キャラクタージェネレーター

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キャラクタージェネレーターは、キャラクターを生成するためのプログラム。キャラクターエディタキャラクターメーカーキャラクタークリエイターアバタージェネレーターなどとも言う。

従来3Dモデリングによるキャラクター作成は難しいものであったが、キャラクタージェネレーターの進歩により、誰もが自分の3Dアバターを作れる方向に向かっている[1][2]

歴史[編集]

キャラクター生成は、衣服やアクセサリーを替えられる着せ替え人形や、似た顔写真のパーツを合成して犯罪捜査に使うモンタージュ写真[3]などで、アナログ時代より行われていた。その後、テーブルトークRPGが登場し、サイコロ等によるキャラクターのランダム生成が行われるようになった。

デジタル時代になると仮想世界が誕生し、キャラクタージェネレーターによる3Dアバター作成が普及した。

キャラクタージェネレーターを備える主な製作ツール[編集]

2D[編集]

RPGツクールシリーズ (エンターブレイン)
RPGツクールVX Ace (2011年) 以降にキャラクタージェネレータが搭載されている[4]
Adobe Character Animator英語版 (アドビ)
22.1以降にキャラクタージェネレータのPuppet Makerが搭載されている[5]

3D[編集]

MakeHumanの画面
Manuel Bastioni Labの画面
Poser[6] (SmithMicro、1995年-)
人体や動物の静止画・動画を作成することに特化したソフトウェア。人物・動物のモデルが標準で付属しており、パラメトリックモデリングが可能。多数の素材を無料ないし有料で提供しているコミュニティーが存在している。ゲームエンジン向けにキャラクターのエクスポートが可能なPoser Pro Game Devも発売されている。
造型王 (ボルテックス (販売元はメディアギャロップ)、1999年-2001年)
パーツの組み合わせで人形を作成する国産ソフトウェア。作成したキャラクターは自由に個人使用可能であった[7]。モデルのエクスポートには未対応。
MakeHuman[6] (The MakeHuman team、2000年-)
パラメータから人間をモデリングするオープンソースソフトウェア。リグ付きでエクスポート可能。出力したモデルはCC0のため自由に使うことができる。
DAZ Studio[6] (DAZ 3D、2005年-)
Poserの類似ソフト。Poserのファイル形式を読み込むことができる。無料。有料プラグインが豊富に存在する。インディーゲーム開発者向けに、DAZ3Dのキャラクターの使用を許可するIndie Game Developer Licenseが発売されている。
Evolver英語版[8]/Project Pinocchio[8]/Autodesk Character Generator[6] (Autodesk←Darwin Dimensions)
部分毎にプリセットキャラクターを選択して合成し、新たなキャラクターを生成するWebサービス。基本無料だが、中品質・高品質なモデルのダウンロードは有料となっている。生成されるモデルは、Autodesk HumanIKミドルウェアと互換性がある。最新版は2014年6月リリースの2015.2。
コミPo! (CRI・ミドルウェアウェブテクノロジ、2010年-)
キャラクタージェネレータを備えた3D漫画作成ソフトウェア。モデルのエクスポートには未対応。
Adobe Fuse CC英語版[6] (アドビ←Mixamo、2014年-)
モジュールベースのキャラクター作成ソフトウェア。Adobe Photoshopとの連携に対応している。開発停止中[9]
以前は有料版のFuseと、無料版のFuse Basicが存在したが、現在は旧版のFuseが無料頒布されている。
Character Creator[6] (Reallusion、2015年[6]-)
キャラクター作成ソフトウェア。iClone Proのライセンスに付属している[10]
Manuel Bastioni Lab英語版[6]/MB-Lab[11] (Project Widowら[11]←Manuel Bastioni、2016年-)
MakeHumanの元開発者が開発していたBlender用キャラクタージェネレータアドオン。オープンソース。
VRoid Studio (Pixiv、2018年-)
MetaHuman Creator (Epic Games、2021年[12]-)

キャラクタージェネレーターを備える主なゲーム[編集]

一般ゲーム・MMORPG[編集]

