メタルギア ゴーストバベル
ジャンル |
ステルスゲーム タクティカルエスピオナージアクション |
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対応機種 | ゲームボーイカラー |
開発元 | KCEJ WEST |
発売元 | コナミ |
プロデューサー |
小島秀夫 吉岡基行 |
ディレクター | 野尻真太 |
デザイナー | 小島秀夫 |
シナリオ | 福島智和 |
プログラマー |
植原一充 狩野賢一郎 |
音楽 |
日比野則彦 村岡一樹 |
美術 |
中村如哉 新川洋司 |
シリーズ | メタルギアシリーズ |
人数 | 1 - 2人(対戦プレイ) |
メディア | 16メガビットロムカセット |
発売日 |
2000年4月24日 2000年4月27日 2000年4月27日 |
デバイス | 通信ケーブル対応 |
その他 |
型式: CGB-BMGE-USA CGB-BMGJ-JPN CGB-BMSP-EUR |
『メタルギア ゴーストバベル』 (METAL GEAR Ghost Babel、略称: MGGB) は、2000年4月24日に日本のコナミから北米にて発売されたゲームボーイカラー用ステルスゲーム。日本国内では同年4月27日に発売された。
『メタルギアシリーズ』の1作であり、シリーズ初の携帯型ゲーム機用ソフトとなった。MSX2用ソフト『メタルギア』(1987年)の7年後を舞台に、主人公のソリッド・スネークが再び戦いに身を投じる内容となっている。本作は日本国外からの要望で開発され、同シリーズの外伝的な作品となった。開発はKCEJ WEST。
概要
同社による『メタルギアシリーズ』の外伝的作品の1つであり、シリーズ初の携帯ゲーム機用作品。主人公のソリッド・スネークを操作し、中央アフリカにある小国ジンドラでの内戦を終結させる事、および新型の「メタルギア」を奪取する事を目的としている。ストーリーはMSX2用ソフト『メタルギア2 ソリッドスネーク』(1990年)の7年後となっており、短時間でのプレイを前提にステージ形式やプレイモードの選択が容易にできるようになっている[1]。
日本国外からの「携帯機でメタルギアを」という要望に応え[1]、KCEJ WESTによって開発された。監督は野尻真太、シナリオは福島智和が担当し、両者は後にPlayStation Portable用ソフト『メタルギアアシッド』(2004年)を手掛ける事となった。シリーズの監督を務めていた小島秀夫は企画・プロデュースという形で参加している。主人公の経歴や登場人物の一部などがメタルギアシリーズと共通しているが、世界観は共有していない。
本編のほかにも180のVRトレーニングを収録している。無線通信の内容もバリエーションに富んでいる事や、グラフィックがかなり細部まで作りこまれている事などもあり、ゲームボーイ用ソフトとしては屈指の完成度を誇る[1]。ゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」ではシルバー殿堂を獲得するなど高評価を得たが、移植版や復刻版などの再発売は一切されていない。
ゲーム内容
システム
基本的なシステムは、それまでの2D最後の作品である『メタルギア2 ソリッドスネーク』のものを引き継いでいる。変更点として、新たに壁に張り付くことが可能になった。張り付いた状態でBボタンを押すことで、スネークの背後側へ画面をスクロールさせることが出来る。また、パンチで敵を倒すと、敵の体力がある場合は消滅せず、その場で気絶するようになった。敵の体力が無くなるまでパンチを当てると消滅する。敵の視界範囲は正面方向直線状から『メタルギアソリッド』のような扇型に変更されている。
武器や装備の変更の際は『メタルギア』『メタルギア2』の一覧方式ではなく、『メタルギアソリッド』の方式に近いシステムとなっている。
その他
- ループデモ
- 電源投入後に放置しておくと表示されるループデモがブリーフィングの代わりになっている。
- そのため、ループデモにもかかわらずボタン操作でメッセージ送りが可能。
- ループデモの時間は約10分。
- セリフ
- 『メタルギア2』の様にセリフに漢字表記と本来は漢字表記の単語がカタカナとなっているものが混じった方式になっている(例:発煙筒→ハツエントウ)。
- また、登場キャラクターがセリフを発する際は、キャラクターごとに異なるタイプ音が用意されている。
- スネークの初期装備
- スネークの初期装備のひとつとしてタバコが有名だが、本作では発煙筒(ゲーム中の表記は「ハツエントウ」)が初期装備とされている。
