田中秀臣

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田中秀臣
生誕 1961年9月7日
研究分野 日本経済思想史
影響を
受けた人物
福原嘉一郎[1]
藪下史郎[2][3]
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田中 秀臣(たなか ひでとみ、1961年9月7日 - )は、日本の経済学者歴史家[4]上武大学ビジネス情報学部教授。

来歴

学歴は早稲田大学政治経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学である。専門は日本経済思想史経済学メディア研究[5]サラリーマン研究[5]、日本経済論、経済政策、経済時論[6]上武大学ビジネス情報学部教授、社会資本整備審議会委員[7]リフレ派の論客[8][9]

人物

  • アイドルをはじめとするサブカルチャーを、経済を切り口に論じている[10]。自身のことを「アイドル評論家兼経済学者」と称している[11][12]。著書『エコノミスト・ミシュラン』『不謹慎な経済学』などでは、独自の視点で経済を批評している[13]
  • 社会主義・キリスト教への信奉については、住谷悦治と自身はまったく立場が異なるとしている[18]
  • 野口旭は経済論戦をする上で自身の教師であり、超えがたい目標であったとしている[19]
  • ネットワーク上でブログなどによる言論活動を行っており、しばしば自らを「韓流好きのリフレ派」「韓リフ」と称している。当初は、『冬のソナタ』ブームに一切興味が持てなかったが、原田泰に『冬のソナタ』を薦められたことがきっかけとなり、『冬のソナタ』のファンとなったとしている[20]
  • 小学生の頃、自宅で父が虎やライオンやチーターを飼っていた[要出典]。その前に住んでいた家では、1階に人が住み、2階に犬90匹以上飼い、3階に伝書鳩を飼っていた[要出典]
  • 学生時代に影響を受けた人物は藪下史郎である。
  • バックパッカー族で、大学を留年している[21]。大学卒業後、数回の転職をし、その後大学院に再入学して大学教員となった[22]。また社会人と大学院の間は、「ニート」のような状況であったとしている[23]
  • 過去に勤めていた出版社では、労働組合の副委員長をしていた[25]

主張

  • 東日本大震災時の日本経済について、田中は「デフレを容認するということは、被災した東北の人たちを見捨てることである。数百万人の失業を放置し、失業の恐怖を与え続けるということである。財政赤字の悪化を放置し、未来ある若者から夢を奪うことである。この事実を知った者として、この時代に生きる一人の学者として、子を持つ親として、教え子を持つ大学教員として、一人の人間として、この状況を見過ごすことはできない」と述べている[33]
  • 日本銀行の事前に日本銀行の政策内容が詳細に流れる「リーク問題」を著書の中で批判しており、デフレの問題と並んで特に問題視している[28]
  • 憲法学者に対して批判的で「駆けつけ警護」などを大半が違憲としていることに驚きを表明している[35](憲法学者の約7割は自衛隊を認めない非武装中立を支持している[36])。

AKB48について

AKB48 27thシングル選抜総選挙後のスポーツ報知の取材で「AKB48は永続的に残り続ける可能性のあるグループである。」と述べている[37]。田中は「総選挙はまさに大相撲番付で実力(人気)で決まるから透明性が高い」「専用劇場を本拠地としているのは宝塚歌劇団と同じ」「コアなファンに支持されていることは演歌と同じ」と指摘している[37]

田中は、流行・文化は経済情勢を反映するとしており[38]、「AKB48はデフレカルチャーの中心にいる存在[39]」「(AKB48は)デフレに強いビジネスモデル[40]」と分析し、「(AKB48以外にも)特典商法は多くの歌手がやっている。歌手やビジネスに問題はない[41]」と指摘している。田中は「デフレは貨幣的現象であり、需給ギャップによって生じる。AKB48のビジネスモデルはデフレをもたらす原因ではなく、デフレの結果でしかない」「全体で数千億円単位の大きさしかないアイドル市場に日本の景気を左右する力は無い」と分析している[42]

田中自身は「デフレ経済には文化的にあまり好ましい影響を見出していない」と述べている[43]。田中は「AKBは『会いに行けるアイドル』というコンセプトと、メンバーが成長する姿をファンが見守っていくという物語性は優れているが、消費行動が多様化した時に沈む可能性がある」と指摘している[44]。田中は2013年時点で「リフレ政策は成功してもらいたいが、AKB48をはじめとするアイドルグループには消滅してほしくない」と述べている[45]

AKB48の推しメンは北原里英である[37][46]

