全国商業高等学校協会

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全国商業高等学校協会外観

公益財団法人 全国商業高等学校協会(ぜんこくしょうぎょうこうとうがっこうきょうかい)は、東京都新宿区大京町に本部を置く元文部科学省所管公益法人。全国の商業高等学校が加盟する協会で、「全商(ぜんしょう)」と略されることが多い。各種検定試験の主催も行っている。

沿革[編集]

理事長[編集]

現在の主催検定[編集]

現在、次の8種類の検定試験が実施されている。文部科学省後援である。

珠算・電卓実務検定(SD)[編集]

珠算電卓による計算処理能力を判定する検定試験であり、1級〜6級の6段階に階級分けされている。このうち、1級〜3級は、普通計算部門とビジネス計算部門に分かれており、各部門100点満点のうち両方とも70点以上獲得しなければ合格とならず、その階級に認定されない。しかし、部門別合格が設けられている。4回以内に両部門を合格しないと部門別合格は剥奪される。また、4級〜6級は、普通計算部門のみの450点満点の統一問題で実施され、4級は350点以上、5級は300点以上、6級は250点以上の得点を獲得すると、それぞれの級に合格したと認められる。

  • 普通計算部門(1級〜6級)
    乗算、除算、見取算、伝票算の問題が出題され、級が上がるほど桁数は大きくなる。なお、4級〜6級の試験では、伝票算は出題されない。
  • ビジネス計算部門(1級〜3級)
    減価償却率や利息計算など簿記などで使うような問題が出題される。

簿記実務検定[編集]

簿記に関する検定試験であり、1級〜3級の3段階に階級分けされている。このうち、1級は、会計と原価計算の2科目に分かれており、それぞれ独立した試験であるが、両科目に合格しなければ1級合格とは認められない。合格点数は、70点以上とし合格者対し、合格証書が発行される。 会計部門または原価計算部門どちらかに合格すれば部門合格証書が与えられる。この場合、受験した回より4回以内に合格しなければこの権利は剥奪されてしまう。

  • 会計部門(1級)
    原価計算と合わせて「全国商業高等学校協会主催 簿記検定1級」となる。
    会社法による会計処理や会計上の理論的な問題を加えた専門的かつ高度な問題が出題される。
  • 原価計算部門(1級)
    会計と合わせて「全国商業高等学校協会主催 簿記検定1級」となる。
    工業簿記に関する仕訳の問題や、原価計算など特殊な計算が含まれる問題が出題される。
  • 商業簿記部門(2級・3級)
    最も基本的な簿記原理と商品売買を主としている企業で使われる簿記の問題が出題される。

会計実務検定[編集]

この検定は、2009(平成21)年度に新設された会計に関する検定であり、2009年10月25日に第1回検定が実施された。

  • 出題内容としては、連結会計、税効果会計、キャッシュ・フロー会計、リース会計など様々。会計1級では取り扱わない内容も扱うことで、会計に関する知識を養おうとすることが目的。
  • 財務諸表分析と財務会計論の2分野がある。

情報処理検定(JS)[編集]

コンピュータの基本原理に関する基礎レベルの検定試験であり、1級〜3級の3段階に階級分けされている。このうち、1級・2級は、プログラミング部門とビジネス情報部門に分かれており、それぞれ独立した試験となっている。そのため、両部門の1級に合格すれば、2冠として認められる。また、ビジネス情報部門1級および2級は実技試験が実施される。

  • プログラミング部門(COBOLイベント駆動型BASIC
    用語問題及び、流れ図の問題やプログラム言語の穴埋め問題が出題される。
  • ビジネス情報部門(旧:コンピュータ利用技術検定内容)
    用語問題及び、表計算ソフト「Microsoft Excel」を使用してビジネス文書を作成する問題が出題される。
  • 2016(平成27)年1月実施予定の検定をもってプログラミング部門COBOLでの試験は終了し、2016(平成27)年度に実施の検定からプログラミング部門Javaに変更される予定。

ビジネス文書実務検定[編集]

この検定は、2013(平成25)年度に新設した。ワープロ実務検定を細分化、パソコン入力スピード認定試験を統合し、科目ごとに合格が与えられるようになった。合格時の試験カウントは、ワープロ実務検定のままになる予定。

