EDLIN

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Edlin
作者 ティム・パターソン
開発元 マイクロソフト
対応OS DOS, MS-DOS, OS/2, Microsoft Windows
種別 ラインエディタ
公式サイト Edlin
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EDLIN(エドリン)は、MS-DOSおよび、その後のマイクロソフト社のOSに標準添付されているラインエディタである。コマンド制御のインターフェースにより、テキストファイルを編集する基本的な機能を持つ。数字により行番号を指定し、1文字の英字コマンドにより操作を指示する。(たとえば、5dはファイルの5行目を削除する操作を指示する。)

歴史[編集]

初期のMS-DOSではシステム唯一のテキストエディタだったが、後のバージョンではフルスクリーンのMS-DOS Editorが付属するようになり、バージョン6でEDLINは削除された[1]。しかし、32ビット版Windows NTには同梱されている(NTVDMのDOSサポートがMS-DOSバージョン5.0に基づいているためである)。他のDOSコマンドとは異なり、ネイティブWin32プログラムに移植されていない。EDLINが存続していることは、標準入力からコマンドのスクリプトを入力することにより、テキストファイルの小さな変更を自動的に行うために起動できるという事実から説明できるかもしれない。

実際には、MS-DOSにはGW-BASICという他のヴィジュアルエディタが用意されていた。GW-BASICはMicrosoft BASICインタプリタであり開発環境でもあった。また、MS-DOSバージョン5.0から6.22のEDITエディタは、実際にはQBasicを起動していた。QBasicはGW-BASICを置き換えたもので、さらに現代的なユーザインタフェースを持っていた。

EDLINは1980年にティム・パターソンが2週間で作ったものであり、6ヶ月の寿命しかないと思われていた。[1] EDLINはもともとシアトル・コンピュータ・プロダクツ社の86-DOS(QDOS)のために書かれたものである。86-DOSはマイクロソフト社が買い取り、MS-DOSとして販売した。

現在の扱い[編集]

現在の環境でEDLINを使用する場合、ロングファイルネームをサポートしていないという制限がある。たとえば、"longfilename.txt"という名前の既存ファイルを編集しようとすると、EDLINは"longfile.txt"という名前の新規ファイルを作成してしまう。これは、バージョン7.0までのMS-DOSの制限に関連していて、EDLIN自体の問題ではない。ロングファイルネームは、EDLINが書かれた後でMS-DOSやWindowsの機能として追加されたものである。

ピーチ・グレゴリー英語版GPL版のEDLINクローンを作成した。このクローンはロングファイルネームをサポートしていて、FreeDOSプロジェクトの一部としてダウンロード可能である。また、MS-DOSと同様にLinuxUNIXでも動く。クローンの出力メッセージは様々なヨーロッパ言語や日本語にカスタマイズ可能であり、様々なCコンパイラでコンパイル可能である。

EDLINは、現在では一般的に役に立たないにもかかわらず、他のエディタがない環境では、EDLIN用スクリプトのインタプリタとして使用されることがある。スクリプトはEDLINコマンドの列のように見える。以下のように起動される:

edlin < script

他の標準DOSツールとしては、DEBUG.EXEがある。

PC-98版MS-DOS 3.1のEDLINバグ[編集]

日本電気 PC-9800シリーズMS-DOS 3.1の初期バージョンにはEDLINに日本語文字列の置換が正常に行われないバグが存在した。このバグ自体は緊急を要する重大な欠陥ではなかったが、報道機関に取り上げられたことで周知され、自主的リコールに発展した。

1986年2月8日、一人のユーザーがMS-DOSの習得のために機能を試していたところ、このバグを発見。メーカーである日本電気に書面で問い合わせた。返答がなかったため17日に再度手紙を送ったところ、翌18日にサポート窓口からバグを認める電話連絡を受けた。10日後の28日にメーカーの担当者2名がバグ修正済みの交換品(フロッピーディスク)を持参し、ユーザーの元を訪れた。これで問題は解決したが、ユーザーは他の購入者が気になったため、担当者にバグを公表するよう求めた。この時の担当者は対応をとる返答をしたが、数日経って販売店やメーカーのショールーム(Bit-INN)を度々訪れるも動きがない。そこにNHKの記者が噂を嗅ぎ付けてユーザーの元を訪れ、ユーザーは記者にバグの公表と製品の回収が妥当であることを説明した。この後、ユーザーはメーカーに再度連絡したものの、何の対応も取られないまま、3月14日のNHKニュースで全国に放映された。[2]

報道後のメーカーの対応は迅速に行われた。ニュースが放映されたその日のうちに製品の無償回収を行うことを発表[3][4]。3月17日に製品の登録ユーザー(4800人)に対して無償交換の通知を発送。また、流通在庫を回収するため全国のパソコン販売店(3000店以上)に対しても通知を出した。4月初めには登録ユーザーの分の回収をほぼ完了した。このリコールには1億円程度のコストが掛かるとした。

このバグの原因は米マイクロソフト社のプログラムミスにあったが、発売元である日本電気は「責任は出荷前の検査で発見できなかった日本電気にある。賠償金などをマイクロソフトに要求することはしない。」としてマイクロソフトに責任を追及しなかった。この不祥事を受けて日本電気は保守・検査体制を強化するとコメントした。[2]

脚注[編集]

  1. ^ MS-DOSリテール版の場合。他はOEM先により異なる。
  2. ^ a b 中川貴雄「ユーザーの目:日本電気の「MS-DOS3.1」に潜んでいたバグ」『日経パソコン』 1986年5月5日号、pp.207-212。
  3. ^ 「日電の主力パソコン、基本ソフトに欠陥。」『日本経済新聞』 1986年3月15日朝刊、31面。
  4. ^ 「パソコンに欠陥」『毎日新聞』 1986年3月15日朝刊、20面。

外部リンク[編集]