峯岸みなみの丸刈り謝罪について

峯岸みなみが2013年1月31日に、週刊誌で男性芸能人との交際を報道され、動画投稿サイト「YouTube」上で、丸刈り姿で謝罪したことについて田中は「動画を見たところ、単なるインパクトねらいではないか。ファンにショックを与え、話題になればいいというものだ。社会的な影響はまるで考えていない」「反省が目的ではないのだろう。目立てば勝ちという考え方で、まったく子供っぽい」と述べている[47]

田中は「(今のAKB48は)社会全体が見えていない。これでは社会的な支持を失う。一部のファンのための話題づくりをするのではなく、もっと大人になってほしい[47]」「アイドルを見たいのであって『いじめ』を見たいのではない[48]」と述べている。

AKB48握手会傷害事件について

AKB48握手会傷害事件後の握手会の再開の可能性について「CD売り上げを下支えする握手会はなくならない」「開催数・規模は抑制する方向に進み、CDの売り上げへの影響は避けられない」と指摘している[49]

その後の握手会の再開について「握手会がAKB人気の核心であり、そこが崩れるとファンが大きく減ってしまう」「中核メンバーが卒業する中で、一番の特色を失いたくなかったのであろう」と指摘している[50]

SKE48について

SKE48の人気について「名古屋への若者の就職事情が関係している。21世紀になって名古屋市の人口は年に1万人ほど増加しており、その内の7割強が若者である。20代の若者が多く流入し、彼らの余暇としてのはけ口が求められているところに彼女たちがうまく隙間に入り、デフレカルチャーとして定着した」と分析している[51]

JKT48について

JKT48について「インドネシアには人口ボーナスがあるのでJKT48は成功している。日本のモノというよりも、インドネシアのモノとして地元で受け入れられている」と指摘している[52]

さんみゅ〜について

田中は、さんみゅ〜について「持っているスキルが他のアイドルと段違いであり、彼女たちの歌・ダンスのスキルは高い」と評している[53]

著書

単著

共著

編著

共編著

訳書

  • 『アダム・スミスの失敗』ケネス ラックス著(草思社 1996年)

テレビ

田中秀臣経済思想史塾(全20回)

配信日 タイトル 資料 備考
2012年10月23日 第1回『アダム・スミスの実像(前編)①』
第1回『アダム・スミスの実像(前編)②』
[56] アダム・スミスフランソワ・ケネーデイヴィッド・ヒュームアリストテレストマス・アクィナス
2012年10月30日 第2回『アダム・スミスの実像(後編)①』
第2回『アダム・スミスの実像(後編)②』
[57] アイン・ランドアラン・グリーンスパン福田徳三
2012年11月6日 第3回『こんなに深いマルサス(前編)①』
第3回『こんなに深いマルサス(前編)②』
[58] トマス・ロバート・マルサスウィリアム・ゴドウィンウィリアム・ピット
2012年11月13日 第4回『こんなに深いマルサス(後編)①』
第4回『こんなに深いマルサス(後編)②』
[59] デヴィッド・リカード
2012年11月20日 第5回『こんなに難しいリカード(前編)①』
第5回『こんなに難しいリカード(前編)②』
[60]
2012年11月27日 第6回『こんなに難しいリカード(後編)①』
第6回『こんなに難しいリカード(後編)②』
[61] ジャン=バティスト・セイピエロ・スラッファ小泉信三
2012年12月4日 第7回『あなたの知らないセー(前編)①』
第7回『あなたの知らないセー(前編)②』
[62] ジャン=バティスト・コルベールピエール・ボワギュベールen)、リチャード・カンティロンジョン・ロー
2012年12月11日 第8回『あなたの知らないセー(後編)①』
第8回『あなたの知らないセー(後編)②』
[63] ジョン・メイナード・ケインズ松尾匡浜田宏一
2012年12月18日 第9回『今も生きているベンサム(前編)①』』
第9回『今も生きているベンサム(前編)②おまけ:小ピット小話』
[64] ジェレミ・ベンサムウィリアム・ブラックストン
2012年12月25日 第10回『今も生きているベンサム(後編)①』』
第10回『今も生きているベンサム(後編)②』
[65]
2013年1月8日 第11回『イギリスの本音-ジェームス・ミル(前編)①』
第11回『イギリスの本音-ジェームス・ミル(前編)②』』
[66] ジェームズ・ミルデュガルド・ステュアート矢内原忠雄ジョン・スチュアート・ミル
2013年1月15日 第12回『イギリスの本音-ジェームス・ミル(後編)①』
第12回『イギリスの本音-ジェームス・ミル(後編)②』
[67] ロード・コーンウォリス
2013年1月22日 第13回『これが本当の比較優位だ!(前編)①』
第13回『これが本当の比較優位だ!(前編)②』
[68] 飯田泰之小島清
2013年1月29日 第14回『これが本当の比較優位だ!(後編)①』
第14回『これが本当の比較優位だ!(後編)②』
[69]