- なお、ループデモ中にスネークが輸送機内でタバコと思しき煙をくゆらせるシーンがあるが、表示されるのは煙だけで、タバコ自体は表示されていない。
- ガルエードとアウターヘブン
- 本作の舞台はアウターヘブン跡地に建設された武装要塞ガルエードであるが、かつてのアウターヘブンの一部を彷彿させる場所がとある区画にあり、『メタルギア』に登場したメタルギアTX-55の残骸が放置されている。この場所で無線通信をすると、残骸についての存在意義を考察する会話がある。
- 日本国外でのタイトル
- 日本ではタイトルロゴが『メタルギアソリッド』に似たものとなっているが、「SOLID」と書かれている部分が空白となっている。海外版のタイトルは「MetalGearSolid GhostBabel」あるいは単に「MetalGearSolid」である。
- 公式サイトの「ENGLISH」のページを見ると、ロゴの違いが確認できる。
設定
ストーリー
21世紀の初頭、伝説の英雄・ソリッド・スネークは3年前にFOXHOUNDを退役して、アラスカでの隠遁生活を送っていた。
そこにかつての上官・ロイ・キャンベルが現れ、中央アフリカに存在する小国・ジンドラの内戦が世界を再び核攻撃の恐怖に陥れようとしていることを語り、スネークへの協力を要請する。
一旦は頑なに断るスネークだったが、ジンドラ解放戦線の拠点「ガルエード」が7年前にスネーク自身がたった一人で陥落させた武装要塞国家・OUTER HEAVEN(アウターヘブン)と同じ場所であること、そしてそこに新型の「メタルギア」が奪取されたことを聞くに及んで、再び潜入任務に就くことを了承する。
過去に自らが破壊したメタルギアが眠る場所に強奪された新型メタルギア。同じ「毒蛇(ヴァイパー)」のコードネームを持つ男が率いる謎の傭兵集団「ブラック・チェンバー」とロイ・キャンベルの因縁。ジンドラ解放戦線とアメリカの政府と陸軍、それぞれの思惑と陰謀。それらが複雑に絡み合う戦場で、スネークは一体何を見出すのか…?
ステージ構成
メインのストーリーモードに加え、STAGE SELECT、VR TRAINING、VS BATTLEが用意されている。
- ストーリーモード
- メタルギアを巡る本作のメインストーリー。全13ステージからなるステージクリア方式である。マップ画面はつながっておらず、ステージごとに独立している。難易度はEASY、NORMAL、HARD、VERY HARDの4段階から選ぶことができる。
- ちなみに「ステージ」という単位で構成されているものの、実際には1つのステージで2つ以上のマップにまたがっている場合もあり、「ステージ=マップ」ではない点に注意が必要である。
- STAGE 01 ジャングル
- STAGE 02 基地前
- STAGE 03 排水路(03A)-監視塔(03B)
- STAGE 04 監視塔(04A)-VSホーク(04B)
- STAGE 05 兵舎
- STAGE 06 兵舎
- STAGE 07 地雷原
- STAGE 08 発電所
- STAGE 09 発電所
- STAGE 10 地雷原-砲台
- STAGE 11 整備工場
- STAGE 12 整備工場【B100】
- STAGE 13 整備工場【B100】
- (ステージ名の表記は、下記参考文献に拠った。)
- STAGE SELECT
- ストーリーモードで一度クリアしたステージを任意に選んでプレイすることができる。ストーリーモード全ステージをクリアすると、各ステージをストーリーモードとは異なる目的で攻略する、「SPECIAL」モードが出現する。
- また、「SPECIAL」モードには、『ドンキーコング』をパロディにしたステージがある等、バラエティに富んでいる。一定数のステージをクリアする毎に本編では明かされない物語の裏の事実を聞く事が出来るが、同じものは二度と聞けない上、本作はセーブデータの消去も出来ないため、これらは一つのカートリッジにつき一回しか聞けない事になる。
- VR TRAINING
- ステージ毎に与えられた課題をクリアしていくモード。全180種類でバラエティーに富んでいる。潜入時のメロディーは『メタルギア』『メタルギア2』のメロディーになっている(これは『メタルギアソリッド インテグラル』も同じである)。ステージクリアの度にストーリーモードにおける裏事情が明かされる。
- VS BATTLE(通信対戦)
- 通信ケーブルを用いた2人対戦機能。シリーズ初のユーザー同士の対戦機能であり、後の「メタルギアオンライン」に通ずる面がある。
