WOLF'S RAIN

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WOLF'S RAIN
漫画
作者 いーだ俊嗣
出版社 講談社
掲載誌 マガジンZKC
発表期間 2003年4月 - 2004年3月
巻数 2巻完結
話数 全11話
アニメ
原作 BONES信本敬子
監督 岡村天斎
キャラクターデザイン 川元利浩
メカニックデザイン 荒牧伸志
音楽 菅野よう子
アニメーション制作 BONES
製作 フジテレビ、ボンズ
バンダイビジュアル
放送局 フジテレビ系列
放送期間 2003年1月 - 7月
話数 全30話:
(総集編:第15話 - 第18話)
(OVA:第27話 - 第30話)
テンプレート - ノート
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WOLF'S RAIN』(ウルフズ・レイン)は、BONES制作のテレビアニメ及び漫画作品。前者は2003年1月から同年7月までフジテレビ系列で放送された。

概要[編集]

製作開始当初は全26話の予定だったが、製作者側の都合により途中に総集編4話が挿入され、ストーリーが完結せずに放送が終了した。残りの4話は2004年1月から2月にOVAとして公開された。

ストーリー[編集]

200年以上も昔に絶滅したと言われる伝説の獣・狼。しかし、実は狼は時折その姿を人へと変え、人間たちの目を騙しながら、密かに生き延びていた。

そんな狼の若者の1人であるキバは、狼を狼だけに許された世界・“楽園”へと導くという“月の花”の匂いを追い求めていた。

そんな中で、ツメ、ヒゲ、トオボエら狼の仲間達、そして楽園一面に咲き乱れると言われる“月の花”より貴族が作り出した“花の少女・チェザ”と出会い、キバは彼らと共に“楽園”を目指すべく、荒廃した世界を舞台に、長く過酷な旅に出る。


登場人物[編集]

主要人物[編集]

