龍三と七人の子分たち

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
龍三と七人の子分たち
監督 北野武
脚本 北野武
出演者 藤竜也
近藤正臣
中尾彬
安田顕
品川徹
樋浦勉
伊藤幸純
吉澤健
小野寺昭
萬田久子
ビートたけし
音楽 鈴木慶一
編集 北野武
製作会社 「龍三と七人の子分たち」製作委員会
配給 日本の旗 ワーナー・ブラザース映画
オフィス北野
公開 日本の旗 2015年4月25日
上映時間 111分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 16億円[1]
テンプレートを表示

龍三と七人の子分たち』(りゅうぞうとしちにんのこぶんたち) は、2015年日本映画北野武監督の17作目であり[2]、『アウトレイジ ビヨンド』(2012年)以来、およそ3年ぶりの作品となる[2]2015年4月25日に公開された[3]

キャッチコピーは「金無し、先無し、怖いもの無し! ジジイが最高!!」「俺たちに明日なんかいらない!![3]

概要[編集]

北野武監督の前作『アウトレイジ ビヨンド』(2012年)とは打って変わり[2]、引退した元ヤクザの龍三親分がオレオレ詐欺に引っかかったことから、昔の仲間 “七人の子分たち” を呼び寄せ、若者たちを成敗しようと世直しに立ち上がる姿を描いたアクションコメディ映画である[2][3]

主要キャスト陣の平均年齢は72歳であり[2]、北野は「今回の作品はメインキャストが高齢なんで、作品の公開日までとにかく元気でいて欲しい。誰かの遺作になっちゃったりしないよう、皆さんの健康が心配でしょうがないね」と語った[2]
また、ベテラン俳優に遭遇し得る「本読みしていて、耳が遠いのに気が付いて」「カンペの字が小さいから…」、「でも、ベテラン俳優さんたちだから、しっかりした演技だったし」(要旨)などと言った、ありがちな真実味ある笑いをインタビューにおいて賛辞の言葉として送っている[4]

ストーリー[編集]

かつてヤクザの組長を務めた龍三は息子・龍平のもとで隠居生活を過ごしているが、ヤクザの息子と白い眼で見られていた過去から家庭の中でも窮屈な生活を送っている。連休に龍平が妻の実家へ帰省、留守を預かる最中に半グレ京浜連合からオレオレ詐欺の電話がかかる。示談金が揃えられない龍三は元子分のマサと詫びとして指つめを行おうとし受取人は恐れをなして逃げ出す。その夜、かつての仲間だったモキチも京浜連合とトラブルを起こし、マル暴の刑事村上から彼らの存在を知った三人はかつてのヤクザ仲間、敵対した組長達と暴力団『一龍会』を結成し京浜連合と抗争を開始する。

主要人物[編集]

一龍会[編集]

龍三親分
元組長。過去の指詰めで薬指と小指が無い。背中に龍の刺青がある。一龍会を立ち上げる際に、前科による点数勝負で親分となった。たまに飲食するマサとの電話をした後に、ある出来事が起こる。本名は高橋龍三[5]
若頭のマサ
龍三とは組長、若頭の間柄。ある親切なおばさんの仲介で生活保護をしてもらいながら生活している。若頭(No.2)どまりで組を持てなかったコンプレックスを持つ。本名は山本故夫[5]
はばかりのモキチ
富豪の振りをして誰彼かまわず寸借詐欺を働こうとする詐欺師。京浜連合が実の孫娘である百合子をさらおうとしたことを知り怒りに燃える。出前を装い京浜連合に単身奇襲をかけるが…。本名は武田茂吉[5]
早撃ちのマック
スティーブ・マックイーンに憧れ、常に拳銃を持ち歩いている血の気の多い男。現在は主に病院で過ごしている。マックイーンに憧れるあまり、礼服を持ってない。本名は渡辺義雄[5]
ステッキのイチゾウ
仕込杖のステッキを持ち歩き、若い頃は何人もの極道を血祭りに挙げてきた。常に和装姿にステテコ、加え、律儀に紋付袴まで持っている。本名は坂本一三[5]
五寸釘のヒデ
五寸釘を持ち歩き、手裏剣のように投げつける。その腕の正確さは、頭に血が上りきっている西を唖然とさせてしまった程。本名は石田英雄[5]
カミソリのタカ
カミソリで相手の喉に致命傷をつけることを得意とする。身よりはなく現在は介護施設で暮らしている。うっかりヤスを焚き付けてしまい…。本名は佐藤隆典(本編では苗字は明かされていない)[5]
神風のヤス
自称、元少年特攻志願兵ながら、思い入れは人一倍(以上)。龍平が働いている企業が気に入らず、戦死した英霊への寄付を要求する右翼もどき。本名は安田敏男[5]

京浜連合[編集]

地上げや高利貸し、押し売り、暴力団との仲裁などのシノギで急成長した悪徳企業。赤坂に本社ビルを所有している。

西
京浜連合のボス。元暴走族あがりの半グレ、一龍会に恐れおののく部下達にイラつきを隠せない。
佐々木
西のボディーガード。
北条
浄水器を無料でプレゼントして気を良くさせたとこで、それ以上に高価な布団を売りつける押し売り。たまたまセールスをかけた先が一龍会の面子が揃ったマサ宅だったため、恐れおののき逃走した
徳永
京浜連合の一番下っ端で、借金の取り立て役。取り立ての際は障害者を装い周囲の同情を引くカモフラージュをしている。パチンコ屋で龍三と揉めた。年下の西、一龍会からも見下されている小悪党。
田村
龍三にオレオレ詐欺の電話を仕掛け、金を受け取りに現れた受け子。指詰めをしようとした龍三とマサに恐れおののき逃走した。
松嶋
モキチをジジイ狩り中に村上に止められたチンピラ。
石垣
百合子と付き合っているロン毛のチンピラ。西に百合子をさらう様に脅され、その後百合子とともにモキチの元に逃亡する。