ラクガキ王国シリーズ (タイトー、2002年-)
スケッチベースのキャラクタージェネレータを備えるモンスター対戦ゲーム。
エキサイティングプロレスシリーズ/WWEシリーズ (ユークス、2000年-)
キャラクタークリエーターを備える3Dプロレスゲーム。顔写真の取り込みにも対応している[13]
ファンタシースターオンライン (PSO) シリーズ/ファンタシースターユニバース (PSU) シリーズ (セガ、2000年-)
キャラクタークリエーターを備えるMMORPGゲーム。詳細は「ファンタシースターオンラインのキャラクタークリエイション」、「ファンタシースターユニバース#キャラクタークリエイト」、「ファンタシースターオンライン2#キャラクタークリエイト」を参照。
シムピープル/The Simsシリーズ (Maxis、2000年-)
キャラクター作成のためのCreate A Sim (CAS) 機能がある。The Sims 4にはキャラクター作成のみの無料版「Create A Sim Demo」もある[14]
真・三國無双3/真・三國無双 Empiresシリーズ/戦国無双シリーズ (コーエー、2003年-)
3Dアクションゲーム。キャラクタークリエーターを備えており、「エディット武将」を作ることが可能。
ソウルキャリバー III以降 (ナムコ、2005年-)
キャラクタークリエーターを備える格闘ゲーム。パーツのめり込みを使ったキャラクター作成が特徴[15]
Spore/Darkspore英語版 (Maxis、2008年-2011年)
Sporeはクリーチャークリエーターを備える生物進化シミュレーションゲームであり、Darksporeはクリエーターを備えたアクションRPGであった。
Sporeの前に、クリーチャークリエーターのみの単体版であるSpore Creature Creator英語版が発売された。
ファイナルファンタジーXIV (スクウェア・エニックス、2010年-)
キャラクタークリエーターを備えるMMORPG。無料でキャラクター作成が可能な『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編』もある[16]
モンスターハンター:ワールド (カプコン、2018年)
プレイヤーキャラクター及び相棒となる猫のキャラクタークリエーターを備える3D狩りゲーム。

その他、『World of Warcraft』(ブリザード、2004年-)、『ドラゴンクエストX』(スクウェア・エニックス、2012年-)、『ドラゴンズドグマ オンライン』(カプコン、2015年-)、『黒い砂漠』(Pearl Abyss、2015年-) など多くのMMORPGはキャラクターカスタム機能を搭載している。

ゲーミングプラットフォーム[編集]

似顔絵チャンネル/Miiスタジオ (任天堂、2006年-)
任天堂プラットフォームの各種ゲームで使えるアバターMiiを作成するためのソフト。前者はWiiに、後者はニンテンドー3DSWii Uに含まれている。Nintendo Switchにも設定にMiiの作成が存在する。
MiiはゲームだけでなくSNSサービスのMiiverse(2012年-2017年)でも使われていた[17]
Xbox Avatar Editor (マイクロソフト、2008年-)
マイクロソフトプラットフォームの各種ゲームで使えるXboxアバター英語版を作成するためのツール。Xboxだけでなく、Windowsで使用することも可能。

メタバース/仮想世界[編集]

キャラクターのカスタマイズが可能なメタバースなど。

Second Life (リンデン・ラボ、2003年-)
大規模なメタバースであり、ボディーパーツの細かな編集が可能[18]。日本では2007年に電通が「バーチャル東京」を開設し[19]注目された。
ai sp@ce (ドワンゴ、2008年-2011年)
ニコニコ動画のアカウントと連携した国産メタバース。
meet-me (ココア、2008年-2018年)
国産メタバース。
PlayStation Home (ソニー、2008年-2015年)
PlayStation Networkで提供されていたPlayStation 3向けメタバースであり、ボディーパーツの細かな編集が可能であった[20]
Synthe (ホビーストック、2009年-2010年)
メタバースの一つであり、アバターツールを備えていた[21]
パーティーキャッスル (スクウェア・エニックス、2009年-2010年)
仮想世界の一つであり、キャラクターエディタを備えていた[22]

美少女ゲーム[編集]

