メモ帳

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メモ帳
Microsoft Windows コンポーネント
詳細
標準提供 すべてのMicrosoft Windows
関連コンポーネント
ワードパッド

メモ帳(メモちょう)とは、Microsoft Windowsに付属するテキストエディタである。ファイル名はnotepad.exeWindows 1.0から付属している。

概要[編集]

Windowsならどのバージョンにも付属しているので、誰でもテキストファイルを読み書きできる[注 1]。このため、他のテキストエディタを導入していないユーザーや、WindowsPEなどの通常の環境が使用できない状況下での復旧作業などでも利用できる。また、デフォルトでWindows版のInternet ExplorerInternet Explorer 7まではソースビューアとしても利用されていた[注 2]

実行ファイルは、Windows NT系では%SystemRoot%\System32、Windows 9x系Windows 3.xでは%WinDir%にある。ここで、%SystemRoot%と%WinDir%は、Windowsをインストールしたフォルダであり、PC/AT互換機の場合、大抵はC:\WINDOWSないしC:\WINNTである。Windows 2.x以前でFDDで運用の場合、デフォルトではWindowsのシステムディスクには含まれず、「デスクトップアプリケーションディスク」にある。

バージョンによる違い[編集]

Windowsのバージョンによってメモ帳のバージョンも異なる。どのバージョンでもメモ帳の機能に大きな差異は無いものの、Windows NT系以降のものは、それ以前(Windows 9xおよび3.1以前)とは一部の特性が異なる。

Windows 3.1以前およびWindows 9x系統のメモ帳では、64 KiB以上のテキストファイルを扱えない。このようなファイルを開こうとしたときは、Windows 3.1以前の場合は、開けない旨の警告が出るか、もしくは他のエディタを使うよう促される[注 3]。Windows 9xの場合は、デフォルトでは、Windowsに標準で搭載されているワープロソフトワードパッド』を起動するか訊ねられる[1]。このほか、9x以前のメモ帳に検索メニューはあるが、置換機能は存在しなかった。Windows 98からはフォントの指定ができるようになった[2]

Windows NTの場合、外見はWindows 3.x/9xのメモ帳と大差なかったが、64KiB制限がなく[3][4]、フォントの指定ができた。さらにWindows NT自体が当初からUnicodeに対応しており、メモ帳でもUnicodeが使用できた。9x系と違ってNT系では置換機能も備わった[5](ただしNT4.0以降)。Windows 2000からはインターフェースが一新され、検索・置換が編集メニューの下に統合されるなどした。また後述のようにNT系では「右端で折り返す」機能に特徴的な挙動があったが、Windows 10で修正された。

文字コード[編集]

Windows 8付属の最新版のバージョンではASCII以外の文字コードにもある程度対応し、日本語に関して言えばMicrosoftコードページ932(いわゆるShift JIS)に、さらにWindows NT系ではUnicodeUTF-16のリトルエンディアン・ビッグエンディアン、BOM付きのUTF-8)に対応している。EUC-JPISO-2022-JPには対応していない。そのため、未対応の文字コードで書かれたHTMLなどのファイルをメモ帳で表示させた場合には、文字化けが起きる。これを正しく表示するためには、それらの文字コードに対応したテキストエディタビューアを用意し、それで開くように設定を変更する必要がある。

機能[編集]

テキストファイルの読み書き、検索(NT4.0以降では置換も)など基本的な機能のほかは、後述するタイムスタンプ挿入機能と行の折返し表示の有無程度しか備えていない。これらの付加機能はWindows 1.0付属のメモ帳の時点で既に備わっていたが、その後あまり変化しておらず、エディタとしては低機能な部類に属する。高機能なエディタと比べ簡単に実装できるため、習作としてメモ帳を摸倣したエディタが開発されることがある[6]