- 対戦モードでは、互いのプレイヤーが近付かない限り姿が見えない仕様になっている。そのため、相手のいる方角のみを知るヒント機能が用意されている。
無線ドラマ「アイデアスパイ2.5(ツー・ハン)」
ゲームを1度クリアしたあと、ゲーム中の無線機画面(140.07)において聞くことのできる連続無線ドラマ(全13話)で、PlayStation 2用ゲームソフト『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』の監督・脚本・ゲームデザインを手がけた村田周陽の脚本。悪の通信販売企業「J.E.(ジャンカー・エクスペンシブ)」に立ち向かうアイデアスパイ、2.5(ツー・ハン)の物語。いわゆる隠し周波数であり、この周波数を知る手段としてスタッフロールの中で赤文字で明かしている。後年、小島プロダクションが製作したインターネットラジオ「HIDECHAN!Radio.」(現・ヒデラジ)内でラジオドラマとしてリメイク、放送された。
ゲーム中ではステージクリアをする毎に話が進展する。
他作品との関係
本作では主人公であるソリッド・スネークの他、ロイ・キャンベル、メイ・リンといったキャラクターが登場するなど、メタルギアシリーズと一部世界観を共有している。しかし、スネークとメイ・リンが初対面であるなど、『メタルギア』を除く他作品と直接的な繋がりはない。なお、No.4の会話ではシャドー・モセス事件に関係する情報がある。
また、後に発売された『メタルギアアシッド』シリーズとは、世界観の繋がりを匂わす単語等があるものの、公式に認められた事例はない。
登場人物
主人公とその関係者
- ソリッド・スネーク
- 今作ではOUTER HEAVEN(アウターヘブン)で父親であるビッグ・ボスを殺害したことに強い自責の念と強迫観念を抱いており、自殺願望を持っている。またこの世界では「恐るべき子供達計画」は存在せず、スネークはビッグ・ボスのクローンではなく実子ということになっている。
- クリス・ジェンナー
- デルタフォースの女性隊員。階級は軍曹。ブラック・チェンバーの襲撃(待ち伏せ)に際し、隊員内でただ一人生き残った。
- その正体は、政府と対立する陸軍参謀長ジョン・パーカーが送り込んだスパイであり、メタルギアとそれにまつわる機密プロジェクト「プロジェクト・バベル」のデータを密かに引き揚げようとしていた。しかしそれも失敗し、ヴァイパーらに捕らえられるが、スネークに救出され、全てを打ち明けて謝罪した。最後はスネークと共に脱出。今回の事件を仕組んだ黒幕達に償わせるべく旅立ったスネークの帰りを待つ事になる。
- 両親が離婚しており、軍に入ったのは希薄な自分を補完したかったためらしい。大人の女性ではあるが、口調や性格に少女のような幼さが少し残っている。
- STAGE 03の終盤では、接触する直前であれば倒すことも可能だが、倒してしまうと即ゲームオーバーとなる。
- ロイ・キャンベル
- 既に退役していたが、今回の作戦において、スネークをよく知る者として招集される。無線でスネークをサポートする。政府から裏切られてテロリスト扱いされたブラック・チェンバーを、FOXHOUND部隊を率いて壊滅させた張本人であり、そのことを悔いたのが退役のきっかけとなった。トレーニングモードのデモで、当初は招集を拒否していたが、ガードナーに娘であるメリル・シルバーバーグを人質に取られ強制的に招集させられていたことが語られている。
- メイ・リン
- M.I.T.(マサチューセッツ工科大学)の現役学生。新型レーダーと無線システムの開発者。無線でスネークをサポートする。セーブすると世界の偉人の名言を語る。
- ブライアン・マクブライド
- CIAの工作員。今回の現場であるジンドラの情報に詳しい。無線でスネークをサポートするが、独善的な性格がメイ・リンなどから非難されることも。
- その正体はブラック・チェンバーの一人で、経歴などを全て偽って政府に潜り込み、今回の事件の糸引き役となった。メタルギアを手中に収めたヴァイパーに応じてキャンベル達を殺害しようとするが、ウィーゼルによって返り討ちに遭う。スネークとキャンベルの招集を政府に上申したのは彼である。
- ウィーゼル(ロナルト・レンセンブリンク)
- オランダ人。世界でも一流の傭兵。傭兵の事情や武器などに詳しい。直接作戦に参加せず無線でスネークをサポートする。「ウィーゼル」とはイタチのこと。
- 実は政府から、本作戦に関わった全ての人間を抹殺するよう命令を受けていた。しかしスネークやキャンベルを気に入ったことから心変わりし、任務を遂行することなくスネーク達を見逃した。過去に弟を戦場で死なせており(その際に母は自殺し父には殺されかけて決別した)、その事に関してスネークと交わした会話も心変わりの理由の一つらしい。
