オートレース選手

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オートレース選手(オートレースせんしゅ)とは、公営競技オートレースにおいて、賞金を獲得するプロスポーツ選手で、通常オートレーサーと呼ばれる。正式には小型自動車競走選手で、経済産業省管轄の国家資格所持者である。総選手数は400人程度(2016年9月現在401人)。

オートレース選手になるには[編集]

オートレース選手になるためには、まず、原則として2年に1回行われる選手養成所入所試験に合格しなければならない。この試験は極めて競争率が高い。なお第26期募集までは「満23歳以下」、27期からはそれに加え特例として「ロードレース世界選手権全日本ロードレース選手権等で顕著な成績を挙げている者については満28歳以下」という年齢の上限が定められていたが、2007年の第30期募集からは年齢制限の上限を撤廃し、下限も従来の「満18歳以上」から「満16歳以上」に引き下げている。かつては身長制限もあり(こちらも参照)、また受験資格が「男子」に限られていたものも撤廃されたため、女子オートレーサーが誕生する可能性が出るようになり[1]、そして第31期の第3次試験を経た正式合格者に女性2人が入った[2]

オートバイを使用する立場ではあるが、選手になるにあたり自動二輪の運転免許の取得は義務付けられていない(原動機付自転車の免許は必要)[3]

試験に合格すると、筑波サーキットに併設されている選手養成所に入所し、9か月間の基礎訓練を行う。この間、候補生は正月の帰省以外の私用外出は許されず、外部との連絡も手紙、電話(時間限定)に限られる。この養成所生活を経て、選手資格検定(規定タイム3.60以上)に合格した者がJKAの選手として登録され、各オートレース場へ配属となる。

前述の通り選手募集は原則として2年に一度行われることになっているが、2005年の募集は行われず、2007年に第30期、2009年に第31期、2012年に第32期、2015年に第33期の募集が行われた。

2016年の船橋オートレース場の閉鎖に象徴されるように近年は公営競技の人気が低迷していて、それに伴い選手数の削減が図られ2013年には450人以上の選手が登録されていたが2016年には400人まで減少している。

オートレース選手の生活[編集]

オートレース選手は職業分類上、個人事業者である。かつては競走車を自宅に持ち帰り整備することも可能だったが、1993年10月に競走車のエンジンセアに統一されて以後(それまでのエンジンは選手ごとにさまざまだった)は整備要綱が改正され、選手による競走車の持ち出しは禁止された。

競走開催期間中、選手はオートレース場から出ることを禁じられている。また、外部との連絡も原則として禁止されており、携帯電話は前検日に競走会へ預ける。これは、内部者取引ノミ行為八百長等の不正行為を防止するためには必要不可欠な事であり、他の公営競技においても同様である。過去に、携帯電話で会話をする選手がテレビで中継されてしまい問題となり、携帯電話を持ち込んだ選手は斡旋停止処分が下された[4]。2009年には伊勢崎オートレース場に所属していた束田亮選手が携帯電話をオートレース場に持ち込んでいた事が発覚。その後過去からの競走参加中における常用を理由に選手登録消除の処分を受けている。

オートレース選手の収入[編集]

選手の収入は、主に競走(レース)に出走した際の賞金で賄われる。一般競走の1着賞金は5万円前後、一般競走の優勝賞金は60万円前後、記念(GI・GII)競走の優勝賞金は150 - 300万円(特別GIの共同通信社杯プレミアムCは600万円)、スーパーグレード(SG)競走の優勝賞金は全日本選抜オールスターオートレースGPが1300万円、 日本選手権が1700万円、SS王座決定戦が3000万円である。トップレベルの選手になると年間に1億円以上の賞金を稼ぐこともある[5]

前述した通り、オートレース選手は個人事業主という扱いである。そのためエンジンや競走車のフレームタイヤ、部品、更にはツナギ(レーシングスーツ)やプロテクターに至るまで全て自費で購入しなければならない。ランク上位に属する選手は潤沢な手持ち金で部品を購入することができるので、それにより競走車の性能も高い水準に保つことが出来る。

選手のクラス分け[編集]

選手は晴・雨等全ての競走の競走成績を対象として入着順位、競走タイム順位を得点化した審査方法により、全国統一ランキングによってクラス分けされる。

前年7月1日 - 12月31日の競走成績に基づくランクが新年度の4月 - 9月まで適用され、これを前期ランクと呼び、その年の1月1日 - 6月30日の成績に基づくランクが10月〜翌年3月に適用され、これを後期ランクと呼ぶ。上位48名がS級、それ以降の272名がA級、更にそれ以降がB級と分けられる。

