パイルドライバー

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パイルドライバーのアニメーション。

パイルドライバーPiledriver)は、プロレス技の一種である。日本名は脳天杭打ち(のうてんくいうち)。

概要[編集]

パイルドライバーには様々な派生技が存在しており、前屈みになった相手の頭を自身の股の間に正面から挟み込み、相手の胴体を両手で抱え込み、腕を相手の、へそのあたりでクラッチして相手の体を垂直に持ち上げながら尻餅をつき、相手の頭部を打ちつける。

重機杭打ち機(パイルドライバー)で杭を打つようにして技をかけることから、この名がつけられた。元祖が誰であるかは諸説あるが少なくとも日本ではルー・テーズが開発したとされている(テーズ式パイルドライバー)。固有の名前を有する多くの派生技が存在してフィニッシュ・ホールドとして使用されている。

応用技として前屈みになった相手の頭を自身の股の間に正面から挟み込み、相手の胴体を両手で抱え込み、腕を相手の、へそのあたりでクラッチして相手の体を垂直に持ち上げて体を軽くジャンプして尻餅をつき、相手の頭部を打ちつけるジャンピング式がある。

派生技[編集]

ドリル・ア・ホール・パイルドライバー[編集]

ターザン後藤によるドリル・ア・ホール・パイルドライバー。

パイルドライバーには様々な派生技が存在しており、前屈みになった相手の頭を自身の股の間に正面から挟み込み、相手の胴体を両手で抱え込み、腕を相手の、へそのあたりでクラッチして相手の体を垂直に持ち上げながら尻餅をつき、相手の頭部を打ちつける。打俗にパイルドライバーといえばドリル・ア・ホール・パイルドライバーを指して後述のテーズ式パイルドライバーを除く全てのパイルドライバー系の技の元となった技である。

1950年代にアメリカ出身レスラーのバディ・ロジャースが決め技として使用してポピュラーになった。バディ・オースチンは試合中にドリル・ア・ホール・パイルドライバーで新人レスラーを2人殺してしまったとして「キラー」というニックネームが付けられた(実際には誰も死亡させていない[1])。オースチンのパイルドライバーは相手の頭を腿ではなく、膝付近で固定して胴体をクラッチせずにタイツをつかんで引っ張り込むように落としていた。

派生技としてアジャ・コングが前屈みになった相手の頭を自身の股の間に正面から挟み込み、相手の左腿の裏に右手を右腿の裏に左手を、それぞれ回し、相手の体を垂直に持ち上げながら尻餅をつき、相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつけるのをアジャ・ボムの名称で使用。

派生技としてキッド・キャッシュが相手の上半身をリバース・フルネルソンに捕らえて相手の体を垂直になるまで持ち上げて両腕をロックしたまま尻餅をつき、相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつけるのをマネーメイカーの名称で使用。

ツームストーン・パイルドライバー[編集]

ジ・アンダーテイカーによるツームストーン・パイルドライバー。

相手をオクラホマ・スタンピードの要領で持ち上げて上下逆さまの状態になった相手の胴体を両腕で抱きかかえて相手の両足の間に自身の頭が来るように体を移動させて両膝をついて相手の頭部を打ちつける。技を仕掛ける形から墓石落とし(はかいしおとし)とも呼ばれる。

イギリスが発祥といわれてレネ・ラサルテスビル・ロビンソンダイナマイト・キッドといった欧州出身レスラーが得意技としており、初代タイガーマスクもキッドとの抗争を通してツームストーン・パイルドライバーを会得している。同じくタイガーマスクのライバルだった初代ブラック・タイガーのフェイバリット・ホールドでもあり、日本では暗闇脳天落とし(くらやみのうてんおとし)とも呼ばれる。若手時代にAWAでロビンソンのタッグパートナーに起用されていたドン・ムラコハワイアン・ハンマーの名称で使用していた。

アンドレ・ザ・ジャイアントもモンスター・ロシモフの時代に使用していたが1972年にターザン・タイラーの首を折って以来、自ら禁じ手とした。メキシコではマルティネーテと呼ばれている。メキシコはマットが硬いため、頸椎を損傷する恐れがあるということで全面的に禁止技に指定されている。アメリカでも禁止しているプロレス団体が多く、WWEは負傷者が続出した経緯があり、禁止技にされているがジ・アンダーテイカーケインは使用が認められている。

持ち方を変えない形の方はカール・ゴッチが得意技としており、1964年3月にオハイオ州でのディック・ザ・ブルーザー戦や新日本プロレスの旗揚げ戦のアントニオ猪木戦でも使用している。掛け手と受け手の体勢が上下対称になるため、掛けられている側が足をばたつかせて掛けている側の後方へと重心をかけて相手の胴体を抱えたまま足から着地して逆にツームストーン・パイルドライバーを見舞う返し方が存在する。時には互いにツームストーンの体勢のまま回転を繰り返す攻防も見られる。

