PK (機関銃)
PKM機関銃 | |
PK | |
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種類 | 軍用機関銃 |
製造国 | ソビエト連邦 |
設計・製造 |
ミハイル・カラシニコフ コブロフ社 |
年代 | 冷戦 |
仕様 | |
種別 | 汎用機関銃 |
口径 | 7.62mm |
銃身長 |
PK:658mm PKM:645mm PKT:772mm |
ライフリング | 4条右回り |
使用弾薬 | 7.62x54mmR弾 |
装弾数 | ベルト給弾式 |
作動方式 | ガス圧利用(ロングストロークピストン式)、ロータリーボルト式 |
全長 |
PK:1,173mm PKM:1,160mm PKT:1,098mm |
重量 |
PK:9,000g PKM:7,500g PKT:10,500g |
発射速度 |
PK・PKM:650発/分 PKT:800発/分 |
銃口初速 | PK・PKM:825m/秒 |
有効射程 | 1,000m |
歴史 | |
設計年 | 1960年 |
製造期間 | 1960年- |
配備期間 | 1961年- |
配備先 | ソビエト連邦軍、ロシア連邦軍など |
PK機関銃(ロシア語:ПК ペカー;Пулемёт Калашниковаプリミョート・カラーシュニカヴァ:「カラシニコフ機関銃」)は、ソビエト連邦製の7.62mm口径の汎用機関銃である。この銃は、ソ連軍が1960年代にSG-43重機関銃およびRP-46軽機関銃の後継として、AK-47を設計したことで著名なミハイル・カラシニコフが設計した。
概要
PK機関銃は、ミハイル・カラシニコフにより設計された戦後第1世代の汎用機関銃である。1961年から配備が開始されている。
内部構造は基本的に、カラシニコフが設計したAK-74小銃と同様の機構で設計された。作動方式は、ガス圧利用(ロングストロークピストン方式)、ロータリーボルト式である。
この機関銃は、銃身にキャリングハンドルを装着して素早い銃身交換を可能なように設計しており、冷却効果を高めるために銃身には銃身と平行に溝が彫られている。二脚架はガスチューブ部に設けられ、銃を地面に置いたままで銃身だけを交換できる。合板製の銃床には大きな穴が開けられ、軽量化を図ると同時に、運搬や射撃の際につかみやすい形状をしている。
この銃の弾丸は、ワルシャワ条約機構の制式弾薬でもある7.62x54mmR弾(リム付)であり、25連発の非分離式金属製ベルト(後に100連発式に延長、前任のPM1910重機関銃やSG-43重機関銃用の250連発リンクも使用可能)に装着して使用する。100発以上連射したい時はリンク同士を弾薬をピン代わりに使用して接続することも可能である。また、給弾口の下の本体下部には弾丸を取り付けた弾薬リンクを収納した弾薬箱を取り付ける金具が存在し、移動しながらの射撃も可能となっている。
大きなテーパーとリムの付いた7.62x54mmR弾を使用するため、弾薬は一旦弾薬リンクから後方に引き抜かれ、その後下方の薬室に向け送り込まれるという複雑な給弾方式が取られている。西側の一般的なベルト給弾式機関銃は給弾口が左側に位置するのに対し、PK機関銃では給弾口がそれぞれ右側に配置されている。PM1910などのロシア製ベルト給弾式機関銃は、すべてこの方式となっている。
改良型のPKMは、製造工程簡略化のために銃身の溝(フルント)を廃止した銃身を使用し、生産効率向上と軽量化のために一部の部品の製造方法を削り出しからプレス加工に換えるなどの変更を加えたものである。重量は弾薬無しの状態でわずか7.5kgである。1969年に制式採用された。
PK系の機関銃は、開発時既にAK-47およびRPDという7.62x39mm弾による分隊編制が進んでおり、いわゆる軽機関銃用途ではなく、狙撃兵(歩兵)中隊の機関銃小隊に配備され、各歩兵小隊を支援する任務を帯びている。 RPDやRPKといった分隊支援火器では射程・威力で不十分、また、各小隊のSVDでは火力で不十分な目標に対して、これを制圧することが求められている。
PK系の機関銃は、リム付き弾薬を使用し給弾機構が複雑となるという問題点を持つにも関わらず、同世代の西側の機関銃と較べかなり軽量であり、その信頼性の高さと併せて、西側諸国でも「弾薬と給弾システム以外は総合性能の高い汎用機関銃」と高く評価されている。
派生型
- PKS/PKMS
- PK/PKMを三脚に据付けた場合にこの名で呼ばれる。
- PKSN/PKMSN
- 上述のPKS/PKMSにNSPU暗視装置を装備したタイプ。
- PKT/PKMT
- 戦車の同軸機銃用にSGMT機関銃の後継機銃として設計された派生型の一種で、銃身が容易には交換できないために連射に耐えられるように銃身を厚くしたほか、電気式の遠隔操作用トリガーと硝煙排出装置を装備している。
