マス・ラピッド・トランジット (シンガポール)

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マス・ラピッド・トランジット
Mass Rapid Transit (MRT)
大众快速交通 (地铁)
Sistem Pengangkutan Gerak Cepat
சிங்கை துரிதக் கடவு ரயில்
基礎情報
所有者 陸上交通庁
所在地 シンガポール
種別 ラピッド・トランジット
路線数 5
駅数 113
日乗客数 264.9万人 (2012)
運営
開業日 1987年11月7日(27年前) (1987-11-07
運営者 SMRTトレインズ
SBSトランジット
仕様
路線総延長 148.9 km (92.52 mi)
軌間 1,435 mm (4 ft 8 12 in)
平均速度 40 km/h (25 mph)
最高速度 80 km/h (50 mph)
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マス・ラピッド・トランジットもしくはMRT(中国語:大眾快速交通もしくは地鐵)はシンガポールラピッド・トランジット

南北線東西線北東線環状線の4路線が開業している。運営は、南北線・東西線・環状線がSMRTトレインズ、北東線がSBSトランジットにより行われており、それらを陸上交通庁(Land Transport Authority)が統括している。

軌間は全て1,435mm(標準軌)。電化方式は、北東線のみが直流1,500V架空線集電、その他が直流750Vの第三軌条集電。地下鉄と一般にいわれるが、地下を走るのは都市部のみで、路線のほとんどは高架である。駅は地下駅もしくは高架駅で、地下駅には当初よりすべてスクリーンドアが設置されており、高架駅に関しても安全に配慮しスクリーンドアが設置された。

歴史[編集]

最初のMRT計画は、1967年に「1992年までに都市鉄道が必要になる」として当時の都市プランナーより提起されたものに遡る。[1][2] その後、バスのみの交通システムの方がコスト的に有利であるとの議論もなされたが、リー・クアンユー首相は、バスのみの交通システムは、極めて狭い国土の中では適切ではないとの判断を下した。[3][4] 50億シンガポールドルのMRT初期建設費は、当時のシンガポール最大の公共プロジェクトとして、1983年10月22日にShan Roadで開始された。[5] MRTネットワークは段階的に建設され、まずはシンガポールの中心部を通り多くの利用客が見込まれる 南北線(North South Line)から着手された。MRTC (Mass Rapid Transit Corporation)が、1983年10月14日に設立され、Mass Rapid Transit Authorityの職責を引き継いだ。MRTCは、後にSMRT Corporationと改名された。 [3] 1987年11月7日に、南北線が総延長6km、5つの駅で開業にこぎつけた。[5] その後、15の駅が開業し、1988年3月12日にMRTシステムの正式スタートがリー首相によって宣言された。 さらに21駅が相次いで開業し、1990年7月6日の東西線(East West Line)ブーン・レイ駅の開業は計画より2年も早いものとるなど、建設は急ピッチで進められた。[6][7]

路線[編集]

路線 営業開始 次期延伸 ターミナル 駅数 営業キロ 車両基地 運行者
南北線 1987年11月7日 2019年 ジュロン・イースト マリーナ・サウス・ピア 26[8] 45 ビシャン車両基地
ウル・パンダン車両基地
チャンギ車両基地
トゥアス車両基地
SMRTトレインズ
東西線 1987年12月12日 2016年 パシール・リス
チャンギ・エアポート
トゥアス・リンク(U/C)
タナ・メラ
35[9] 49[9] SMRTトレインズ
環状線 2009年5月28日 2025年 ドビー・ゴート
マリーナ・ベイ
ハーバー・フロント
スタジアム
30[10] 35.4[10] キム・チュアン車両基地 SMRTトレインズ
† 開業していないブキ・ブラウン駅英語版は除く
小計 (SMRTトレインズ運行): 91 128.6[10]
北東線 2003年6月20日 2030年 ハーバー・フロント プンゴル 16[11] 20[11] センカン車両基地 SBSトランジット
ダウンタウン線 2013年12月22日
(第1期)
2024年 ブギス チャイナタウン 6[12] 4.3[12] キム・チュアン車両基地 SBSトランジット
小計 (SBSトランジット運行): 22 24.3
合計: 113 152.9

拡大計画[編集]

ダウンタウン線(Downtown Line)[編集]

2013年度に一部開業。しかし、第一段階の開業では環状線の支線という扱いになる。2015年度に第2期、2016年度に第3期が開業する予定。環状線と同じ、ダウンタウン線は車両が3両編成の予定。

トムソン線(Thomson Line)[編集]

2008年に交通相に発表された建設計画。シン・ミン(Sin Ming)という地方経由で、ウッドランズ駅からマリーナ・ベイ駅の近くまで走る計画。2018年度に開業する予定。

イースタン・リージョン線(Eastern Region Line)[編集]

