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{{Otheruses|年の概念|各年の事柄|年表|歳(とし)|年齢}}
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{{単位|名称=年|記号=y, yr, a|単位系=[[自然単位]] / [[暦法]]|物理量=[[時間]]|定義=おおよそ365.2422日|SI=おおよそ3.155693×10<sup>7</sup>[[秒]]|画像=[[ファイル:Four seasons.jpg|200px]]}}
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'''年'''(ねん、とし、{{lang-en-short|year}})は、[[時間]]の[[単位]]の一つ<ref name="NohongoDai1507">{{Cite book|和書|year=1989年|title=日本語大辞典|edition=第一刷|publisher=講談社|pages=1507|chapter=【年】|isbn=4-06-121057-2}}</ref>。元来は[[春分点]]を基準に[[太陽]]が[[天球]]を一巡する[[周期]]であり、平均365.2422[[日]]である<ref name="NohongoDai1507" />。現在世界各国で用いられる[[グレゴリオ暦]]<ref name=Sato77>[[#佐藤2009|佐藤 (2009)、pp.77-81、世界統一暦の試み]]</ref>(現行暦)では、一年または「一ヵ年」を365日と置き、四年に1度(ただし400年間に3回例外を置く)[[2月29日]]を含め366日とする[[閏年]]を設け、一年の平均日数は365.2425日となる<ref>{{cite web|url= http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/koyomi98/taiyonen.html |title=ユリウス暦における地球公転軌道上のずれ(季節のずれ)の累積と、それを改善するグレゴリオ暦(現行暦)|author=小山真人|publisher=[[静岡大学]]防災総合センター|accessdate=2011-05-20}}</ref>。
'''年'''(ねん、とし)は、[[時間]]の[[単位]]の一つ。元来は[[季節]]の周期を意味し、おおよそ平均[[太陽年]]つまり約365.2422日に等しい。


年は同時に[[時刻]]を表示する区分でもあり、年数を表す単位ともなる<ref>{{cite web|url=http://www.weblio.jp/content/%E5%B9%B4 |title=【年】|publisher=Webio百科事典/[[三省堂]]大辞林|accessdate=2011-05-20}}</ref>。これは[[英語]] year も同様で、「4 years old」(4歳)や「per year」(一年あたり)という時間を表すとともに、「year 1950」(1950年)や「the years of 」(-の年・-の時代)というように特定の時刻を示す際にも使われる<ref name=year>{{cite web|url=http://ejje.weblio.jp/content/year |title=【year】|publisher=Webio英和和英事典/[[研究社]], JST科学技術用語日英対訳辞書, ライフサイエンス辞書, 日本語WordNet, 他|accessdate=2011-05-20}}</ref>。世界中の多くの地域では、時刻の「年」を表示するに当って[[キリスト紀元]]([[西暦]]・世界共通紀年)の[[紀年法]]が使われ、[[国際標準化機構]]の[[ISO 8601]]では[[アラビア数字]]4桁で表記するよう定められている<ref name=Sato77 />。
それから一般化し、[[地球]]が[[太陽]]の周りを一周するのに要する期間を指す。何をもって1周とするかで、各種の定義がある。また、季節の周期を近似した[[暦法]]の単位でもある。


ただし、多くの国や地域では独自の紀年法とキリスト紀元を併記する場合が多く<ref>[[#佐藤2009|佐藤 (2009)、pp.33-36、独自の紀年があってこその世界共通紀年]]</ref>、[[新聞]]を例に取ると[[日本]]では西暦2011年と並べ[[元号]]である「[[平成]]23年」<ref>[[#佐藤2009|佐藤 (2009)、pp.31-33、日本の年月日表示]]</ref>、[[韓国]]では「[[檀君紀元|檀君]]4345年」([[朝鮮日報]])、[[北朝鮮]]では[[主体暦]]「100年」(コリアンニュース)<ref>[[#佐藤2009|佐藤 (2009)、pp.29-31、朝鮮の年月日表示]]</ref>、[[イスラム教国]]でも[[エジプト]]([[アル・アハラム]])や[[ブルネイ]](ペリタブルネイ)を例に取ると[[ヒジュラ暦]]「1432年」<ref>[[#佐藤2009|佐藤 (2009)、pp.23-26、イスラーム諸国の年月日表示]]</ref>が併記される。
== 天文学 ==
天文学的には、数種類の年の定義がある。
*自然の年
**平均[[太陽年]]:[[春分]]から春分まで(の平均)。約365.24219日(2000年での値)。ベッセル年。
**平均[[恒星年]]:[[慣性系]]([[恒星]])に対し太陽を一周する期間(の平均)。約365.25636日(2000年での値)。地球の[[公転周期]]。
**平均[[近点年]]:地球の[[近日点通過]]から次の近日点通過まで(の平均)。約365.2596日 。
**平均[[太陰年]]:12平均[[朔望月]]。約354.347日。
*人為的に定義された年
**[[ユリウス年]]:365.25日(定義値)。[[光年]]の換算などに使う。
**[[ガウス年]] : 2''[[円周率|{{lang|el|π}}]]'' / ''k'' = 約365.256898日。''k'' は[[ガウス引力定数]]で ''k'' = 0.017 202 098 95(定義値)。[[天文単位]]の換算などに使う。


== ==
== 概念 ==
年はひとつの時間の単位であるが、[[計量]]的な方法には馴染まない<ref name=Yano>{{Cite book|和書|author=矢野宏|year=1997年|title=単位の世界をさぐる|publisher=[[講談社]] |edition=第1刷|isbn=4-06-257183-8}}</ref>。時間の[[SI基本単位|基本単位]]は「[[秒]]」と定められており<ref>{{cite web|url=http://www.eng.kagawa-u.ac.jp/~miyagawa/misc/physics/MKS_units.pdf|format=PDF |title=MKS単位系について|author=宮川勇人|publisher=[[香川大学]]工学部材料創造工学科|language=日本語|accessdate=2010-11-13}}</ref>、年を厳密な時間単位とするならば「一年=n秒」で表されなければならない。しかし実際には現行の[[西暦]]でも[[閏年]]があり、さらに[[閏秒]]による補正も行われている<ref name=Jstpro>{{cite web|url=http://jjy.nict.go.jp/mission/page1.html |title=日本標準時プロジェクトの業務紹介|author= |publisher=独立行政法人情報通信研究機構 日本標準時プロジェクト|language=日本語|accessdate=2010-11-13}}</ref>。
[[暦]]においては、おおむね太陽年に近い整数の日数を年とする。1月の長さを月の形が変化する1周期とした[[太陰暦]]では、[[12]]ヶ月を1年とした。ただし、これでは太陽年とはずれていくので、[[太陰太陽暦]]では、[[閏月]]を入れて1年を[[13]]ヶ月とする年を設ける。


