出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
元始天尊。
元始天尊(げんしてんそん)とは、「太元」を神格化した道教神学中の最高神。また、霊宝天尊(太上道君)、道徳天尊(太上老君)と並ぶ三清の一柱。古名は元始天王で、太上三天正法経などでは九天真王と共に世界を作った道教の最高神とされる。これは中国の創世神話に登場する原初の神盤古が元になっているとされる。
『隋書』「経籍志」によると元始天尊は太元、即ち全ての物事よりも先に誕生した常住不滅の存在であり、天地再生の際に人々に道を説いて救済を与えるという(開劫度人)。元始天尊の名は楽静信。また『雲笈七籤』の巻二では、元始天尊が誕生した時に全ての事物に名称と実質が与えられ、それ故に元始天尊は万物の始めであり「道」の本質であるとされた。同巻三によると大羅天の玄都にある玉京に住むという。
同じく三清の一人である太上老君と比較すると、元始天尊が活躍する古典文学は少ない。
盤古は彼の原型の一つだったが、その後盤古は元始天尊の化身として描かれた。
- 封神演義 - 明代の神怪小説。この作品では闡教を治める教主として登場し、弟子の姜子牙に封神を任せるという重要な役割を担っているが、自ら剣を取って仙人の戦いに参加するなど、本来の信仰のイメージとは異なる姿で描かれている。
|
---|
神々 |
華夏の神々 および 上古時代の神々 |
|
---|
道教の神々 |
原初の神々 | |
---|
三清 | |
---|
四御 | |
---|
五老(中国語版) |
- 東方安宝華林青霊始老九炁天君(蒼帝)
- 南方梵宝昌陽丹霊真老三炁天君(赤帝)
- 中央玉宝元霊元老一炁天君(黄帝)
- 西方七宝金門皓霊皇老七炁天君(白帝)
- 北方洞陰朔単郁絶五霊玄老五炁天君(黒帝)
|
---|
六司 |
- 南斗第一天府司命上相鎮国真君
- 南斗第二天相司禄上相鎮嶽真君
- 南斗第三天梁延寿保命真君
- 南斗第四天同益筭保生真君
- 南斗第五天枢度厄文昌錬魂真君
- 南斗第六天機上生監簿大理真君
|
---|
七元 |
- 北斗第一天枢宮陽明貪狼太星君
- 北斗第二天璇宮陰精巨門元星君
- 北斗第三天璣宮真人禄存真星君
- 北斗第四天権宮玄冥文曲紐星君
- 北斗第五玉衡宮丹元廉貞綱星君
- 北斗第六闓陽宮北極武曲紀星君
- 北斗第七瑶光宮天衝破軍關星君
|
---|
八極 | |
---|
九曜 | |
---|
十都 |
- 第一殿秦広王
- 第二殿楚江王
- 第三殿宋帝王
- 第四殿五官王
- 第五殿閻羅王
- 第六殿卞城王
- 第七殿泰山王
- 第八殿都市王
- 第九殿平等王
- 第十殿転輪王
|
---|
三官大帝(中国語版) | |
---|
四値功曹 |
- 李丙(値年神)
- 黄承乙(値月神)
- 周登(値日神)
- 劉洪(値時神)
|
---|
四海竜王 |
- 広徳王(東海竜王)
- 広利王(南海竜王)
- 広潤王(西海竜王)
- 広沢王(北海竜王)
|
---|
五岳大帝(中国語版) |
- 東岳泰山天斉仁聖大帝
- 中岳嵩山中天崇聖大帝
- 西岳華山金天順聖大帝
- 南岳衡山司天昭聖大帝
- 北岳恒山安天玄聖大帝
|
---|
神霄九宸 | |
---|
その他 | |
---|
地府の神々 | |
---|
|
---|
民俗の神々 |
|
---|
| |
---|
人物 | |
---|
妖怪と伝説の生物 |
|
---|
用語 | |
---|
神話・出来事 | |
---|
文献 | |
---|
関連項目 | |
---|
|