多摩弁
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多摩弁(たまべん)とは、東京都多摩地域と神奈川県北部、埼玉県入間地域などその周辺で用いられる日本語の方言で、西関東方言に含まれる。隣接する埼玉弁などと合わせて、武州弁(ぶしゅうべん)とも呼ばれる。
概要
杉並区など東京都区部西部は1896年まで東多摩郡(江戸時代以前は武蔵国多摩郡)に属しており[1]、そこで話される方言もかつては多摩弁と同様のものであった[2]。
表現
西関東方言で広く共通するものが多い。
- あるってく - 歩いて行く。
- あんよ - あるよ。多摩弁では全般的に語中の「る」は「ん」に転訛しやすい。
- あによ あんだって - 何よ。何だって。「何」の「な」は「あ」に転訛しやすい。「な」が「あ」と発音されることは東京都全域で発音される傾向にある。「あんだって」はドリフ大爆笑の神様コントに登場する志村けん(東京都東村山市出身)扮する年老いた神様のお決まりのセリフとして有名である。
- うざったい うざい - 元々、多摩南西部周辺の野菜の漬物の名前や、植物などがいっぱい生えていて邪魔くさい、不快、気持ち悪いなどの意味(うざってる、うざっしい)であった。区部に伝わるにつれて「むかつく」などの意味に変化した。西多摩郡檜原村が発祥という説もある。1992年リリースのT-BOLAN『じれったい愛』の歌詞をきっかけとして[3]、現在は東京都以外の地域でも使われるようになった。
- えんでる - 茶碗などにヒビが入っていることを「えむ」と言う。 用例「この茶碗、えんでるから茶が漏るよ」
- おかっこま - 正座。特に小さい子供などが、澄まして座っている様子をいう。
- 落っこちる - 落ちる。
- おっぺす - 押す。
- かがみっちょ[4] - トカゲ。表皮が鏡のように光っていることから。
- きない -来ない。話者の中には動詞「来る」の未然形に「き」を使うものがいる[5]。
- こわい - 硬い。用例「メシがこわいじゃんか」
- 七面倒くさい - しちめんどくさいと読む。面倒くさいの意。略して「しちめんどい」と言う場合もある。
- 〜じゃん - 〜ではないか。甲州弁由来の表現。
- だぁよ - だよ。
- ちゃける - 壊れる。
- どどめ - 桑の実。
- はけ - 崖(がけ)。
- パチ - 嘘っぱち。 用例「おめぇ、パチこいてんべ?」東京都区部でも使用されることがある。
- へつる - 少しだけ減らす、削る。
- まっかちん - アメリカザリガニ。色が真っ赤であったことからで、主に南多摩で使われる。
- まっと - もっと。 用例「まっと、がんばれ」
- がめる - 疲れる。 用例「穴掘り仕事は、がめるなぁ~」