キバ
- 宮野真守
本作の主人公。狼の本能で楽園を目指す白い狼。人間の姿になった時はボサッとした黒髪と青瞳を持つ。服は、白いシャツに黒のフライト・ジャケット、青のジーンズ、スニーカーを身に着けている。袖は肘当たりまで捲ってある。今まで群れをなさず、人間の姿にもならず生きてきたが、ヒゲとの出会いで一時的に人間の姿になって人間を惑わすことを覚える。直感で行動する事が多い。幼い頃に月の花が咲き乱れる土地に群れて暮らしていたが、人間にそこを焼き払われ唯一生き残った過去がある。その後、人間に拾われ少しの間飼われていた。自分にはもう群れも無い、帰る場所も無い、という絶望にも似た想いから楽園を目指す。チェザとは他の3匹よりも仲が良い模様。
ツメ
声 - 三宅健太
胸に傷のある灰色狼。人間の姿になった時は灰色の髪に金瞳を持つ。ぴっちりとした肩と腹の出る形の黒いレザーのような服を着ている。金のピアスもある。狼ゆえのずば抜けた身体能力を利用して人間のフリをして窃盗団のリーダーになって生活していたが、手下の裏切りに遭ってしまう。貴族を嫌っているため、当初はチェザに不信感を持っていた。胸にある傷は昔の仲間に付けられたもの。戦闘能力は極めて高く、人間の姿の時はナックラーに刃物がついたような武器を使っている模様。狼の姿の時にも爪を使った攻撃を使う。転落死させてしまったゲルと重なったためか、トオボエに思い入れがある。仲間の狼の中では一番大人であるが、素直になれず喧嘩早い一面もある。
ヒゲ
声 - 陶山章央
敏感な嗅覚を持つ狼。毛はこげ茶で体毛が多く太ってみえる。「Χ」と刻まれた首輪をしている。人間の姿になった時は明るい茶色の髪。肩に黒いスジと袖が灰色になっているデザインの黄色いパーカーとややだぶっとしたズボンを穿いている。あちこち気ままに放浪していた所を貴族に捕らわれているキバに出会い、面白そうだからという理由で楽園を目指す旅に同行する。飄々とした雰囲気を持っている。体系は少し小太りで食べ物には目がない。元々は群れで行動していた模様。基本的には女好きだが、吹雪の中、女性と子供は休ませるようキバに仕向けるなど、頼れる一面を見せる。
トオボエ
声 - 下和田裕貴
茶色の狼。4匹の中で最も幼く、カラスにも馬鹿にされるほど気弱で怖がり屋。人間の姿になった時は赤茶色の上着に緑のズボンを穿いている。狼の時と同じく右腕(右前足)に腕輪を嵌めている。長い間人間に飼われていたが、飼い主と死に別れたため生活に困っていた。飼われていた時に付けられた腕輪をずっとしている。よく好んで遠吠えをするが肝心な時に遠吠えを忘れてしまうなど、まだ幼い面を見せる。口癖は、主に「今準備してるんだよ!」。
チェザ
声 - 小笠原亜里沙
オーカムのラボで研究材料にされていた少女。その正体はダルシア一世が錬金術で月の花から生み出した人間・花の少女。一人称は「これ」。薄い桃色の髪と深紅の瞳が特徴。金の輪を首と手首に嵌めている。狼を特別に惹き付ける力がある。ダルシアにラボから連れ去られた後、飛行機から逃亡しキバ達に出会う。食事はせず、水を飲み日光を浴びる事を必要とする。花なので長い間、水や日光を浴びないと枯れてしまう。水が足りないと茶色の脈状の筋が首や顔に浮き、苦しそうにする。植物と話が出来るらしい。
ハブ・リボウスキー
声 - 宮本充
オーカム卿の傘下の警察官で、シェールの元夫。クエントを捕まえた事から徐々に狼を取り巻く謎に巻き込まれていき、シェールがチェザを探しに旅立った事をきっかけに警察官を辞め、クエントと共にシェールを追う旅に出る。離婚したシェールとはまだ気があるためか度々連絡をとっている。
シェール・ドゥグレ
声 - 幸田夏穂
オーカムのラボでチェザの研究をしていた女性科学者。月の書を持っており、チェザの研究にのめり込むうちに狼を取り巻く謎に巻き込まれていく。ハブとは夫婦であったが、お互いの距離が次第に離れたため離婚した。
クエント・ヤイデン
声 - 石塚運昇
狼の抹殺を目的として放浪している元保安官の男性。家族を狼に惨殺されたと信じているため、復讐のために全ての狼を殺す事を誓っている。アルコール中毒者ウォッカウィスキーなどを常に持ち歩いて浴びるように飲んでいる。メタルジャケット弾を使用するハンティングライフルを携行している。ブルーの飼い主。
ブルー
声 - 浅野まゆみ
クエントと共に狼抹殺の旅をしていた雌の狼犬。チェザとの偶然の接触で、狼の血に目覚めたためクエントから離れる。自分が何者か知るべくキバ達の旅に同行する。しかしクエントを嫌いになった訳ではなく、離れている間も「親父さん」とクエントを想う。旅が進むにつれ、ヒゲに魅かれてゆく。戦闘力も他の狼にひけをとらず比較的高い。
ダルシア三世
声 - 黒田崇矢
没落した貴族の男性。外見年齢は20代。チェザについて熟知している。普段左目に眼帯をしているが、そこには狼の目が隠されている。恋人のハモナが楽園病になったことから楽園を目指している。本作では重要度の高いキャラクター。

その他の登場人物[編集]

