山本翔也
阪神タイガース #47 | |
---|---|
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 福井県越前市 |
生年月日 | 1988年10月12日(35歳) |
身長 体重 |
181 cm 80 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2013年 ドラフト5位 |
初出場 | 2014年7月27日 |
年俸 | 600万円(2016年) |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
| |
この表について
|
山本 翔也(やまもと しょうや、1988年10月12日 - )は、阪神タイガースに所属する福井県武生市(現在の越前市)出身のプロ野球選手(投手)。
経歴
プロ入り前
熱烈な阪神ファンである実父[1]の影響を受けて、武生南小学校3年生の時に、実父が監督を務める少年野球チーム[2]の「武生ブルーウェーブ」で野球をスタート。武生第二中学校時代には、「武生ボーイズ」に所属した[3][4]。福井工大福井高校へ進学すると、1年生の夏に甲子園の全国大会へ福井県代表として出場(登板機会なし)[3]。1年生の秋からは、エースとして活躍した[4][5]。
高校卒業後に法政大学へ進学。同大学の硬式野球部では、阪神でもチームメイトになる先輩の二神一人、同期の加賀美希昇、1年後輩の三嶋一輝などの控えに甘んじたため、東京六大学野球のリーグ戦にはわずか3試合(4イニング)の登板で終わった[6]。
大学卒業後に王子製紙(2012年10月に社名を「王子ホールディングス」に改称)へ入社すると、ティッシュペーパーの原料を扱う部署へ配属されるとともに、硬式野球部でプレー[7]。入社1年目の2011年に愛知県連盟会長杯で優秀投手賞を受賞して主戦格に成長する[4]と、同年から3年連続でチームを都市対抗に導いた[6]。
2013年のドラフト会議で、阪神タイガースから5巡目で指名を受けて入団した[5]。背番号は47。
プロ入り後
- 球団合宿所・虎風荘への入寮翌日(1月9日)に右膝の違和感を訴えて病院で診察を受けたが[8]、大事に至らずその後の新人合同自主トレーニングを順調に消化。春季キャンプでは、6人の新人選手から、4巡目指名の梅野隆太郎と共に主力選手中心の「沖縄組」[9]へ抜擢された[10]。2003年から春季キャンプの参加選手を「沖縄組」と「安芸組」[11]に振り分けている阪神で、ドラフト5巡目以下の指名で入団した新人投手をキャンプの最初から「沖縄組」へ参加させたのは、山本が初めてである[3]。キャンプ後には、オープン戦4試合に登板したが、防御率13.50(0勝1敗)と不振だったため開幕一軍を逃した。7月14日に入団後初の出場選手登録。17日のフレッシュオールスターゲーム(長崎ビッグNスタジアム)に、ウエスタン・リーグ選抜の7番手投手として7回裏に登板する(詳細後述)[12]と、同月27日の対広島東洋カープ戦(マツダスタジアム)で一軍デビューを果たした。一軍公式戦にはこの試合を含めて2試合に登板したが、左打者に通算で4打数3安打と打ち込まれたため、「対左打者用のリリーフとしては使いづらい」との理由から同月いっぱいで登録を抹消[13]。そのままシーズンを終えた。なお、ウエスタン・リーグ公式戦には34試合に登板。防御率1.95を記録した。また、シーズン終了後には、精神面の向上を図る目的で虎風荘を退寮している[14]。
- 2年連続で開幕一軍入りを逃すと、4月中は二軍でも登板機会にも恵まれなかった[15]。しかし、その後のウエスタン・リーグ公式戦で11試合連続無失点を記録。開幕から通算24回3分の1イニングで3点しか失っていないこと[16]も評価されて、5月26日に出場選手登録を果たした[17]。同月30日の対埼玉西武ライオンズ戦(西武プリンスドーム)6回裏に、シーズン初の一軍公式戦登板。7点ビハインドからの救援登板ながら、西武の強打者トリオ(4番:中村剛也、5番:エルネスト・メヒア、6番:森友哉)から3者連続三振を奪うなど、2イニングを無失点に抑えた[16]。