2013年3月5日 第19回『昭和恐慌・リフレ・生存権(前編)①』
第19回『昭和恐慌・リフレ・生存権(前編)②』
新井白石荻生徂徠三浦梅園金井延
2013年3月12日 第20回『昭和恐慌・リフレ・生存権(後編)①』
第20回『昭和恐慌・リフレ・生存権(後編)②』
河上肇ヨーゼフ・シュンペーター井上準之助石橋湛山アーヴィング・フィッシャー赤松要

脚注

  1. ^ 田中秀臣 『沈黙と抵抗-ある知識人の生涯、評伝・住谷悦治』 藤原書店、2001年、251頁。
  2. ^ 田中秀臣 『沈黙と抵抗-ある知識人の生涯、評伝・住谷悦治』 藤原書店、2001年、252頁。
  3. ^ 麻木久仁子・田村秀男・田中秀臣 『日本建替論 〔100兆円の余剰資金を動員せよ!〕』 藤原書店、2012年、85頁。
  4. ^ 田中秀臣 『日本型サラリーマンは復活する』 日本放送出版協会〈NHKブックス〉、2002年、246頁。
  5. ^ a b 田中秀臣 『沈黙と抵抗-ある知識人の生涯、評伝・住谷悦治』 藤原書店、2001年、293頁。
  6. ^ 株価急落で「アベノミクスの危うさ露呈」 朝日、毎日、民主は騒ぎ立てるが… (1/2)J-CASTニュース 2013年5月24日
  7. ^ 社会資本整備審議会国土交通省
  8. ^ a b 飯田泰之 × 常見陽平「饒舌大陸」 田中秀臣さんと語る「2013年、就活の真実」 【第1回】日本を救うのは、ウルトラマンではなく営業マンだ!現代ビジネス 2013年6月5日
  9. ^ 【私のハマった3冊】アベノミクスでAKBは消える? 不況とアイドルの関係を読み解く週刊アスキーPLUS 2013年7月6日
  10. ^ 東京秘宝書店 第28回 経済学者・田中秀臣さんTOKYO FM 80.0MHz
  11. ^ 景気と女性アイドル、浮き沈みに意外な法則日本経済新聞 2014年2月20日
  12. ^ アイドル研究家兼経済学者と紹介もされている(ビートたけしのTVタックルテレビ朝日)。
  13. ^ 日本が移住しやすくなれば外国人労働者流入し多様な人材育つNEWSポストセブン SAPIO2010年11月24日号 2010年11月17日
  14. ^ 暗い経済学から明るい経済学への振幅 田中秀臣SYNODOS JOURNAL 2010年12月25日
  15. ^ ゲンジツ2.0とサブカルチャーの経済学--ガンダムと日本 田中秀臣SYNODOS JOURNAL 2011年2月16日
  16. ^ 3.11以後の世界とSF第一世代の可能性SYNODOS -シノドス- 2012年5月29日
  17. ^ 田中秀臣 『沈黙と抵抗-ある知識人の生涯、評伝・住谷悦治』 藤原書店、2001年、11-12頁。
  18. ^ 田中秀臣 『沈黙と抵抗-ある知識人の生涯、評伝・住谷悦治』 藤原書店、2001年、250頁。
  19. ^ 田中秀臣 『経済政策を歴史に学ぶ』 ソフトバンククリエイティブ〈ソフトバンク新書〉、2006年、41頁。
  20. ^ 田中秀臣 『最後の『冬ソナ』論』 太田出版、2005年、6-8頁。
  21. ^ 麻木久仁子・田村秀男・田中秀臣 『日本建替論 〔100兆円の余剰資金を動員せよ!〕』 藤原書店、2012年、44頁。
  22. ^ 田中秀臣 『偏差値40から良い会社に入る方法』 東洋経済新報社、2009年、61頁。
  23. ^ 田中秀臣 『偏差値40から良い会社に入る方法』 東洋経済新報社、2009年、152頁。
  24. ^ 稲葉振一郎・田中秀臣・山形浩生「SFは僕たちの社会の見方にどう影響しただろうか?」(パワポ資料)
  25. ^ 田中秀臣 『偏差値40から良い会社に入る方法』 東洋経済新報社、2009年、83頁。
  26. ^ a b #254 無知につけ込まれて生きることのないために必要なこと。 - 田中 秀臣 さん(上武大学ビジネス情報学部教授)mammo.tv
  27. ^ メディアよ、いいかげん「ダメな経済学」を捨てよ! 就活と政策、トンデモ・エコノミスト糾弾。今経済学者がすべきミクロ・マクロ政策とはダイヤモンド・オンライン 2009年10月22日
