蚩尤

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蚩尤。漢代の石刻画

蚩尤(しゆう Chihyu)は中国神話に登場する神である。路史によるとが姓とされる。天界の帝王である黄帝と大戦争をした。獣身で銅の頭に鉄の額を持ち、また四目六臂で人の身体にの頭と蹄を持つとか、頭に角があるなどといわれる。

砂や石や鉄を喰らい、超能力を持ち、性格は勇敢で忍耐強く、黄帝の座を奪うという野望を持っていた。同じ姿をした兄弟が80人くらいいたという。戦争にあっては、神農氏の時、乱を起こし、兄弟の他に無数の魑魅魍魎を味方にし、風、雨、煙、霧などを巻き起こして黄帝と涿鹿の野に戦った(涿鹿の戦い)。濃霧を起こして敵を苦しめたが、黄帝は指南車を使って方位を示し、遂にこれを捕え殺したといわれている。

この時、他に蚩尤に味方したのは勇敢で戦の上手い九黎族ミャオ族の祖先といわれる。)、巨体の夸父族だった。最後に捕らえられた蚩尤は、諸悪の根源として殺されたが、このとき逃げられるのを恐れて、手枷と足枷を外さず、息絶えてからようやく外された。身体から滴り落ちた鮮血で赤く染まった枷は、その後「楓(フウ)」となり、毎年秋になると赤く染まるのは、蚩尤の血に染められた恨みが宿っているからだという。赤旗を「蚩尤旗」と言い、劉邦がこれを軍旗に採用したとされる。

戦いは終わり、九黎族は逃れて三苗族となった。黄帝は敵討ちを心配して三苗を皆殺しにしたが、この南方の民を根絶やしにできず、その後、苗族は歴代の王を執拗に悩ます手強い敵となった。

史記』「封禅書」では蚩尤は「兵主神」に相当するとされ、戦の神と考えられている。また戦争で必要となる戦斧弓矢等、全ての優れた武器(五兵)を発明したという。蚩尤が反乱を起こしたことで、これ以降は法を定めて反乱を抑えなければいけなくなったとも言う。

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