ACE阻害薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

ACE阻害薬(エーシーイーそがいやく、アンジオテンシン変換酵素阻害薬angiotensin converting enzyme inhibitorACE inhibitor)は、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換するACEアンジオテンシン変換酵素:angiotensin-converting enzyme)を阻害する薬物である。日本薬局方に収載されているカプトプリルをはじめ、多くの薬物が臨床で用いられている。

降圧作用
アンジオテンシンIIは血管の収縮などにより血圧を上げる働きがある。ACE阻害薬は、ACEを阻害する事でアンジオテンシンIIの生成を抑制するとともにブラジキニンの分解抑制によるNO(一酸化窒素)増加により末梢血管を拡張し降圧作用を示す。
腎保護作用
腎臓の輸出細動脈を拡張し、アンジオテンシンII受容体拮抗薬とともに糸球体内圧を下げることによる直接的な腎保護作用がある(ただし、腎機能が中程度~高度に低下し血清クレアチニン値が3mg/dL以上あるいはクレアチニンクリアランスが30未満の患者では、腎輸出細動脈の拡張に伴い糸球体内圧が過度に低下し、乏尿など腎機能が却って悪化することがあるので注意が必要である)。
その他の作用
  • ACE阻害薬はインスリンの感受性を改善し、その効果は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬よりも優れるとの報告がある(FISIC試験:2011)。
  • 高齢者の肺炎防止効果が認められ肺炎発生率を1/3程度に低下させたとの報告がある(脳卒中治療ガイドライン2009)。高齢者では、大脳基底核でのドパミンの産生低下に伴いC繊維のサブスタンスP低下し嚥下機能の低下することにより、夜間に唾液が肺に入ることで感染症(肺炎)が起こっている。ACE阻害薬は、サブスタンスPの分解を抑制することで、低下した嚥下機能を改善し、夜間の不顕性誤嚥を防止することで肺炎を防止すると考えられている(http://www.jsts.gr.jp/guideline/118_119.pdf)。
  • 心筋梗塞心不全患者の心筋リモデリングを防止し、生命予後改善(延命)効果が報告されている。
副作用
アンジオテンシン変換酵素は、キニナーゼIIとして、ブラジキニンやサブスタンスPを分解する働きもある。ブラジキニンやサブスタンスPの過剰産生による、血圧低下や空咳などが知られている。空咳は若い女性に比較的多くみられるが、閉経後や高齢者では少なく心保護効果や誤嚥性肺炎防止効果が期待できる。

適応[編集]

など

副作用[編集]

など

禁忌[編集]

  • 催奇形性があるため妊婦には禁忌
  • 高度腎機能低下

など

関連項目[編集]