ジョン・ミルズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジョン・ミルズ
Sir John Mills
本名 Lewis Ernest Watts Mills
生年月日 (1908-02-22) 1908年2月22日
没年月日 (2005-04-23) 2005年4月23日(97歳没)
出生地 サフォーク
国籍 イギリスの旗 イギリス
職業 俳優
ジャンル 映画舞台テレビドラマ
配偶者 アイリーン・レイモンド英語版 (1927-1941)
メアリー・ヘイリー・ベル英語版 (1941-2005)
著名な家族 アネット・ミルズ英語版(姉)
クリスピアン・ミルズ(孫)
主な作品
大いなる遺産』(1946年)
ライアンの娘』(1970年)
 
受賞
アカデミー賞
助演男優賞
1970年ライアンの娘
ヴェネツィア国際映画祭
男優賞
1960年Tunes of Glory
英国アカデミー賞
フェローシップ賞
2001年
ゴールデングローブ賞
助演男優賞
1970年ライアンの娘
その他の賞
テンプレートを表示

ジョン・ミルズSir John Mills, 1908年2月22日 - 2005年4月23日)は、英国サフォーク出身の俳優。1960年に大英帝国勲章、1973年にサーの称号を得ている。

略歴[編集]

父はワッツ海軍教習学校の主事だった[1] が、本人は早くから俳優を志して、ダンスのレッスンを受けて舞台に立つための準備をしていた。1929年、ロンドンのヒポドローム劇場の舞台のコーラスとしてデビューする以前はブリクストン、ストリーサム、ギルフォードなどでトイレットペーパーのセールスマンをしながら資金を蓄えていたという。順調に俳優としてキャリアを伸ばし、アジア巡業中にノエル・カワードに出会ったことが転機となる。1931年に帰国後は『ロンドンの壁』や『カヴァルケード』など彼の舞台に多く参加、さらにオールド・ヴィク座に進出するなど舞台俳優として頂点を極める存在となる。1933年には映画デビューも果たし、後年出会うデヴィッド・リーン監督作品の常連俳優として顔を出すことになる。戦中からストイックな男性を演じては、何度かイギリスのマネーメイキングスターにも選ばれる。1939年に第二次世界大戦がはじまると従軍するが、1942年に健康状態を理由に除隊[2]。戦後、ハリウッド映画にも進出し、数多くの名作に出演。1970年、『ライアンの娘』では難役を演じてアカデミー助演男優賞を受賞、日本でも顔が知られた。

晩年はアメリカやイギリスのTV作品で主演し親しまれ、現役を貫き2005年、97歳で死去した[3][4]。日本では、アニメ『風が吹くとき』での主演、デボラ・カー主演の『炎のエマ』等が知られる。

作家メアリー・ヘイリー・ベル英語版と結婚、二人の娘ジュリエットヘイリーは女優となっている。孫(ヘイリーの息子)のクリスピアンロックバンドクーラ・シェイカーのメンバー。

出演作[編集]

映画[編集]

