大阪教育大学附属池田中学校

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大阪教育大学附属池田中学校
Osaka Kyoiku University Ikeda junior high school and high school.jpg
過去の名称 大阪第二師範学校男子部附属中学校
大阪学芸大学大阪第二師範学校池田附属中学校
大阪学芸大学附属池田中学校
大阪教育大学教育学部附属池田中学校
国公私立 国立学校
設置者 国立大学法人大阪教育大学
併合学校 大阪府立海外商業学校
設立年月日 1947年昭和22年)
開学記念日 11月1日
共学・別学 男女共学
学期 3学期制
所在地 563-0026
公式サイト 大阪教育大学附属池田中学校
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大阪教育大学附属池田中学校(おおさかきょういくだいがく ふぞく いけだちゅうがっこう)は、大阪府池田市緑丘にある国立中学校国際バカロレア(International Baccalaureate:IB)教育の中等教育課程(MYP)認定校[1]で、グローバル化した社会で活躍できる人材を育てる[2]。また、日本の中学校で初めて世界保健機関(WHO)推進の学校安全認証インターナショナルセーフスクール(ISS)を受けている[3]。なお、同じ敷地に附属池田小学校附属高校池田校舎があり、連携し教育研究活動を行っている。

概要[編集]

通称(略称)は「附中(ふちゅう)」で、そのほか「附属(ふぞく)」「大教大附属(だいきょうだいふぞく)」「池中(いけちゅう)」があり、受験業界では「池附(いけふ)」とされる。英語名称は、Ikeda Junior High School attached to Osaka Kyoiku University。

源流は1909年明治42年)創立の大阪第二師範学校の附属国民学校(現・大阪教育大学附属池田小学校)の「高等科」。太平洋戦争後の1947年昭和22年)学制改革により改組され、新制中学校の「大阪第二師範学校附属中学校」として独立した。

以後、教員養成大学の附属学校として、生徒に中等普通教育義務教育)のうち基礎的なものを行う「教育活動」と、学校教育の理論や実践的の研究、教育実習生の受け入れなど「研究活動」を行っている。

特に、国際社会で活躍できる人間の育成を目指して、生徒の豊かなコミュニケーション能力と異文化への理解、自ら課題を発見し、解決する能力を育て、国際バカロレア教育のプログラムも研究。その成果を各教育委員会や公立学校に還元、普及を目指している[4]

生徒は、附属池田小学校から「連絡進学」した生徒と、外部より中学受験で入学した生徒で構成され、1996年平成8年)帰国子女の受け入れも開始。特別な学級編成を行わず普通学級に在籍させて他の生徒と共に学ぶことにより、日本の文化や習慣を理解し、外国での経験を活かす教育を行っている。

国際理解教育のほか、総合的学習や融合型の学習を包括的にとらえ、新時代への教育改革を目指して附属池田小、附属高等学校池田校舎と共同研究を開始。同じ敷地に中学校・中学校高等学校があるメリットを生かし、小・中・高の連携で教育研究活動を行っている。2018年度の場合、「学びの質を高める次世代のICT活用」をテーマに研究[5]し、池田地区附属学校として研究の成果を毎秋に発表。紀要にまとめられている[6]

先進の教育研究の先進[編集]

創立以来、先進的な教育研究が活発に行われている。昭和20年代には社会科を中心に「生活経験学習」(現在の総合的な学習の時間のような学習)が組まれたり、躾に関する研究発表会も行われていた。昭和50年代には「ゆとり」の時間の活用という三十年来の教育課程の改革の中で「ゆとりある充実した学校生活」を目標に教育課程「WEC(ウェック)方式」を開発(1978年)、独自の創意工夫の時間を誕生させた(1979年)。WECとは、「W…勤労」「E…講座」「C…クラブ」の略。

1989年平成元年)、今までの教科や文化クラブ活動の内容や方法にとらわれず、一人ひとりの発想や追求の過程を大切にする「FA (Free Activity) 活動」を開始。のちの「総合的な学習の時間」につながる。

2004年から、「市民性をはぐくむ授業」も開始。1年生で地域や国と海外(外国)との違いを学び、2年生で日本人のアイデンティティと日本の伝統文化を学び、3年生でアジア圏などとの国際交流や国際的な発信力を学ぶ[7]

学校安全の教育・研究・実践[編集]

2001年平成13年)に発生した附属池田小事件を契機に、大阪教育大学は、「学校災害による兄弟姉妹が死亡した生徒の発達過程と支援のあり方」について研究チームを作り研究を行っている。その一環として、附属池田中では2002年から、通学中の事故で兄弟姉妹を亡くした経験を持つ生徒(学校災害特別研究生徒)を受け入れている。