2008年に交通相に発表された建設計画。タンジョング・ルー、マリーン・パレード、シグラプ、南べドク、上東岸(Upper East Coast)経由で、マリーナ・ベイからチャンギまで走る計画。2020年度に開業する予定。

ジュロン・リージョン線[編集]

車両[編集]


罰金[編集]

車内に貼ってある警告

Fine and Fineといわれるシンガポールでは電車に関しても数々の法律が存在する。携帯電話の通話については規制されていない。水を飲む行為も厳しく禁止されている。

  • 可燃性の液体、気体の持込 - 5,000S$の罰金
  • ホームから降りる - 5,000S$の罰金
  • 喫煙 - 1,000S$の罰金
  • 飲食 - 500S$の罰金

混雑緩和措置[編集]

シンガポール全体の人口が移民により増加していることもあり、地下鉄利用者の数も増加中。8時台の通勤ラッシュが著しくなったことから、2013年6月には政府が資金を出して、始発から7時45分までに市内中心部の駅に降車する客の運賃を無料にする試験的な取り組みが行われた。数%ではあるが、混雑のピークを緩和する効果が認められたため、早朝時間帯の運賃無料化は2014年まで継続される予定[13]

乗車券[編集]

普通乗車券。券面に使い方が書かれており、初心者でも利用しやすい。

日本のJRや私鉄などと同じく、普通乗車券は、紙のものが発行されるが、ICチップが内蔵されており、定期券サイズである。また、改札を出る際も乗車券は回収はされず、1枚の乗車券は最大で6回まで再利用できる(但し、発行日から30日以内という期限付)。紙の乗車券を持っていない状態で券売機にて乗車券を購入する際は、本来の運賃とは別に乗車券のデポジットとしてS$0.10を徴収される。再利用可能な紙の乗車券を持った状態で券売機を利用する際は、その乗車券を券売機についている読取部に置き、運賃を支払うと、持参した乗車券に乗車券としてのデータが記録される仕組みである。 3回目の乗車の際、本来の運賃からS$0.10を引いた運賃を支払うことになり、その際に、最初に支払ったデポジット分は相殺される。さらに、その乗車券でできる最後の乗車、つまり6回目の乗車の際も本来の運賃のS$0.10引きの運賃を支払うことになり、その際は、S$0.10の割引を受けたということになる。

かつては、ソウルの地下鉄や広域電鉄などと同様に、プラスチック製のIC式普通乗車券が発行され、改札を出たあとに、デポジット返却機を使い、IC式普通乗車券を返却、デポジットの返却を受けるシステムだった。当時のIC式普通乗車券に対するデポジットは、S$1であった。

また、EZ-linkカードと呼ばれる、IC乗車カードもあり、MRT以外にもバスなどの交通機関や、駐車場、コンビニでの支払い等にも使える。本カードを使うと割引運賃が適用され、地下鉄とバスを乗り継いで利用した場合、総移動距離で運賃が計算される総距離制運賃が適用されるため、普通乗車券を利用するよりも安くなる。

出典[編集]

  1. ^ Sharp 2005, p. 66
  2. ^ Fwa Tien Fang (4 September 2004). Sustainable Urban Transportation Planning and Development — Issues and Challenges for Singapore. Department of Civil Engineering, National University of Singapore. Retrieved 2008-12-18. 
  3. ^ a b 1982 – The Year Work Began”. Land Transport Authority. 2013年11月16日閲覧。
  4. ^ Lee Siew Hoon & Chandra Mohan. “In Memoriam — Ong Teng Cheong: A Profile”. Channel NewsAsia (Singapore). http://www.channelnewsasia.com/cna/obituaries/ongtengcheong/special2.htm 2007年11月26日閲覧。 [リンク切れ]
  5. ^ a b Mass Rapid Transit Corporation, Singapore 1988, pp. 8–9
  6. ^ Mass Rapid Transit Corporation, Singapore 1988, p. 10.
  7. ^ Sharp 2005, p. 109.
  8. ^ North-South Line”. Land Transport Authority (2014年8月19日). 2014年11月22日閲覧。
  9. ^ a b East-West Line”. 陸上交通庁 (2014年1月29日). 2014年11月22日閲覧。
  10. ^ a b c Corporate / Our Business”. SMRT Corporation Ltd.. 2015年4月24日閲覧。
  11. ^ a b Overview – North East Line”. SBS Transit Ltd.. 2014年6月23日閲覧。
  12. ^ a b Projects – Downtown Line – Stages”. Land Transport Authority of Singapore (2013年12月17日). 2014年6月23日閲覧。
  13. ^ “シンガポール 地下鉄の早朝無料で混雑緩和”. NHKニュース (NHK). (2013年7月2日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130702/k10015731491000.html 2013年7月5日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]