  • 試験日程は、7月第1日曜日・11月第4日曜・2月第2土曜である。
  • 範囲は、速度部門はパソコン入力スピード認定試験と同じ、ビジネス文書部門の実技と筆記はワープロ実務検定から一部変更・追加。文法などの表現も新たに追加された。ただし速度問題に関しては、第2回までは従来のワープロ実務検定と同範囲。
  • 7月と11月は、速度部門とビジネス文書部門、2月は速度部門。
  • 科目合格制度が採用される。

商業経済検定[編集]

ビジネス・経済等に関する検定試験であり、次の5科目により実施されている。この検定は、ほかの検定と異なり、変則的な級制度を実施しており、ビジネス基礎に合格すると3級、その他の4科目のうち、1科目に合格すると2級、2科目に合格すると1級に、それぞれ合格したものと認められる。

  • ビジネス基礎部門(3級)
    企業の行う経済活動と社会の関係などをビジネスとして捉え、社会や経済のの基礎を学ぶ「ビジネス基礎」の教科から出題される。現代社会などに近い部分もあり、社会、英語の科目を発展させた分野である。
  • マーケティング部門(1級・2級)
    顧客が満足する商品やサービスを提供するための活動、現在の社会に関しての問題について学ぶ「マーケティング」の教科から出題される。
  • 商品と流通部門(1級・2級)
    生産流通消費という経済の仕組みの中で商品や流通が果たしている役割について学ぶ「商品と流通」の教科から出題される。2014年度以降は廃止され、ビジネス経済部門に変更予定。そのため階級認定はされなくなる。
  • 国際ビジネス部門(1級・2級)
    国際的なビジネス活動において必要とされる経営経済に関する知識について学ぶ「国際ビジネス」の教科から出題される。
  • 経済活動と法部門(1級・2級)
    経済活動や日常生活で必要とされる基本的な法律について学ぶ「経済活動と法」の教科から出題される。

なお、上記科目のうち、ビジネス基礎とマーケティングの2科目に合格すれば、販売士検定3級科目:マーケティングが免除される。さらに、その他の1科目を加えた合計3科目に合格すれば、販売士検定3級科目:販売・経営管理も免除される。

英語検定[編集]

英語に関する検定試験であり、1級〜4級の4段階に階級分けされている。

  • 難易度は、日本英語検定協会の実施する英検よりも低く、1級は商業英語などの問題も出題される。
    1級:英検2級・高校卒業程度  2級:英検準2級・高校中等程度  3級:英検3級・高校初等及び中学卒業程度
  • なお、2級以上取得することにより高等学校卒業程度認定試験の試験科目英語が科目免除となる。

ビジネスコミュニケーション検定[編集]

礼儀作法やマナー、コミュニケーション能力に関する検定試験である。級位認定はない。

  • 試験日程は、毎年7月第4日曜日
  • 試験種目は、筆記試験と面接試験である。
  • 筆記試験の範囲は以下の8つで、4つの選択肢から正解を選択する形式で解答する。制限時間は40分。
    1. ビジネスマナーの重要性
    2. ビジネスマナーの実際
    3. コミュニケーションの重要性
    4. コミュニケーションスキル
    5. 総合問題
    6. ビジネスと経営組織
    7. 企業責任とビジネス倫理
    8. ビジネスに関する時事
  • 面接試験の範囲は、規定問題と応用問題の2種類。面接方法は、試験委員2名に対して受験者6名の集団面接となる。一人当たりの面接時間は90秒である。
  • 面接試験の評価は、身だしなみ・態度・動作が5段階評価、話し方が3段階評価、話の内容が3段階評価。点数はA〜Cで表され、B以上が合格となる。

過去の主催検定[編集]

珠算実務検定[編集]

  • 珠算による計算処理能力を判定する検定試験で、2003年6月(第106回)をもって終了し、第107回以降は「珠算・電卓実務検定」として、電卓実務検定と統合され、実施されている。
  • 1級〜6級の6段階で、乗算、除算、見取算、応用計算(1級〜3級)の種目により実施されていた。

電卓実務検定[編集]

  • 電卓を使用した計算処理能力を判定する検定試験で、2002年12月(第8回)をもって終了し、第9回以降は「珠算・電卓実務検定」として、珠算実務検定と統合され、実施されている。
  • 1級〜3級の3段階で、見取算、伝票算、応用計算(1級〜3級)の種目により実施されていた。