なお、附属池田中をはじめ池田地区附属学校園(附属池田小、附属高校池田校舎)として、保護者や関係諸機関(地域)と連携を図り、学校安全の実施・実践と教育研究に取り組んでおり、他の教育活動や研究活動と同じく、小中高12年間の学びのもと「階層性・系統性・連続性」による「総合知」を育てている[8]。これらを評価され2014年10月10日、日本の中学校で初めて世界保健機関 (WHO)推進のインターナショナルセーフスクール(ISS)の認証を、附属池田小とともに受けた[9]

なお、事件の記憶の風化を防ぐため、附属学校園はもとより大阪教育大学でも2006年から毎年、全学部の学生に特別講義を開講。事件の概要や学校安全などを学んでいる[10]

沿革[編集]

1947年昭和22年)に師範学校附属国民学校の「高等科」から独立する際、池田城跡にある「大阪府立海外商業学校」の校舎(池田市城山1002番地)を転用し、廃校となる商業学校[11]の生徒も編入した。

1957年、「大阪学芸大学附属池田小学校」(現・大阪教育大学附属池田小学校)と「大阪学芸大学附属高等学校池田校舎」(現・大阪教育大学附属高等学校池田校舎)の校地へ移転(現在地)。小・中・高が整う文教施設となる。

なお、現在の校地は大日本帝国陸軍大阪砲兵工廠の池田分工場の跡だったといい[12]、煙突3本のある工場を改修して造られた体育館は1970年に取り壊されるまで名物であった。

WHO推進ISS認証に加えて、2015年度に大阪教育大学が始めた認証制度「セーフティプロモーションスクール」(SPS) [13]に認証され、2016年度予算案には文部科学省から補助金も盛り込まれた。

年表[編集]

  • 1908年明治41年) - 4月、豊能郡池田町に「大阪府池田師範学校」が開校
  • 1909年 - 4月12日、池田師範の代用附属小学校として、池田尋常高等小学校(現・池田市立池田小学校)の一部を充てる(のちの「大阪第二師範男子部附属国民学校」)
  • 1947年昭和22年) - 4月15日、附属国民学校の高等科が「大阪第二師範学校男子部附属中学校」として独立。大阪府海外商業学校(旧制)の校舎を転用
  • 1949年 - 「大阪学芸大学大阪第二師範学校池田附属中学校」と改称
  • 1951年 - 「大阪学芸大学附属池田中学校」と改称
  • 1957年 - 現在地に移転
  • 1967年 - 4月1日、「大阪教育大学附属池田中学校」に改称。11月24日、新校舎完成
  • 1972年 - 「大阪教育大学教育学部附属池田中学校」に改称
  • 1986年 - 文部省同和教育研究指定校となる(国立学校で初)
  • 1995年平成7年) - 国際枠(帰国生徒・外国籍生徒)受け入れを開始(翌1996年から国際理解教育や世界各地と提携交流)
  • 1996年 - 国際交流海外短期留学を開始
  • 2003年 - 「学校災害特別研究生徒」枠を開設
  • 2004年 - 「大阪教育大学附属池田中学校」に改称
  • 2014年 - 世界保健機関 (WHO) 推進のインターナショナルセーフスクール (ISS)に認証(日本の中学校で初)
  • 2015年 - 国際バカロレア(IB)中等教育課程(MYP)のIBワールドスクールの「候補校」となる[14]
  • 2020年令和2年) - IBの「認定校」となる

基礎データ[編集]

大阪教育大学の開学記念日である11月1日は、本校の開校日ではないが開学記念日に設定されており休校となる。

交通アクセス[編集]

象徴[編集]

1964年(昭和39年)16期生によりケヤキが植樹され、「けやき坂」として池田キャンパスの名所となっている。

1996年(平成8年)創立50周年記念として、卒業生で世界的造形作家新宮晋の制作モニュメント「帆走する雲」が設置された。

校歌[編集]

校歌は、池田師範学校の校歌(1918年制定)を、そのまま用いている。隣接の附属池田小学校も同じ校歌である。なお、校歌の作詞者は不明で、作曲者は小部卯八[15]

校章[編集]

授業[編集]

一般生徒、国際枠生徒(帰国生徒、在日外国籍生徒)、学校災害特別研究生徒からなる混合学級で授業を行っており[16]2016年(平成28年)から国際バカロレア (IB) の制度も取り入れたIB教育を行っている(成績がすべてIB評価)。

いち早くICT教育に対応し、施設面では1993年に電脳教室が、翌1994年にメディアセンターが設置。2012年視聴覚教室遠隔授業システムが完成し、2013年に電子黒板も全ての普通教室に設置している。

2015年3月には、統一地方選に合わせて他の中学校を招き、「地方自治の課題」をテーマに討論する試みも行われ、生徒から「地方自治体不要」「投票権14歳」など大胆な提案も出された[17]

NHKテレビ「課外授業 ようこそ先輩」に影響[編集]