ところが現実には、年もまた時間を示すおおまかな単位として認められている。これは人間を取り巻く生活環境がもたらす[[周期|周期性]]を重視し、それから受ける[[感覚]]を尊重していることに由来する。このような累積する時間(秒)と繰り返す時間(年)の共存は、単位の柔軟性と多様性を示す一例に当たる<ref name=Yano />。
[[太陽暦]]では、1月の長さを月の周期とは切り離し、[[365]]日を12ヶ月に振り分け、1太陽年に合うようにしている。端数を合わせるために[[閏日]]を入れて366日とする年を設ける。


== 天文学的な年 ==
以下にそれぞれの暦法の特徴を示す。
[[File:Celestial sphere(in Japanese).png|right|250px|thumb|地球から見た天の赤道と黄道の傾きが季節の循環を生じる。]]
[[File:Seasons2.svg|right|250px|thumb|赤道傾斜角]]
=== 定義 ===
{{Main|太陽年|恒星年}}
[[地球]]上で生活する上で、一年の長さとは[[春夏秋冬]]という季節が一巡する期間を指す。そしてこれは、地上から見た太陽の高さと[[日照時間]]の変化でもたらされる。太陽は、[[天の赤道]]から約23.44[[度 (角度)|度]]傾いた[[黄道]]を通っている。[[春分]]と[[秋分]]の際に天の赤道と黄道は重なるが、[[夏]]には天の赤道よりも最大約23.44度高い位置を太陽が通り、[[冬]]には逆に最大約23.44度低い位置を通る。これに伴い日照時間も変化し、昼夜は春分と秋分ではほぼ同じ、夏には昼が長く冬には短くなる。太陽の高さは[[太陽光|日光]]の[[入射角]]を決め、夏の時期には高くなり[[地表]]の単位[[面積]]当たりの[[エネルギー]]量が多くなる。また夏には日照時間が延びることもエネルギーを増やす。冬にはこれらが逆に働き、結果として季節ができる<ref name=Aoki156>[[#青木1982|青木 (1982)、第4章 単位と天体暦、pp.156-157、三 一年の長さ 季節]]</ref>。


この季節の一巡は、天文学的には春分から次の春分までを指し、これは[[太陽年]]<ref name=Tenmon3-2>{{cite web|url=http://www.nao.ac.jp/QA/faq/a0302.html |title=質問3-2 春分の日はなぜ年によって違うの? |publisher=[[国立天文台]] |accessdate=2011-05-20}}</ref>(回帰年<ref name=Aoki156 />)と呼ばれる。この見た目の太陽運行は、太陽を[[公転]]する地球の[[自転軸]](地軸)が公転面に対して約23.44度傾いているために生じる。これは[[赤道傾斜角]]と言われる。地球が、太陽が春分点にある位置から[[太陽周回軌道]](公転軌道)をほぼ1周すると、太陽に対するこの傾いた地軸が同じ位置になり<ref>{{cite web|url=http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/math/lecture/misc/astro1/index.html |title=春分について|author=竹野茂治|publisher=[[新潟工科大学]]情報電子工学科 |accessdate=2011-05-20}}</ref>、ふたたび春分点に太陽が来る。これが季節の一巡となる。
*[[太陽暦]]:平年は365日、[[閏年]]は366日。平均すればほぼ太陽年。

**[[ユリウス暦]]:平均365.25日。
しかし、地球の自転軸や公転時間は一定していない。傾いた地球自転軸は、[[コマ]]が触れるようにその[[方向]]を変え、そのため春分点が一年あたり約50[[秒 (角度)|秒]]ずつ[[東]]へ移動している。これは[[歳差運動]]と呼ばれる<ref name=Aichi>{{cite web|url=http://www2.aasa.ac.jp/graduate/gsscs/reports01/PDF/01-012.pdf |format=PDF|title=時空の科学としての暦の歴史|author=親松和浩|publisher=[[愛知淑徳大学]] |accessdate=2011-05-20}}</ref><ref name=Yamagata>{{cite web|url=http://www.s-yamaga.jp/nanimono/uchu/jikokutokoyomi-01.htm |title=第一部‐2‐宇宙の科学|author=山賀進|accessdate=2011-05-20}}</ref>。そのため、実は春分点への回帰を根拠とする太陽年では地球の公転上の位置が一定しておらず、一年で地球の公転方向と逆に角度約50秒(公転時間約マイナス20[[分]])ずつずれてゆく<ref name=Iijima>{{cite web|url= http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~921921/reciprocal/kinjitsuten.pdf |format=PDF|title=近日点通過日の不思議|author=飯島孝夫|publisher=[[学習院大学]] |accessdate=2011-05-20}}</ref>。これは地球上では、年々ずれる春分点と、遠い距離の[[恒星]]がつくる[[星座]]の位置が変わってゆく現象として観察される<ref name=Aichi />。地球が正確に公転軌道を360度回転した「年」は、この恒星([[慣性系]])を基準にその位置が回帰した時間として定められ、これは[[恒星年]]と呼ばれる<ref name=Saitama>{{cite web|url=http://www.sit.ac.jp/user/tkoji/class11/uchuu/uchuu4w.pdf |format=PDF|title=宇宙の科学(第4章)|author=高橋広治|publisher=[[埼玉工業大学]]人間社会学部 |accessdate=2011-05-20}}</ref>。
**[[グレゴリオ暦]]:平均365.2425日。現在世界各国で使われている。

**[[改定ユリウス暦]]:平均365.242222日。
=== 摂動の影響 ===
*[[太陰暦]]:12ヶ月。354日または355日。平均354.347日で、ほぼ太陰年。
基本的な天文学的一年を決める地球の公転は[[ケプラーの法則]]に従う[[楕円軌道]]で定義され、歳差運動も一定ならば太陽年や恒星年に変化は生じないと思われる。しかし、ケプラーの法則は2つの天体についての運動を[[ニュートン力学]]で解いたものであり、ここに第3の天体が加わると計算が非常に複雑となり、事実上[[近似値]]しか求められなくなる。このような他天体の影響による軌道の乱れは[[摂動 (天文学)|摂動]]と呼ばれる。[[サイモン・ニューカム]]はこれら摂動の影響を短い周期(短周期項)とゆっくりした周期(詳しくは長周期項と長年項)に分け、それらが断続的にケプラー運動の初期値に影響を与えると述べた<ref name=Aoki159>[[#青木1982|青木 (1982)、第4章 単位と天体暦、pp.159-161、三 一年の長さ 摂動]]</ref>。そして、この摂動によって地球の公転軌道は徐々に[[離心率]]が小さくなり恒星年が短くなると説明された<ref name=Aoki161>[[#青木1982|青木 (1982)、第4章 単位と天体暦、pp.161-162、三 一年の長さ ニューカムの太陽表]]</ref>。さらに摂動は自転軸の[[章動]]を起こし、公転速度に乱れを生じさせ恒星年に影響を与える<ref name=Iijima />。
*[[太陰太陽暦]]:平年は12ヶ月、平均354.37日。閏年は13ヶ月、平均383.89日。平年と閏年を平均すればほぼ太陽年。

