フェイス・バスター
フェイス・バスター(Face Buster)は、プロレス技の一種である。日本名は顔面砕き(がんめんくだき)。
目次
- 1 概要
- 2 派生技
- 2.1 ペディグリー
- 2.2 ゴード・バスター
- 2.3 スタイルズ・クラッシュ
- 2.4 F5
- 2.5 フラップ・ジャック
- 2.6 パイルドライバー式フェイス・バスター
- 2.7 ストローク
- 2.8 ブレイク・ダウン
- 2.9 コンプリート・ショット
- 2.10 カナディアン・バックブリーカー式フェイス・バスター
- 2.11 肩車式フェイス・バスター
- 2.12 ダブルチキンウィング式フェイス・バスター
- 2.13 C.T.B(クラッシュ・サンダー・バスター)
- 2.14 Xファクター
- 2.15 インプラントDDT
- 2.16 キル・スイッチ
- 2.17 フェイス・バスター・ニー・スマッシュ
- 2.18 コード・ブレイカー
- 2.19 ブラディー・クロス
- 2.20 熨斗紙
- 2.21 CR Ⅱ
概要[編集]
フェイス・バスターはブルドッギング・ヘッドロック、フェイス・クラッシャーと同様に顔面を叩きつける技であるが、これらが顔面や胴部のみにダメージを与える技なのに対してフェイス・バスターはパイルドライバーの要領で持ち上げて前のめりに倒れ込み、相手を、うつ伏せの状態で叩きつける技である。 膝などに相手の顔面を押し当てながらジャンプや踏みつけ、倒れこむ衝撃で相手の顔面にダメージを与える技もフェイス・バスターに分類される。
派生技[編集]
ペディグリー[編集]
ダブルアーム式フェイス・バスターとも呼ばれる。トリプルHのオリジナル技。ダブルアームの体勢からジャンプして股に挟んだ相手の顔面を叩きつける。日本人レスラーでの使い手ではディック東郷が有名である。
同型の技としては、神田裕之が半回転して捻るペディグリーを「琉's」、SUWAがジャンプせずに相手を持ち上げて叩きつける技を「FFF」の名称で使用。山川竜司と葛西純が開脚式を「リバース・タイガー・ドライバー」の名称で使用して、クリストファー・ダニエルズが、それを旋回して決める技を「エンジェル・ウィングス」の名称で使用。
ゴード・バスター[編集]
ブレーンバスターの体勢から後方ではなく前方に倒れこみ、相手をうつ伏せの状態で叩きつける。開脚式で落とす形もある。
主な使用者はアーン・アンダーソン、アニマル浜口、ヒロ斎藤、中邑真輔。
スタイルズ・クラッシュ[編集]
パイルドライバーの体勢から相手の左肩と右肩に脚をかけてロックして、そのまま前方に倒れこんで顔面を打ち付ける。
クラッシュ・ホーリーのオリジナル技で「クラッシュ・ランディング」の名称で使用。
そのまま技を解かずに回転エビ固めで押さえ込んでフォールを奪う他にセカンドロープからの雪崩式も存在する。バイソン・スミスは「バイソン・テニエル」の名称で使用。
主な使用者はAJスタイルズ、バイソン・スミス、棚橋弘至(AJスタイルズが新日本プロレスに参戦してからは封印している)、ケニー・オメガ(AJスタイルズのWWE移籍後から使用)。
なお、技をかけられた側は通常の受け身とは逆に、顎を出す形で受ける必要がある。バイソン・テニエルを受けた小川良成や、AJのスタイルズ・クラッシュを受けたヨシタツは顎を引いて受けてしまったことから頭部を強打。首を負傷し、長期欠場に追い込まれることとなった。WWEのリングでは、スマックダウン・ライブ#895でジェームス・エルスワースが同様に受け身を失敗したが、AJのとっさの判断(倒れ込む際に両膝を立てる形で着地する)で、大きな事故には至らなかった。
F5[編集]
ブロック・レスナーのオリジナル技。ファイヤーマンズキャリーの体勢で担ぎ上げて相手の頭を支点にしたまま足を投げ出して旋回させつつ、自らも後方に倒れ込みながらマットに叩きつける。