  28. ^ a b c 【田中秀臣氏インタビュー】日本をデフレから救うのは、凡庸だが最良の処方箋の「リフレ政策」 ソフトバンク ビジネス+IT 2010年9月10日
  29. ^ このあと日本経済に何が起きるのか?誰も語らない、震災恐慌の怖さ 田中秀臣、上念司SYNODOS JOURNAL 2011年5月19日(2011年5月21日時点のインターネット・アーカイブ
  30. ^ 【田中秀臣氏インタビュー】日本の経済問題の突破口をもとめてソフトバンク ビジネス+IT 2006年10月31日
  31. ^ 大震災の経済学を展望する--復興のための論点は何か:経済学者 田中秀臣氏論考 『震災恐慌! 経済無策で恐慌がくる!』共著 田中秀臣氏ソフトバンク ビジネス+IT 2011年5月17日
  32. ^ <書評>田中秀臣「雇用大崩壊-失業率10%時代の到来」ネットアイビーニュース 2009年4月6日
  33. ^ 田中秀臣・上念司 『震災恐慌!〜経済無策で恐慌がくる!』 宝島社、2011年、221頁。
  34. ^ リフレ政策 評価 田中秀臣・上武大教授 「アベノミクス」支持東京新聞 群馬(TOKYO Web)2013年3月7日
  35. ^ 2015年6月16日
  36. ^ 朝日新聞 憲法学者アンケートの結果の一部を紙面に載せず日本報道検証機構 2015年7月22日
  37. ^ a b c 田中秀臣「大相撲+宝塚+演歌=AKB 永久不滅のビジネスモデル」『スポーツ報知』2012年月6月6日、7版、15面。
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  40. ^ アベノミクスでAKB48は沈む?(1)NetIB-NEWS ネットアイビーニュース 2013年5月31日
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  42. ^ 田中秀臣 『AKB48の経済学』 朝日新聞出版、2010年、77-78頁。
  43. ^ 田中秀臣 『AKB48の経済学』 朝日新聞出版、2010年、92頁。
  44. ^ アベノミクスでAKB48は沈む?(2)NetIB-NEWS ネットアイビーニュース 2013年6月3日
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  46. ^ 経済学者が緊急提言、アベノミクスがAKB48人気を終わらせる?J-CASTモノウォッチ 2013年4月30日
  47. ^ a b 【関西の議論】性の隠匿? 武士道? 演出? 恋愛反省・AKB峯岸丸刈り騒動の「異様」MSN産経west 2013年2月9日
  48. ^ 特集ワイド:AKB48・峯岸さんの丸刈り謝罪 滅私奉公と抑圧毎日jp(毎日新聞) 2013年3月1日
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  51. ^ デフレ不況で生まれた「心の消費」The Social Insight Updater 2011年2月25日
  52. ^ アベノミクスでAKB48は沈む?(3)NetIB-NEWS ネットアイビーニュース 2013年6月4日
  53. ^ 2千人…アイドル大国・日本の破滅的競争 武道館公演、なぜ増加?景気回復で人気失速?ビジネスジャーナル 2015年2月15日
  54. ^ 麻木久仁子・田村秀男・田中秀臣 『日本建替論 〔100兆円の余剰資金を動員せよ!〕』 藤原書店、2012年、269頁。
  55. ^ 編著者以外に安達誠司飯田泰之飯塚尚己岡田靖岡野裕介高橋洋一中村宗悦が寄稿している。
  56. ^ [1]
  57. ^ [2]
  58. ^ [3]
  59. ^ [4]
  60. ^ [5]
  61. ^ [6]
  62. ^ [7]
  63. ^ [8]
  64. ^ [9]
  65. ^ [10]
  66. ^ [11]
  67. ^ [12]
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外部リンク