**[[メトン周期]]:平均365.263日。
また、公転軌道そのものも一定ではない。楕円の公転軌道も他惑星からの摂動によって回転しており、地球の[[近日点]]は一年で地球の公転方向側に角度約11秒ずつ(公転時間約4分)ずれてゆく。近日点通過後次に近日点の位置に地球がくるまでの時間を「近点年」(平均約365.25964日 <ref name=Mashima>{{cite web|url=http://nwudir.lib.nara-wu.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/2377/1/AN00075153_7_pp15-20.pdf |format=PDF|title=暦法、とくに置閏法についての一考察|author=馬嶋玄敏|publisher=[[奈良女子大学]]学術情報リポジトリ |accessdate=2011-05-20}}</ref>)というが、この年は恒星年よりも約4分長い<ref name=Iijima />。
**[[カリポス周期]]:平均365.25日。

**[[ヒッパルコス周期]]:平均365.247日。
=== 自転の変化 ===
**[[中国暦]]・[[和暦]]:平均すれば正確に太陽年と同じ365.2422日。
一方、「年」を地球の自転によって決まる「日」で定義する場合、この自転そのものが段々と減速している事も知られている。摂動や[[潮汐]]などの影響と考えられているが、古代の[[日食]]記録や[[サンゴ]][[組織 (生物学)|組織]]の「日」単位の粗密(日輪)の調査等から約5億年前の一日は短かかったことが判明しており、当時の一年は約400日だったと考えられる<ref name=Aoki165>[[#青木1982|青木 (1982)、第4章 単位と天体暦、p.165、三 一年の長さ 一年の日数]]</ref>。

== 人為的に定義された年 ==
[[File:2006 Aug 06 025.JPG|right|250px|thumb|[[ストーンヘンジ]]]]
初期の人類が時間を認識する基礎は、季節の観念だったと考えられる。これは[[狩猟採集社会]]において獲物や収穫を左右する要因に大きく影響を及ぼしたからである。ただしその当時どこまで厳密な「年」の概念を持っていたかは定かでない<ref name=Aoki51>[[#青木1982|青木 (1982)、第2章 太陰暦と太陽暦、pp.51-53、一 古代人の天文学 人類と天体]]</ref>。[[イギリス]]にある[[新石器時代]]の遺跡[[ストーンヘンジ]]は一種の天体観測台であり、夏至や冬至の時期を知る[[カレンダー]]の機能を持っていたと考えられる<ref>{{cite web|url=file:///C:/Documents%20and%20Settings/88028/Local%20Settings/Temporary%20Internet%20Files/Content.IE5/WBCVYVCD/Ubutu1%5B1%5D.ppt#311,10,『天文台』ストーンヘンジ|title=宇宙物理学|author=坪井陽子|publisher=[[京都大学]] |accessdate=2011-05-20}}</ref>。

=== 太陰暦と太陰太陽暦 ===
{{Main|太陰暦|太陰太陽暦}}
日次を認識する際、天体の[[月]]が[[月相|相(満ち欠け)]]を起こす様子は便利だった。そこから[[新月]]から次の新月までの周期である1[[朔望月]](約29.53日)を基礎に置いた暦である[[太陰暦]]が発達した<ref>[[#青木1982|青木 (1982)、序章 月と時、pp.1-2、月のみちかけ]]</ref>。この暦では、平均朔望月(約354.36708日<ref name=Kodama>{{cite web|url=http://www.math.kobe-u.ac.jp/~kodama/tips-measure.html |title=時間の単位と暦法 |author=児玉宏児 |publisher=[[神戸大学]]大学院自然科学研究科|accessdate=2011-05-20}}</ref>)から一ヶ月を29または30日とし、その12倍を[[暦年]]を定めたが、季節の循環と毎年10日ほどのずれが生じることになった。この暦は[[遊牧民族]]や[[漁撈]]中心の社会に適し、地域では[[古代メソポタミア]]、[[古代エジプト|エジプト]]、[[古代ギリシア|ギリシア]]、[[古代中国|中国]]で発達した<ref name=Asai>{{cite web|url=http://www.fujimigaoka.ac.jp/schoollife/external_html/subject/social%20studies/pdf/4_calendar.pdf |format=PDF|title=第4部 暦 |author=浅古拓人|publisher=[[富士見丘中学校・高等学校]] |accessdate=2011-05-20}}</ref>。現代でもイスラムで使われる[[ヒジュラ暦]]は太陰暦であり、一年は354または355日となる<ref name=Asai />。

しかし太陰暦は季節の期とのずれが激しく、[[気候]]変化に根付いた時間感覚との違和感が大きく農耕民族にとっては<ref name=Asai />使いにくい。古代ギリシアの数学者[[メトン]]は、19太陽年と235朔望月にほぼ合うことを見つけ、太陰暦の十九年に7度[[閏月|追加の月(閏月)]]を挿入する[[メトン周期]]を発案した<ref name=Asai />。これによると、一年は平均して365.263日となる。この周期は[[バビロニア]]や中国でも独自に発見され、太陽年と太陰暦を[[置閏法]]で調整し特定の年を13ヶ月とする[[太陰太陽暦]]が発達した<ref name=Aoki3>[[#青木1982|青木 (1982)、序章 月と時、pp.3-4、太陰太陽暦]]</ref>。

