基本情報技術者試験

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
基本情報技術者試験
英名 Fundamental Information Technology Engineer Examination
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家資格
分野 情報処理
試験形式 筆記
認定団体 経済産業省
認定開始年月日 2001年(平成13年)5月22日
根拠法令 情報処理の促進に関する法律
公式サイト http://www.jitec.jp/index.html
特記事項 実施は情報処理技術者試験センター
ウィキプロジェクト ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル ウィキポータル 資格
テンプレートを表示

基本情報技術者試験(きほんじょうほうぎじゅつしゃしけん、Fundamental Information Technology Engineer Examination、略号FE)は、情報処理技術者試験の一区分である。情報処理技術者試験制度のスキルレベル2(スキルレベルは1から4が設定されている。)に相当する。2000年度(平成12年度)までの名称が第二種情報処理技術者試験であったことから二種という略称を用いる人もいる。

目次

[編集] 概要

「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な能力を身につけた者」を対象者像としている。 本試験は、「コンピュータ科学基礎・コンピュータシステム・システムの開発と運用・ネットワーク技術・データベース技術・セキュリティと標準化・情報化と経営」など多岐にわたる。また、コンピュータ言語プログラミングに関する問題が出されることから、主にプログラマ向けの能力認定試験として、情報産業界では古くから重要視される。 情報工学に関連するエンジニアの実務においてもベースとなる。 システム開発会社ではこの試験に合格することが技術者の必要最低限の資格として重要視されることがあり、入社3年程度以内に取得することを推奨される(取得できないようでは、むしろ問題視される。)。 その上で、応用情報技術者試験など、上位の試験合格を目指すキャリアパスになっている。

受験者の年齢層は10代半ばから50歳代と幅広い。近年では、60代や70代など高齢者の受験も僅かながら増加している。 受験者のボリュームゾーンは、19-21歳(主に情報系の大学生、専門学校生)と、22-25歳(主にシステム開発会社の新入社員)にある。

沿革

  • 1969年(昭和44年)第二種情報処理技術者認定試験として実施。
    • 試験的な意味を含めた開催であった。
  • 1970年(昭和45年)第二種情報処理技術者試験として実施。
  • 1986年(昭和61年)情報処理技術者試験は年二回実施されることとなり、受験者数が増加した第二種情報処理技術者試験は春期と秋期の年二回実施。
  • 1994年(平成6年)一部免除制度導入。
  • 2000年(平成12年)11月8日 試験を新設する[1]
    • 制度改正により基本情報技術者試験と改称、出題範囲・形式を変更。
      • 第一種情報処理技術者試験にあった情報科学分野やコンピュータシステムなどが出題範囲に含まれた。
  • 2001年(平成13年)4月15日 初の試験を実施する[2]
  • 同年5月22日 初の合格者を決定する[3]
    • 出題範囲の拡大により難易度が上昇した。
  • 2008年(平成20年)4月1日 試験の科目を変更する[4]
  • 2009年(平成21年)4月15日 制度改正後、初の試験を実施する[5]
    • 制度改正後の初回試験の合格率は27.4%[6]

[編集] 形式

全般

情報通信技術全般から基本的な知識を問う問題が出題されるが、プログラマ等の開発者側だけでなく、システムアドミニストレータで対象としていた利用者側にも対応した試験となっている。 そのため、従前の試験の出題範囲に加えて、初級システムアドミニストレータ試験の内容であった問題が出題されるようになった。 例えば、午後試験で表計算ソフトの問題が選択可能となったことである。

採点方式は、純粋に正解率が60%以上で合格となり、配点が正解率によって変更されることはない。ただし、午後問題の1問ごとの配点は解答例公開時にも合格発表時にも公開されないため、午後問題の正解率が60%前後の場合は合格発表まで合否が完全に確定できない(情報処理の関連企業が公開する「予想配点」を用いて大体を予測することは可能である。)。

午前

試験時間150分。四肢択一式(マークシート使用)で80問出題され全問解答。素点形式で採点され60点以上で合格。

テクノロジ系やマネジメント系が中心であったものが、ストラテジ系が20問出題されるようになった。従前でもストラテジ系の問題は出題されてはいたものの、出題数自体は少なかった。