カスタム性を重視した18禁美少女ゲームなど。

カスタム隷奴シリーズ (Kiss、1999年-2011年)
2Dのキャラクターエディットが可能なアダルトゲーム[23]
人工少女シリーズ/ジンコウガクエンシリーズ (ILLUSION (アイワン)、2004年-2014年)
キャラカスタム機能を搭載するアダルトゲーム。
3Dカスタム少女 (テックアーツ、2008年-2011年)
放課後かすたむ☆たいむ/らぶギア/ネトワクネトラル カレマチカノジョ/らぶデスFINAL! (TEATIME (アイワン)、2011年-2013年)
これらTEATIME製アダルトゲームには『たむたむす〜る』というキャラクタージェネレータが付属されていた。「たむたむす〜る」は後にピストンアニメーションにも対応した。無料の体験版や、全年齢版「たむたむす〜るぴゅあ」もあった。
カスタムメイド3D/カスタムメイド3D2/カスタムオーダーメイド3D2 (Kiss、2011年-)
キャラカスタム機能を搭載するアダルトゲーム。『カスタムオーダーメイド3D2』より「スタジオモード」が追加され、自由なシーンの作成が可能となった。
ハーレムめいと (ILLUSION (アイワン)、2014年)
キャラカスタム機能を搭載するアダルトゲーム。『追加データ&ハーレムスタジオ』の「ハーレムスタジオ」機能により自由なシーンの作成が可能。
プレイクラブ/Sexyビーチ プレミアムリゾート/プレイホーム/ハニーセレクトシリーズ (ILLUSION (アイワン)、2015年-)
リアル系のキャラカスタム機能を搭載するアダルトゲーム。Sexyビーチ プレミアムリゾートでは「Sexyビーチ スタジオ」機能で、プレイホームでは『プレイホーム 追加データ+スタジオ』で、ハニーセレクトでは『追加データ & スタジオ』で自由なシーンの作成が可能。
コイカツ! (ILLUSION (アイワン)、2018年-)
キャラカスタム機能を搭載するアダルトゲーム。『CHARA STUDIO』で自由なシーンの作成が可能。

キャラクタージェネレーターを備える主なバーチャル配信ソフトウェア[編集]

Hitogata
バーチャル配信向けソフトウェア[24]
Mirrativ (Mirrativ)
バーチャル配信機能を備えたライブ配信アプリ[25]
Vカツ (IVR (アイワン)、2018年-)
「コイカツ!」を元にした[26]バーチャル配信向けソフトウェア。
カスタムキャスト (Kiss、2018年-)
「カスタムメイド」シリーズを元にしたバーチャル配信向けアプリ。

その他[編集]