=== 太陽暦 ===
{{Main|太陽暦}}
地球の公転を基礎に置く[[太陽暦]]を発達させた古代文明にエジプトがある。この地で発達した根底には一定の期間で発生する[[ナイル川]]の洪水があった。これを基準に季節を3つの期に分け、アケト(洪水)、ペロイェト(芽生え)、ショム(欠乏)と呼んでいた<ref name=Okada309>[[#岡田ら1994|岡田ら (1994)、pp.309-310、太陽暦、エジプト暦(シリウス暦)]]</ref>。この期がそれぞれ4朔望月とほぼ一致することから、当初はエジプトでも太陰暦が用いられていた<ref name=Okada309 />。ところが彼らは、洪水が起こり始める夏の時期には太陽が昇る直前の東の空に[[シリウス]]が輝くという[[天文現象]]に気づいた。エジプト人はシリウスを[[神]][[ソプデト]]と崇め、夏至を基準とする歴法を作り出した。当初、これは朔望月を基準に3年に一度閏月を加える一年を354日とする「太陰星暦」とも呼べる暦法だったが、紀元前2700年頃に一ヶ月を30日とし別に5日の祭日を設けた一年365日の[[シリウス暦]]に改められた<ref name=Okada309 />。この30日の12倍に余りの5日を一年とする歴法は古代エチオピア<ref name=Okada310>[[#岡田ら1994|岡田ら (1994)、pp.310-311、太陽暦、エチオピア暦]]</ref>や[[古代インド]]のパーシ教徒<ref name=Okada311-1>[[#岡田ら1994|岡田ら (1994)、p.311、太陽暦、パーシ暦]]</ref>でも用いられた。[[マヤ文明]]には宗教暦と常用暦があり、後者は一年を365日とする太陽暦といえるものであった<ref name=Okada315>[[#岡田ら1994|岡田ら (1994)、pp.315-317、太陽暦、マヤ暦]]</ref>。
古代エジプトでは、やがてシリウス(恒星)と太陽の運行には若干の差がある事が認識され、[[プトレマイオス3世]]治世時に四年に1度閏日を加え、一年を平均365.25日とする暦法が制定された<ref name=Okada311>[[#岡田ら1994|岡田ら (1994)、pp.311-312、太陽暦、ユリウス暦]]</ref>。

[[File: 0092 - Wien - Kunsthistorisches Museum - Gaius Julius Caesar.jpg |left|200px|thumb|[[ガイウス・ユリウス・カエサル]](ユリウス・シーザー)]]
[[共和制ローマ]]の実験を握った[[ガイウス・ユリウス・カエサル]]は、紀元前49年に一年を平均365.25日とするエジプトの太陽暦を導入した。彼の死後、一時混乱して閏年を三年に一度とする平均365.3333日の運用もなされたが、紀元8年に[[アウグストゥス]]が修正を施し平均365.25日へ戻された<ref name=Okada311 />。[[ローマ帝国]]の拡大に伴い、ユリウス暦はヨーロッパのほぼ全土・アフリカ北部から中近東に至る広い地域で用いられた<ref name=Okada311 />。このユリウス暦でも一年当たり約11分14秒長かったため、やがて春分日との誤差が顕著になった。1583年、[[ローマ教皇]][[グレゴリウス13世 (ローマ教皇)|グレゴリウス13世]]によって四百年に1度閏日を加えない年を設ける[[グレゴリオ暦]]へ改暦し、一年は365.2425日となった。この年単位は当初は[[カトリック]]諸国のみの採用に留まっていた。しかし暦として優れている点が徐々に認められ、[[プロテスタント]]諸国には18世紀以降、[[ギリシア正教]]諸国も19世紀には、非キリスト教国では1873年の[[日本]]を皮切りに、20世紀中には世界中のほとんどの国が採用する[[西暦]](世界標準暦)として用いられるようになった<ref name=Okada312>[[#岡田ら1994|岡田ら (1994)、pp.312-315、太陽暦、グレゴリオ暦]]</ref>。

{{Main|マヤ暦}}
[[中央アメリカ]]で発達した[[マヤ文明]]は、エジプトとは独立に太陽暦を確立していた。マヤ文明は紀元前7-6世紀頃に天文観測から一太陽年が365.2420日という結論を得ており、これに基づいた常用暦では20日からなる一ヶ月が18月続き、調整のため5日間だけの19番目の月(ワィエプ)を置き、一年(トウン)を365日と定めた。これと別に、マヤには宗教暦があり、これは一ヶ月を20日と定め、13ヶ月で一年(ツォルキン)とする260日という天体活動と全く関係しない年の運用も行われていた<ref name=Okada315>[[#岡田ら1994|岡田ら (1994)、pp.315-317、太陽暦、マヤ暦]]</ref>。

=== ユリウス年 ===
{{Main|ユリウス年}}
時刻が、改暦による時期やそれぞれの地域によって統一されていないことから生じるさまざまな不具合に対して考案された基準が[[ユリウス通日]]であり<ref name=Aoki3>[[#青木1982|青木 (1982)、第2章 太陰暦と太陽暦、pp.97-98、四 太陽暦問答(その2) ユリウス通日]]</ref>、これを元にした年は[[ユリウス年]]と呼ばれ、[[国際単位系]]における31,557,600[[秒]]と定義される<ref name=SI>[[国際天文学連合]] "[http://www.iau.org/science/publications/proceedings_rules/units/ SI units]" accessed 18 February 2010. (See Table 5 and section 5.15.) Reprinted from George A. Wilkins & IAU Commission 5, [http://www.iau.org/static/publications/stylemanual1989.pdf "The IAU Style Manual (1989)"] (PDF file) in ''IAU Transactions'' Vol. XXB</ref>。

ユリウス通日では、紀元前4713年1月1日正午をゼロと置き、1日を86,400秒、そして1年を365.25日と固定している。もともとはヨセフ・スカリゲル[[:en:Joseph Justus Scaliger|(en)]]が1583年に、さまざまな混乱が生じることを懸念して考案した<ref name=Aoki3 />。1967/68年の[[国際度量衡総会]]にて、秒の基準が天体運動から[[原子時計]]に移されて<ref >{{cite web|url=http://www2.nict.go.jp/w/w114/afs/One-Second.html |title=1秒の定義|author= |publisher=独立行政法人情報通信研究機構|language=日本語|accessdate=2010-11-13}}</ref>から、ユリウス年は太陽年や恒星年とも関連しない独立した時間の基準となった<ref name=SI />。


== 派生単位 ==
== 派生単位 ==
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年(厳密には[[ユリウス年]])を使って定義される単位に「'''[[光年]]'''」(ly)がある。これは[[光速度]]と年の積 cy に等しい。
年(厳密には[[ユリウス年]])を使って定義される単位に「'''[[光年]]'''」(ly)がある。これは[[光速度]]と年の積 cy に等しい。

== 年初 ==
[[File:初詣3.JPG|right|200px|thumb|日本では「1月」と数字で表すため1月1日が年の初めと当然のように受け止められるが、そのように定まったのはヨーロッパの中世以後である。]]
現在の1年の始まり(年初・歳首<ref name=Sato052>[[#佐藤2009|佐藤 (2009)、pp.052-056、一年のはじめを固定したこと]]</ref>)は[[元旦]](1月1日)であるが、これには天文学的または宗教・思想的な意味は無い。グレゴリオ暦の基礎となった[[ローマ暦]]では、紀元前735年に始まった当初、1年の始まりを現在の[[3月]] (Martius) 初日に置いていた<ref name=Ike42>[[#池内1999|池内 (1999)、3 俺は北極星のように不動だ、pp.42-43、ローマの暦]]</ref>。後に[[ガイウス・ユリウス・カエサル]](ユリウス・シーザー)が[[エジプト]]から導入した[[太陽暦]]へ切り替えた紀元前47年に、[[冬至]]に近かった [[1月]] (Januarius) の初日を1年の開始と改めたことが現在まで引き継がれている<ref name=Ike44>[[#池内1999|池内 (1999)、3.俺は北極星のように不動だ、pp.44-47、改暦の歴史]]</ref>。