6月9日にいったん登録を抹消された[18]が、先発投手としてウエスタン・リーグ公式戦で好投を続けた[19]ため、7月4日に再登録。球団通算10,001試合目の公式戦に当たる同日の対横浜DeNAベイスターズ戦(横浜スタジアム)で一軍初先発を果たすと、5回2失点という内容で初勝利を挙げるとともに、チーム3日振りのセントラル・リーグ首位浮上に貢献した[15]。その一方で、8月19日の対讀賣ジャイアンツ戦(東京ドーム)5回裏には、能見篤史・歳内宏明・山本による継投で球団史上ワーストの公式戦1イニング12失点を記録。能見・歳内で9点を失った後の1死満塁から登板した山本は、最初の打者からの2者連続二塁打など3被安打・2与四球で3点を失いながら[20]も、2死を取ってこのイニングを終わらせた[21]。しかし、翌20日に登録を抹消される[20]と、そのままシーズンを終了。シーズン通算では、一軍公式戦7試合に登板したが、初勝利を挙げたDeNA戦以外はすべて救援での起用であった。
選手としての特徴
サイドスロー気味のスリー・クォーターから、左の腕をしなやかに振りながら、時速140km台のストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップを投げ込む[4][22][23]。阪神入団後の2015年からは、新たに習得したシュートをチェンジアップと共に駆使したり、カーブの精度を高めたりしながら投球の幅を広げている[15]。
「コントロールに困ったことがない」と自負できるほど制球力が高く[2]、左腕投手だった阪神OBの遠山奨志の現役晩年(サイドスローに転向した1999年から2002年の現役引退まで)のフォームに似ていることから、阪神の首脳陣から当時の遠山のように勝負どころの救援登板で左の強打者を抑えることを期待されている[3]。2014年のフレッシュオールスターゲームでは、 同じ新人でイースタン・リーグ選抜の4番を打っていた左打者の森友哉から106km/hのスライダーで空振り三振を奪うなど、1イニングを投げて無失点・2奪三振を記録した[12]。
人物
2013年のドラフト会議当日は、王子の硬式野球部がある愛知県内の知人宅で、会議のテレビ中継を見ていた。会議でなかなか自分の名前が呼ばれず、途中から諦め半分で携帯ゲームに興じていたため、中継を通じて阪神からの5巡目指名を知った時には驚きを隠せなかったという[2]。
2014年1月7日に他の新人選手と共に虎風荘へ入寮した際に、王子のグループ会社・王子ネピアの製品である高級ティッシュペーパー「鼻セレブ」を詰め込んだ段ボール1箱を持参。この模様を取材した報道陣から、古巣の社名・主力製品に同年齢の投手である斎藤佑樹の愛称(ハンカチ王子)を重ね合わせる格好で「ティッシュ王子」という称号を付けられた。
詳細情報
年度別投手成績
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014 | 阪神 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 6 | 1.0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 9.00 | 3.00 |
2015 | 阪神 | 7 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 46 | 10.2 | 11 | 0 | 3 | 0 | 0 | 10 | 0 | 0 | 5 | 5 | 4.22 | 1.31 |
通算:2年 | 9 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 52 | 11.2 | 14 | 0 | 3 | 0 | 0 | 11 | 0 | 0 | 6 | 6 | 4.63 | 1.46 |
記録
- 投手記録
- 初登板:2014年7月27日、対広島東洋カープ13回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、5回裏無死に2番手で救援登板、1/3回無失点