右端で折り返す
メモ帳ではウィンドウ幅に収まらない長いテキストを入力した際に、右端で折り返して表示するか、折り返さずにスクロールさせて表示するかを選択することができる。なおページ右端で折り返す設定にした際に次行の文頭に読点や句点が来るなど、日本語における禁則事項を守るような機能は無い。
NT系(NT、2k、XP - 8.1)のメモ帳に限れば、右端を折り返す設定のままセーブ(保存)を行い、そのまま編集を続行すると、一時的にメモ帳上の各行の右端で固定位置の改行が挿入されたままの状態になってしまうという挙動がある。この現象は保存後にウィンドウ幅を変更することでも容易に確認できる。この状態で編集を続けてもセーブしたファイル自体には改行コードは挿入されていないが、この状態でコピー&ペーストを行うと、この不正な改行を含むテキストデータがペーストされてしまうことがある。一度ファイルを閉じてから開きなおす、もしくは「右端で折り返す」のチェックを一旦解除することで通常の状態に戻る。この仕様のため、1行を超えるスクリプトや文章を頻繁に編集・保存しながら他のアプリケーションにコピペするような用途には向かない。なお、保存するたびに(内部的には)ウィンドウ右端に改行が来るように改行位置が修正されているが、保存時に改行位置の更新が起きてもメモ帳上での表示は更新されないため、実際のテキストの位置と表示されているテキストの位置にズレが生じてしまうという不具合もある。当然ながらこの状態のままで編集を続行すると意図したように編集されない可能性があるが、保存後に上下に1画面以上スクロールさせるなどの何らかの手段で表示を更新すれば、正しい位置にテキストが表示される。
Windows 10では修正されている。
日付と時刻
メモ帳独自の機能としては簡易的な日誌機能が存在する。先頭の行に大文字で.LOGと入力してから終了すると、以後そのファイルを開くたびにファイルの末尾にそのときのタイムスタンプ(年月日時分)が追加される[7]。追加されたタイムスタンプの後に文章を入力すると日誌として使うことができる。また、メニューから「日付と時刻」を選ぶか、単にF5キーを押すと、その時点でのタイムスタンプが挿入される。

脚註[編集]

[ヘルプ]

注釈

  1. ^ ちなみにMS-DOSでは、Ver.5以降に同様の機能を持つ外部コマンドのスクリーンエディタが存在していた。名称はPC/AT互換機用ではEDITだが、他社の移植版では異なっていた。
  2. ^ Internet Explorer 8以降ではInternet Explorer内蔵の開発者ツールの一部であるソースビューアが既定で使用される。既定のソースビューアは、開発者ツールから変更できる。
  3. ^ これらの古いWindowsでもライト(9x以降のワードパッドに相当するアクセサリ)で64 KiB以上のテキストを開くことはできるが、メモ帳から直接ライトを起動する機能は無かった。

出典

  1. ^ "File Is Too Large to Open" Message in Notepad” (英語). サポート技術情報. マイクロソフト (2007年1月24日). 2015年4月22日閲覧。
  2. ^ 阿久津良和 (2012年10月11日). “世界のテキストエディターから - Windows OSと共に歩んできた「メモ帳」”. マイナビニュース. 2016年7月23日閲覧。
  3. ^ 「設定」の「基本」タブ、「インストールファイル作成前・・・」が有効な状態でインストールファイルを作成するとメモ帳起動後すぐにワードパッドが開いて編集することができない”. 簡単インストーラ サポートページ. 2016年7月24日閲覧。
  4. ^ Windowsメモ帳を使いこなそう プロローグ”. 進学教室佐京 簡単パソコン講座. 2016年7月24日閲覧。
  5. ^ Windowsメモ帳を使いこなそう メモ帳のメニュー(1)”. 進学教室佐京 簡単パソコン講座. 2016年7月24日閲覧。
  6. ^ メモ帳++メモ帳2K[リンク切れ]など。[出典無効]
  7. ^ メモ帳を使用してログ ファイルを作成する方法”. マイクロソフト (2004年12月27日). 2016年7月23日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]