しかし、文化圏や民族によって1年の始まりは様々であった。[[温帯]]地方では太陽運行上の節目に当る冬至や春分、または夏至(エジプトやギリシア)、秋分([[ユダヤ暦]])を年初と置いていた。農業中心の社会ではローマ暦のように春を年初とみなす場合が多かった<ref name=Asai /><ref>[[#岡田ら1994|岡田ら (1994)、pp.296-298、原始的な暦]]</ref>。他の太陽暦でも、現在の9月11-12日を年初とするエチオピア暦<ref name=Okada310 />、8月26日から始まったパーシ暦<ref name=Okada311-1 />もあった。

中世ヨーロッパでは、基本的にユリウス暦を用いながらも、年初は地域によってばらばらだった。それらは主に[[キリスト教]]にとって重要な日を選び、[[イエス・キリスト]][[誕生日|生誕日]]である[[クリスマス]]の[[12月25日]]、[[受胎告知]]の[[3月25日]]、そしてキリスト教で最も重視され太陽暦では固定できなかった[[復活祭]]<ref name=Sato052 />。1月1日を[[主の割礼祭]]として年初に据えることもあったが、一般的ではなかった<ref name=Asai />。

1564年に[[フランス]]の[[シャルル9世 (フランス王)|シャルル9世]]が、年初を冬至に近い<ref name=Sato052 />1月1日へ固定した<ref name=Asai />。当初これには国内の反発があったが3年後には議会で採択され正式に発令され、さらにこれは1582年のグレゴリオ暦採用時にも再度定められた<ref name=Asai />。しかしこの定めはキリスト教圏にすぐに広がったわけではなく、例えば[[イギリス]]が1月1日を年初としたのは1752年であった<ref name=Sato052 />。


== 語源 ==
== 語源 ==
[[日本語]]で「とし」とは、「[[イネ|稲]]」を意味するいわれ、一年周期で[[稲作]]を行なっていたため「年」の意味で使われるようになったという。[[漢字]]の「年」は禾を収穫する人の姿象形するといわれる。穀物成熟の周期から1年の周期を感じていと思われる
[[日本語]]で「とし」とは、「[[イネ|稲]]」や[[穀物]]語源、一年周期で[[稲作]]を行なっていたため「年」の意味で使われるようになったという。[[漢字]]の「年」は禾に粘りの意味含む人の加え、穀物成熟するまでの周期を表現し<ref>{{cite web|url=http://gogen-allguide.com/to/toshi.html |title=【年・歳】|publisher=語源由来辞典|accessdate=2011-05-20}}</ref>

== その他の年 ==
=== 長大な時間 ===
歴史学や天文学などにおいて、何かしらの概念に基づく長大な時間に対し[[固有名詞]]をつけて「何々年」と呼ぶ場合がある。[[古代ギリシア]]の[[哲学者]]プラトンは[[歴史]]とは循環するものと考え、その周期を36,000年と試算した。これは「プラトン的転回 (Platonic Revolution)」または「プラトン年 (Platonic Year) 」と呼ばれる<ref>{{Cite book|和書|author=[[岡崎勝世]] |year=2003年|title=世界史とヨーロッパ|publisher=[[講談社]]現代新書|pages=218-219|isbn=4-06-149687-5|ref=岡崎2003}}</ref>。

天文学的現象の例では、歳差運動によって春分点が移動して一周する約28,000年に対しグレート・イヤー (great year) という名称が与えられている<ref>{{cite web|url=http://ejje.weblio.jp/content/great+year |title=【great year】|publisher=Webio英和和英事典/[[研究社]], JST科学技術用語日英対訳辞書, ライフサイエンス辞書, 日本語WordNet, 他|accessdate=2011-05-20}}</ref>。さらに、[[太陽系]]が[[秒速]]200kmの速度で[[銀河系]]を一周する期間である約2億年も、[[銀河年]] (Galactic year) という名称で呼ばれる<ref>{{cite web|url=http://www.soc.shukutoku.ac.jp/matsuyama/hp/na3105/ |title=四季の星座と神話|author=松山恵美子|publisher=[[淑徳大学]]総合福祉学部|accessdate=2011-05-20}}</ref><ref>{{cite web|url=http://ejje.weblio.jp/content/galactic+year |title=【Galactic year】|publisher=Webio英和和英事典/[[研究社]], JST科学技術用語日英対訳辞書, ライフサイエンス辞書, 日本語WordNet, 他|accessdate=2011-05-20}}</ref>。

=== 他の惑星の公転 ===
年が地球の公転周期を基礎にしていることから転じ、他の[[惑星]]の公転周期についても「年」という表記が使われる。例えば「[[水星]]年」<ref name=Top3>{{cite web|url= http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/stfc/stt084j/0803_02_topics/200803_topics.html |title=科学技術動向 3月号 トピックス、【6】米国探査機、約33年ぶりに水星観測を再開|publisher=[[科学技術政策研究所]]|accessdate=2011-05-20}}</ref>、「[[火星]]の一年」<ref name=year /><ref>{{cite web|url=http://kumano.u-aizu.ac.jp/PlaGeoNews/Site01/PDFs/PlaGeoNews11_1.pdf |format=PDF|title=マーズ・サーベイヤー98計画はじまる|author=白尾元理|publisher=惑星地質ニュース|accessdate=2011-05-20}}</ref>などである。このような用語を使う際、混同を避けるために地球の一年は「地球年」 (earth year) とも呼ばれる<ref name=Top3 /><ref>{{cite web|url=http://ejje.weblio.jp/content/Earth%E2%80%90year |title=【earth year】|publisher=Webio英和和英事典/[[研究社]], JST科学技術用語日英対訳辞書, ライフサイエンス辞書, 日本語WordNet, 他|accessdate=2011-05-20}}</ref>。

=== 天文単位の基準 ===
{{仮リンク|ガウス年|en|Gaussian year}} : 2''[[円周率|{{lang|el|π}}]]'' / ''k'' = 約365.256898日。''k'' は[[ガウス引力定数]]で ''k'' = 0.017 202 098 95(定義値)。[[天文単位]]の換算などに使う<ref>{{cite web|url= http://www.eclipse-chasers.com/iaueclipsedictionary.php?SA=1 |title=【Astronomical unit (AU)】|publisher=Union Astronomique Internationale|lanuage=英語|accessdate=2011-10-31}}</ref>。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
*[[年度]] - [[会計年度]]
*[[年度]] - [[会計年度]]
*[[]]
*[[0年]]

