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007 死ぬのは奴らだ (曲)

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ポール・マッカートニー > 作品リスト > 007 死ぬのは奴らだ (曲)
ウイングス > 作品リスト > 007 死ぬのは奴らだ (曲)
ガンズ・アンド・ローゼズ > 作品リスト > 007 死ぬのは奴らだ (曲)
「007 死ぬのは奴らだ」
ウイングスシングル
初出アルバム『007/死ぬのは奴らだ英語版
B面 アイ・ライ・アラウンド英語版
リリース
規格 7インチシングル
録音
  • 1972年10月19日
  • AIR
ジャンル シンフォニック・ロック[1]
時間
レーベル アップル・レコード
作詞・作曲
プロデュース ジョージ・マーティン
ゴールドディスク
後述を参照
チャート最高順位
後述を参照
ウイングス シングル 年表
  • 007 死ぬのは奴らだ
  • (1973年)
007/死ぬのは奴らだ英語版 収録曲
死ぬのは奴らだ (メイン・テーマ)
(1)
主よ御もとに近づかん〜ニュー・セカンド・ライン
(2)
テンプレートを表示

007 死ぬのは奴らだ[注釈 1]」(Live and Let Die)は、ウイングス[注釈 2]の楽曲である。1973年に公開された同名の映画の主題歌として制作された楽曲で、作詞作曲はポール・マッカートニーと妻リンダの共作で、プロデュースとオーケストラアレンジはジョージ・マーティンが手がけた。脚本の完成前に、マッカートニーは映画のプロデューサーであるハリー・サルツマンアルバート・R・ブロッコリー英語版から主題歌の作曲を依頼を受けた。ウイングスは、『レッド・ローズ・スピードウェイ』のセッション期間中であった1972年10月にAIRで「007 死ぬのは奴らだ」のレコーディングを行なった。本作は『007』シリーズの主題歌史上初のロック・ナンバーとなっている[4]。映画ではB.J.アルアヌ英語版による別バージョンも使用されている。

Billboard Hot 100では最高位2位、全英シングルチャートでは最高位9位を記録。1974年の第16回グラミー賞英語版最優秀ヴォーカル入りインストゥルメンタル編曲賞英語版を受賞した。ウイングスのコンサート・ツアーやウイングス解散後のマッカートニーのソロ・ツアーで演奏されており、演奏時には打ち上げ花火の演出が採用されることがある。1991年にガンズ・アンド・ローゼズによってカバーされ、このカバー・バージョンは1993年の第35回グラミー賞最優秀ハードロック・パフォーマンス賞英語版にノミネートした。

背景・レコーディング

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トム・マンキーウィッツが映画『007/死ぬのは奴らだ』の脚本を完成する前に、同作のプロデューサーであるサルツマンとブロッコリーはマッカートニーに主題歌の作曲を依頼。作曲に際してマッカートニーは、イアン・フレミングの原作のコピーを送るように頼んだ[5]。マッカートニーは、「ソングライターとしての野望の1つは、ジェームズ・ボンドのテーマソングを作ることだった。簡単にできるものじゃないとわかっていたけど、僕の目には魅力的な仕事だと感じられた」と語っている[6]

ウイングスは、『レッド・ローズ・スピードウェイ』のセッション期間中であった[1]1972年10月19日にジョージ・マーティンのプロデュースのもと、AIRで「007 死ぬのは奴らだ」のレコーディングを行なった[7]。レコーディングにはレイ・クーパー英語版パーカッション[8]や40人編成のオーケストラが参加している[7]

サルツマンは、当初ウイングスの代わりにシャーリー・バッシーテルマ・ヒューストン英語版が本作を歌うことを考えていた[9]。マーティンが完成した曲を映画会社に聴かせた際、会社側から「映画では誰にこの歌を歌わせるつもりか?テルマ・ヒューストンか?」と聞かれ、マーティンが「もうポールがレコーディングを済ませてるじゃないか!」と返したというエピソードが残っている[6]。ウイングスによる「007 死ぬのは奴らだ」は、映画のオープニングで使用され[10]、B.J.アルナウによる別バージョンも映画で使用された[11][注釈 3]。アルナウによる別バージョンは、マーティンが作曲したインストゥルメンタル「ニューオリンズの罠」(Fillet of Soul  – New Orleans)と「ハーレムの危機」(Fillet of Soul  – Harlem)とのメドレーとしてサウンドトラック・アルバムに収録され、1973年6月下旬にRCAレコードからシングル盤としても発売された[12]

リリース・影響

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「007 死ぬのは奴らだ」は、イギリスで1973年4月16日、アメリカで5月10日に放送された特別番組『James Paul McCartney』で先行公開された。番組内ではスタジオでウイングスが本作を演奏する様子と、映画のシーンの一部が放送された[13]。『ビルボード』誌は、当時の「最高位の007映画のテーマ」とし、「甘美なメロディー、オーケストラによる突発的な喧騒、レゲエの一片、『1812年』のようなより大げさな演奏」の組み合わせを引き合いに、「マッカートニーの最も満足のいくシングルの1つ」と評し[14]、『キャッシュボックス』誌も「あらゆる点で素晴らしい曲」と評している[15]