受身の取り辛い技であり、基本は相手を前面から叩きつける技だが相手にとっては受ける際に膝などへの負担が大きい為、体を横に流して受身を取る選手も多く、フェイス・バスターの形にならないこともある。
レスナー以外にも、ビッグ・ショーやマット・モーガンが一時使用。土井成樹が開脚して落とす形を「DOI555」の名称で使用。
F5という名称はWWEが商標登録をしている為、レスナーがWWE以外のプロレス団体に参戦した際には「バーディクト」の名称で使用。
フラップ・ジャック[編集]
走りこんできた相手を片方の肩に担ぎ、そのまま後方に倒れこんでマットに叩きつける。
パイルドライバー式フェイス・バスター[編集]
パイルドライバーの体勢から尻餅をついて脳天から落とさずに前方に倒れこんで相手を前面から叩きつける。
主な使用者はマリオ・ミラノ、ダイヤモンド・ダラス・ペイジ、ターザン後藤。
セザーロことクラウディオ・カスタニョーリはゴッチ式パイルドライバーの体制から前方に倒れ込んで相手を前面から叩きつける技を「ニュートラライザー」の名称で使用
ストローク[編集]
河津落としの体勢から後方に倒れず前方に倒れこむ事によって相手の顔面を叩きつける。
ディアンジェロ・ディネロはイライジャ・バークとしてWWEに所属していた頃に「イライジャ・エクスペリエンス」の名称で使用。
主な使用者はジェフ・ジャレット、ディアンジェロ・ディネロ。
ブレイク・ダウン[編集]
相手をフルネルソンの状態に捕らえて河津落としの体勢から前方に倒れこんで相手を叩きつける。
ザ・ミズは「スカル・クラッシング・フィナーレ」の名称で使用。 滝川あずさは「ブロードキャスター」の名称で使用。またアズサ・クリスティ時代は「クリスティ・アガペ」の名称で使用。
コンプリート・ショット[編集]
フラット・ライナーとも呼ばれる。クリス・キャニオンのオリジナル技。
相手と向かい合った状態で河津掛けの要領で組み合い、後方に倒れ込む事によって相手の顔面を打ちつける。
日本では外道が「コンプリート・ショット」、海外ではスコット・スタイナーが「スタイナー・フラットライナー」、エッジとミスター・アンダーソンが「マイク・チェック」の名称で使用。
シェルトン・ベンジャミンは飛び付いて高速で決めるフラット・ライナーを「ペイ・ダート」、アレックス・シェリーが組み合った状態から相手を一旦後方に仰け反らせてから顔面をマットに叩きつけるものを「シェル・ショック」の名称で使用。
カナディアン・バックブリーカー式フェイス・バスター[編集]
カナディアン・バックブリーカーの体勢から相手を腹ばいになる様に前面から叩きつける。
吉江豊が自らも相手を押しつぶす様に前方に倒れこむものを「カナディアン・ハンマー」、ロン・シモンズとボビー・ラシュリーが投げっ放しのものを「ドミネーター」の名称で使用。
田中将斗が叩きつける際に尻餅をつく様に倒れて右サイドに叩きつける技を「コンプリート・ダスト」、横須賀享が同型の態勢から左サイドに叩きつける技を「友情」、高橋裕二郎が同型の態勢から自らの両足の間に叩きつける技を「東京ピンプス」の名称で使用。
肩車式フェイス・バスター[編集]
相手を肩車して、その状態から前方へと叩きつける。
エッジは開脚して着地しながら叩きつけるものを使用。SUWAは、その際に相手の両足の爪先を持ち正座の様な状態にさせて落とす技を「ジェット・プール」、高木三四郎は自らも前方へ倒れこむ「ファイナル・アンサー」の名称でそれぞれ使用。両膝をついて倒れ込む型は「大吟醸」の名称で矢野通が使用。
主な使用者はSUWA、高木三四郎。
ダブルチキンウィング式フェイス・バスター[編集]
タイガー・スープレックスの要領で両腕を捕らえた相手を宙に浮かせて一旦その場で静止しながら両腕のクラッチを切って相手の腿辺りを抱え直して、うつ伏せの状態となった相手を自らの両足の間に叩きつける。
