コンピュータセキュリティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

コンピュータセキュリティ(英語:Computer Security)とは、コンピュータシステムを災害、誤用および不正アクセスなどから守ることであり、ハードウェア、ソフトウェア、データ、ネットワークのいずれについてもその機密性、完全性、可用性を維持することである。

不正な利用とは、第三者による秘密情報へのアクセスや、許可されていない操作の実行、ネットを介した詐欺架空請求ワンクリック詐欺など)が含まれる。この語は、しばしばコンピュータセキュリティ(安全性)を保つための仕組みや技術を指すために用いられる。また、コンピュータセキュアとも呼ばれる場合もある。

概要[編集]

20世紀末に始まったインターネットの発展と普及に伴い、コンピュータセキュリティは非常に重要な課題になった。一般に、インターネットの通信は暗号化されておらず、その中継点にいる人間なら誰でも盗聴できてしまうという欠点をもつ。またこれ以外にも、コンピュータが外部と接続されたことによって悪意のある人間が故意にコンピュータを破壊したり、データを改竄したり、迷惑メールの大量送信、架空請求詐欺のメールによって金銭を騙し取るなどが可能になってしまった。コンピュータセキュリティとは、このような行為から保安することをいう。

一般にセキュリティと利便性は相反する性質のものである。現在のコンピュータではおもにユーザIDとパスワードによってユーザを認証しているが、セキュリティを確保するために利用者が頻繁にパスワードを入力するようではシステムが使いづらくなってしまう。かといって、パスワードを要求しなければ情報が他人に悪用される可能性がある。暗号を使った通信も同様に、セキュリティを確保しようとすると計算(暗号アルゴリズムの実行)に多くの時間を割き、またメモリ使用量も増える。利便性を減らさずにセキュリティを高める方法を見付けるのがコンピュータ・セキュリティ研究の目標である。

コンピュータ・セキュリティ研究では暗号化方式や認証方式を道具として用い、加えて実装に依存したコンピュータのソフトウエアおよびハードウエアの知識を用いてセキュリティを高める方法を研究する。

従来のコンピュータシステムのほとんどが利便性を優先させたシステムであり、インターネットなどの設計思想が性善説を前提にしていることもあり、セキュリティの改善はむずかしい。また、ソフトウエアが複雑になりすぎたことによって、設計者の意図しなかった場面で不正利用が可能になってしまう場合がある(この脆弱性をセキュリティホールという)。

防御用のツールやシステム[編集]

  • ファイアウォール
  • 脆弱性検査ツール
  • 侵入検知システム, IDS - ネットワーク上の動作を監視し、侵入や侵入の試みを検知するシステム。
  • chkrootkit[1] - ルートキットがシステムに仕掛けられているかどうかを検査する道具(UNIX系、Linux系のプログラム)。
  • ハニーポット - クラッカーを誘い込んでクラッカーの調査をするための道具やコンピュータの設定。
  • ハニーネット - ハニーポットが1台のコンピュータなのに対して、ハニーネットはネットワーク1式をクラッカーを誘い込むために用意する。必ずしも実際のネットワークである必要はなく、仮想コンピュータと仮想ネットワーク上にも作られる。クラッカーからは仮想システムであることが分からない。
  • データログ収集・解析 - サーバやクライアントマシンの挙動のログを収集し、解析する。解析結果を基にした対策・予防のほか、トラブル発生時の原因解明などに活用される。

コンピュータシステムに対する攻撃方法/手段や対象[編集]

コンピュータシステムの物理的セキュリティの確保[編集]

物理的セキュリティ(古来の保安警備)に該当する対策も、コンピュータセキュリティ上は補完要素として重要である。ここでは保安・警備システムのうちコンピュータに直接関係あるものを列挙する。ICカードや指紋認証等のバイオメトリクス技術が応用されることも多い。

  • 離席ロック機構 - 操作者が端末を離れると(自動的に)ロックされ操作・モニタ不能になるなど。
  • 入出力制限機構 - 各種の補助記憶装置などへのデータ入出力を制限。
  • 筐体管理 - パソコンなどの筐体カバーが開けられたことの検出・警報など。また、ノートパソコンケンジントンロック管理なども。

このようなコンピュータシステムと、入退室ロックなどのセキュリティ機構をセットとして提供するベンダーもある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]