カミング・アップ (曲)
| 「カミング・アップ」 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| ポール・マッカートニー の シングル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 初出アルバム『マッカートニーII』 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| B面 | カミング・アップ(ライヴ)/ランチ・ボックス〜オッド・ソックス | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| リリース | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 規格 | 7インチシングル | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 録音 | 1979年7月 - 8月 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| ジャンル | ポップ・ファンク[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 時間 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| レーベル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 作詞・作曲 | ポール・マッカートニー | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| プロデュース | ポール・マッカートニー | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| ゴールドディスク | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 後述を参照 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| チャート最高順位 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 後述を参照 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「カミング・アップ」(Coming Up)は、1980年にポール・マッカートニーが発表した楽曲、および同曲を収録したシングルである。同年にリリースされたマッカートニーの2枚目のソロ・アルバム『マッカートニーII』の先行シングルとして発表された。
解説
[編集]1979年6月から7月にかけて、マッカートニーはサセックスの自宅スタジオでシンセサイザーを使った実験的な作品の録音を開始した[2]。ベースとなるバッキング・トラックを録音した後、スコットランドのキャンベルタウンにある農場のスタジオ、スピリット・オブ・ラナチャンに場所を移して作業を継続した。
マッカートニーはローリングストーンズ誌のインタビューで、「元々はスコットランドにある僕の農場で作ったもの。毎日のようにスタジオに行って、まずはドラムのトラックを作ってみたんだ。どんな曲になるのか分からないまま、少しずつ作り上げていって、ドラムを叩いた後にギターやベースを加えてバッキング・トラックを作っていったんだ」と語っている[3][4][5]。また、マッカートニーは同インタビューで「自分の声を速くしたり、少し下げたりできるスピード・マシンを使って作業をしていたんだ。それで声の響きが生まれたんだよ。で、少しスピードを上げて、僕が遊んでいたエコー・マシンに通したんだ」と語っている[4]。
セッション終了時には約20曲が録音されており、その後、9月にアビー・ロード・スタジオでミックスされた。しかしこの時点ではアルバムにまとめるつもりはなかったため、11月にリリースされた『ワンダフル・クリスマスタイム』以外は棚上げされた。
1980年4月11日にアルバム『マッカートニーII』からの先行シングルとして発売された。録音されたときは5分を超える曲だったが、アルバムに収録するにあたり短く編集・リミックスされた[注釈 1]。B面にはウイングスの英国ツアーからの同曲のライブ音源と、ウイングスのアルバム『ヴィーナス・アンド・マース』制作時に録音されたが未発表となっていた「ランチ・ボックス〜オッド・ソックス」が収録された[6][注釈 2]。
このシングルは発売直後からヒットし、英国では全英シングルチャートで3週目に最高位2位を記録した[7]。米国では、コロンビア・レコードがB面のライブ・バージョンを強力にプロモーションしたため、スタジオ・バージョンよりも多くラジオで放送された[注釈 3]。ライブ・バージョンはBillboard Hot 100で1位を獲得し、全米レコード協会から100万枚以上の売上を認められゴールドディスク認定を受けた[8][注釈 4]。
ジョン・レノンは、1980年の秋に行われたインタビューで本曲について「良い仕事だと思った」と評価している[10][11][注釈 5]。
ライブ・バージョン
[編集]B面に収録されているライブ音源は、1979年12月17日にスコットランド・グラスゴーのアポロ劇場で行われた、ウイングスの公演で録音されたものである[12]。
このライブ・バージョンが北米で大ヒットしたことを受けて、コロンビア・レコードは『マッカートニーII』に収録したいと考えたが、マッカートニーはあくまでもソロ・アルバムとしての発売を考え、提案に反対した。結局、北米では7インチ片面シングルが付録として同梱された[15]。
この音源は、1987年発売のコンピレーション・アルバム『オール・ザ・ベスト』のアメリカ盤や、2001年発売の『夢の翼〜ヒッツ&ヒストリー〜』、さらに2011年発売の『マッカートニーII』のアーカイブ・コレクションにも収録されたものの、それぞれシングルと収録時間が異なっている。
また、1981年発売のライブ・アルバム『カンボジア難民救済コンサート』には、1979年12月29日に行われたハマースミス・オデオンでのウイングスによる演奏が収録されている。
シングル収録曲
[編集]| # | タイトル | 作詞・作曲 | アーティスト名義 | 時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1. | 「カミング・アップ」(Coming Up) | ポール・マッカートニー | ポール・マッカートニー | |
| 2. | 「カミング・アップ (ライヴ)」(Coming Up (Live At Glasgow)) | ポール・マッカートニー | ポール・マッカートニー & ウイングス | |
| 3. | 「ランチ・ボックス〜オッド・ソックス」(Lunch Box/Odd Sox) |
| ポール・マッカートニー & ウイングス | |
合計時間: | ||||
演奏者
[編集]- スタジオ音源[16][17]
- ライブ音源
- ポール・マッカートニー - リード・ボーカル、ベース
- リンダ・マッカートニー - キーボード、ボーカル
- デニー・レイン - ギター、ボーカル
- ローレンス・ジューバー - ギター
- スティーブ・ホーリー - ドラム
- トニー・ドーシー[注釈 6] - トロンボーン
- サディアス・リチャード[注釈 7] - サクソフォーン
- ハウイー・ケイシー - サクソフォーン
- スティーブ・ハワード[注釈 8] - トランペット
- ランチ・ボックス〜オッド・ソックス
- ポール・マッカートニー - ピアノ
- リンダ・マッカートニー - モーグ・シンセサイザー
- デニー・レイン - ギター
- ジェフ・ブリトン - ドラム
- トニー・ドーシー - ベース
チャート成績
[編集]週間チャート
| チャート (1980年) | 最高位 |
|---|---|
| オーストラリア (Kent Music Report)[23] | 2 |
| オーストリア (Ö3 Austria Top 40)[24] | 15 |
| ベルギー (Ultratop 50 Flanders)[25] | 18 |
| Canada Top Singles (RPM)[26] | 1 |
| オランダ (Single Top 100)[27] | 20 |
| ドイツ (GfK Entertainment charts)[28] | 11 |
| ニュージーランド (Recorded Music NZ)[29] | 2 |
| ノルウェー (VG-lista)[30] | 2 |
| UK シングルス (OCC)[31] | 2 |
1 | |
|
48 |
認定
[編集]| 国/地域 | 認定 | 認定/売上数 |
|---|---|---|
| アメリカ合衆国 (RIAA)[39] | ゴールド | 1,000,000 枚^ |
|
^ 認定のみに基づく出荷枚数 | ||
ミュージック・ビデオ
[編集]キース・マクミラン監督によるのミュージック・ビデオでは、マッカートニーが10役(本人、ギタリスト2人、ベーシスト、ドラマー、キーボーディスト、サックス奏者4人)を演じ、リンダが2役(女性バックボーカル1人と男性バックボーカル1人)を演じている[12]。2007年に発売されたビデオ・コレクション『マッカートニー・イヤーズ』のマッカートニー自身による音声解説によると、マッカートニーが演じた10役の中には、シャドウズのハンク・マーヴィン、スパークスのロン・メイル、レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナム、そしてヘフナー・バイオリンベースを弾くビートルズ時代の自身の物真似が含まれている[40][41]。 また作家のケネス・ウォマックによればバディ・ホリー[42]の、フレッド・ブロンソンによればサックス奏者のアンディ・マッケイやフランク・ザッパ[43]の物真似も演じているという。
ドラムセットには「THE PLASTIC MACS」と書かれおり、また長髪で左利きのベーシストがジャケットの下に日本語で「ザ・プラスティック・マックス」と書かれたTシャツを着ている。これは「プラスティック・オノ・バンド」と、レノンが1968年の『ロックンロール・サーカス』出演時に結成したバンド、ザ・ダーティー・マックに由来している[12]。
このミュージック・ビデオは、イギリスでは『ケニー・エベレット・ビデオ・ショー』(1980年4月14日放送回)、アメリカでは『サタデー・ナイト・ライヴ』(1980年5月17日放送回)でプレミア公開された[44]。
その他
[編集]イエロー・マジック・オーケストラのアルバム『増殖』収録の「NICE AGE」に、訪日したマッカートニーが大麻不法所持容疑で逮捕勾留されたことをニュース速報として読み上げるパートがあり、そこで"Coming up Like a Flower"というサビのフレーズが登場する[12]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ↑ 全長版は2011年発売の『マッカートニーII』のアーカイブ・コレクションに収録された。
- ↑ このためB面収録曲は、クレジットが「ポール・マッカートニー & ウイングス」となっている。
- ↑ 当のマッカートニーはこの動きを知らなかった。もし知っていれば、自身がより優れたバージョンと考えていたA面(スタジオ版)の採用を強く主張した可能性が高い。コロンビア・レコードの幹部は「アメリカ人はポール・マッカートニーの生の声の響きを好む」と述べ、この変更を説明した[3]。
- ↑ ビルボード誌はライブ・バージョンの方がより多くのエアプレイを獲得し「ヒット曲」と見なされていたにもかかわらず、チャート初登場から12週間にわたりA面曲をHot 100に掲載し、うち3週間は1位を記録した。その後、残りの9週間はより人気の高かったB面曲に切り替えた[9]。