ハモナ
声 - 坂本真綾
ダルシアの恋人。楽園病にかかり深い眠りについていたが、ジャガラ侵攻の際に命を落とす。ジャガラの双子の妹。
ジャガラ
声 - 田中敦子
貴族の女性。各地のドームを破壊できる程の大きな軍隊を持つ。狼専用の特殊部隊を使い狼を捕獲している。月光炉という貴族のみの楽園を開くものを持っている。ハモナの双子の姉。双子ゆえか、同じ男性に恋をしてしまった。その男性をハモナに取られたがため、殺害してしまう。コミック版には登場していない。
ダルシア一世
声 - 若本規夫
ダルシア家の始祖。200年前に「滅びの日」を提唱した。
ゲル
声 - 赤石広樹
ツメがリーダーをしていた窃盗団のメンバーの少年。逃走路である高所のパイプから転落死してしまった。
ミュウ
声 - 稲村優奈
カラカルの少女。キバが永遠の園へ迷い込んだ際に現れた。キバに対して好意ともとれる気持ちを抱いていたようだ。長老によってキバの魂が戻された際には涙ながらにお別れを言い現世に帰した。
レアラ
声 – 仙台エリ
ドームに住む少女。空腹だったトオボエにソーセージを与える。これに恩義を感じたトオボエは彼女に近づこうとするが、行きすぎた行動でショックを与えてしまう。
ネーゼ
声 - 川田妙子
ダルシアに仕える女性。ひたすらダルシアに従っていたが、ジャガラ侵攻の際に扉に磔にされていた。その後の生死は不明。
ザリ
声 - 楠見尚己
人間の街に住む狼の群れを統率するリーダー。人間時の姿は中年の男性。左頬に大きな切り傷がある。かつて楽園を目指していた。
コール
声 - 湯屋敦子
ザリの元で暮らす女狼。狼時の姿は描写されていない。ヒゲに食糧を与える。
モス
声 - 後藤敦
ザリに従う狼。よそ者であるキバらを排除しようとしないザリの方針に不満を感じ、仲間とともに彼を見限る。
ハス
声 - 入野自由
断崖絶壁にある空中都市の少年。チェザを追ってきた奪還隊隊員に対して盗みを働き、負傷した所をクエントから手当を受ける。終始無口であった。
イーク
声 - 小野坂昌也
移動民族の男。トオボエを狼狩り部隊と勘違いして襲いかかる。彼の属する民族はインディアンのような風俗をしており、動物を崇める風習がある。
ティア
コミック版にのみ登場。森林地帯にある集落の少女。アニメ版におけるレアラの立場にあり、最終話にも登場している。

用語[編集]

200年以上昔に絶滅したとされる伝説上の生き物。しかし、実際は特殊能力を使って人間になりすまし(「特殊能力」というのは狼を人間の姿に見せる視覚効果のようなものであり、大抵の人間には人間の姿で見えるが、一部の人間や動物には狼の姿で見える)、人間社会に溶け込んで生きている。そのため、作中では相当数が生存している。楽園を目指せる唯一の存在。月光により、治癒能力を高めることができる。
楽園
この世のどこかにあるとされる伝説の場所。かつて人間文明が滅びた時には、狼はそこで住んでいたらしい。そこには、月の花が一面に咲き乱れ、不安が一切ないとされるが、実際に辿り着いた者もそこから帰ってきた者も誰一人としていない、と言い伝えられている。最終話で楽園の意義が明らかとなる。
月の花
月光を浴びて咲く花。楽園にはそれが一面に咲き乱れている。月の花の香りは楽園の在り処を示すという。チェザは、この花から生み出された。かつては至る所に咲いていたようだが、人間の文明発達にともない、絶滅したらしい。葉や花の形状は月下美人に似ている。
ハナビト
貴族が研究していた月の花から高度な技術を用いて人工的に創りだされた人間。複数体が研究されていたようだが、チェザを除いて失敗した模様。作中には、ハナビトの生き残りが登場している。
月の書
旧世紀に狼や楽園、月の花などについて書かれた書物。元はシェールが持っていたもので後にハブに託された。色々な不思議を持った本で最終話にも伏線のような形で登場している。なお、表紙及び内容にはキリル文字が使用されている。
貴族
文明が崩壊した後に国家や政府に代わった自治組織。ドームなどに住む一般人とは比較にならないほど裕福な生活水準で暮らしている。貴族の大多数が19世紀をモチーフにした風俗をしており、仮面舞踏会を思わせる仮面をつけている。ダルシア、オーカム、ジャガラなどが貴族である。各勢力は物語進行の過程で敵対することになる。また、各勢力は空中艇や装甲車などを所有した軍事組織を持っている。また、貴族とは単なる身分・組織ではなく、人間とは異なる種族であることが本人達の会話から伺える。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「stray」
作詞 - tim jensen / 作曲・編曲 - 菅野よう子 / 歌 - steve conte
エンディングテーマ「gravity
作詞 - troy / 作曲・編曲 - 菅野よう子 / 歌 - 坂本真綾
エンディングテーマ「Tell Me What The Rain Knows」(26話)
作詞 - Chris Mosdell / 作曲・編曲 - 菅野よう子 / 歌 - 坂本真綾

