Cowling Essay - details on development of the cowling.
- Abstract of NACA TN 301 report and .pdf file
- Archive of NACA reports 1917-1958