「007 死ぬのは奴らだ」は、イギリスで1973年6月1日、アメリカで1973年6月18日にシングル盤として発売された[7]。本作は、アメリカの3つのチャートのうち、最高位2位となった『ビルボード』誌のHot 100[16]を除く2つのチャートで首位を獲得した[17]。イギリスの全英シングルチャートでは最高位9位を記録[18]。アメリカでは、100万枚以上の売り上げにより、アメリカレコード協会からゴールド認定を受けている[19]。1974年の第16回グラミー賞英語版で最優秀ヴォーカル入りインストゥルメンタル編曲賞と最優秀ポップ・パフォーマンス賞(デュオまたはグループ)にノミネートし、最優秀ヴォーカル入りインストゥルメンタル編曲賞を受賞した[20]

「007 死ぬのは奴らだ」は、1973年7月に発売された映画のサウンドトラック・アルバム『007/死ぬのは奴らだ英語版』にオープニング・トラックとして収録された[21]。その一方で、マッカートニーのオリジナル・アルバムには未収録となっており、『ウイングス・グレイテスト・ヒッツ』(1978年)、『オール・ザ・ベスト』(1987年、アメリカ盤)、『夢の翼〜ヒッツ&ヒストリー〜』(2001年)[22]、『ピュア・マッカートニー〜オール・タイム・ベスト』(2016年)[23]などのコンピレーション・アルバムに収録された。2018年12月7日に『レッド・ローズ・スピードウェイ』のデラックス・エディションが発売され、同作のボーナス・オーディオの1つとして「007 死ぬのは奴らだ」のリマスター音源とテイク10が収録された[24]

1973年のウイングスのイギリスツアー[25]を皮切りに、マッカートニーは多数のライブで本作を演奏している[26]。ライブでの演奏時には打ち上げ花火を仕掛けるなど、観客を特に盛り上げる演出がなされており、マッカートニーはこの演出について「ジェームズ・ボンドといったら轟音と銃声だから」と語っている[27]。ライブ音源は『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』(1976年)、『ポール・マッカートニー・ライブ!!』(1990年)、『ポール・イズ・ライブ』(1993年)、『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』(2002年)、『バック・イン・ザ・ワールド』(2003年)、『グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ〜ベスト・ヒッツ・ライヴ』(2009年)などのライブ・アルバムに収録された[22]

2001年のアメリカ同時多発テロ事件の発生直後、クリアチャンネル英語版放送自粛曲リストを作成。同リストには本作も含まれている[28]

2007年に公開されたアニメ映画『シュレック3』で本作が使用され、同作のサウンドトラック・アルバムにも収録された[29]。2022年に披露されたジェームズ・ボンド 007シリーズが60周年を迎えたことを記念したモンタージュでも本作が使用された[30]

クレジット

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※出典[31](特記を除く)

チャート成績(ウイングス版)

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週間チャート

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チャート (1973年) 最高位
オーストラリア (Go-Set Top 40)[33]
3
ベルギー (Ultratop 50 Wallonia)[34] 32
Canada Top Singles (RPM)[35]
2
日本 (オリコン)[36]
25
オランダ (Dutch Top 40)[37] 27
オランダ (Single Top 100)[38] 32
ニュージーランド (Listener)[39]
20
ノルウェー (VG-lista)[40] 2
UK シングルス (OCC)[18] 9
US Bjllboard Hot 100[16]
2
US Easy Listening (Bjllboard)[41]
8
US Cash Box Top 100[17]
1
US Record World Singles Chart[17]
1
西ドイツ (Official German Charts)[42]
31

年間チャート

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チャート (1973年) 順位
オーストラリア (Go-Set Top 40)[43]
24
Canada Top Singles (RPM)[44]
39
US Billboard Hot 100[45]
56
US Cash Box[46]
33

認定

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国/地域 認定 認定/売上数
アメリカ合衆国 (RIAA)[19] Gold 1,000,000^

^ 認定のみに基づく出荷枚数

未発表のパロディ

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本作には、アル・ヤンコビックによる「Chicken Pot Pie」というパロディソングが存在[47]しており、1990年代のライブで食べ物をテーマとしたメドレー内の1曲として演奏された[48]。1992年、ヤンコビックは「Chicken Pot Pie」をアルバムに収録するにあたり許可を求めたが、マッカートニーは自身がベジタリアンであり、肉の消費の促進につながるおそれからこれを拒否。同じくベジタリアンであるヤンコビックは、マッカートニーの考えを尊重してアルバムへの収録を断念した[49]

