ネットワークスペシャリスト試験

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ネットワークスペシャリスト試験
英名 Network Specialist Examination
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家資格
分野 情報処理
試験形式 筆記
認定団体 経済産業省
認定開始年月日 2009年(平成21年)
根拠法令 情報処理の促進に関する法律
公式サイト https://www.jitec.ipa.go.jp/
特記事項 実施はIT人材育成センター国家資格・試験部
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ネットワークスペシャリスト試験(ネットワークスペシャリストしけん、Network Specialist Examination、略号NW)は、情報処理技術者試験の一区分である。試験制度のスキルレベル4(スキルレベルは1〜4が設定されている。)に相当し、高度情報処理技術者試験に含まれる。対象者像は「ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者」。

概要[編集]

コンピュータネットワークの技術的な専門性を有することを認定する国家試験である。ネットワークの設計担当者や管理責任者、いわゆるネットワークエンジニアの他、インフラエンジニアも対象とする。

試験対象者には、ネットワークの専門家として、固有技術からサービス動向、ネットワークに関連したセキュリティ技術まで幅広く精通し、目的に適合した大規模かつ堅牢なネットワークシステムを構築し運用できる能力が求められる[1]。また、VPNSDNVoIPIPv6VXLANWAN高速化装置、UDP/QUICIPsecの詳細など新技術に関する知識および実践能力が求められる。

この試験の歴史は高度区分の中でも古く、1988年(昭和63年)に創設されたオンライン情報処理技術者試験を起源とする。その後試験制度の改定の度に試験名称に若干の変更が加えられたものの、ネットワーク技術は今日の情報化社会の基盤となるものであるため、この試験は高度区分の中でも根強い人気を誇る。データベースの専門家としての認定試験であるデータベーススペシャリスト試験とともに、昔から社会的評価は高い。受験者数は情報処理安全確保支援士試験(旧・情報セキュリティスペシャリスト試験)に次いで、高度試験の中では2番目に多い区分である。

基本情報技術者試験(旧・第二種情報処理技術者試験)や応用情報技術者試験(旧・第一種情報処理技術者試験)の上位試験にあたり、ネットワーク技術の専門性を追求するために制定された試験である。

試験の難易度[編集]

本試験の合格率は例年10%台であるが、受験者の大部分は既に下位区分の応用情報技術者試験(スキルレベル3)や基本情報技術者試験(スキルレベル2)に合格できる実力を有している場合が多いため、難易度は相対的に高くなっている[2]。また、情報処理安全確保支援士試験(旧・情報セキュリティスペシャリスト試験)など他の高度区分の合格者も多数受験しているため、かなりの難関国家資格であると言える。試験の水準は非常に高く、日本国内で実施されるネットワークに関する試験の中ではCCIELPICレベル3と並んで最難関にあたる。IT初心者が容易に合格を狙える試験などでは決してなく、実務経験者であっても合格するのは難しい試験として広く認知されている。

本試験ではデータベーススペシャリスト試験ほどの読解力は要求されないものの、出題範囲はとても広く、合格に必要な知識量はデータベーススペシャリスト試験や情報セキュリティスペシャリスト試験を上回るとされる。

近年では、新技術やネットワークに関連したセキュリティ技術に関する問題が午後試験で出題されている。同じ高度試験としてセキュリティを重点分野とする情報処理安全確保支援士(情報セキュリティスペシャリスト)試験があるが、実際にはセキュリティの技術的要素に関しては支援士試験の問題よりも、ネットワークスペシャリスト試験のセキュリティ問題の方が難しいと言われている[3]

1回の受験で合格できる人は少ないので、何回も挑戦する覚悟で挑んだ方が良い。

沿革[編集]

  • 昭和63年(1988年)オンライン情報処理技術者試験新設、秋期に年一回実施。受験者の平均合格率は4.8%、最低合格率は2%である。尚、応募者中の平均合格率は2.6%である。
  • 平成5年 (1993年)オンライン情報処理技術者試験はこの年をもって廃止、ネットワークスペシャリスト試験データベーススペシャリスト試験に分割。
  • 平成6年 (1994年)ネットワークスペシャリスト試験実施。第一種情報処理技術者試験からのステップアップを想定した実質的な上位資格として認定。
    • この頃は、ネットワーク技術がインフラストラクチャーとして必須のものになりつつある時期であり、ネットワークに関する試験は殆ど無く、難度も高いため社会的評価も高かった。また受験に制限が無かったことからも、第一種情報処理技術者の次に目指す区分としてデータベーススペシャリストと同様にもてはやされた。以後もこの傾向自体は変わらない。
  • 平成13年(2001年)制度改正によりネットワークスペシャリスト試験からテクニカルエンジニア(ネットワーク)試験と改称および形式変更。
    • 情報セキュリティアドミニストレータ試験が制定され秋期試験として同時期に実施されることとなり、テクニカルエンジニア(ネットワーク)と同等の評価を得られるとあって、情報セキュアドの受験者が増加し、相対的に受験者が減少した。
  • 平成17年(2005年)午前の試験時間延長および出題数増加。
    • ソフトウェア開発技術者試験が秋期にも実施されることとなり、受験者がますます減少した。一方、合格率は例年ほぼ6〜8%程度であったものが10%を超えるようになった。これは若年の受験者数の大幅な減少により平均年齢が上昇し、より長年受験している層が残ったことで受験者の実力水準があがったという考え方がある。
  • 平成21年(2009年)制度改正により形式変更および改称、「ネットワークスペシャリスト」の名称が復活。また、同年情報セキュリティアドミニストレータテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験が統合し情報セキュリティスペシャリスト試験が実施されることになる。この試験は年に2回開催するため、ネットワークスペシャリスト試験を受験する前に情報セキュリティスペシャリスト試験の合格を目指す者が増えた。また民間では各種ベンダー試験などの整備が進み同様に合格者が増加した、これらが一因となりネットワークスペシャリスト試験ならびにデータベーススペシャリスト試験の受験者層のレベルが上昇し合格率の上昇を招いたとも考えられている。