公開年 邦題
原題
役名 備考
1937 友情と兵隊
O.H.M.S
バート・ドーソン
1939 チップス先生さようなら
Goodbye, Mr. Chips
ピーター
1940 軍旗の下に
In Which We Serve
ショーティ・ブレイク
1944 幸福なる種族
This Happy Breed
ビリー・ミッチェル
1945 ウォタルー街
Waterloo Road
ジム・コルター
大空への道
The Way to the Stars
ピーター・ペンローズ
1946 大いなる遺産
Great Expectations
ピップ
1947 許されざる女
So Well Remembered
ジョージ・ボズウェル
1948 南極のスコット
Scott of the Antarctic
R.F. スコット
1949 暁の出航
Morning departure
アームストロング
1952 ジェントル・ガンマン
The Gentle Gunman
テレンス・サリヴァン
1953 どろ沼
The Long Memory
フィリップ・デヴィッドソン
1954 ホブスンの婿選び
Hobson's Choice
ウィリー
1955 コルディッツ物語
The Colditz Story
パット・レイド
情事の終わり
The End of the Affair
アルバート・パーキス
潜水戦隊帰投せず
Above Us the Waves
フレイザー
1956 戦争と平和
War and Peace
プラトン・カラターエフ
思春期の感情
It's Great to Be Young!
ディングル
1957 Town on Trial ハロラン警視
1958 激戦ダンケルク
Dunkirk
ビンス
恐怖の砂
Ice Cold in Alex
アンソン
1959 追いつめられて…
Tiger Bay
グラハム
1960 17年目の恋の季節
Summer of the Seventeenth Doll
バーニー
Tunes of Glory バジル・バロウ ヴェネツィア国際映画祭 男優賞 受賞
南海漂流
Swiss Family Robinson
父親
1961 黒い狼
The Singer Not the Song
マイケル・キーオ神父
1962 巨艦いまだ沈まず
The Valiant
モーガン船長
野性の太陽
Tiara Tahiti
クリフォード・サウジー
1964 ドーヴァーの青い花
The Chalk Garden
Maitland
1964 渚の青春
The Truth About Spring
トミー・テイラー
1966 ふたりだけの窓
The Family Way
エズラ・フィットン
1967 野獣狩り/カウボーイ・スタイル
Africa: Texas Style
ヘイズ
砦のガンベルト
Chuka
スチュアート・ヴァロイス
1968 ザ・ストーリー・オブ・レディー・ハミルトン
Le calde notti di Lady Hamilton
ウィリアム・ハミルトン
1969 素晴らしき戦争
Oh! What a Lovely War
ダグラス・ヘイグ
野にかける白い馬のように
Run Wild Run Free
ムアマン
1970 赤い大地のアダム
Adam's Woman
サー・フィリップ・マクドナルド
ライアンの娘
Ryan's Daughter
マイケル アカデミー助演男優賞 受賞
ゴールデングローブ賞 助演男優賞 受賞
1972 戦争と冒険
Young Winston
ホレイショ・キッチナー
レディ・カロライン
Lady Caroline Lamb
カニング
1973 オクラホマ巨人
Oklahoma Crude
クレオン・ドイル
1975 狼たちの影
The 'Human' Factor
マイク・マカリスター
1978 大いなる眠り
The Big Sleep
ジム・カーソン
39段階
The Thirty-Nine Steps
Scudder
1979 ズールー戦争/野望の大陸
Zulu Dawn
フレアー卿
1982 ガンジー
Gandhi
総督
1983 サハラ
Sahara
ケンブリッジ
1985 ミス・マープル/魔術の殺人
Murder with Mirrors
ルイス・セロコールド テレビ映画
1986 風が吹くとき
When the Wind Blows
ジム アニメ、声の出演
1987 フーズ・ザット・ガール
Who's That Girl
モンゴメリー・ベル
1990 ナイト・オブ・ザ・フォックス
Night of the Fox
ドゥーガル・モンロー テレビ映画
1992 フランケンシュタイン
Frankenstein
De Lacey テレビ映画
1996 ハムレット
Hamlet
ノルウェー王
1997 ビーン
Bean
会長
1998 キャッツ
Cats
ガス

テレビシリーズ[編集]

放映年 邦題
原題
役名 備考
1971 ぼくらのナニー アルフレッドおじさん 「アッと驚くハエ男」
1980-1982 ロアルド・ダール劇場/予期せぬ出来事
Tales of the Unexpected
3エピソード
1985 炎のエマ
A Woman of Substance
Henry Rossiter ミニシリーズ
1989 新80日間世界一周
Around the World in 80 Days
ファヴァーシャム ミニシリーズ
ジェームズ・ウィルビーの二都物語
A Tale of Two Cities
ジャーヴィス・ロリー ミニシリーズ

出典[編集]

  1. ^ Jonathan Mills (2000). Sir John Mills' Moving Memories (film) 
  2. ^ British actor: Lewis Ernest Watts Mills”. Encyclopædia Britannica (2009年10月22日). 2013年4月16日閲覧。
  3. ^ Deaths England and Wales 1984–2006
  4. ^ “『ライアンの娘』のジョン・ミルズ、死去”. シネマトゥデイ. (2005年4月25日). https://www.cinematoday.jp/news/N0006395 2013年4月16日閲覧。 

外部リンク[編集]