朔望月
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朔望月(さくぼうげつ、英: synodic month)は、月の満ち欠けの1周期である[1]。特に、朔(新月)から次の朔、あるいは望(満月)から次の望までの期間を呼ぶ。朔とは太陽と月の合(黄経差が0°)、望は太陽と月の衝(黄経差が180°)のときである。
平均朔望月[編集]
月の複雑な軌道のため、周期にはおよそ29.27日から29.83日の幅がある。この平均を平均朔望月と呼び、地球と月の公転周期から求めることができ、0589 日であるが、次に示すように、少しずつ長くなっている。 約29.53
- 2000年(元期J2000.0) 0588853 日 = 29日12時間44分02.8769秒 = 29.532551442.8769 秒
- 2013年央 0588882 日 = 29日12時間44分02.879秒 29.53[2] = 2551442.879 秒
- 2016年央 0588888 日 = 29日12時間44分02.880秒 29.53[3] = 2551442.880 秒
- 2019年央 0588900 日 = 29日12時間44分02.881秒 29.53[4] = 2551442.881 秒
平均朔望月の計算式は次の通りである[5]。
平均朔望月(日) = 0588853(日) + 29.530000002162 × Y 0.00
ここで Y はJ2000.0(2000年1月1日12時(地球時 TT))からのユリウス年数である。したがって、1ユリウス世紀につき、00002162 日、すなわち 0.00868 秒ずつ長くなることになる。これは他の惑星の摂動に加えて、地球の潮の満ち引きに伴う潮汐摩擦により地球の自転と月の公転の間で角運動量を交換するためである 約0.01[6]。
「自転と公転の同期」も参照
月の大小[編集]
太陰太陽暦では、朔の日を月の第1日目に合わせることにしているので、朔望月の計算をもとに1日(ついたち)を決め、大の月(30日の月)、小の月(29日の月)を配当していくようにしている。もちろん平均すれば、平均朔望月にはぼ等しくなる。なお、純粋太陰暦であるヒジュラ暦は三日月状の細い月が最初に見える日を月の初めとしている[7]。
脚注[編集]
- ^ 『朔望月』 - 天文学辞典(日本天文学会)
- ^ 天文年鑑編集委員会『天文年鑑』2013年版、誠文堂新光社、2012年11月、p.190(このページの執筆者:井上圭典)。ISBN 978-4416-21285-1。
- ^ 天文年鑑編集委員会『天文年鑑』2016年版、誠文堂新光社、2015年11月26日、p.188(このページの執筆者:井上圭典)。ISBN 978-4416-11545-9。
- ^ 天文年鑑編集委員会『天文年鑑』2019年版、誠文堂新光社、2018年11月26日、p.190(このページの執筆者:井上圭典)。ISBN 978-4-416-71802-5。
- ^ Month lengths 原典はMichelle Chapront-Touzé (1991). Lunar tables and programs from 4000 B.C. to A.D. 8000. Richmond, Va.: Willmann-Bell. ISBN 9780943396330
- ^ 青木信仰「新装版 時と暦」東京大学出版会, 2013年第1刷. ISBN 978-4-13-006515-3. pp.146-156.
- ^ “暦Wiki/イスラム暦 - 国立天文台暦計算室”. 2018年10月18日閲覧。