キャラクターなんとか機 (緋龍華麒麟、2007年-)
アニメ風の2Dキャラクタージェネレータ[27]。本家はWindows向けだが、派生としてJava版やWeb版も存在する[27]
ちゃんりおメーカー/ちゃんりおフレンズ (サンリオ、2015年-)
ちゃんりおメーカーはサンリオ風アバターが作れるキャラクタージェネレーターであり[28]サンリオピューロランド内のアトラクション「ちゃんりおバーチャルパレード」と連動することができた[28]
その後、アプリ版のちゃんりおフレンズが登場した。
JOJO顔メーカー
ジョジョの奇妙な冒険』風の顔イラストを生成するWebサービス[29][30]
My Avatar Editor
Mii』風のキャラクター画像を生成するWebサービス[30]
植田まさし風似顔絵ジェネレータ
植田まさし風のキャラクター画像を生成するWebサービス[30]
Picrew英語版 (TetraChroma、2018年[31]-)
画像メーカーの作成・利用ができるWebサービスであり、多数のキャラクタージェネレータが投稿されている[31][32]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ Evolving Characters Computer Graphics World 2014年5月21日
  2. ^ 自分のキャラに魂を入れる「魔法」 VTuberだけではない、ピクシブが「VRoid Studio」を開発した理由 (1/2) ITmedia 2018年7月27日
  3. ^ モンタージュ写真 Kotobank
  4. ^ 100万本売上を達成したPC版『RPGツクール』は今後どこへ向かうのか?「ツクール」シリーズプロデューサー・一之瀬氏に訊く”. AUTOMATON (2017年6月24日). 2017年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月29日閲覧。
  5. ^ Adobe releases Character Animator 22.1 CG Channel 2021年12月17日
  6. ^ a b c d e f g h Reallusion releases Character Creator 1.5 CG Channel 2016年9月15日
  7. ^ ■■■■造型王2+Summer Dress Data Collection for Windows■■■■ メディアギャロップ
  8. ^ a b Pinocchio comes out to play as Character Generator GraphicSpeak 2014年2月24日
  9. ^ Still in active development? Adobe System 2016年10月10日
  10. ^ Reallusion releases Character Creator 1.5 CG Channel 2016年9月15日
  11. ^ a b ManuelBastioniLAB fork 'MB-Lab' is looking for contributors BlenderNation 2018年12月15日
  12. ^ Epic Games launches MetaHuman Creator CG Channel 2021年4月14日
  13. ^ アメリカンプロレスの王道WWEの絢爛豪華な試合が楽しめる「WWE 2K19」プレイレポート。レジェンド選手が吠え,自作キャラで夢を掴む 4Gmaer 2018年11月10日
  14. ^ 【特別企画】「The Sims 4」キャラメイクツール「The Sims 4 Create A Sim Demo」体験レポ Impress 2014年7月31日
  15. ^ 『ソウルキャリバーVI』のクリエイションは可能性と楽しさに満ち過ぎていることを初心者に伝えたい - 電撃オンライン KADOKAWA Game Linkage 2018年10月31日
  16. ^ キャラ作成が体験できる新しいFF14ベンチ『キャラクター編』公開 ITmedia 2013年8月1日
  17. ^ 任天堂が「WiiU」にSNS機能搭載、ネット分野の強化で ロイター 2012年6月4日
  18. ^ 『Second Life: The Official Guide』 P.72- Michael Rymaszewski、Wagner James Au、Mark Wallace、Catherine Winters、Cory Ondrejka、Benjamin Batstone-Cunningham、Philip Rosedale 2006年12月5日 ISBN 978-0470096086
  19. ^ Second Lifeに“電通島” 「バーチャル東京」オープン ITmedia 2007年8月23日
  20. ^ 「PlayStation Home」クローズドベータテスト体験レポート Impress 2008年9月4日
  21. ^ ホビーストック,汎用スクリプト吉里吉里を内蔵したメタバース「Synthe(シンセ)」のサービスを発表。プレオープンサイトが本日オープン 4Gamer.net 2009年5月1日
  22. ^ 自分の描いたイラストが3Dキャラになるバーチャルワールド「パーティーキャッスル」オープンβテスト開始 4Gamer.net 2009年10月16日
  23. ^ Vtuberになれるアプリ『カスタムキャスト』130万DL突破。ヒットの理由は美少女ゲーム業界の“ゆるさ”と、リアルでもアニメ調でもない“フィギュア+イラスト調”の3D表現だった 電ファミニコゲーマー 2019年2月1日
  24. ^ 「やばい、あたし超カワイイ」 技術もスペックもないけどVTuberになれるのか? 「Hitogata」を試してみた (1/3) ITmedia 2018年5月11日
  25. ^ ライブ配信「Mirrativ」にアバター機能「エモモ」--スマホ1台で誰でもVTuberに CNET Japan 2018年8月1日
  26. ^ 女の子による指ツンツンやVTuberアプリなどの展示がヤバい!Uniteレポ ASCII.jp 2018年5月11日
  27. ^ a b 髪形や服装を選んで自分好みの女の子を簡単に作成できる「キャラクターなんとか機」 窓の杜 2012年9月12日
  28. ^ a b Web Designing 2015年9月号』 P.115 マイナビ Web Designing編集部 2015年8月 JAN 4910018790953
  29. ^ JOJO顔メーカー ITmedia 2009年8月31日
  30. ^ a b c 『ツイッター情報収集術』 P.113 増田真樹 2010年6月17日 ISBN 978-4798121888
  31. ^ a b つくってあそべる画像メーカーPicrew(ピクルー)正式リリースのお知らせ TetraChroma 2018年12月27日
  32. ^ Picrew: veja como fazer sua versão de personagem de anime (ポルトガル語) Grupo NZNポルトガル語版 2021年11月14日

関連項目[編集]