== 参考文献 ==
*{{Cite book|和書|author=佐藤正幸|year=2009年|title=世界史における時間|publisher=[[山川出版社]] |edition=第1刷|isbn=978-4-634-34966-7|ref=佐藤2009}}
*{{Cite book|和書|author=[[池内了]]|year=1999年|title=天文学者の虫眼鏡|publisher=[[文藝春秋]]新書 |edition=第1刷|isbn=4-16-660060-5|ref=池内1999}}
*{{Cite book|和書|author=[[青木信仰]]|year=1982年|title=時と暦|publisher=[[東京大学]]出版会|edition=初版|ref=青木1982}}
*{{Cite book|和書|author=岡田芳朗、阿久根末忠|year=1994年|title=現代こよみ読み解き事典|publisher=[[柏書房]]|edition=第五版|ref=岡田ら1994}}

== 脚注 ==
=== 注釈 ===
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=== 脚注 ===
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=== 脚注2 ===
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2011年10月31日 (月) 15:34時点における版

記号 y, yr, a
暦法
時間
SI おおよそ3.155693×107
定義 おおよそ365.2422日
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(ねん、とし、: year)は、時間単位の一つ[1]。元来は春分点を基準に太陽天球を一巡する周期であり、平均365.2422である[1]。現在世界各国で用いられるグレゴリオ暦[2](現行暦)では、一年または「一ヵ年」を365日と置き、四年に1度(ただし400年間に3回例外を置く)2月29日を含め366日とする閏年を設け、一年の平均日数は365.2425日となる[3]

年は同時に時刻を表示する区分でもあり、年数を表す単位ともなる[4]。これは英語 year も同様で、「4 years old」(4歳)や「per year」(一年あたり)という時間を表すとともに、「year 1950」(1950年)や「the years of 」(-の年・-の時代)というように特定の時刻を示す際にも使われる[5]。世界中の多くの地域では、時刻の「年」を表示するに当ってキリスト紀元西暦・世界共通紀年)の紀年法が使われ、国際標準化機構ISO 8601ではアラビア数字4桁で表記するよう定められている[2]

ただし、多くの国や地域では独自の紀年法とキリスト紀元を併記する場合が多く[6]新聞を例に取ると日本では西暦2011年と並べ元号である「平成23年」[7]韓国では「檀君4345年」(朝鮮日報)、北朝鮮では主体暦「100年」(コリアンニュース)[8]イスラム教国でもエジプトアル・アハラム)やブルネイ(ペリタブルネイ)を例に取るとヒジュラ暦「1432年」[9]が併記される。

概念

年はひとつの時間の単位であるが、計量的な方法には馴染まない[10]。時間の基本単位は「」と定められており[11]、年を厳密な時間単位とするならば「一年=n秒」で表されなければならない。しかし実際には現行の西暦でも閏年があり、さらに閏秒による補正も行われている[12]

ところが現実には、年もまた時間を示すおおまかな単位として認められている。これは人間を取り巻く生活環境がもたらす周期性を重視し、それから受ける感覚を尊重していることに由来する。このような累積する時間(秒)と繰り返す時間(年)の共存は、単位の柔軟性と多様性を示す一例に当たる[10]

天文学的な年

地球から見た天の赤道と黄道の傾きが季節の循環を生じる。
赤道傾斜角

定義

地球上で生活する上で、一年の長さとは春夏秋冬という季節が一巡する期間を指す。そしてこれは、地上から見た太陽の高さと日照時間の変化でもたらされる。太陽は、天の赤道から約23.44傾いた黄道を通っている。春分秋分の際に天の赤道と黄道は重なるが、には天の赤道よりも最大約23.44度高い位置を太陽が通り、には逆に最大約23.44度低い位置を通る。これに伴い日照時間も変化し、昼夜は春分と秋分ではほぼ同じ、夏には昼が長く冬には短くなる。太陽の高さは日光入射角を決め、夏の時期には高くなり地表の単位面積当たりのエネルギー量が多くなる。また夏には日照時間が延びることもエネルギーを増やす。冬にはこれらが逆に働き、結果として季節ができる[13]

この季節の一巡は、天文学的には春分から次の春分までを指し、これは太陽年[14](回帰年[13])と呼ばれる。この見た目の太陽運行は、太陽を公転する地球の自転軸(地軸)が公転面に対して約23.44度傾いているために生じる。これは赤道傾斜角と言われる。地球が、太陽が春分点にある位置から太陽周回軌道(公転軌道)をほぼ1周すると、太陽に対するこの傾いた地軸が同じ位置になり[15]、ふたたび春分点に太陽が来る。これが季節の一巡となる。

しかし、地球の自転軸や公転時間は一定していない。傾いた地球自転軸は、コマが触れるようにその方向を変え、そのため春分点が一年あたり約50ずつへ移動している。これは歳差運動と呼ばれる[16][17]。そのため、実は春分点への回帰を根拠とする太陽年では地球の公転上の位置が一定しておらず、一年で地球の公転方向と逆に角度約50秒(公転時間約マイナス20)ずつずれてゆく[18]。これは地球上では、年々ずれる春分点と、遠い距離の恒星がつくる星座の位置が変わってゆく現象として観察される[16]。地球が正確に公転軌道を360度回転した「年」は、この恒星(慣性系)を基準にその位置が回帰した時間として定められ、これは恒星年と呼ばれる[19]

摂動の影響

基本的な天文学的一年を決める地球の公転はケプラーの法則に従う楕円軌道で定義され、歳差運動も一定ならば太陽年や恒星年に変化は生じないと思われる。しかし、ケプラーの法則は2つの天体についての運動をニュートン力学で解いたものであり、ここに第3の天体が加わると計算が非常に複雑となり、事実上近似値しか求められなくなる。このような他天体の影響による軌道の乱れは摂動と呼ばれる。サイモン・ニューカムはこれら摂動の影響を短い周期(短周期項)とゆっくりした周期(詳しくは長周期項と長年項)に分け、それらが断続的にケプラー運動の初期値に影響を与えると述べた[20]。そして、この摂動によって地球の公転軌道は徐々に離心率が小さくなり恒星年が短くなると説明された[21]。さらに摂動は自転軸の章動を起こし、公転速度に乱れを生じさせ恒星年に影響を与える[18]

また、公転軌道そのものも一定ではない。楕円の公転軌道も他惑星からの摂動によって回転しており、地球の近日点は一年で地球の公転方向側に角度約11秒ずつ(公転時間約4分)ずれてゆく。近日点通過後次に近日点の位置に地球がくるまでの時間を「近点年」(平均約365.25964日 [22])というが、この年は恒星年よりも約4分長い[18]