情報処理検定(旧)[編集]

  • プログラミングを中心とした情報処理能力を判定する検定試験で、2003年1月(第28回)検定をもって終了し、第29回以降は「情報処理検定(プログラミング部門)」として、コンピュータ利用技術検定と統合され、実施されている。
  • 1級〜3級の3段階で、BASICCOBOLなどの種目により実施されていた。

コンピュータ利用技術検定[編集]

  • 表計算ソフト(ExcelLotus)を用いた情報処理能力を判定する検定試験で、2002年9月(第9回)検定をもって終了し、第10回以降は「情報処理検定(ビジネス情報部門)」として、情報処理検定(旧)と統合され、実施されている。
  • 1級〜3級の3段階で、実技試験と筆記試験により実施されていた。

英文ワープロ実務検定[編集]

  • 英文タイプライタを使用した文書作成能力を判定する検定試験で、1998年11月(第43回)検定をもって終了した。
  • 1級〜4級の4段階で、実技試験と筆記試験により実施されていた。
  • 2006年度より、パソコン入力スピード認定試験(英語部門)として実施されていた。

ワープロ実務検定(WA)[編集]

文書処理の能力を判定する検定試験であり、2012(平成24)年11月(第47回)をもって終了した。2013(平成25)年度からはビジネス文書実務検定(前述)に移行し、試験カウントは、ワープロ実務検定のカウントを使用することになった。

  • 1級〜4級の4段階に階級分けされていた。この検定は、実技試験と筆記試験により行われるが、4級の筆記試験は行われなかった。
  • 実技試験は、制限時間内に与えられた原稿通りに文を入力する「速度問題」と、ビジネス文書を作成する「文書問題」により構成されていた。
  • 筆記試験は、難読漢字・常用漢字・文書校正などの問題が出されていた。級に関わらず解答時間は15分で、80点以上が合格であった。

パソコン入力スピード認定試験[編集]

この検定は、2006(平成18)年度に新設された、文章の速度に関する認定試験であり、2007(平成19)年2月10日に第1回試験が実施された。2013(平成25)年2月(第7回)をもってこの名称での試験は終了した。2013(平成25)年度からはビジネス文書実務検定(前述)に移行し、試験カウントはワープロ実務検定のカウントを使用することになった。

  • 5段〜4級の9段階に階級分けされていた。
  • ほかの検定と異なり、入力された文字数により判定されていた。
  • 日本語部門と英語部門があり、日本語部門の級位認定者は、ワープロ実務検定の同級位の速度問題が免除されていた。

合格発表[編集]

  • 2008年3月31日までに実施した検定試験までは、試験会場が独自に発表日を決めていたが、2008年4月1日以降に実施する検定試験から、合格発表は1週間以内に統一された。
  • 例外として、会計実務検定試験は全商協会が採点・集計するので他検定試験と比べ、合格発表日が遅くなる傾向にある。

合格証書[編集]

  • 2008年3月31日までに実施した検定試験までは、協会から送付された合格証書を会員校(試験会場)が受験者名と生年月日及び証書番号を印刷していたが、2008年4月1日以降に実施する検定試験から協会で合格証書の受験者名・生年月日及び証書番号を印刷する形に統一された。

表彰[編集]

全商には商業高校で「珠算・電卓(珠算)」「珠算・電卓(電卓)」「簿記」「ワープロ」「英語」「商業経済」「情報処理(プログラミング)」「情報処理(ビジネス情報)」「会計実務(財務諸表分析・財務会計論)」の9種目中のいずれかにおいて1級を1つ合格するごとに「1冠」と言う[要出典]

上記のどれかの1級を3つ以上(3冠以上)になると全商から表彰される。最高は9冠であり、冠数が多くなれば学校などから表彰されることもある。

また商業経済検定において、ビジネス基礎・商品と流通・マーケティング・経済活動と法・国際ビジネスの5科目すべてに合格すると高校在学中の生徒に限り表彰される。

満点賞[編集]

各検定試験第1級に満点合格した場合、本部校を通じ、合格者の校名、受験番号、住所、氏名を 全商協会に連絡すれば、満点合格証とトロフィーが送付される。

競技大会[編集]

2010年現在、5つの競技大会を主催している。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]