- ジェイムズ・ハークス
- 10代にして新型メタルギアの開発チーフを務める天才。愛称は「ジミー・ウイザード」。兵器開発をオモチャ作りのように楽しんでおり、メタルギアによって多くの人間が殺されるであろう事にも罪悪感すら抱いていなかった。しかし、スネークやクリスとの出会いにより心情に変化が現れる。救出された際に「国に帰りたい」「今度は人の為に働きたい」とスネークに本音を漏らすが、ヴァイパーの罠が起動し、スネークに看取られながら息を引き取る。
- 将軍(アウグスティン・エグアボン)
- ジンドラ解放戦線 (Gindra Liberation Front) 、通称ジレフのリーダーで、「民族独立」「先進国からの解放」というスローガンの下に、ジンドラ内の少数民族を率いて武装蜂起したカリスマ的指導者。
- しかしその正体は、米国政府がアフリカにおいて進めていた機密プロジェクト「プロジェクト・バベル」の現地責任者であり、その鍵を握る人物である。今回の武装蜂起も、将軍が米国政府の意向を受けて意図的に起こしたものであり、裏でアメリカが世界的な覇権を打ち立てる手助けをしていた。メタルギア・ガンダーに乗り込むが、スネークに敗れ、全てのデータが入ったディスクをスネークに託して息絶えた。ちなみに、彼はジンドラ人ではなかった。
- ソフィー・エンドラム
- 将軍の右腕で、ジレフの副司令。白兵戦から戦車、戦闘ヘリの操縦までこなす凄腕の女性兵士で、ケンブリッジ大学を卒業した才媛でもある。フランス人とジンドラ人のハーフ。しかし、フランス人の父親が内戦の始まったジンドラから母親を置き去りにして逃げてしまったため、将軍の掲げる「先進国の搾取からの解放」という思想に呼応する。一時は将軍の愛人だった。攻撃ヘリのハボックを駆ってスネークに挑んで敗北するが、助命される。敗れた将軍の口から全ての事実を知った後も、その理想を信じて戦い続けることを誓った。
- ジョン・パーカー
- アメリカ陸軍参謀総長。デルタフォースを先遣隊としてジンドラに派遣する。その正体は、大統領補佐官スティーブ・ガードナーと政治的に対立する軍閥の首領。クリスをスパイとして派遣し、極秘裏にメタルギアのデータなどを引き揚げようとしていた。作中に直接登場はしない。
- スティーブ・ガードナー
- アメリカ政府国防担当大統領補佐官。政府の実質的No.2で、スネークの潜入作戦を含めたメタルギア奪回作戦の総責任者でもある。ジョン・パーカーと同じく、作中に直接登場はしない。
- 機密プロジェクト「プロジェクト・バベル」の産みの親であり、今回の事件の真の黒幕。OUTER HEAVEN創設とメタルギア開発を主導していたが、現地司令官として雇ったビッグ・ボスの暴走に遭ったため、スネークを使ってOUTER HEAVENを自ら潰す羽目になった。そして今回の事件を利用し、政敵であるジョン・パーカーを陥れ、彼の手中にあったメタルギアを入手しようとしていた。「アノニマス」という偽名を持ち、かつてはブラック・チェンバーの任務にも関与して彼らを切り捨てた。元CIA長官。
- No.4
- 「SPECIAL」モードでスネーク(プレイヤー)に指示を与える謎の人物。ステージを規定数、クリアするごとに本編で語られていない裏の事実を教えてくれる。そして全てのステージを完全にクリアするとNo.4がプレイヤーを「ジャック」と呼んで褒め称えるが結局正体は明かされない。メイ・リンの声を真似できるほど多彩な声色の持ち主。
- なお、『メタルギアアシッド』に「No.16」と「No.104」という人物が登場するが、関連性はない。
- 「ジャック」は『メタルギアソリッド2』に登場する雷電の本名であり、『メタルギアソリッド3』に登場するネイキッド・スネーク(後のビッグ・ボス)の愛称でもあるが、いずれも関連性は不明である。
傭兵集団ブラック・チェンバー(Black Chamber)
ジンドラ解放戦線によって軍事顧問として雇われた凄腕の傭兵集団。元は米国政府お抱えの傭兵部隊。アウターヘブン蜂起後にFOXHOUNDの名が表舞台で有名となって隠密活動が難しくなり、代わりにブラック・チェンバーが政府の裏方仕事を数々こなしてきたが、2年前のある事件を解決した際に、不都合な事実の露呈を恐れた政府(ガードナー)によって切り捨てられ、FOXHOUNDに殲滅された。
- スラッシャー・ホーク
- オーストラリアのアボリジニ。40代、身長213センチ。屈強な肉体をもつ、鷹の紋章が刻まれた1メートル以上あるブーメランと相棒の鷹を巧みに誘導する。出所不明の捨て子で、アボリジニの夫婦によって育てられた。部族の出身ではないことから周囲から疎まれたため、世界を流浪した末にブラック・チェンバーに入った。スネークとの戦いに敗れた際にも「死体は焼くな」と言い残し、最後まで部族の教えに殉じた。