- ↑ 本曲が発表された当時、活動休止中だったレノンは同年4月9日に一家でロング・アイランドを訪れ、その翌日に車中のラジオで本作を聴き「頭から離れない」と言って、本曲のメロディを口ずさんでいたという。こうしてレノンは、「ディア・ヨーコ」の作曲を皮切りに、6月から7月にかけて9曲のデモ・テープを作成、音楽活動を再開させた[12]。また、マッカートニーは「どうやらジョンはニューヨークでこの曲を聞いたらしい。ジョンのドキュメンタリーを見ていたら、誰かが『ポールのレコードを持ってきて、ジョンに聞かせた』と話していたんだ。するとジョンは『ちくしょう、やりやがったな。俺も頑張らないと!』となってね。嬉しくなる話じゃないか。つまり僕が彼のお尻を押したのだよ」[13]、「ジョンをインスパイア出来た曲だから「カミング・アップ」を誇りに思っている」[14]と語っている。
- ↑ ホーン奏者兼アレンジャー。1975年初頭にニューオーリンズでウイングスの『ヴィーナス・アンド・マース』のセッションに参加して以降、2010年代末までマッカートニーと共演を続けた[18][19]。
- ↑ ニューオーリンズ出身のアメリカ人マルチプレイヤー。1974年にナッシュビルでマッカートニーと出会い、5年間共演した[20][21]。
- ↑ テキサス出身のトランペット奏者。1975年初頭にニューオーリンズで『ヴィーナス・アンド・マース』のセッションに参加して以降、1980年までウィングスのツアーに参加した[22]。
出典
[編集]- ↑ Buckley 2003, p. 652.
- ↑ “Paul McCartney's 'McCartney II' Turns 35 Years Old: How It Foretold The Sound Of 1980s Pop – NME”. NME (2015年5月15日). 2016年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月6日閲覧。
- 1 2 Gambaccini, Paul (26 June 1980). “Paul McCartney's one man band”. Rolling Stone: 11, 20.
- 1 2 Gambaccini 1980, p. 11,20.
- ↑ “ビートルズ解散後のポール・マッカートニーのベスト・ソング20曲 : 本人のコメントなどで振り返る【全曲試聴動画付】”. uDiscover. UNIVERSAL MUSIC JAPAN (2020年4月4日). 2021年3月14日閲覧。
- ↑ Evans 2021, p. 48.
- ↑ “Official Charts: Paul McCartney”. The Official UK Charts Company. 2011年10月13日閲覧。
- ↑ “Gold & Platinum Searchable Database”. Recording Industry Association of America. 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月15日閲覧。
- ↑ Billboard Hot 100 Billboard 12 July 1980: 60
- ↑ Sheff 1981, p. 70.
- ↑ “【スピリチュアル・ビートルズ】ジョンを鼓舞したポールの曲「カミング・アップ」”. OVO. 共同通信社 (2016年9月4日). 2021年3月14日閲覧。
- 1 2 3 4 5 “連載:“マッカートニー・シリーズ”とは?【第5回:『McCartney II』の内容、ジョンやYMOとの関係】”. uDiscover. UNIVERSAL MUSIC JAPAN (2020年11月27日). 2021年3月14日閲覧。
- ↑ ポール・デュ・ノイヤー 2016.
- ↑ マッカートニーII 初回限定盤ハードカヴァーブック インタビューより
- ↑ “Paul McCartney – McCartney II”. Discogs. 2026年2月24日閲覧。
- ↑ McCartney II (LP liner notes). Paul McCartney. Parlophone. 1980. PCTC 258.
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- ↑ Bronson & 20003, p. 526.
- ↑ “Saturday Night Live: Steve Martin/Paul and Linda McCartney Episode Summary”. TV.com. CBSインタラクティブ. 2020年4月28日閲覧。
参考文献
[編集]- Gambaccini, Paul (1980-06-26). Paul McCartney's one man band. Penske Media Corporation
- Sheff, David (1981). The Playboy Interviews with John Lennon and Yoko Ono. Putnam Pug Group. ISBN 0-8722-3705-2
- Buckley, Peter, ed (2003). The Rough Guide to Rock. Rough Guides. ISBN 1-8435-3105-4
- Bronson, Fred (2003). The Billboard Book of Number 1 Hits. Billboard Books
- McGee, Garry (2003). Band on the Run: A History of Paul McCartney and Wings. Taylor Trade Pub.. ISBN 0-8783-3304-5
- Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four [2 volumes]: Everything Fab Four. Greenwood. ISBN 978-0313391712
- ポール・デュ・ノイヤー『ポール・マッカートニー 告白』奥田祐士(翻訳)、DU BOOKS、2016年。ISBN 4-9075-8358-3。
- Evans, Mike (2021). Paul McCartney: The Stories Behind 50 Classic Songs, 1970-2020. Welbeck Publishing. ISBN 1-7873-9962-1