フェラーリ・250MM

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フェラーリ・250MM
概要
製造国 イタリアの旗 イタリア
デザイン

ジョヴァンニ・ミケロッティ (ヴィニャーレ)

ピニンファリーナ
ボディ
ボディタイプ スパイダー,ベルリネッタ
パワートレイン
エンジン 3.0L コロンボV12
最高出力 240PS (177kW; 237hp)/7,200rpm
変速機 4速MT
車両寸法
ホイールベース 2,400mm (94.5インチ)
車両重量

900kg (1,984ポンド) ベルリネッタ

850kg (1,874ポンド) スパイダー
系譜
先代 フェラーリ・250S
後継

フェラーリ・250モンツァ

フェラーリ・250GTベルリネッタ
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フェラーリ・250MM

フェラーリ・250MM(Ferrari 250MM)は1953年にフェラーリによって製造されたレーシングカーである。

エンジンは、250Sに搭載された3.0L コロンボエンジンを改良したものを搭載している。車名のMMとは「ミッレミリア」の略である。

概要[編集]

250MMには2つのボディスタイルが異なるコーチビルダーから用意された。ピニンファリーナはベルリネッタモデルをデザインした。このデザインは今後製造されるフェラーリのベルリネッタモデルの礎となった。ベルリネッタは1953年のパリモーターショーで発表された。ベルリネッタモデルの250MMは合計で18台製造された。 ヴィニャーレからはスパイダーモデルが用意された。このモデルは前期と後期でデザインに細かな違いがあり、前期モデルはオープンヘッドライトとボンネットにインテークが設置されている。後期モデルはヘッドライトにカバーが取り付けられ、ボンネットに膨らみがある。また、リアフェンダーに三角形のエアアウトレットがデザインされ、ドアラインが低くなっている。前期後期ともにヴィニャーレのチーフデザイナーを務めていたジョヴァンニ・ミケロッティがデザインした。スパイダーはベルリネッタより1年早い1952年のパリモーターショーで発表された。スパイダーは合計で12台製造された。

250MMは1962年まで世界中のレースに参戦し、多くの優勝を収めた。

仕様[編集]

エンジンとトランスミッション[編集]

エンジンはフロントに縦置きで60°のコロンボV12エンジンが搭載された。73×58.8mm (2.9×2.3インチ)のボアとストロークによって総排気量2953.21ccを発揮する。圧縮比9:1の3つのウェーバー36IF/4Cキャブレターにより、最高出力240PS (177kW;237hp)/7,200rpmを発揮する。シリンダーバンク毎にオーバーヘッドカムシャフトが設置され、またシリンダー毎に2つのコイルを備えた点火プラグが使用された。250Sはシングルディスククラッチが搭載されていたが、250MMには新しくマルチディスククラッチが搭載された。 4速マニュアルトランスミッション(250Sは5速)を搭載し、最高速度は250km/h。

シャーシ[編集]

シャーシは溶接鋼管で作られ、2,400mm (94.5インチ)の短いホイールベースが特徴である。乾燥重量はベルリネッタが900kg (1,984ポンド)、スパイダーは250Sと同じく850kg (1,874ポンド)。燃料タンク容量は150L。

サスペンション[編集]

サスペンションは250Sと同様のものを搭載していた。フロントには独立型の不等長ウィッシュボーンとフーダイル製油圧ショックアブソーバを備えたリーフ式サスペンションが採用された。リアには半楕円板バネとフーダイル製ショックアブソーバ、ライブアクスルが取り付けられた。また、4輪ともドラムブレーキを備えている。

参照[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]