ASNARO

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ASNARO
任務種別 地球観測
COSPAR ID 2014-070A[1]
特性
製造者 宇宙システム開発利用推進機構(JSS)、NEC
打ち上げ時重量 450 kg (990 lb)
任務開始
打ち上げ日 2014年11月6日
ロケット ドニエプル
打上げ場所 ロシアの旗 ロシアオレンブルク州ヤースヌイ宇宙基地
ASNARO-2
任務種別 地球観測
COSPAR ID 2018-007A[2]
SATCAT № 43152
特性
製造者 宇宙システム開発利用推進機構(JSS)、NEC
打ち上げ時重量 570 kg (1,300 lb)
任務開始
打ち上げ日 2018年1月18日
ロケット イプシロンロケット
打上げ場所 日本の旗 日本内之浦宇宙空間観測所

ASNARO(あすなろ、Advanced Satellite with New system Architecture for Observation、先進的宇宙システム)は、財団法人無人宇宙システム実験開発機構(USEF)と、その後継機関の一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構(JSS)、NECが開発した小型地球観測衛星シリーズ。2014年に光学衛星のASNARO-1が、2018年にレーダー衛星のASNARO-2が打ち上げられた。

概要[編集]

ASNAROは、世界的な小型衛星の需要の高まりに対応するために開発されている人工衛星シリーズである。従来の地球観測衛星と比べて、寿命、観測幅、機能を限定することで、小型、軽量、低コスト、高分解能を両立させていることに特徴があり、最先端技術により従来の重量1~2トン級の地球観測衛星と較べて10分の1の開発製造費と2分の1の製作期間で同等の分解能を実現することを目標に開発された[3]

近年、新興国を中心として低コストで高性能な地球観測衛星の需要が高まっており、日本政府は自国で衛星の開発を行えない国に向けて、衛星の製造から打ち上げ、人材育成までをパッケージとして売り込んでいる[4][5]

こうした中、2007年独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、海外輸出が出来る経済的に競争力のある人工衛星を開発することを目指して、メーカーなどから聞き取り調査を行い、安価・短期間で開発・製造できる、光学センサー分解能50cm以下・衛星重量約500kg・軌道高度500〜700km・衛星構成要素の共通化という衛星の基本仕様を導き出した。2008年にはNEDOの事業としてASNARO計画が開始され、NECが開発と製造を請け負う主契約者として選定された[4]2010年からASNARO事業はNEDOを所管する経済産業省に移管され、NEDOと同じく経産省が所管するUSEFが、NECを管理・監督して開発を進める体制が整った。また地上運用系の開発と運用はパスコが選定された[6]

ASNAROの研究段階においてはJAXAISAS)の小型科学衛星「SPRINT」シリーズと共同で研究が行われており、この結果、両者共にNEC製の小型標準バス「NEXTAR」が採用されている[7]

ASNAROシリーズには400kg級の光学衛星と500kg級のレーダー衛星、途上国向けの入門機としての位置付けの100kg~200kg級の超小型光学衛星[8]SERVIS-3を参照)がラインアップされており、高度500km程度の低軌道を周回して地表を高分解能で観測することができる[7]。光学衛星とレーダー衛星のセットでの運用は、情報収集衛星だいちシリーズと同様である。

ASNARO-1は2014年11月6日ドニエプルでロシア国内のヤースヌイ宇宙基地から相乗りの東京大学と次世代宇宙システム技術研究組合のほどよし1号機、東京工業大学東京理科大学TSUBAME九州大学QSAT-EOS大同大学名古屋大学ChubuSatと共に[9]打ち上げられたが、ASNARO-2以降はイプシロンロケットで打ち上げる[10]。ASNARO-2は2018年1月18日にイプシロンロケット3号機で打ち上げられた[11]

打ち上げ[編集]

打ち上げ日 名称 種類 打ち上げ機 説明
2014年11月6日 ASNARO-1 光学 ドニエプル 重量450kg、設計寿命3年、分解能50cm以下、観測幅10km[12]。2008年(平成20年)度に開発開始。開発費は約50億円[8]。主鏡にはNEC東芝スペースシステム東芝が共同開発した、従来のガラスより軽量・高強度・低熱歪みを達成した高強度反応焼結炭化ケイ素(NTSIC:New-Technology Silicon Carbide)を使用し、撮影された画像は従来のSDRAMではなく120GBのフラッシュメモリに保存され、新たな16QAM方式1系統で従来の大型衛星と同じ800Mbpsで地上にデータを伝送する[7]。2014年12月26日に経済産業省の公式サイトにおいて、11月14日と15日に撮影した東京京都西之島のサンプル画像が初めて公開された[13][14]
2018年1月18日 ASNARO-2 レーダー イプシロン
3号機
重量570kg、設計寿命5年[15]三菱電機製のXバンドレーダーを搭載。2010年(平成22年)度に開発開始。1基の価格は約80億~90億円。スポットライトモードでは分解能1m以下・観測幅10km以上、ストリップマップモードでは分解能2m以下・観測幅12km以上、スキャンSARモードでは分解能16m以下・観測幅50km以上の性能で地表を観測できる[16]
2020年度 LOTUSAT1 イプシロン ASNARO-2の同型機。日本政府がベトナム政府に対してODA円借款)を行い供与。LOTUSAT1の受注額は190億円[17]
2020年度以降 LOTUSAT2 イプシロン ASNARO-2の同型機。日本政府がベトナム政府に対してODA(円借款)を行い供与。NECが受注活動中[17]

脚注[編集]

  1. ^ NASA Nasional Space Science Data Center
  2. ^ NSSDCA/COSPAR ID: 2018-007A” (英語). NASA. 2018年3月14日閲覧。
  3. ^ ページ右側のINDEX「小型化等による先進的宇宙システムの研究開発(映像)wmv形式/8MB」 より
  4. ^ a b ニッポン発小型衛星ビジネスの幕開け、TELESCOPE Magazine
  5. ^ 小型衛星の開発等の観点から見た小型ロケットの在り方 (PDF)”. 経済産業省 (2011年2月24日). 2016年5月10日閲覧。
  6. ^ ASNARO衛星開発概要と今後、USEF 2012年3月6日
  7. ^ a b c 先進的宇宙システム「ASNARO」の開発(pdf)、NEC公式サイト
  8. ^ a b 小型衛星、新興国に売り込め 経産省と企業、共同開発(朝日新聞 2011年1月20日)
  9. ^ 【超小型衛星】Chubusat-1の打上後の状況
  10. ^ Japan Delays Ansaro-1 a Year, Switches to Russian Rocket (SpaceNews)
  11. ^ イプシロンロケット3号機による高性能小型レーダ衛星(ASNARO-2)の打上げ結果について”. 宇宙航空研究開発機構 (2018年1月18日). 2018年1月18日閲覧。
  12. ^ 技術実証衛星「ASNARO(アスナロ)-1」の打ち上げに成功しました, 経済産業省, (2014-11-06), http://www.meti.go.jp/press/2014/11/20141106003/20141106003.html 2014年11月16日閲覧。 
  13. ^ 技術実証衛星 ASNARO-1から初画像 京都・西ノ島・東京を撮影 SAPACE ELEVATOR NEWS 2014年12月26日
  14. ^ 経済産業省公式サイト 宇宙産業
  15. ^ 高性能小型レーダ衛星「ASNARO-2」が完成 NEC
  16. ^ ASNARO-2衛星開発状況(pdf) NEC 2013年3月7日
  17. ^ a b NEC、衛星打ち上げ海外初受注 住商とベトナムで 日本経済新聞 2017年7月27日

外部リンク[編集]