- T-62以降の戦車やBMP系歩兵戦闘車、BTR-60以降の装甲兵員輸送車、BRDM-2装甲偵察車など、ソ連・ロシア製の主だった装甲戦闘車両に装備されている。
- PKB/PKMB
- 車両や戦車の砲塔上に設置するもので、引き金の代わりに押し金が後端に装備されている。
- PKP ペチェネグ(6P41)
- PKMを分隊支援火器として運用しやすいように改良したもの。ルイス軽機関銃のものと同じ原理の空冷放熱機能を持つ銃身ジャケットを備え、二脚は再設計されたものが銃口付近に設けられた。そのため、銃身の迅速交換は考慮されていない。現在、ロシアの特殊部隊を中心に配備が始まっている。
ソ連以外での派生型・コピー品
- 80式汎用機関銃
- 中国北方工業公司がPKMをコピー生産したもの。人民解放軍への配備は限定的で、輸出をメインとしている。
- 73式軽機関銃
- 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)によるPKの派生型。弾帯のほか、バナナ形状の箱型弾倉も使用できる。箱型弾倉はレシーバーの上側から挿入される。銃口制退器、照準器、ガスチューブ、二脚、銃床の形状が独自のデザインとなっている。
- 82式機関銃
- 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)がPKMを生産したもの。ハングル刻印があり、生産しているのは確かだが、特殊部隊向けで広範囲に配備されていないとされる。九州南西海域工作船事件で沈没後、引き上げられた工作船より一挺発見された。
- ツァスタバ M84
- セルビア(ユーゴスラビア)のツァスタバ・アームズ社がPKMを基に生産したもの。M53機関銃の後継として制式化された。光学照準器や暗視装置が装着できるマウントが装備され、PK機関銃特有の銃床の穴が無くなっている。
- ツァスタバ M86
- PKMTと同様の同軸機銃用モデル。M-84戦車などに搭載されている。
- 7.62x54mmアーセナルマシンガンMG-1M
- ブルガリアのArsenal社が製造する。構造はPKMを基とするが、銃身に独自の改良が加えられている。
- UKM-2000
- ポーランド製。7.62x51mm NATO弾を使用可能とするなど、独自の改良がされている。
採用国
- ロシア、ウクライナ、バルト三国などのソビエト連邦構成国
- ポーランド、ハンガリー、ブルガリアなどの旧ワルシャワ条約機構加盟国
- コンゴ民主共和国、スリランカなど南アジアやアフリカの多数
- イラク、イランなど中東の国家
- 中国、北朝鮮、ベトナムなど、ソビエト連邦に支援を受けた国
登場作品
映画
- 『S.A.S. 英国特殊部隊』
- 『エクスペンダブルズシリーズ』
-
- 『エクスペンダブルズ2』
- 敵のテクニカルにPKMが搭載されている。
- 『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』
- 『2』と同じく敵のテクニカルに搭載されているが、PKPに変更されている。
- 『コマンドーR』
- 『スター・オブ・ソルジャー』
- 『ブラッド・ダイヤモンド』
- 革命統一戦線の基地兼ダイヤモンド鉱山を強襲した民間軍事会社のMi-35 Mk.III スーパーハインドに、ドアガンとして搭載されている。
- 『ランボー3/怒りのアフガン』
- 実銃である。
- 『ローン・サバイバー』
- ターリバーン兵が使用。
- 『ロシア特殊部隊 スペツナズ』
漫画・アニメ
ゲーム
- 『ARMA 2』
- PKM・PKPが登場。
- 『Far Cryシリーズ』
- 『MASSIVE ACTION GAME』
- PKMが「PSK MG」の名称で、セイバーのミドルマシンガンとして登場。
- 『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』
- 「PAK-80」の名称でPKMが登場。
- 『エースコンバット アサルト・ホライゾン』
- BRDM-2偵察戦闘車の副武装としてPKTが登場。
- 『カウンターストライクオンライン』
- PKMが登場。
- 『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア3』
- PKP ペチェネグが登場。
- 『バトルフィールドシリーズ』
- 『フリーダム・ファイターズ』
- 「マシンガン」としてPKMが登場。
- 『メダル・オブ・オナー』
- PKMが登場。
- 『メタルギアソリッド ピースウォーカー』
- PKMが登場。開発が進むと装弾数が多くなる。