自転の変化

一方、「年」を地球の自転によって決まる「日」で定義する場合、この自転そのものが段々と減速している事も知られている。摂動や潮汐などの影響と考えられているが、古代の日食記録やサンゴ組織の「日」単位の粗密(日輪)の調査等から約5億年前の一日は短かかったことが判明しており、当時の一年は約400日だったと考えられる[23]

人為的に定義された年

ストーンヘンジ

初期の人類が時間を認識する基礎は、季節の観念だったと考えられる。これは狩猟採集社会において獲物や収穫を左右する要因に大きく影響を及ぼしたからである。ただしその当時どこまで厳密な「年」の概念を持っていたかは定かでない[24]イギリスにある新石器時代の遺跡ストーンヘンジは一種の天体観測台であり、夏至や冬至の時期を知るカレンダーの機能を持っていたと考えられる[25]

太陰暦と太陰太陽暦

日次を認識する際、天体の相(満ち欠け)を起こす様子は便利だった。そこから新月から次の新月までの周期である1朔望月(約29.53日)を基礎に置いた暦である太陰暦が発達した[26]。この暦では、平均朔望月(約354.36708日[27])から一ヶ月を29または30日とし、その12倍を暦年を定めたが、季節の循環と毎年10日ほどのずれが生じることになった。この暦は遊牧民族漁撈中心の社会に適し、地域では古代メソポタミアエジプトギリシア中国で発達した[28]。現代でもイスラムで使われるヒジュラ暦は太陰暦であり、一年は354または355日となる[28]

しかし太陰暦は季節の期とのずれが激しく、気候変化に根付いた時間感覚との違和感が大きく農耕民族にとっては[28]使いにくい。古代ギリシアの数学者メトンは、19太陽年と235朔望月にほぼ合うことを見つけ、太陰暦の十九年に7度追加の月(閏月)を挿入するメトン周期を発案した[28]。これによると、一年は平均して365.263日となる。この周期はバビロニアや中国でも独自に発見され、太陽年と太陰暦を置閏法で調整し特定の年を13ヶ月とする太陰太陽暦が発達した[29]

太陽暦

地球の公転を基礎に置く太陽暦を発達させた古代文明にエジプトがある。この地で発達した根底には一定の期間で発生するナイル川の洪水があった。これを基準に季節を3つの期に分け、アケト(洪水)、ペロイェト(芽生え)、ショム(欠乏)と呼んでいた[30]。この期がそれぞれ4朔望月とほぼ一致することから、当初はエジプトでも太陰暦が用いられていた[30]。ところが彼らは、洪水が起こり始める夏の時期には太陽が昇る直前の東の空にシリウスが輝くという天文現象に気づいた。エジプト人はシリウスをソプデトと崇め、夏至を基準とする歴法を作り出した。当初、これは朔望月を基準に3年に一度閏月を加える一年を354日とする「太陰星暦」とも呼べる暦法だったが、紀元前2700年頃に一ヶ月を30日とし別に5日の祭日を設けた一年365日のシリウス暦に改められた[30]。この30日の12倍に余りの5日を一年とする歴法は古代エチオピア[31]古代インドのパーシ教徒[32]でも用いられた。マヤ文明には宗教暦と常用暦があり、後者は一年を365日とする太陽暦といえるものであった[33]。 古代エジプトでは、やがてシリウス(恒星)と太陽の運行には若干の差がある事が認識され、プトレマイオス3世治世時に四年に1度閏日を加え、一年を平均365.25日とする暦法が制定された[34]

ガイウス・ユリウス・カエサル(ユリウス・シーザー)

共和制ローマの実験を握ったガイウス・ユリウス・カエサルは、紀元前49年に一年を平均365.25日とするエジプトの太陽暦を導入した。彼の死後、一時混乱して閏年を三年に一度とする平均365.3333日の運用もなされたが、紀元8年にアウグストゥスが修正を施し平均365.25日へ戻された[34]ローマ帝国の拡大に伴い、ユリウス暦はヨーロッパのほぼ全土・アフリカ北部から中近東に至る広い地域で用いられた[34]。このユリウス暦でも一年当たり約11分14秒長かったため、やがて春分日との誤差が顕著になった。1583年、ローマ教皇グレゴリウス13世によって四百年に1度閏日を加えない年を設けるグレゴリオ暦へ改暦し、一年は365.2425日となった。この年単位は当初はカトリック諸国のみの採用に留まっていた。しかし暦として優れている点が徐々に認められ、プロテスタント諸国には18世紀以降、ギリシア正教諸国も19世紀には、非キリスト教国では1873年の日本を皮切りに、20世紀中には世界中のほとんどの国が採用する西暦(世界標準暦)として用いられるようになった[35]

中央アメリカで発達したマヤ文明は、エジプトとは独立に太陽暦を確立していた。マヤ文明は紀元前7-6世紀頃に天文観測から一太陽年が365.2420日という結論を得ており、これに基づいた常用暦では20日からなる一ヶ月が18月続き、調整のため5日間だけの19番目の月(ワィエプ)を置き、一年(トウン)を365日と定めた。これと別に、マヤには宗教暦があり、これは一ヶ月を20日と定め、13ヶ月で一年(ツォルキン)とする260日という天体活動と全く関係しない年の運用も行われていた[33]

ユリウス年

時刻が、改暦による時期やそれぞれの地域によって統一されていないことから生じるさまざまな不具合に対して考案された基準がユリウス通日であり[29]、これを元にした年はユリウス年と呼ばれ、国際単位系における31,557,600と定義される[36]

ユリウス通日では、紀元前4713年1月1日正午をゼロと置き、1日を86,400秒、そして1年を365.25日と固定している。もともとはヨセフ・スカリゲル(en)が1583年に、さまざまな混乱が生じることを懸念して考案した[29]。1967/68年の国際度量衡総会にて、秒の基準が天体運動から原子時計に移されて[37]から、ユリウス年は太陽年や恒星年とも関連しない独立した時間の基準となった[36]

派生単位

10年を「十年紀」、100年を「世紀」、1000年を「千年紀」(ミレニアム)と呼ぶ。

1年の半分の6ヶ月のことを「半年」という。また、1年を6ヶ月ずつの半期に分けて、前の半期(前期)を「上半期(かみはんき)」、後の半期(後期)を「下半期(しもはんき)」ともいう。さらに、1年を3ヶ月ごとに分けたものを「四半(しはんき)」(クォータークール)といい、年の初めから順に第1四半期、第2四半期、第3四半期、第4四半期と呼ぶ。英語圏では "Q1,Q2,Q3,Q4" と略す。