- マリオネット・アウル
- 20代、国籍不明。身長175センチ。夜目が利くことを活かして、暗闇の中を無音で移動しながらの戦闘を得意とする。異常体質で暗闇で目が光るため、戦闘時にはゴーグルをつけている。いつも二体の文楽人形(オサンとコハル)をつれている。
- 正体は米国の女性連続殺人鬼「スペクター」であり、女性をバラバラにして殺すことに至上の快楽性を見出す人格破綻者。指名手配犯としてFBIに追われていた所をヴァイパーに引き入れられた。スネークに敗れると、幼い頃にローラという女性をバラバラに殺されトラウマとなったことを明かした。死ぬ直前、ローラの幻を見るが、その後絶望の表情を浮かべて息絶えたことから、スネークに「天国には行けなかったようだな」と皮肉られた。
- なお、ゲームボーイの年齢層を意識して「メタルギアシリーズ」では珍しい美青年タイプの敵キャラクターにした、と攻略本の巻末インタビューで中村如哉が語っている。
- ちなみに、サーマルゴーグルのみを入手した状態で遭遇すると、シルエットしか見えない。
- パイロ・バイソン
- 40代、国籍はアメリカ。身長186センチ。人が燃え上がっている姿に美しさを感じる男。自分で特別に調合した燃料が入った火炎放射器を使用する。勝利を勝ち取ったスネークに、呪いの言葉と内通者の可能性を示唆し、自らの火炎放射器を暴発させて焼死した。彼の過去については作中で語られない。
- ブラックアーツ・ヴァイパー
- ブラック・チェンバーのリーダー。30代、国籍はアメリカ。身長189センチ。戦場でブービートラップを使い、敵を次々と爆死させたことからブラックアーツ(暗黒魔術)という名がついた。ヴァイパーは毒蛇の意。FOX HOUNDのソリッド・スネークへの対抗意識からそう名乗っている。
- 2年前の任務で政府(アノニマス)から裏切られたことに激しい憎悪を抱いており、無念の内に死んでいった仲間達のために、メタルギアを使って世界に復讐することを誓う。将軍には心酔しておらず、隙あらばメタルギアを奪おうと目論んでいた。2年前の事件で左腕を失い、様々なギミックを施した義手を付けている。
- クリスを捕らえ、一度スネークの前に立ちはだかるが敗北。その後、スネークがメタルギアを破壊すると、目的を果たすべく再び姿を見せる。アノニマスと彼に支配された世界を壊すために、メタルギアの衛星核攻撃システムを起動させるが、スネークとの最終決戦に敗れ死亡した。
スタッフ
- 企画、原作:小島秀夫
- アートワーク、キャラクター・デザイン:中村如哉
- メタルギア・デザイン:新川洋司
- シナリオ、構築:福島智和
- プログラム・スーパーバイザー:植原一充
- プログラム・サポート:狩野賢一郎
- 音楽:日比野則彦、村岡一樹
- イベント・プランナー:野尻真太、うえのりょうさく
- プロモーション:服部明美、田畑宏樹
- プロデューサー:小島秀夫、吉岡基行
- エグゼクティブ・プロデューサー:吉岡基行
- ディレクター:野尻真太
- スーパーバイジング・ディレクター:小島秀夫
評価
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ゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」では合計31点(満40点)でシルバー殿堂を獲得した[2]。
脚注
- ^ a b c 前田尋之 2018, p. 166- 「Chapter 2 ゲームボーイソフトオールカタログ 2000年」より
- ^ a b “メタルギアGhostBabel まとめ [ゲームボーイ]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2021年3月28日閲覧。
- ^ a b c “Metal Gear Solid for Game Boy Color (2000)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2021年3月28日閲覧。
参考文献
- 「KONAMI OFFICIAL GUIDE パーフェクトシリーズ METAL GEAR Ghost Babel」 ISBN 4-88317-795-5
- 前田尋之『G-MOOK154 ゲームボーイパーフェクトカタログ』ジーウォーク、2018年11月29日、166頁。ISBN 9784862978226。