ポール・ロンドンが「ワッフル・フェイス」、田口隆祐が「どどん」、塚本拓海が「ずどん」の名称で使用。その他に田口は雪崩式で放つ「スーパーどどん」、人工衛星ヘッドシザーズの要領で飛びつき、空中でダブルチキンウィングに固めて背後に着地しながら放つ「くるくるどどん」やアルゼンチン・バックブリーカーの要領で担ぎ上げ相手の足を軸にして前方に投げ飛ばして「どどん」の要領で顔面を叩きつける「どどん・ジ・エンド」を得意技としている。
主な使用者はポール・ロンドン、田口隆祐、塚本拓海
C.T.B(クラッシュ・サンダー・バスター)[編集]
獣神サンダー・ライガーのオリジナル技。アトミック・ドロップの体勢で抱え上げて、そのまま開脚した前方に相手を叩きつける。
AJスタイルズが「スタイルズ・バスター」の名称で使用。
Xファクター[編集]
Xパックのオリジナル技。前方から両手で相手の頭を掴み、自らはジャンプして開脚で着地して、その流れで相手をマットに叩きつける。
軽量級選手がパワーボムに対するカウンターとして用いる事もある。
インプラントDDT[編集]
前方から相手の首をわき腹に挟みこみ、その後空中に持ち上げて一気に頭からマットに叩きつける。
名前の通り、技としては頭を叩きつけるDDTなのだがDDTの定義で技を仕掛けると相手によっては頭部や首に重大なダメージを負わしかねない非常に危険な技である為、顔面から叩きつけるフェイス・バスターになっている事が多い。
ギャングレルが「インペイラー」、エッジが「エッジキューション」、ジョニー・エースが「ジョニー・スパイク」、黒田哲広は「哲っちゃんバスター」の名称で使用。ボビー・ルードが「グロリアスDDT」の名称で使用
主な使用者はエッジ、ジョニー・エース、ボビー・ルード。
キル・スイッチ[編集]
背後からタイガー・スープレックスの要領で相手の両腕を捉えた状態から自分の体を右方向へ180度捻り、相手の顔が下を向いた状態に移行させ、最後に大きくジャンプしながら尻餅をつくように着地して、その勢いで前のめりに倒した相手の顔面をマットに叩きつける。クリスチャンが開発した技であり、「アンプリティア」の名称で使用。
ジュース・ロビンソンは「パルプ・フリクション」、鹿島沙希は「my emblem」の名称で使用。
主な使用者はクリスチャン、小峠篤司、ジュース・ロビンソン、鹿島沙希。
フェイス・バスター・ニー・スマッシュ[編集]
トリプルHが使用する定番ムーブ。ロープリバウンド時にショルダースルーなどの技を仕掛けようとする相手に対し相手の頭を掴み自分の膝を押し当て、ジャンプして着地した衝撃でダメージを与える。この技からペディグリーへ繋ぐのがトリプルHの必勝パターン。
コード・ブレイカー[編集]
向かい合わせとなった相手の首に両手を回してジャンプして両膝を折り畳みながら相手の顔の前に突き出す。その状態のまま背中からマットに着地して相手の顔ないし顎に両膝をめり込ませる。
BUSHIはコーナートップから飛びついて同技を仕掛ける「エム・エックス」の名称で使用。中邑真輔は相手に片足を捕らえられた際に、その切り返しとなるカウンタームーブとしても使用。
主な使用者はクリス・ジェリコ、中邑真輔。
ブラディー・クロス[編集]
石森太二のオリジナル技。ハーフハッチの要領で持ち上げ、自らのヒザを相手の顔面付近に押しつけながら落下していく飛びつき式変型フェイスバスター。旧名は「ブラディ・スロー」。
熨斗紙[編集]
ゴリー・スペシャルのように、相手と背中合わせになった状態で相手を自分の背中に担ぎ上げ、そのまま後ろに倒れこむ変形のフェイスバスター。倒れ込む際に相手の両腕を離し、両足を掴んで勢いをつける。主な使用者は岩佐拓、鷹木信悟。
CR Ⅱ[編集]
エル・ファンタズモのオリジナル技。ドリル・ア・ホール・パイルドライバーの状態から、相手の腕を背中でクロスさせた状態で持ち上げ、ジャンプと同時に相手の前面をマットに叩きつける。背中で腕が固定されるため、受け身が取れない技である。