BIOHAZARD GAIDEN

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バイオハザード ガイデン
BIOHAZARD GAIDEN
RESIDENT EVIL GAIDEN
ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 ゲームボーイカラー
開発元 M4
発売元 PAL ヴァージン英語版
日本 カプコン
アメリカ合衆国 カプコン
プロデューサー サラ・トンプソン
デザイナー ティム・ハル
加藤弘喜
シナリオ 加藤弘喜
プログラマー キーロン・ウィーラー
音楽 シャヒード・アーマッド
美術 ステファン・バーネット
シリーズ バイオハザードシリーズ
人数 1人
メディア 16メガビットロムカセット
発売日 PAL 200112142001年12月14日
日本 200203292002年3月29日
アメリカ合衆国 200206032002年6月3日
その他 型式:PAL CGB-BIOP-EUR
日本 CGB-BIOJ-JPN
アメリカ合衆国 CGB-ARHE-USA
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BIOHAZARD GAIDEN』(バイオハザード ガイデン)は、2002年3月29日に日本のカプコンから発売されたゲームボーイカラーアクションアドベンチャーゲーム2001年12月14日イギリスヴァージンインタラクティブ英語版から欧州などで発売された『Resident Evil Gaiden』の日本版である。

バイオハザードシリーズ』としては初となる任天堂ハード用として発売された、同シリーズの外伝作品である。主人公のバリー・バートンを操作し、特殊任務のため豪華客船STARLIGHT号に乗り込み音信不通となったレオン・S・ケネディを救出する事を目的としている。ハード特性によりゲーム画面は見下ろし型となり、戦闘シーンは独自のシステムを採用している。

開発はイギリスのM4が行い、プロデューサーはWindows用ソフト『DESCENT3』(1999年)を手掛けたサラ・トンプソン、企画およびシナリオはドリームキャスト用ソフト『バイオハザード CODE:Veronica:』(2000年)にてディレクターを担当した加藤弘喜[1]、ゲーム・デザインはゲームボーイカラー用ソフト『Jeremy McGrath Supercross 2000』(2000年)を手掛けたティム・ハル、音楽はゲームボーイ用ソフト『最後の忍道』(1993年)を手掛けたシャヒード・アーマッドが担当している。

ゲーム内容[編集]

ゲームボーイカラーというプラットフォームによる制約から、画面は2Dマップ見下ろし型となっており、従来のシリーズ作品とはプレイ感覚は異なる。移動シーンと戦闘シーンが区別されており、戦闘時には本作独自のシステムが採用されている[2]

そのマップ方式から一見すると同社のファミリーコンピュータ用ソフト『スウィートホーム』(1989年)のようなホラーテイストのRPG系のタイトルを連想させるという評論家筋の分析があるが、戦闘システムは独特の形式で戦闘時は一人称視点(FPS)となり、画面の表示に合わせてボタンをタイミングよく押して敵を倒していく。2Dゲームの枠内で一種のリアルタイム性を狙ったものであり、この戦闘システムからシューティングゲームの一種とも言われている。難しい漢字はカタカナ表記になっている。また、本作の敵キャラクターはボス以外ゾンビしか存在しない。

ストーリー・設定[編集]

元S.T.A.R.S.隊員やアンブレラ薬品からの脱走者が、アンブレラに対抗する地下組織を結成した。バリー・バートン、レオン・S・ケネディもその地下組織に参加している。他人に擬態する能力を持った新型B.O.W.が豪華客船STARLIGHT号に乗り込んだことから、最初にレオンが抹殺任務を帯びて同船に潜入する。しかしレオンからの連絡が途絶えたことで次にバリー・バートンが派遣されることとなった。

ゲーム開始時、プレイヤーはバリーを操作し、ゲームの展開によってレオンと一時交代しつつ進行していく。レオンがエージェントとして活動していることから、時系列上ではPlayStation用ソフト『バイオハザード2』(1998年)より後に位置している。エンディングにて、レオン、バリーと、STARLIGHT号の生き残りであるルシアの3名が船からの脱出に成功するが、無線機で無事を報告するレオンの切り傷から、緑色の血が流れていた(アップで強調されている)。このレオンの血の色については、後のシリーズ作品で説明されていない。

『バイオハザード CODE:Veronica 完全版』の限定版特典『ウェスカーズリポート』では、レオンは反アンブレラを掲げる地下組織の一員となったと本作での繋がりが示唆されるが、後に『バイオハザード HDリマスター』の特典で再収録された際はカットされており、レオンはラクーン事件後、政府の闇に身を置いたことになっている。

キャラクター[編集]

レオン・S・ケネディ(Leon S.Kennedy)
21歳。地下組織のメンバー。威張ることがあるが、ユーモアにあふれているため仲間からは人気がある。水泳が苦手[3]
バリー・バートン(Barry Burton)
主人公。38歳。元S.T.A.R.S隊員で、地下組織での武器の管理を担当している。レオンを裏切ってアンブレラを利用するが、船内が感染者だらけになると見るや否や心変わりして一度裏切ったレオンを助ける。
ルシア(Lucia)
13歳。STARLIGHT号唯一の生き残りで、読心術のような特殊な力を持っている。
新型B.O.W.[4](正式名称不明)
任務のターゲットとなる存在で、他人に擬態する能力を持つ。普段は衣服を身につけておらず、腹部から多数の触手を出す。潜水艦の外殻を打ち破るパワーを誇る。物語中盤に人間との判別方法として血液が緑色であることが明らかになる。