派生技として北尾光覇が相手をオクラホマ・スタンピードの要領で右肩に担ぎ上げて胴体を両手で抱え込み、尻餅をつき、上下逆さまの状態で落下させた相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつけるのをキタオ・ドリラーの名称で使用。

ジャーマン・ドライバー[編集]

カール・ゴッチのオリジナル技。相手をボディ・スラムの要領で持ち上げて上下逆さまになった相手の首の後ろに左手を回して相手を抱えたまま正座するように両膝を折り畳み、落下させた相手の頭部を打ちつける。ツームストーン・パイルドライバーの元祖と言われている。

派生技として秋山準が相手を上記のツームストーン・パイルドライバーの要領で持ち上げて上下逆さまになった相手の股の間に正面から右腕を差し込み、相手の右腿を抱える形で自身の両手をクラッチして正座をするように折り畳み、落下させた相手の頭部を打ちつけるのをゴッチ式ツームストーン・パイルドライバーの名称で使用。

ゴッチ式パイルドライバー[編集]

前屈みになった相手の首の後ろに正面から自身の股の間に挟み込み、相手の両足の間に腿の裏の方から自身の右腕を差し込み、相手の右腿を抱えるように自身の両手をクラッチして相手の体を垂直になるまで持ち上げて体を軽くジャンプして尻餅をつく形で着地して落下させた相手の頭部を打ちつける。名称に「ゴッチ式」と出てくるがカール・ゴッチは、あまり使用していなかったとの説がある。ゴッチの解説によれば「相手の足の付け根に両腕を回すことによって体勢が崩れずに相手の脳天を垂直に打ちつけることができる」とのことである。これは胴に手を回して持ち上げ体勢が崩れた場合は無理に技を続けると相手の首が前に突っ込むように落ちてしまい、頸椎を損傷しやすいことを防ぐ意味もあるのだという。

テーズ式パイルドライバー[編集]

ルー・テーズのオリジナル技。前屈みになった相手の正面に回り込んで相手の胴体を抱えるように両手をクラッチして相手の体を垂直になるまで抱え上げて背筋を使って相手の体を更にリフトアップして両腕のクラッチを切って相手の体を投げ捨てる。パワーボムの原型となった技であり、リバース・スラムとも呼ばれてテーズによればスタンプ・ホールドの一種であり、パイルドライバーとは別の技だとしている。

リバース・パイルドライバー[編集]

相手を上記のツームストーン・パイルドライバーの要領で持ち上げて尻餅をつき、上下逆さまの状態で落下させた相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつける。

派生技としてリキシが相手をオクラホマ・スタンピードの要領で右肩に担ぎ上げて相手の首の後ろに左手を背中に右手を、それぞれ回し、相手を抱えたまま尻餅をつき、上下逆さまの状態で落下させた相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつけるのをリキシ・ドライバーの名称で使用。

派生技としてミスター雁之助が相手をオクラホマ・スタンピードの要領で右肩に担ぎ上げて尻餅をつき、上下逆さまの状態で落下させた相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつけるのをファイヤーサンダーの名称で使用。

派生技としてKen45°が相手をファイヤーマンズキャリーの要領で両肩に担ぎ上げて自身の体を揺すって相手の上半身を自身の体の正面に持っていって、相手の頭と足を抱えたまま尻餅をつき、落下させた相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつけるのをBARONESSの名称で使用。上記のツームストーン・パイルドライバーのように両膝をついて相手の頭部を打ちつける場合もある。

ハイジャック・パイルドライバー[編集]

スパイク・パイルドライバーとも呼ばれる。タッグマッチの連携技で仲間の1人がコーナーの方を向きながら相手を上記のパイルドライバーの形で持ち上げて、もう1人がコーナーのセカンドロープもしくはトップロープに登って持ち上げられていた相手の右足を左手で左足を右手で掴み、コーナー上の仲間がジャンプすると同時に相手を抱えていた仲間が尻餅をつき、相手の頭部を打ちつける。

日本での元祖はヤマハ・ブラザーズ山本小鉄&星野勘太郎)。その後、アドリアン・アドニス&ボブ・オートン・ジュニアを経て長州力&アニマル浜口をはじめとするユニット「維新軍」に多用されて流行技になった。ボブ・オートン・ジュニアはNWAミッドアトランティック地区ではディック・スレーターとのタッグでも使用していた。ジャイアント馬場ミラクル・パワーコンビスタン・ハンセン&ブルーザー・ブロディ)のハイジャック・パイルドライバーを受けて連続試合出場記録が途切れた。

SSD(スタイナー・スクリュー・ドライバー)[編集]

スコット・スタイナーのオリジナル技。相手をファルコンアローの要領で持ち上げて背中に右手を首の後ろに左手を、それぞれ回し、尻餅をつき、急降下させた相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつける。

パッケージ・パイルドライバー[編集]

ケビン・オーエンズのオリジナル技。前屈みになった相手の頭を自身の股の間に正面から挟み込み、相手の両脇にリバース・フルネルソンの要領で自身の両腕を差し込み、外腿の方から相手の右腿の裏に左手を左腿の裏に右手を、それぞれ回し、相手の体を垂直になるまで持ち上げて体を軽く旋回させながら尻餅をつき、相手の頭部を打ちつける。

