神戸新開地・喜楽館
神戸新開地・喜楽館 Kirakukan | |
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情報 | |
通称 | 喜楽館 |
完成 | 2018年7月 |
開館 | 2018年7月11日 |
客席数 | 212 |
所在地 |
〒652-0811 兵庫県神戸市兵庫区新開地2丁目4番13号 |
位置 | 北緯34度40分38.9秒 東経135度10分10.7秒 / 北緯34.677472度 東経135.169639度座標: 北緯34度40分38.9秒 東経135度10分10.7秒 / 北緯34.677472度 東経135.169639度 |
最寄駅 | 神戸高速線新開地駅東改札口3番出口から徒歩2分 |
外部リンク | https://kobe-kirakukan.jp/ |
神戸新開地・喜楽館(こうべしんかいち・きらくかん)は、兵庫県神戸市兵庫区新開地二丁目にある寄席。落語を中心として興行が連日おこなわれている。2018年にオープンし、2019年現在は天満天神繁昌亭に次ぐ上方落語の定席の一つとなっている。
通称は喜楽館。
歴史[編集]
神戸の歓楽街である新開地には寄席として「神戸松竹座」があったが、1976年に閉館していた[1]。2014年に当時上方落語協会会長だった6代桂文枝が「神戸あたりにも上方落語の定席を」と発言したと報じられたのをきっかけに、地元商店街より寄席開設の要望が上方落語協会に寄せられた[2][3]。まもなく協議が開始されたが、いったん凍結状態となる[2]。その後、県や市の協力を得て検討が再開され、2016年秋に上方落語協会の臨時総会で事業推進を可決、2017年3月に上方落語協会・兵庫県・神戸市とNPO法人の間で協定が締結されるとともに「(仮称)神戸新開地演芸場」として構想が公表された[2][3]。建設費の2億円は半分が国からの補助、残る半分が兵庫県と神戸市の助成で贖われている[4]。立地はかつて「神戸松竹座」のあった筋向かい[5]、やや南側[6]に当たる。
名称は2017年3月より公募され、同年8月16日に応募1046通から「神戸新開地・喜楽館」に決定したことが文枝らにより発表されて同日起工式が実施された[7]。この名称決定に関しては、文枝が知人に応募させたのではないかという報道が2018年1月になされたが、喜楽館を運営するNPO法人は正式決定以前に文枝からそうした名称について聞いたことはないと疑惑を否定し、名称は当初決定通りとなった[8]。
2018年2月16日にこけら落としを7月11日とすることが発表された[9]。7月8日と9日のプレオープンイベントを経て[10][11]、予定通り7月11日にこけら落としがおこなわれ、記念行事として落語家50人が新開地商店街をパレードした[12]。
開館時点では文枝が名誉館長を務め、舞台に掲げられている「喜」の文字は文枝によるものである[13]。また、ロゴマークにある碇を模したイラストは桂あやめ(文枝の妹弟子)による[14]。
オープンから2019年3月末までの265日間の入場者数は4万5800人で、天満天神繁昌亭のオープンから同時期の動員の半分以下だが、NPO法人側は「ほぼ予想通り」としている[15]。寄席講演をおこなう昼席の入場者は平均で定員の6割近くとなっている一方、レンタル利用の夜席や地域活性化には課題があると報じられている[16]。喜楽館では、あやめの企画で御朱印帳を模したスタンプカード「御笑印帳」(100円)を新設し、8回の来場で1回分が無料になるサービスを実施するとしている[15][16][17]。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い3月3日から公演を延期または中止し、6月24日より客席数を半分以下の88席(前2列は使用せず)として再開することを6月9日に発表した[18]。休館中には寄付した客に対して公演の割引をおこなう「タニマチ制度」を設定している[19]。7月11日に開館2周年の特別公演をおこない[20]、昼席の通常公演は7月23日に再開された[21]。
2021年4月に兵庫県に3度目の新型コロナウイルス感染症流行に関する緊急事態宣言が発令されたことを受け、宣言期間中の4月25日から5月11日まで休館とした[22]。さらに5月9日に宣言の期限延長に伴い、同月31日まで休館期間を延長した[23]。その後も慎重を期して休館を続け、6月7日に昼席を再開[24]。再開後の客足の伸び悩みに対して、不安を除去するために2021年12月に従来よりも強力な換気システムを導入した[25]。
特徴[編集]
運営はNPO法人「新開地まちづくりNPO」が当たっている[4]。番組編成は、上方落語協会の喜楽館担当委員会(神戸に縁のある落語家約10名で構成)が選定する[1][5]。開館前の2018年2月には、朝日放送で演芸番組の制作に携わってきた成宮恒雄(元・同局アナウンサー→ディレクター・プロデューサー)を支配人に選定した[26]。
成宮が後に支配人への就任を辞退したため、支配人不在のまま開館した[5]。開館から4年あまりが経過した2023年3月に、伊藤史隆が支配人への就任を予定していることを朝日放送ラジオでの担当番組(2023年3月22日放送分の『伊藤史隆のラジオノオト』)で発言している[27]。ただし、同日現在喜楽館側からはこの件に関して発表はなされていない。