なお、1996年に創立50周年事業として出身者・卒業生による特別講義「先輩の授業を受けよう」が開催。以後、各界の第一線で活躍する卒業生が毎年、特別授業を行っている。これは、日本放送協会(NHK)テレビ番組「課外授業 ようこそ先輩」に先駆けた授業である。

学校行事[編集]

  • 4月 - 修学旅行(3年生、沖縄、鹿児島、長崎など)
  • 5月 - 校内大会(ドッジボール以外は体育委員を中心に決定)、三附中交歓会(2年生)
  • 6月 - 学校安全の日、総合学習週間(奈良研修(1年生)、(岡山、京都、アルプスなど)研修(2年生)、コミュニティプロジェクト(3年生))
  • 7月 - オーストラリア研修(2年生)
  • 9月 - 「先輩(卒業生)の授業を受けよう」[18]
  • 10月 - 体育大会
  • 11月 - 文化祭、池田地区附属学校研究発表会
  • 3月 - カナダ研修(2年生)

入試[編集]

通学区域は、学校の指定した大阪府中部・北部と兵庫県南東部の区域で、通学時間が90分以内。

一般枠(附属池田小学校から連絡進学例年約60名)、国際枠(帰国生徒・外国籍生徒)8名以内、学校災害特別研究生徒4名以内を含めて男女計160名。

なお、一般枠には、国語・算数(各80点)からなる第1次選考と、第1次選考合格者対象の社会または理科(50点)、音楽または図工または家庭または体育(30点)および調査書からなる第2次選考がある。倍率は例年8倍程度。

出身者[編集]

政治[編集]

行政・法曹[編集]

財界・経済[編集]

学者・医師[編集]

文学[編集]

芸能・ジャーナリズム[編集]

芸術[編集]

教職員・そのほか[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 認定校・候補校 | 文部科学省IB教育推進コンソーシアム
  2. ^ 平成30年度 学校評価報告書
  3. ^ 附属池田中学校が学校安全の国際認証を取得|国立大学法人 大阪教育大学
  4. ^ 平成30年度 学校評価報告書
  5. ^ 教育研究・教育実習 - 大阪教育大学附属池田小学校
  6. ^ 研究紀要 | 大阪教育大学附属池田中学校
  7. ^ 平成25年度 安全科・総合的な学習の時間 - 大阪教育大学附属池田中学校
  8. ^ 平成25年度 安全科・総合的な学習の時間 - 大阪教育大学附属池田中学校
  9. ^ International Safe School(ISS)・Safety Promotion School(SPS) | 大阪教育大学附属池田中学校
  10. ^ 【付属池田小事件15年】大教大で付属池田小事件の教訓学ぶ授業 当時の在校生も講義見学 - 産経新聞2016年平成28年)6月9日
  11. ^ 大阪府立池田高等学校#商業科の併設と廃止を参照
  12. ^ 現在、大阪工業技術試験所と大阪教育大学附属小・中・高校がある土地は、戦時中に陸軍造兵廠(軍用施設)と... | レファレンス協同データベース
  13. ^ SPS認証制度の概要 « 学校危機メンタルサポートセンター
  14. ^ 国際バカロレア教育 | 大阪教育大学附属池田中学校
  15. ^ 各地の校歌や宝塚歌劇の楽曲を作曲している人物
  16. ^ 教育と使命 | 大阪教育大学附属池田中学校
  17. ^ 大阪で中高生が地方自治を徹底討論 「投票権14歳」大胆提案も - 産経新聞2015年平成27年)3月29日
  18. ^ 先輩の授業を受けよう | 皐城会
  19. ^ プロフィール - 大阪府議会議員上島一彦 | 箕面市・豊能町・能勢町選出 | 興せ!若い波。ゆるぎない信念と行動力!
  20. ^ 大阪府議会議員 原田こうじ 公式サイト -自民党 | 大阪・池田市 | 若さと情熱と行動力で、大阪・池田に活力を!
  21. ^ プロフィール | 森口つかさ(新宿区) Official Site
  22. ^ a b c d e f 皐城会 2018年9月15日 先輩の授業講師
  23. ^ a b c 平成24年「先輩の授業を受けよう!」 | 皐城会
  24. ^ a b 2019年講師一覧PDF - 皐城会
  25. ^ a b c d 平成21年度「先輩の授業を受けよう!」関連記事 | 皐城会
  26. ^ a b c d H28(2016) .9.10.先輩の授業を受けよう 講師一覧 - 皐城会
  27. ^ a b c 平成23年「先輩の授業を受けよう!」 | 皐城会
  28. ^ a b c 平成20年度「先輩の授業を受けよう!」関連記事 | 皐城会
  29. ^ 「先輩の授業をうけよう」 講師・テーマ一覧 - 皐城会2015年
  30. ^ a b c d 2017年講師一覧PDF - 皐城会
  31. ^ 松浦研究室 プロフィール

関連項目[編集]

外部リンク[編集]