天文学地質学古生物学などでは1000年 ka, ky, kyr、100万年 Ma, My, Myr、10億年 Ga, Gy, Gyr が使われる。これらは「キロ年」、「メガ年」、「ギガ年」の意味だが、日本語では接頭辞も訳して呼ぶ。a はラテン語のアンヌム annum の略である。

地殻変動など非常に遅い速度を表すのに、「ミリメートル毎年」(mm/y, mm/yr)、「センチメートル毎年」(cm/y, cm/yr)が使われる。資源等の産出量は「トン毎年」(t/y, t/yr)などが使われるが、年当たりなのは自明とみなし単にトンなどと表すことが多い。他にもさまざまな量が年当たりで算出されるが、毎年は省略することが多い。

年(厳密にはユリウス年)を使って定義される単位に「光年」(ly)がある。これは光速度と年の積 cy に等しい。

年初

日本では「1月」と数字で表すため1月1日が年の初めと当然のように受け止められるが、そのように定まったのはヨーロッパの中世以後である。

現在の1年の始まり(年初・歳首[38])は元旦(1月1日)であるが、これには天文学的または宗教・思想的な意味は無い。グレゴリオ暦の基礎となったローマ暦では、紀元前735年に始まった当初、1年の始まりを現在の3月 (Martius) 初日に置いていた[39]。後にガイウス・ユリウス・カエサル(ユリウス・シーザー)がエジプトから導入した太陽暦へ切り替えた紀元前47年に、冬至に近かった 1月 (Januarius) の初日を1年の開始と改めたことが現在まで引き継がれている[40]

しかし、文化圏や民族によって1年の始まりは様々であった。温帯地方では太陽運行上の節目に当る冬至や春分、または夏至(エジプトやギリシア)、秋分(ユダヤ暦)を年初と置いていた。農業中心の社会ではローマ暦のように春を年初とみなす場合が多かった[28][41]。他の太陽暦でも、現在の9月11-12日を年初とするエチオピア暦[31]、8月26日から始まったパーシ暦[32]もあった。

中世ヨーロッパでは、基本的にユリウス暦を用いながらも、年初は地域によってばらばらだった。それらは主にキリスト教にとって重要な日を選び、イエス・キリスト生誕日であるクリスマス12月25日受胎告知3月25日、そしてキリスト教で最も重視され太陽暦では固定できなかった復活祭[38]。1月1日を主の割礼祭として年初に据えることもあったが、一般的ではなかった[28]

1564年にフランスシャルル9世が、年初を冬至に近い[38]1月1日へ固定した[28]。当初これには国内の反発があったが3年後には議会で採択され正式に発令され、さらにこれは1582年のグレゴリオ暦採用時にも再度定められた[28]。しかしこの定めはキリスト教圏にすぐに広がったわけではなく、例えばイギリスが1月1日を年初としたのは1752年であった[38]

語源

日本語で「とし」とは、「」や穀物を語源とし、一年周期で稲作を行なっていたため「年」の意味で使われるようになったという。漢字の「年」は禾に粘りの意味を含む人の符を加え、穀物が成熟するまでの周期を表現した[42]

その他の年

長大な時間

歴史学や天文学などにおいて、何かしらの概念に基づく長大な時間に対し固有名詞をつけて「何々年」と呼ぶ場合がある。古代ギリシア哲学者プラトンは歴史とは循環するものと考え、その周期を36,000年と試算した。これは「プラトン的転回 (Platonic Revolution)」または「プラトン年 (Platonic Year) 」と呼ばれる[43]

天文学的現象の例では、歳差運動によって春分点が移動して一周する約28,000年に対しグレート・イヤー (great year) という名称が与えられている[44]。さらに、太陽系秒速200kmの速度で銀河系を一周する期間である約2億年も、銀河年 (Galactic year) という名称で呼ばれる[45][46]

他の惑星の公転

年が地球の公転周期を基礎にしていることから転じ、他の惑星の公転周期についても「年」という表記が使われる。例えば「水星年」[47]、「火星の一年」[5][48]などである。このような用語を使う際、混同を避けるために地球の一年は「地球年」 (earth year) とも呼ばれる[47][49]

天文単位の基準

ガウス年英語版 : 2π / k = 約365.256898日。kガウス引力定数k = 0.017 202 098 95(定義値)。天文単位の換算などに使う[50]

関連項目

参考文献

  • 佐藤正幸『世界史における時間』(第1刷)山川出版社、2009。ISBN 978-4-634-34966-7 
  • 池内了『天文学者の虫眼鏡』(第1刷)文藝春秋新書、1999。ISBN 4-16-660060-5 
  • 青木信仰『時と暦』(初版)東京大学出版会、1982。 
  • 岡田芳朗、阿久根末忠『現代こよみ読み解き事典』(第五版)柏書房、1994。 

脚注

注釈

脚注

  1. ^ a b 「【年】」『日本語大辞典』(第一刷)講談社、1989、1507頁。ISBN 4-06-121057-2 
  2. ^ a b 佐藤 (2009)、pp.77-81、世界統一暦の試み
  3. ^ 小山真人. “ユリウス暦における地球公転軌道上のずれ(季節のずれ)の累積と、それを改善するグレゴリオ暦(現行暦)”. 静岡大学防災総合センター. 2011年5月20日閲覧。
  4. ^ 【年】”. Webio百科事典/三省堂大辞林. 2011年5月20日閲覧。
  5. ^ a b 【year】”. Webio英和和英事典/研究社, JST科学技術用語日英対訳辞書, ライフサイエンス辞書, 日本語WordNet, 他. 2011年5月20日閲覧。
  6. ^ 佐藤 (2009)、pp.33-36、独自の紀年があってこその世界共通紀年
  7. ^ 佐藤 (2009)、pp.31-33、日本の年月日表示
  8. ^ 佐藤 (2009)、pp.29-31、朝鮮の年月日表示
  9. ^ 佐藤 (2009)、pp.23-26、イスラーム諸国の年月日表示
  10. ^ a b 矢野宏『単位の世界をさぐる』(第1刷)講談社、1997。ISBN 4-06-257183-8 
  11. ^ 宮川勇人. “MKS単位系について” (PDF). 香川大学工学部材料創造工学科. 2010年11月13日閲覧。
  12. ^ 日本標準時プロジェクトの業務紹介”. 独立行政法人情報通信研究機構 日本標準時プロジェクト. 2010年11月13日閲覧。
  13. ^ a b 青木 (1982)、第4章 単位と天体暦、pp.156-157、三 一年の長さ 季節
  14. ^ 質問3-2 春分の日はなぜ年によって違うの?”. 国立天文台. 2011年5月20日閲覧。
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脚注2

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