ガンズ・アンド・ローゼズによるカバー

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「リヴ・アンド・レット・ダイ」
ガンズ・アンド・ローゼズシングル
初出アルバム『ユーズ・ユア・イリュージョン I
B面 シャドウ・オブ・ユア・ラヴ
リリース
規格
ジャンル ハードロック[51]
時間
レーベル ゲフィン・レコード
作詞・作曲
  • ポール・マッカートニー
  • リンダ・マッカートニー
プロデュース
ゴールドディスク
後述を参照
チャート最高順位
後述を参照
ガンズ・アンド・ローゼズ シングル 年表
  • リヴ・アンド・レット・ダイ
  • (1991年)
ユーズ・ユア・イリュージョン I 収録曲
ダスト・アンド・ボーンズ
(2)
リヴ・アンド・レット・ダイ
(3)
ドント・クライ
(4)
ライブ映像
「Live and Let Die」 - YouTube
テンプレートを表示

1991年、アメリカのロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼズがアルバム『ユーズ・ユア・イリュージョン I』でカバー[10]。ガンズ・アンド・ローゼズによるカバー・バージョンの邦題は、「リヴ・アンド・レット・ダイ」となっている[52]。レコーディングにはマシュー・マッケイガン、レイチェル・ウェスト、ロバート・クラーク、ジョン・トラウトワインの4名がホーン・セクションとして参加しており、また、ブラインド・メロンシャノン・フーン英語版がバックグラウンド・ボーカルで参加した[53]

1991年12月1日にゲフィン・レコードからシングル盤として発売され、カップリング曲として1991年8月31日のウェンブリー・スタジアム公演から「リヴ・アンド・レット・ダイ」と「シャドウ・オブ・ユア・ラヴ英語版」のライブ音源が収録された[50]。ガンス・アンド・ローゼスによるカバー・バージョンは、『ビルボード』誌のAlbum Rock Tracksで最高位20位[54]Hot 100で最高位33位[55]を記録したほか、イギリス、アイルランド、ノルウェー、ポルトガルなどのシングルチャートでトップ5入りした[56][57][58]。フィンランドとニュージーランドのシングルチャートでは首位を獲得[59][60]。1993年の第35回グラミー賞最優秀ハードロック・パフォーマンス賞英語版にノミネートした[61]

1997年に公開された映画『ポイント・ブランク英語版』でサウンドトラックとして使用され[62]、同作のサウンドトラック・アルバムにも収録された[63]

シングル収録曲

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#タイトル作詞・作曲時間
1.「リヴ・アンド・レット・ダイ (LPヴァージョン)」(Live and Let Die)
  • ポール・マッカートニー
  • リンダ・マッカートニー
2.「リヴ・アンド・レット・ダイ(ライヴ・ヴァージョン)」(Live and Let Die (Live))
  • ポール・マッカートニー
  • リンダ・マッカートニー
3.シャドウ・オブ・ユア・ラヴ英語版 (ライヴ・ヴァージョン)」(Shadow of Your Love (Live))
合計時間:

チャート成績(ガンス・アンド・ローゼス版)

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週間チャート
チャート (1991年 - 1992年) 最高位
オーストラリア (ARIA)[64] 10
オーストリア (Ö3 Austria Top 40)[65] 27
ベルギー (Ultratop 50 Flanders)[50] 20
ヨーロッパ (Eurochart Hot 100)[66]
7
フィンランド (Suomen virallinen lista)[59]
1
フランス (SNEP)[67] 39
ドイツ (GfK Entertainment charts)[68] 33
ギリシャ (IFPI)[69]
10
アイルランド (IRMA)[70]
5
オランダ (Dutch Top 40)[71] 12
オランダ (Single Top 100)[72] 13
ニュージーランド (Recorded Music NZ)[60]
1
ノルウェー (VG-lista)[57] 3
ポルトガル (AEP)[58]
3
スペイン (AFYVE)[73]
14
スウェーデン (Sverigetopplistan)[74] 15
スイス (Schweizer Hitparade)[75] 19
UK シングルス (OCC)[56] 5
US Billboard Hot 100[55]
33
US Album Rock Tracks (Billboard)[54]
20
年間チャート
チャート (1992年) 順位
ニュージーランド (Recorded Music NZ)[76]
27

認定(ガンス・アンド・ローゼス版)

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国/地域 認定 認定/売上数
オーストラリア (ARIA)[77] Gold 35,000double-dagger
イギリス (BPI)[78] Silver 200,000double-dagger

double-dagger 認定のみに基づく売上数と再生回数

脚注

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注釈

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  1. ^ サウンドトラック・アルバム『007/死ぬのは奴らだ英語版』では、「死ぬのは奴らだ」という邦題が使用されている[2]。また、「007/死ぬのは奴らだ」という表記揺れも存在する[3]
  2. ^ 『007/死ぬのは奴らだ』の映画内では「ポール・マッカートニー&ウイングス」名義。
  3. ^ 当初この別バージョンは、フィフス・ディメンションが歌う予定だった[11]

出典

[編集]
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参考文献

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外部リンク

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