午後

試験時間150分。素点形式で採点され60点以上で合格。

  • 問1-問7:ハードウェア、ソフトウェア、データベース、情報セキュリティ、ネットワーク、ソフトウェア設計、プロジェクトマネジメント、経営・関連法規などの7問から5問を選択。
  • 問8:擬似言語と言われる簡略化されたコンピュータ言語を用いた応用問題(必須解答)。
  • 問9-問13:C言語COBOLJavaアセンブラ表計算のうち1問を選択する。いずれも(表計算の問題も含め)論理的思考力を要求される。
  • 上記のうち、問1-問7から5問を選択、問9-問13のうち1問を選択、問8のみ必須となり、擬似言語問題とコンピュータ言語問題の出題はそれぞれ1問のみとなった。また、問13に表計算の問題が出てきたことによりコンピュータ言語問題を選択しなくてもよくなった。ただし、問8の擬似言語問題は必須なので、引き続きアルゴリズムに関しての対策は必要である。
    • 複数選択した場合は、若い番号の問題が採点対象となる。たとえば、問9-13の中から問9と問10の両方を解答した場合、問9が採点対象となる。また、マークシートにある言語選択の欄を塗りつぶしていない場合は当該問題を回答しても採点されないため注意が必要である。

2010年度(平成22年度)春の表計算の問題では、過去の表計算の問題が簡単すぎるという批判を受けた為か難易度が上げられ、選択肢だけで2ページを使い、八肢択一の設問もあるなど、他の言語と同じぐらいの難易度となった。

科目免除

  • 2005年度(平成17年度)から、国または情報処理推進機構が認定した講座の修了者は修了日から1年間、午前の科目が免除される。

[編集] 参考

従前の試験

午前試験はIRT(項目応答理論)、午後は配点(各大問につき1-2割程度の配点)をある計算式に導出して採点されていた。午前・午後とも最低200点-最高800点の5点刻みで評価され、その両方が600点以上であれば合格となっていた。

午前

試験時間150分。四肢択一式(マークシート使用)で80問出題され全問解答。

情報通信技術全般から基本的な知識を問う問題が出題された。

以前出題された試験問題が流用されることがあるため、過去問題を参考書などで演習すればまったく解けないことはない。ただ、近年重要な問題として挙げられるようになった著作権や、セキュリティに関して、新しい話題から出題されることもあれば、これまでまったくなかった新しい分野からの出題もまれに見られた。また、上級の試験から問題を持ち出してくることもあった。

コンピュータサイエンスに関する内容だけでなく、経営に関する内容も出題された。

午後

試験時間150分。より高度な知識を問う問題、擬似言語と言われる簡略化されたコンピュータ言語を用いた応用問題と、4つのコンピュータ言語から1つを選択して解答する。プログラミングの問題が各2問出題される。

  • 必須問題(全問回答)
    • IT共通知識体系:情報技術全般からの応用的知識を問う。毎回必ず1、2問出題されていた。
    • データベース:データベースの運用やSQLなどの知識が問われる。
    • コンピュータネットワーク:IPアドレスの付与、稼働率、暗号化方式に関する知識が問われる。
    • セキュリティ:暗号化、ウイルス対策、攻撃手法などの知識が問われる。
    • 擬似言語:アルゴリズムの知識を問う。擬似言語で使用する構文はC言語と似た部分が多い。毎回必ず1、2問出題されていた。
    • プログラム設計:与えられた仕様に基づいた、業務での知識やスキルが問われる。毎年必ず1問出題されていた。

以上の分野から5問出題され、多肢選択式(マークシート)で全問回答。

  • 選択問題(各種プログラム言語問題)
    • C言語、COBOL、Java、CASL IIから一つないし二つの言語に関しての知識を問う。各言語2問ずつ、計8問出題され、うち2問を選択して回答する。選択問題は問6-9・問10-13に分かれており、問6-9の中から1問、問10-13の中から1問をそれぞれ選択する。
      • Javaは2001年(平成13年)秋期から追加された。
      • CASL IIは第二種情報処理技術者試験のCASLを改訂したもの。
      • 第二種情報処理技術者試験にはFORTRANがあった。

[編集] その他

区分 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第二種情報処理技術者 3,536,675 553,820 15.7
2001年度(平成13年度)から2008年度(平成20年度) 1,257,554 222,038 17.7

統計資料の応募者・受験者・合格者の推移表[6]において、第二種情報処理技術者にかかる数値は本試験に計上されている。

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 2000年(平成12年)11月8日通商産業省令第329号「情報処理技術者試験規則の一部を改正する省令」
  2. ^ 2001年(平成13年)1月4日『官報』第3027号 p.11「官庁報告 国家試験 平成13年度春期情報処理技術者試験」
  3. ^ 2001年(平成13年)6月7日『官報』号外第116号 p.1「官庁報告 国家試験 平成13年度春期情報処理技術者試験合格者」
  4. ^ 2007年(平成19年)経済産業省令第79号「情報処理技術者試験規則等の一部を改正する省令」
  5. ^ 2009年(平成21年)1月4日『官報』第3027号 p.11「官庁報告 国家試験 平成13年度春期情報処理技術者試験」
  6. ^ a b 情報処理技術者試験 推移表 (PDF)(情報処理技術者試験センター)

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス