バンコク・スカイトレイン

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バンコク・スカイトレイン
Train leaving Asok Station.jpg
路線総延長 30.95(2012年6月時点) km
チットロム駅周辺の高架

バンコク・スカイトレインタイ語:รถไฟฟ้าเฉลิมพระเกียรติ 6 รอบพระชนมพรรษา英語:Bangkok Skytrain)はタイの首都・バンコク高架鉄道システムのことである。

概要[編集]

正式名称を和訳すると「国王陛下ご生誕6周支(72歳)記念高架鉄道」といったものになるが、一般にタイではロットファイファー (รถไฟฟ้า) (ロット (รถ) =車、ファイファー (ไฟฟ้า) =電気)とよばれる。 また運営会社の「Bangkok Mass Transit System Public Company Limited.(バンコク大衆輸送システム社)」[1]の頭文字を取ってBTSともよばれる。 親会社の名前をとってタナヨン電車とも呼ばれることもあった。

モノレールではなく通常軌道の鉄道である。なお、タイ国有鉄道の路線と違い、軌間標準軌 (1,435mm) である。電化方式は、直流750Vによる第三軌条集電方式である。

地下鉄とは異なり、乗車時におけるセキュリティ・チェックは行われていない。また、乗車券は磁気式カードであり、自動改札機への投入の際には日本で例えるとテレホンカードのように挿入する方向が決められている(表裏前後を間違えると投入できない)。

各駅ともに終日、各ホームに最低1人ずつ、保安要員が配置されている。全線4両編成の車両で運行されており、全駅でトイレの設備はない。

全駅でベーリング方面が1番線、モーチット方面が2番線、バーンワー方面が3番線、サナームキラーヘンチャート方面が4番線で統一されている。このためシーロム線のみの駅では 1,2 番線が存在せず 3,4 番線のみとなっている。

2011年8月12日に新規開業したスクムウィット線バーンチャーク駅 - ベーリング駅の各駅においては、運転士用後方確認カラーモニターとホームエレベーターが設置されている(それ以外のほぼ全ての駅では上りエスカレーターのみ)。

計画と建設[編集]

この計画が正式に持ち上がったときは、カナダバンクーバー・スカイトレインの技術を導入し、建設する予定であった。後に計画が変更され、ドイツラヴァリン・スカイトレインの技術を導入することに決め、1992年4月9日タイ仏暦2535年)に正式に計画が成立した。

当時、バンコク都庁および政府に資金がなかったことから、BOT方式(Build-Operate-Transfer)によって建設を行った。建設は1995年タイ仏暦2538年)に開始され、サービス開始は1998年12月タイ仏暦2541年)のアジア大会に間に合わせる予定であったが間に合わず、翌年1999年12月5日の開業となった。

歴史[編集]

経営[編集]

経営主体はバンコク大量輸送システム社(BTS)である。直下の道路を走る路線バスより運賃が割高のため、サービス開始当初から乗客数が伸びず、負債を返済できない状態が続いていたが、競合する路線バスの減便や割引回数券の導入で通勤客の利用が増加し、2002年に初めて黒字を記録した。

車両[編集]

ドイツ製車両
中国製車両

配色にはタイ国旗を思わせる白・赤・青が使われている。車内にはエアコンが完備され、また左右側とも扉間にビデオモニターが設置されており、画面上部でCMが放映され(日本とは異なり音声も出る)、最下部で次駅または現在停車中の駅の表示が出るようになっている。なお、シートはプラスチック製で駅のベンチのように固くて冷たい。

先頭車に運転室を有する有人運転仕様であり、ワンマン運転を行っている。 高架上にあり、よく目に付くため、広告ラッピング車両が多く走っている。

ドイツ製車両[編集]

4両編成(Mc,T,T,Mc)×35本 = 140両

車両はドイツのポルシェ・デザインシーメンス社が共同で開発した、開業当初より使用している車両である。開業時は3両編成であったが、3両編成はラッシュ時の混雑が激しいため、新たに中間車(T車)35両を導入し、2012年10月以降に35編成全てに1両ずつ組み込みMc,T,T,Mcの4両編成にした[4]

中国製車両[編集]

4両編成(Tc1,M1,M2,Tc2)×12本 = 48両

2010年に、長春軌道客車[5]の車両が導入された。新型車両は前面のデザインの変更と、車内ではLED照明の採用、扉上の路線マップがLED併用へと細部が変更されている。

ルート[編集]

路線はスクムウィット(スクムヴィット)線とシーロム線に分かれる。両者はサイアム駅(CEN)で相互に乗り換えが可能である。

スクムウィット線[編集]

順序は北から

駅番号 駅名 タイ語駅名 駅間キロ 累計キロ 備考 所在地
N8 モーチット駅 หมอชิต -km 0.0km 地下鉄チャトゥチャック公園駅と接続 チャトゥチャック区
N7 サパーンクワーイ駅 สะพานควาย -km km   パヤータイ区
N6 セーナールワン駅(予定駅)   -km km    
N5 アーリー駅 อารีย์ -km km   パヤータイ区
N4 サナームパオ駅 สนามเป้า -km km   パヤータイ区
N3 アヌサーワリーチャイサモーラプーム駅
(戦勝記念塔駅)
อนุเสาวรีย์ชัยสมรภูมิ -km km ラーチャテーウィー区
N2 パヤータイ駅 พญาไท -km km エアポート・レール・リンクと接続 ラーチャテーウィー区
N1 ラーチャテーウィー駅 ราชเทวี -km km   ラーチャテーウィー区
CEN サイアム駅 สยาม -km km シーロム線と接続 パトゥムワン区
E1 チットロム駅 ชิดลม -km km   パトゥムワン区
E2 プルンチット駅 เพลินจิต -km km   パトゥムワン区
E3 ナーナー駅 นานา -km km    
E4 アソーク駅 อโศก -km km 地下鉄スクムウィット駅と接続 スクムウィット通り-ソイ21(ソイアソーク)
E5 プロームポン駅 พร้อมพงษ์ -km km    
E6 トンロー駅 ทองหล่อ -km km   スクムウィット通り-ソイ55(ソイトンロー)
E7 エカマイ駅 เอกมัย -km km 東バスターミナルに隣接 スクムウィット通り-ソイ63(ソイエカマイ)
E8 プラカノン駅 พระขโนง -km km    
E9 オンヌット駅 อ่อนนุช -km km  
E10 バーンチャーク駅 บางจาก -km km 2011年8月12日開業 プラカノーン区
E11 プナウィティ駅 ปุณณวิถี -km km 2011年8月12日開業 プラカノーン区
E12 ウドムスック駅 อุดมสุข -km km 2011年8月12日開業 バーンナー区
E13 バンナー駅 บางนา -km km 2011年8月12日開業 バーンナー区
E14 ベーリング駅 แบริ่ง -km km 2011年8月12日開業 バーンナー区

シーロム線[編集]

順序は北から

駅番号 駅名 タイ語駅名 駅間キロ 累計キロ 備考 所在地
W1 サナームキラーヘンチャート駅
(国立競技場駅)
สนามกีฬาแห่งชาติ -km 0.0km   パトゥムワン区
CEN サイアム駅 สยาม -km km スクムウィット線と接続 パトゥムワン区
S1 ラーチャダムリ駅 ราชดำริ -km km   パトゥムワン区
S2 サラデーン駅 ศาลาแดง -km km 地下鉄シーロム駅と接続 バーンラック区
S3 チョーンノンシー駅 ช่องนนทรี -km km バンコクBRT英語版と接続 バーンラック区
S4 スックサーウィッタヤー駅
(予定駅)
ศึกษาวิทยา -km km    
S5 スラサック駅 สุรศักดิ์ -km km   サートーン区
S6 サパーンタークシン駅 สะพานตากสิน -km km チャオプラヤエクスプレス(水上バス)と接続 サートーン区
S7 クルン・トンブリー駅 กรุงธนบุรี -km km 2009年5月15日開業 クローンサーン区
S8 ウォンウィアン・ヤイ駅 วงเวียนใหญ่ -km km 2009年5月15日開業
タイ国鉄メークローン線とは徒歩連絡(徒歩15分程度)
クローンサーン区
S9 ポーニミット駅 โพธิ์นิมิตร -km km 2013年1月12日開業[2] トンブリー区
S10 タラートプルー駅 ตลาดพลู -km km 2013年2月14日開業[2] バンコクBRT英語版と接続 トンブリー区
S11 ウターカート駅 วุฒากาศ -km km 2013年12月5日開業 [3] トンブリー区
S12 バーンワー駅 บางหว้า -km km 2013年12月5日開業[3] パーシーチャルーン区

ホームドアの設置[編集]

バンコク・スカイトレインの9駅(サイアム駅アソーク駅オンヌット駅サラデーン駅パヤタイ駅アヌサーワリーチャイサモーラプーム駅チットロム駅プロンポン駅チョーンノンシー駅)にホームドアが設置されることになった。将来的には、全駅での設置を目指している[6]

ダイヤ[編集]

平日ダイヤ、土曜ダイヤ、日曜・祝日ダイヤがそれぞれ定められており、各線ごとに時間帯により運行間隔が異なる(平日ラッシュ時は最短2分半程度、早朝・深夜は各線とも8分間隔)。但し駅には具体的な発車時刻は掲示されておらず、ホーム上に掲示されている「●●線の●曜日の●時〜●時の時間帯は●分間隔での運行です」という表記が参考になる程度である。ホームページ上でも各駅ごとの初電・終電と運行間隔は確認できる[1]

運行時間は、開業時よりしばらくは全線06:00より01:00前までであったが2014年3月1日より、スクムウィット線は05:15より01:00前までで、シーロム線は05:30より01:00前までに変更された[7]

乗車券の種類と使用期限[編集]

  • ラビット・カード : 乗車運賃の割引がある。
  • スカイパス:100B 手数料30B デポジット30B (チャージ可能なIC型乗車券、最初に使用してから5年間有効。2年間使わなかった場合はチャージされていた金額が0Bになる。2012年5月、ラビット・カードの発行と同時に新規発行を停止)
  • 50回乗車券:1,100B(30日以内に50回距離に関係なく乗車できる)
  • 40回乗車券:920B(30日以内に40回距離に関係なく乗車できる)
  • 25回乗車券:625B(30日以内に25回距離に関係なく乗車できる)
  • 15回乗車券:405B(30日以内に15回距離に関係なく乗車できる)
  • 1日乗車券:130B(1日何回でも利用できる)

購入はBTS各駅か、1日乗車券であれば、アジアホテル(Asia Hotel 、ラーチャテーウィー駅に通じている)Marriott Resort and Spaで購入できる。

延伸計画[編集]

着工済みだが開業日未定の区間

上記以外に、以下のファイル、英語版wikipediaにも詳しい記述がある。

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』(柿崎一郎著、京都大学学術出版会、2010年)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]