スタッフ[編集]

カプコン制作スタッフ
  • アドバイザー:三上真司
  • シナリオ、企画:加藤弘喜
M4 Ltd.制作スタッフ
  • ゲームエンジン・プログラマー:ジェイムズ・コックス
  • 主任プログラマー:キーロン・ウィーラー
  • サポート・プログラマー:オーディン・フィリップス
  • 主任アーティスト:ステファン・バーネット
  • 背景アーティスト:ブルース・シルバーストーン
  • プレゼンテーション・アーティスト:マーク・ブラウン
  • アーティスト:エリオット・カーティス
  • ミュージシャン:シャヒード・アーマッド
  • ゲーム・デザイナー:ティム・ハル
  • エグゼクティブ・プロデューサー:ティム・ハル、ジェイムズ・コックス
  • 協力:マーヴィン・ヒル
ヴァージンインタラクティブ制作スタッフ
  • プロデューサー:サラ・トンプソン
  • チーフQA:スティーヴン・フレイザー
  • 主任テスター:ロバート・マーシュ
  • テスター:ジョン・シルバースター、ロイ・ゲイ
  • マーケティング:アリソン・グラント
  • PRマネージャー:ジョン・ブルック
  • プロダクト・マネージャー:バーニー・ヨーク
  • ローカライズ・マネージャー:ハラルド・シモン
ローカライズ
  • フランス語:Around The Word
  • ドイツ語:Effective Media
  • イタリア語:Project Synthesis
  • スペイン語:Pink Noise
  • 協力:大原晋作、大山哲郎、たなかけん

評価[編集]

評価
集計結果
媒体結果
GameRankings56.46%[5]
レビュー結果
媒体結果
Computer and Video Games7/10点[6]
ファミ通22/40点[7]
ゲーム・インフォーマー7.5/10点[9]
GamePro2.5/5stars[8]
GameSpot5/10点[10]
IGN4/10点[11]

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計22点(満40点)となった[7]。専門書籍によると、海外のメーカーが開発したものを逆輸入した作品で、キャラクターも何もかもが本家シリーズと違うため、バイオハザードファンには非常に違和感がある、とされている。黒を基調とした画面に、敵ゾンビには影までついているので、非常に見づらいという声もある。レオンを始めとした登場人物のキャラクター崩壊などもあって、バイオハザードシリーズとしての評価は低い[12]

脚注[編集]

  1. ^ 「続編ではなく,オリジナルで楽しい作品を」三上氏”. SOFTBANK GAMES NEWS INDEX. ITmedia (2002年11月14日). 2021年6月13日閲覧。
  2. ^ 前田尋之 2018, p. 199- 「Chapter 2 ゲームボーイソフトオールカタログ 2002年」より
  3. ^ ただし、『バイオハザード4』にはクロールで泳ぐシーンがある。
  4. ^ オオオトコやアメーバと呼ばれることもある。
  5. ^ Resident Evil Gaiden for Game Boy Color”. GameRankings. CBS Interactive Inc.. 2010年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年1月24日閲覧。
  6. ^ Skittrell, Lee (2001年12月31日). “Resident Evil Gaiden Review”. ComputerAndVideoGames.com. Dennis Publishing Limited. 2006年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年9月1日閲覧。
  7. ^ a b バイオハザード GAIDEN まとめ [ゲームボーイ]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2021年6月13日閲覧。
  8. ^ Major Mike (2002年6月5日). “Resident Evil Gaiden Review”. GamePro. GamePro Media, Inc.. 2009年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年1月24日閲覧。
  9. ^ Resident Evil: Gaiden for Game Boy Color (2001)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2021年6月13日閲覧。
  10. ^ Provo, Frank (2002年7月31日). “Resident Evil Gaiden Review”. GameSpot. CBS Interactive Inc.. 2009年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年1月24日閲覧。
  11. ^ Harris, Craig (2002年6月26日). “Resident Evil Gaiden Review”. IGN. IGN Entertainment, Inc.. 2011年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年1月24日閲覧。
  12. ^ 懐かしゲームボーイパーフェクトガイド 2017, p. 19.

参考文献[編集]

  • 『M.B.MOOK 懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』マガジンボックス、2017年2月25日、19頁。ISBN 9784866400259 
  • 株式会社QBQ 編『ゲームボーイクソゲー番付』マイウェイ出版、2017年9月25日、94 - 95頁。ISBN 9784865117790 
  • 前田尋之『G-MOOK154 ゲームボーイパーフェクトカタログ』ジーウォーク、2018年11月29日、199頁。ISBN 9784862978226 

外部リンク[編集]