光データ中継衛星

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光データ中継衛星は現在開発中の通信衛星データ中継衛星)である。2019年度に打ち上げが予定されている[1]

概要[編集]

地球観測衛星の機数増加による撮影の高頻度化、観測幅や分解能の向上による個々の撮影データの大容量化、撮影データの速達性と抗堪性(秘匿性)の確保の点から、伝送帯域が大きく中継データに対する傍受や妨害にも強いレーザー光による光通信を用いた衛星通信を導入する必要があることから光データ中継衛星の整備が計画された。先進光学衛星の撮影データも光データ中継衛星を中継して地上局に送信される予定である[2]

衛星間通信にKaバンドを使用していた先代のデータ中継衛星のこだまは240Mbpsの通信速度であったが、衛星間通信にレーザー光を使う本機では1.8Gbpsでの通信が可能となり、欧州のEuropean Data Relay Systemと並んで世界最高速度での衛星間通信が可能となる。また電波通信では大型のアンテナが必要となり3回線以上のマルチアクセスは困難であったが、本機では光通信機器のコンパクトさを生かしてより多くの衛星に通信回線を提供するマルチアクセスも可能となる。他機関を含めないJAXAのみの本システム開発費は265億円である[3]。光データ中継システムのミッション機器は内閣衛星情報センターのデータ中継衛星に相乗りし[4]、静止軌道上のこだまと同じ位置で運用される[5]

なお、既にレーザー光による宇宙空間での衛星間通信きらりARTEMIS間で実証されている[6]

また、情報収集衛星が4機体制から8機体制に強化されることに伴って、大容量データを高い抗堪性(秘匿性)を保ちながら即座に地上局に送信する必要があることからデータ中継衛星が2機体制で整備される予定であり、情報収集衛星用の「データ中継衛星1号機」が2019年度に打ち上げられる予定である[1][7][8]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 宇宙基本計画工程表(平成28年度改訂案) (PDF)”. 宇宙開発戦略本部 (2016年12月13日). 2017年6月1日閲覧。
  2. ^ JAXA 光学地球観測衛星と光通信衛星をコラボ運用…2019年打ち上げを目指す
  3. ^ 光データ中継システムプロジェクト移行審査の結果について (PDF)”. 文部科学省 (2016年2月2日). 2016年6月24日閲覧。
  4. ^ 文部科学省におけるリモートセンシング衛星の取組について (PDF)”. 文部科学省 (2015年9月). 2017年10月29日閲覧。
  5. ^ データ中継技術衛星「こだま」(DRTS)の運用終了について (PDF)”. JAXA (2017年10月18日). 2017年10月29日閲覧。
  6. ^ 光衛星間通信実験衛星(OICETS)「きらり」の後期利用段階(その2)の成果及び運用終了について (PDF)”. JAXA (2009年9月9日). 2016年6月24日閲覧。
  7. ^ 今後の情報収集衛星の整備に係る検討状況 (PDF)”. 内閣衛星情報センター (2015年6月). 2016年1月24日閲覧。
  8. ^ 情報収集衛星に係る平成28年度概算要求について (PDF)”. 内閣衛星情報センター (2015年9月). 2016年1月24日閲覧。

外部リンク[編集]