各話リスト[編集]

アニメ版[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
1 咆哮の街角 信本敬子 岡村天斎 武井良幸 川元利浩
2 哭かないトオボエ 佐藤育郎 小森高博
3 Bad Fellow 武井良幸 逢坂浩司
4 荒野の傷跡 岡村天斎 安藤真裕 北村真咲 堀川耕一
ねこまたや
5 堕ちた狼 信本敬子
吉永亜矢
岡村天斎 佐藤育郎 富岡隆司
6 受け継ぐもの 信本敬子 坂田純一 横山彰利 逢坂浩司
7 花の少女 佐藤大 岡村天斎 武井良幸 斎藤恒徳
8 眠りの歌 信本敬子 北村真咲 堀川耕一
9 疑惑 佐藤大 坂田純一 神戸洋行 恩田尚之
10 Moon's Doom 大河内一楼 西村博之 佐藤育郎 富岡隆司
11 消失点 佐藤大 岡村天斎 武井良幸 逢坂浩司
12 Don't make me blue 信本敬子 安藤真裕 堀川耕一
13 男たちの哀歌 吉永亜矢 岡村天斎 澤井幸次 大澤聡
門智昭
14 没落の城 佐藤大 安田賢司 佐藤育郎 恩田尚之
中島利洋
15 灰色狼[1] - 武井良幸 斎藤恒徳
16 夢の旅路[1]
17 花の香り、狼の血[1]
18 人・狼・月の書[1] 岡村天斎
19 オアシスの夢 信本敬子 大塩万次郎 神戸洋行 富岡隆司
20 CONSCIOUSLY 岡村天斎 武井良幸 逢坂浩司
倉島亜由美
21 戦いの狼煙 佐藤大 坂田純一 森邦宏 水畑健二
ねこまたや
22 流星の破片 待田堂子 安藤真裕 堀川耕一
23 黒い街の鼓動 佐藤大 西村博之 佐藤育郎 菅野宏紀
24 罠の匂い 浅川美也 岡村天斎 京田知己
安藤真裕
富岡隆司
25 過ちの記憶 吉永亜矢 坂田純一 武井良幸 児山昌弘
伊藤岳史
26 月光炉[2] 佐藤大 岡村天斎 工原しげき
堀川耕一
27 魂の行方[3] 信本敬子 安藤真裕 富岡隆司
28 悔恨の銃声[3] 岡村天斎 佐藤育郎 堀川耕一
29 High Tide, High Time[3] 武井良幸 斎藤恒徳
富岡隆司
30 Wolf's Rain[3] 岡村天斎 児山昌弘
吉田健一
川元利浩

コミック版[編集]

話数 サブタイトル
1 寄寓
2 楽園への鍵
3 要害離脱
4 孤独の城砦
5 風に舞う花
6 心酔の群れ
7 哀歌
8 空を仰ぐ墓標
9 導きの系譜
10 厭世の果て
11

放送局[編集]

フジテレビ関西テレビ東海テレビ北海道文化放送テレビ西日本

単行本[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 総集編
  2. ^ TVシリーズ最終話
  3. ^ a b c d OVAとして発表された。

外部リンク[編集]