- 初奪三振:同上、5回裏にキラ・カアイフエから空振り三振
- 初先発・初勝利・初先発勝利:2015年7月4日、対横浜DeNAベイスターズ12回戦(横浜スタジアム)、5回2失点
背番号
- 47 (2014年 - )
登場曲
脚注
- ^ “ドラフト5巡目「山本翔也」、熱烈虎ファンの父の“思い”背負って飛び立つ“親子鷹” ”. 産経ニュースwest. (2013年12月15日) 2014年1月25日閲覧。
- ^ a b c “阪神ドラフト5位指名の山本「ビックリ!ゲームしていた」”. サンケイスポーツ. (2013年10月25日) 2014年1月24日閲覧。
- ^ a b c d “阪神「ティッシュ王子」山本1軍スタート”. 日刊スポーツ. (2014年1月23日) 2014年1月24日閲覧。
- ^ a b c d “山本阪神5位 県勢2投手ドラフト指名 ”. 中日新聞. (2013年10月25日) 2013年11月6日閲覧。
- ^ a b “<ドラフト>1軍登板 山本投手に期待”. 読売新聞. (2013年10月25日) 2013年10月31日閲覧。
- ^ a b “ドラフト県勢 1軍へ意欲 福井”. 産経新聞. (2013年10月26日) 2013年10月31日閲覧。
- ^ “虎の“ティッシュ王子”ドラフト5巡目山本、「鼻セレブ」山盛り持参!”. サンケイスポーツ. (2014年1月8日) 2014年1月24日閲覧。
- ^ “虎の“ティッシュ王子”ドラフト5巡目山本、入寮翌日いきなり病院直行…”. サンケイスポーツ. (2014年1月9日) 2014年1月24日閲覧。
- ^ 一軍首脳陣が帯同するグループで、2013年までは、一般に「一軍組」と称していた。
- ^ “【阪神】キャンプ1、2軍振り分け発表”. 日刊スポーツ. (2014年1月23日) 2014年1月26日閲覧。
- ^ 一軍半・二軍クラスの若手・中堅選手や、スロー調整を要するベテラン選手を中心に構成されるグループ。2013年までは「二軍組」と称していた。
- ^ a b “阪神山本、西武森斬った左キラー本領発揮”. 日刊スポーツ. (2014年7月18日) 2015年10月22日閲覧。
- ^ “虎・山本、「対左」として機能せず2軍降格 中西C「使いづらい」”. サンケイスポーツ. (2014年8月1日) 2015年10月22日閲覧。
- ^ “山本、伊藤、秋山今オフ虎風荘退寮 1軍生き残り懸け背水”. スポーツニッポン. (2014年12月1日) 2015年10月22日閲覧。
- ^ a b c “阪神“無名左腕”が首位浮上の立役者!山本、プロ初先発勝利”. スポーツニッポン. (2015年7月5日) 2015年10月22日閲覧。
- ^ a b “阪神山本 西武おかわり、メヒア、森を3連続K”. 日刊スポーツ. (2015年5月31日) 2015年10月22日閲覧。
- ^ “阪神が石崎、山本、小宮山、北條を登録”. 日刊スポーツ. (2015年5月26日) 2015年10月22日閲覧。
- ^ “阪神が新井を1軍登録、山本を抹消”. 日刊スポーツ. (2015年6月9日) 2015年10月22日閲覧。
- ^ “阪神山本プロ初先発浮上 7月4、5日DeNA戦”. 日刊スポーツ. (2015年6月27日) 2015年10月22日閲覧。
- ^ a b “阪神・歳内&山本2軍落ち 二神、筒井が昇格の見通し”. サンケイスポーツ. (2015年8月20日) 2015年10月20日閲覧。
- ^ “阪神悪夢の5回…10安打浴びてワースト12失点”. 日刊スポーツ. (2015年8月19日) 2015年10月20日閲覧。
- ^ “福井工大福井出身の山本が阪神へ プロ野球ドラフト会議”. 福井新聞. (2013年10月25日) 2013年10月31日閲覧。
- ^ 「週刊ベースボール」 2013年11月11日号「2013ドラフト総決算号」ベースボール・マガジン社 JANコード:4910204421135
- ^ http://hanshintigers.jp/entertainment/themesong/ 2014年10月11日閲覧。