永久磁石同期電動機

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永久磁石同期電動機(えいきゅうじしゃくどうきでんどうき、Permanent Magnet Synchronous Motor、PMSM)は、界磁永久磁石強磁性体)を使用した同期電動機である。

特徴[編集]

  • 誘導電動機電磁石同期電動機などより高効率である。
  • 整流子・ブラシ・界磁励磁回路・スリップリングがなく、保守が容易である。
  • 界磁の損失による温度上昇がないことから、界磁温度上昇に対する保護が不要である。ただし、界磁に使用されている永久磁石がキュリー温度に近づくと保磁力が弱まる。
  • 回転速度が電源周波数によって決まる。商用交流の周波数は長期的に安定しているため、電波時計が普及する以前は商用交流式の電気時計が広く用いられていた。
  • 一方、速度を変化させる目的には専用の可変電圧可変周波数制御 (VVVF) インバータが必要である。
  • 正弦波ベクトル制御を行うために、回転子位相角を検出するためのホール素子等を用いたセンサーが使用されるほか、近年では、直流バスの過電流保護用シャント抵抗の電圧から交流電流を再現し、回転子位置をマイコンにて演算するセンサレス制御が主流になりつつある。
  • 矩形波による制御は、逆起電力を検出することで位相角を検出する方法が一般的である。

鉄道車両用分野では、東芝鉄道総合技術研究所と組む形で積極的に推進している[1][2]

分類[編集]

埋込構造永久磁石同期電動機[編集]

埋込構造永久磁石同期電動機 (Interior Permanent Magnet Synchronous Motor) は、界磁に永久磁石を埋め込んだ空げきのある常磁性体を使用することにより、永久磁石によるトルクだけではなく、界磁の磁気抵抗の非対称性によるトルク(リラクタンストルク)をも利用できるものである。高速回転でも磁石が脱落する危険が少ない。IPMモータと呼ばれることもある。

表面構造永久磁石同期電動機[編集]

表面構造永久磁石同期電動機 (Surface Permanent Magnet Synchronous Motor) は、永久磁石をロータ表面に組み込む形の同期電動機である。SPMモータと呼ばれることもある。磁石の磁束密度を有効に使うことが可能であるが、高速回転では磁石が割れたり、脱落したりする欠点がある。

いずれも専用のインバータと組合わせ、高効率になるような電圧波形で電機子を励磁する。

使用例[編集]

インバータ制御される電動機を持つ各種機器に使用される。但し、直流電動機誘導電動機 が使用される場合もある。

鉄道車両用分野では、東芝が積極的に推進したためか、東芝製の電気機器を多用している事業者(東京地下鉄阪急電鉄など)での採用が多い。

注記[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]