Nano-JASMINE

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Nano-JASMINE
所属 国立天文台
公式ページ JASMINE計画
東京大学 ISSL
状態 開発を終えて保管中
目的 位置天文学
観測対象 恒星
計画の期間 2年
打上げ機 サイクロン-4
打上げ日時 2015年第二四半期(予定)[1]
物理的特長
本体寸法 508x508x512mm
質量 約35kg
姿勢制御方式 3軸制御
軌道要素
周回対象 地球
軌道 太陽同期軌道(予定)
搭載機器
望遠鏡 口径5cm・赤外線

Nano-JASMINE(ナノ・ジャスミン、Japan Astrometry Satellite Mission for INfrared Exploration)とは、日本国立天文台が開発している人工衛星である。重量35kgの超小型衛星で、太陽同期軌道から恒星天球上での位置を測定することを目的とする。打ち上げは2015年第二四半期に予定されている。

概要[編集]

Nano-JASMINE は日本初の位置天文衛星で、大気の影響を受けない宇宙空間から恒星の位置を高い精度で測定し、恒星までの距離(年周視差に基づく)や固有運動を明らかにすることを目的としている。順調に打ち上げられれば1989年に欧州宇宙機関が打ち上げたヒッパルコス衛星に続く世界2番目の位置天文衛星となる見込みである。日本で計画されているJASMINEシリーズの最初の一機と位置づけられており、将来的に打ち上げが予定されているより大型の「小型JASMINE」や「JASMINE」に向けて技術の検証を行うことが目標の1つとなっている[2]

Nano-JASMINEは重量35kgの小型衛星だが、重量1400kgのヒッパルコスと同程度の観測精度を持っている。ヒッパルコスが観測した恒星の位置情報は、恒星の固有運動のため次第に不正確になりつつある。Nano-JASMINEはこれを再び精確なものに更新することが期待されている。また、ヒッパルコスのデータと組み合わせると、従来より一桁高い精度で恒星の運動を決定できると考えられている[3]

開発は国立天文台東京大学中須賀研究室京都大学の共同で行われており、費用はおよそ1億円である。当初は2011年8月にブラジルアルカンタラ射場からウクライナ製のツィクロン-4ロケットで打ち上げられる予定だったが[4]ロケット側と射場側の財政問題でスケジュール延期が続いている[5]。この打ち上げは新型ロケットの試験飛行を兼ねるため、無料で提供される[3]。2014年5月の情報では、打ち上げは2015年第二四半期となっているが、ウクライナ情勢の影響を受けさらに不透明さが増している。衛星は2010年には組み立てが完了したが、2014年5月現在も、東京大学で保管された状態のままである[6]

設計[編集]

衛星は一辺50cmの立方体で、35kgの質量がある。観測のための開口部は2箇所にあり、2方向を同時に観測することで精度を高めるように工夫されている。恒星の光は口径5cmの赤外線望遠鏡に集められ、時間遅れ積分 (TDI) と呼ばれる技術を用いてCCDセンサーで記録される。2方向同時観測やTDIを実現するため、Nano-JASMINE には超小型衛星としては高い姿勢制御・温度制御の精度が要求される[7]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]