龍三の家族[編集]

龍平
龍三の息子。食品会社に勤務しており、渉外担当。休暇中に会社が食品偽装を行い対処に追われる。龍三がヤクザであることによって迷惑をかけ続けられてきた身であるため、龍三の自分達なりの仁義の通し方に、全く理解を示さない。
康介
龍三の孫。

その他[編集]

キャバクラのママ
京浜連合の傘下にあるキャバクラのママ。龍三に長年憧れ、情婦にもなろうとしたこともある。一方、西からは接待とストレス解消のはけ口として暴力を振るわれている。
村上
マル暴の刑事。暴対法で騒ぎを起こさないよう、龍三たちを説得する。
かつて龍三が世話になった榊会長の息子。5年前に跡を継いで以降ヤクザ関係とは縁を切ってまともな企業運営を行っている、としているが、やはり悪徳商法を行っている。
百合子
キャバクラ嬢として働くモキチの孫娘。「ヤクザの娘」といじめられた過去があり、モキチを恨んでいる。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

受賞[編集]

  • 第25回東京スポーツ映画大賞 [9]
    • 作品賞
    • 主演男優賞(藤竜也)
    • 助演男優賞(近藤正臣、中尾彬、品川徹、樋浦勉、伊藤幸純、吉澤健、小野寺昭、安田顕)
    なお、第25回東京映画スポーツ映画大賞発表時には監督賞・北野武監督と発表されていた[9]。ところが、授賞式で審査委員長を務める北野武監督が「是枝監督に監督賞をあげようかな」と自身が受賞したトロフィーを会場に来ていた是枝裕和監督に対して手渡し、これにより『海街diary』の是枝監督が監督賞を受賞することとなった[10]。主催者である東京スポーツの授賞式記事(受賞者一覧)では「監督賞:北野武(「龍三と七人の子分たち」)→是枝裕和(「海街diary」)」となっている[11]

備考[編集]

  • 撮影協力地(ロケ地)に愛知県はじめ東京以外の場所も参加。愛知県警察が振り込め詐欺防止を呼びかけポスターを作成したと『Cinema Cafe.net』で紹介された[12]
  • 本作品には、監督自身の経験談や見聞きした多くのエピソードがちりばめられている。例えば、競馬場の「3-5」のエピソードは島田洋七によると、横山やすしの知人の実話であり[13]、龍三が女のマンションからネグリジェで逃亡した話は、北野監督自身の経験談である[14]
  • 公開21日目に観客動員100万人を突破したと伝えられた[15]

Blu-ray / DVD[編集]

2015年10月9日発売。発売・販売元はバンダイビジュアル。

  • 龍三と七人の子分たち 通常版(1枚組)
  • 龍三と七人の子分たち スペシャルエディション(2枚組・特装限定版)

脚注[編集]

  1. ^ 2015年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
  2. ^ a b c d e f 北野武監督最新作は平均年齢72歳!元ヤクザの“ジジイ”たちがオレオレ詐欺集団を成敗”. eiga.com. 2014年11月6日閲覧。
  3. ^ a b c 映画『龍三と七人の子分たち』公式サイト”. Ryuzo7. 2014年11月6日閲覧。
  4. ^ ジジイいいね! 北野武監督インタビュー ナタリー
  5. ^ a b c d e f g h スペシャルエディションのパッケージでメンバーの名前が本名で書かれている。ただし、全編にわたり本名が明かされているのは、龍三親分、早撃ちのマック、五寸釘のヒデ、カミソリのタカのみである。
  6. ^ 安田顕がイラスト化!”. シネマトゥデイ (2015年1月30日). 2015年1月30日閲覧。
  7. ^ ビートたけしは刑事役!「龍三と七人の子分たち」劇中カットを入手”. 映画.com (2015年1月5日). 2015年1月5日閲覧。
  8. ^ 込江海翔 出演情報”. HIRATA BEANS Official Blog (2015年4月24日). 2015年4月25日閲覧。
  9. ^ a b ビートたけしが「龍三と七人の子分たち」に4冠授ける、東スポ映画大賞発表”. 映画ナタリー (2016年1月26日). 2016年1月27日閲覧。
  10. ^ 海街diary:たけしの思い付きで「東スポ映画大賞」1冠増え4冠に 綾瀬、長澤、すずがコマネチ”. まんたんウェブ (2016年2月29日). 2016年3月1日閲覧。
  11. ^ 【東スポ映画大賞】授賞式、受賞者一覧”. 東京スポーツ (2016年2月29日). 2016年3月1日閲覧。
  12. ^ 元ヤクザが警察と異例のコラボ!? 北野武監督作品『龍三と七人の子分たち』防犯ポスターに 2015年4月30日閲覧
  13. ^ オフィス北野「龍三と七人の子分たち」公式ホームページ・「4/25(土)福岡:島田洋七さん舞台挨拶レポート」
  14. ^ NTVしゃべくり0072015年4月27日放送で、北野監督自身が言及。
  15. ^ 北野武最新作、動員100万人突破! 「うれしくてたまらない!」と歓喜2015年5月18日、シネマトゥディ

外部リンク[編集]