寄席の終演後には、出演した落語家がロビーで観客の見送りに出ている[28](同様の慣行は天満天神繁昌亭でも行われている[29])。
番組[編集]
- 昼席 14:00 - 16:30
- 落語6 - 7席と色物
- 夜席 17時台以降(演目によって異なる)
- 貸しホールとして落語に限らない公演をおこなう
料金[編集]
- 一般: 前売2,300円 当日2,800円(昼席の料金。夜席は公演ごとに異なる)
- 団体割引は10人以上から。
最寄り駅[編集]
脚注[編集]
- ^ a b “特集・神戸新開地喜楽館 桂文之助さん「実力ある若手をトリに」 喜楽館に若年ファン期待”. 神戸新聞. (2018年6月30日) 2019年1月1日閲覧。
- ^ a b c 喜楽館誕生物語 - 神戸新開地・喜楽館公式ウェブサイト
- ^ a b “神戸新開地に演芸場、来年7月オープン”. Lmaga.jp. (2017年3月14日) 2019年1月2日閲覧。
- ^ a b “落語の定席「神戸新開地・喜楽館」 7月11日オープン”. 神戸新聞. (2018年5月27日) 2019年1月1日閲覧。
- ^ a b c “上方落語 新たな才能を開く地に 神戸にも定席(もっと関西)”. 日本経済新聞. (2018年7月20日) 2019年1月1日閲覧。
- ^ 30.7.8 神戸松竹座跡に案内板が! - 兵庫区ウェブサイト(2018年7月8日)
- ^ “神戸の演芸場は「喜楽館」 一般公募で、文枝さん発表”. 産経新聞. (2017年8月16日) 2019年1月1日閲覧。
- ^ “桂文枝会長「喜楽館」疑惑、名称変更「考えてない」”. 日刊スポーツ. (2018年1月23日) 2019年1月1日閲覧。
- ^ “「神戸新開地・喜楽館」7月11日開館 料金も発表”. 神戸新聞. (2018年2月16日) 2019年1月1日閲覧。
- ^ “喜楽館プレオープン 神戸松竹座跡地で顕彰の案内板除幕式”. デイリースポーツ. (2018年7月8日) 2019年1月3日閲覧。
- ^ 7月8日(日)9日(月)喜楽館プレオープンと松竹座跡案内板の除幕式が行われました! - 神戸新開地・喜楽館(2018年7月10日)
- ^ “落語家ら50人がパレード 神戸・新開地「喜楽館」がオープン/兵庫県”. サンテレビジョン. (2018年7月11日) 2019年1月1日閲覧。
- ^ “『喜楽館』盛況オープン!文枝、歌丸さんから「『がんばれよ』と」”. サンケイスポーツ. (2018年7月12日) 2019年1月5日閲覧。
- ^ 松本寿美子 (2018年6月7日). “目玉?愛嬌たっぷり 神戸新開地・喜楽館のロゴ誕生”. 神戸新聞 2019年3月3日閲覧。
- ^ a b “「神戸新開地・喜楽館」オープン1周年 笑福亭仁智らが口上”. スポーツニッポン. (2019年7月11日) 2019年7月21日閲覧。
- ^ a b “落語・喜楽館1周年 桂米団治さん「劇場の成長これから」”. 神戸新聞. (2019年7月11日) 2019年7月21日閲覧。
- ^ “桂あやめ発案 新開地の喜楽館1周年、8回来場で1回無料のスタンプ御“笑”印帳”. デイリースポーツ. (2019年7月11日) 2019年7月21日閲覧。
- ^ “神戸新開地・喜楽館 落語寄席を再開へ 24日から”. 神戸新聞. (2020年6月9日) 2020年6月11日閲覧。
- ^ “新型コロナ 寄付して料金割引 神戸・喜楽館が「タニマチ」募集”. 毎日新聞. (2020年6月4日) 2020年6月11日閲覧。
- ^ “神戸・喜楽館が昼席再開 開館2周年公演に桂文枝さんら”. 神戸新聞. (2020年7月12日) 2020年7月24日閲覧。
- ^ “桂あやめ「コロナと掛けまして…」 神戸「喜楽館」が昼席公演再開”. サンケイスポーツ. (2020年7月23日) 2020年7月24日閲覧。
- ^ 【重要】緊急事態宣言の発令に伴う神戸新開地・喜楽館の休館について - 神戸新開地・喜楽館(2021年4月24日)2021年5月15日閲覧。
- ^ “神戸・喜楽館が31日まで休館延長、大阪・天満天神繁昌亭に続き”. 日刊スポーツ. (2021年5月9日) 2021年5月15日閲覧。
- ^ “定席寄席に高座が帰ってくる 神戸・新開地「喜楽館」再開へ 「笑いで元気を届けたい」”. 神戸新聞. (2021年6月4日) 2021年6月6日閲覧。
- ^ “みんなで大爆笑!でも大丈夫 神戸・喜楽館が高速換気システム導入”. 神戸新聞. (2021年12月16日) 2021年12月19日閲覧。
- ^ “神戸・新開地喜楽館 支配人に元ABCプロデューサー”. 神戸新聞. (2018年2月2日) 2019年1月1日閲覧。
- ^ 伊藤史隆のラジオノオト [@radionote1008] (2023年3月22日). "【3月22日(水)】ようこそ!ラジオノオトへ" (ツイート). Twitterより2023年3月22日閲覧。
- ^ 喜楽館で初笑い (PDF) - 兵庫区広報紙『ひょうご』2019年1月号、p.16
- ^ 古典芸能に親しむ観光スポット 上方落語は天満天神繁昌亭で - SmartMagazine KANSAI(2015年12月27日)