形式[編集]

午前I
試験時間50分。四肢択一式(マークシート使用)で30問出題され全問解答。他の高度情報処理技術者試験と共通のスキルレベル3相当で、ネットワークとの関連が薄い「情報化と経営」、「システム監査」等も含めた問題が出題される。満点の60%を基準点とし、基準点以上で午前I試験通過となる。基準点に達しなかった場合は不合格で、午前II・午後I・午後IIは採点されない。
午前II
試験時間40分。四肢択一式(マークシート使用)で25問出題され全問解答。ネットワークや情報セキュリティ関連(スキルレベル4)が中心であるが、「コンピュータシステム」「開発技術」(スキルレベル3)も対象である。満点の60%を基準点とし、基準点以上で午前II試験通過となる。基準点に達しなかった場合は不合格で、午後I・午後IIは採点されない。
分野ごとの出題比率としては、例年、ネットワーク分野から15問程度、セキュリティ分野から5問程度、その他関連領域から5問程度出題されている。なお、出題内容に類似性がある情報セキュリティスペシャリスト試験(現・情報処理安全確保支援士)の午前IIで過去に出題されたことのある問題がこの試験で再出題されることが時々ある。
ネットワークスペシャリスト試験の午前I試験および午前II試験の出題範囲
分類 午前Iと午前IIの両方で出題される領域
特に午前IIではスキルレベル4かつ重点分野
午前Iと午前IIの両方で出題される領域
スキルレベル3
午前Iでのみ出題される領域(午前IIでは対象外)
スキルレベル3
テクノロジ系
マネジメント系
ストラテジ系
午後I
試験時間90分。従前の午後Iとほぼ同じで、中規模の問題が3問出題され、2問を選択して解答。従前は1題あたり30分であったものが、1題あたり45分となり多くなっている。満点の60%を基準点とし、基準点以上で午後I試験通過となる。基準点に達しなかった場合は不合格で、午後IIは採点されない。
3題のうち最低1題以上はネットワーク・セキュリティに関する問題である。
午後II
試験時間120分。従前の午後IIとほぼ同じで、ネットワークシステムの設計、運用・保守、障害対応、セキュリティ技術などを扱う事例解析問題が2問出題され、1問を選択して解答する。満点の60%を基準点とし、基準点以上で最終的に合格となる。基準点に達しなかった場合は不合格。
科目免除
下記の試験に合格または基準点を得れば2年間、午前Iの科目免除が受けられる。
  • 応用情報技術者試験に合格すること。
  • いずれかの高度情報処理技術者試験に合格すること。
  • 情報処理安全確保支援士試験に合格すること。
  • いずれかの高度情報処理技術者試験の午前Iに基準点以上を得ること。
  • 情報処理安全確保支援士試験の午前Iに基準点以上を得ること。

合格者の特典[編集]

  • 合格または午前Iに基準点以上を得れば2年間、他の高度情報処理技術者試験および情報処理安全確保支援士試験の午前Iの科目免除が受けられる。
  • 科目免除または任用資格、これには従前のテクニカルエンジニア(ネットワーク)を含む。

その他[編集]

区分 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
オンライン情報処理技術者 116,205 5,648 4.9
ネットワークスペシャリスト 180,034 11,068 6.1
テクニカルエンジニア(ネットワーク) 190,094 16,960 8.9

統計資料の応募者・受験者・合格者の推移表[4]において、上記の数値は本試験に計上されている。

  • 最低合格率は平成元年(1989年)のオンライン情報処理技術者試験の受験者うち2.0%、応募者うち1.1%である。

脚注[編集]

  1. ^ ネットワークスペシャリストとは|ネットワークスペシャリストドットコム
  2. ^ ネットワークスペシャリスト試験の難易度|ネットワークスペシャリストドットコム
  3. ^ ただし、ネットワークスペシャリスト試験で出題されるセキュリティに関する内容はほぼ技術的要素に限定される。それに対し、情報セキュリティスペシャリスト試験では技術的要素だけでなく管理面(情報セキュリティマネジメントシステム)の知識も求められる。また、ネットワークスペシャリスト試験は年1回しか受験の機会がないのに対し、情報セキュリティスペシャリスト試験は応用情報や基本情報などと同じ年2回の受験の機会がある。
  4. ^ 情報処理技術者試験 推移表 (PDF) (IT人材育成センター国家資格・試験部)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]