S級第1位の選手は全国ナンバーワンとして、他とデザインの異なるナンバーワン勝負服を纏ってレースに出ることが許される。これは枠番抽選である競走の場合を除き、同選手が必ず最外枠になるためである。S級第1位は、2015年度前期適用ランクにおいては中村雅人選手(28期、船橋オートレース場所属)、2015年度後期適用ランクにおいては金子大輔選手(29期、浜松オートレース場所属)である。

選手寿命[編集]

オートレース選手の寿命はかなり長い。競輪などと比べて、体力よりも技術(車両整備含む)に比重がかかる競技システムからであるが、一方で、事故による殉職や落車事故の後遺症などで若くして去る選手も少なからず存在する。平均化すると、デビューが20歳として、現役期間は大体30年から40年となる。

オートレース界には成績下位者の選手登録を強制的に取り消す「新陳代謝制度」が存在し、競走成績が振るわない選手が自主的に引退をしていくという制度がとられている。特に飯塚オートレース場では多くのベテラン選手がほぼ一斉に引退し、平均年齢が大幅に低下した経緯がある。2005年の選手候補生募集が行われなかったこともあってか、現在新陳代謝制度は実質的に機能を停止していたが、30期生のデビューに伴い2009年3月に新陳代謝制度が適用されることになった。

2009年3月の新陳代謝においては、30期生が20人デビューするのに合わせて、過去2年間(2007年1月から2008年12月)の競争得点が低い選手20人が登録消除の対象となる。また下位20人に入っていなくとも、平均競争得点40点未満の選手も対象となるが、現在のところ平均競争得点40点未満の選手は数名程度である。なお期間内に自主引退した選手(2007年1月から現在まで12人)は20人の枠に入れて計算するので、結果的に2009年3月に成績不振により下位8人が選手登録を消除された。

全日本オートレース選手会[編集]

オートレース界にもプロ野球や競艇などと同様に全日本オートレース選手会(以下 選手会)という組織が存在する。事実上、個人事業主である選手の組合という側面もある。オートレース選手は選手会の全国の支部に所属している。選手へのペナルティを参加自粛要請という形で日本小型自動車振興会とは独立して行うこともある。

選手会の幹部も選手(プロ野球選手会などと同様)であり、他の選手と同様、ランクに応じて競走に参加している。

女子オートレース選手[編集]

ダート競走が行われていた頃、一時的にではあるが女性のオートレース選手が存在した。150ccの6級車でレースを行っており、半ば見世物のようなものではあったが人気はなかなか高く、浜松オートレース場に所属した岡本七重など、人気選手も多かった。しかし、殉職事故の多発や選手層の薄さによるレースの単調化とそれに伴う人気の低下、更には結婚等の事情による選手引退が連続し、上記した岡本が1960年に引退したのに伴い、自然消滅という形で廃止になった。

しかし、2006年12月23日川口オートレース場で開催されるスーパースターフェスタ(開催4日目)に、「オートレース・ウーマンズリーグ」と題し、実に46年ぶりに女性レーサーによる4周回の模擬レースが行われた。(詳細はオートレース・ウーマンズリーグの項を参照)

その後、2010年には正式に女子選手の募集が再開され、31期では合格者も出ており、上述の養成過程をクリアした女性2名のうち佐藤摩弥2011年7月11日に川口オートレース場でデビューし[6]、もう1人の坂井宏朱7月30日船橋オートレース場でデビューを果たした。これにより44年ぶりに女性オートレーサーが実戦に参加となった。しかし、2012年1月15日に坂井が練習中の事故で殉職。オートレース界に大きな衝撃を与えた。その後、2013年3月18日に開催された川口で佐藤は悲願の初優勝を果たし、オートレース史上初の女性選手優勝の快挙を成し遂げた。そして32期では新たに5人が合格となり、2013年7月にデビューした。5人の中にはプロボクサーから転向した藤本梨恵も含まれている。 女子選手でも原則ハンデは特別扱いされることはないため、佐藤摩弥は2015年5月現在最高ハンデの格付けがなされている。また、男子レーサーにも劣らないスピードとスタート力を生かしグレードレースでも活躍する女子選手もおり、佐藤摩弥はSGでの1着、準決勝進出実績、また益春菜は初出場のG1レースでいきなりの連勝を記録。そして2016年5月に開催された「川口記念」(GⅡ)では佐藤が優勝となり、女性選手初のグレードレースタイトルを獲得している。そして33期では新たに7人の女性レーサーがデビューとなり、現在の女性オートレーサーは13人となる。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]