カナディアン・デストロイヤー[編集]

カナディアン・デストロイヤーのアニメーション(赤色が技を仕掛ける側)。

フリッピング・パイルドライバーとも呼ばれる。ピーティー・ウィリアムズのオリジナル技。前屈みになった相手の頭を自身の股の間に正面から挟み込み、相手の腰を両手で抱え込み、膝を軽く屈伸させて体を360度前方回転させるようにジャンプして尻餅をつき、宙に浮き上がった相手の頭部をパイルドライバーの形で打ちつける。

エクスカリバー[編集]

鈴木鼓太郎のオリジナル技。相手が走ってきたところを懐に跳び込むように抱えて体を旋回しながら相手の頭部をパイルドライバーの形で打ちつける。

男色ドライバー[編集]

男色ディーノのオリジナル技。前屈みになった相手の頭を自身のタイツの中に押し込み、Tバックに包まれた自身の股間を相手の頭に密着させた状態にして相手の胴体を両手で抱え込み、相手の体を垂直になるまで持ち上げて軽くジャンプして尻餅をつき、相手の頭部を打ちつける。物理的な衝撃以上に精神的ダメージが強い。

応用技としてタイツを脱いでTバック姿になって相手の頭をTバックの中に押し込み、自身の股間を相手の頭に直接密着させて仕掛けるのを生男色ドライバーの名称で使用。

ゴッチ式男色ドライバー[編集]

男色ディーノのオリジナル技。前屈みになった相手の頭を自身のタイツの中に押し込み、Tバックに包まれた自身の股間を相手の頭に密着させた状態にして相手の胴体を両手で抱え込み、相手の体を垂直になるまで持ち上げて腿の裏の方から相手の股の間に右腕を差し込み、相手の股間を抱えるような形で自身の両手をクラッチして軽くジャンプして尻餅をつく形で着地すると同時に相手の頭部を打ちつける。物理的な衝撃以上に精神的ダメージが強い。

応用技としてタイツを脱いでTバック姿になって相手の頭をTバックの中に押し込み、自身の股間を相手の頭に直接密着させて仕掛けるのを真ゴッチ式男色ドライバーの名称で使用。

男色デストロイ[編集]

男色ディーノのオリジナル技。前屈みになった相手の頭を自身のタイツの中に押し込み、相手の胴体を両手で抱え込み、膝を軽く屈伸させて体を360度前方回転させるようにジャンプして尻餅をつき、宙に浮き上がった相手の頭部を上記の男色ドライバーの形で突き刺す。物理的な衝撃以上に精神的ダメージが強い。

安全式パイルドライバー[編集]

お笑いプロレス団体「西口プロレス」所属の三平×2のオリジナル技。相手を抱えて持ち上げるのではなく、相手に頭を軸に倒立してもらい、相手の両足に自身の頭を挟み込み、パイルドライバーを仕掛ける。むろん相手にダメージはない。

応用技として相手の頭の下に座布団を敷いて仕掛けるのを超安全式パイルドライバーの名称で使用。

架空の派生技[編集]

以下はプロレスや格闘技を題材にした漫画や対戦型格闘ゲームなどでみられるパイルドライバーの派生技である。得てして物理法則に反して現実世界で目にできる技ではない。

キン肉ドライバー[編集]

漫画『キン肉マン』の主人公であるキン肉マンの必殺技。空中に放り投げた相手の両足を掴んで股裂きしつつ上下にひっくり返して、さらに相手の両脇をそれぞれ足で踏みつけながらマットに叩きつける。キン肉マンの「火事場のクソ力」により落下スピードが上がることで足のフックを完璧なものとする。それだけに気力が充実していないと空中で外される可能性がある。作中では変形のツームストーン・パイルドライバーが原型とされており、続編の『キン肉マンII世』では「疾風迅雷落とし」という別名もつけられた。

スクリュー・パイルドライバー[編集]

対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターシリーズ』に登場するキャラクターのザンギエフの必殺技。相手を抱えてジャンプして、きりもみ式に回転しながら上昇しなおかつ回転を維持したまま落ちる。

後にベルトスクロールアクションゲームファイナルファイト2』やプロレスゲーム『マッスルボマー』でマイク・ハガーも使用している。

現実のプロレスではケニー・オメガヨシヒコを相手にザンギエフの得意技であるファイナルアトミックバスターのフィニッシュとして披露したが今のところ人間相手には使用されていない。

パイルドロップ[編集]

特撮番組『仮面ライダー(新)』の主人公であるスカイライダーの必殺技。特撮映画『仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王』で使用している。技の原理はキン肉ドライバーとほぼ同じだが、こちらはスカイライダーの特技である垂直飛びと技への捻りも含まれているため、威力は大きい。

脚注[編集]

  1. ^ Wrestler Profiles: "Killer" Buddy Austin”. Online World of Wrestling. 2010年8月8日閲覧。

関連項目[編集]