スチュワート・コープランド
スチュワート・コープランド | |
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基本情報 | |
出生名 | スチュワート・アームストロング・コープランド |
生誕 | 1952年7月16日(68歳) |
出身地 |
![]() バージニア州アレクサンドリア |
ジャンル | ロック, レゲエ, ポップ・ミュージック, ニュー・ウェイヴ, ジャズ |
職業 | ミュージシャン, 作曲家 |
担当楽器 |
ドラムス パーカッション ヴォーカル キーボード |
活動期間 | 1975年 - 現在 |
レーベル |
A&Mレコード Koch Records |
共同作業者 |
ザ・ポリス クラーク・ケント アニマル・ロジック オイスターヘッド ギズモ |
公式サイト | www.stewartcopeland.net |
スチュワート・アームストロング・コープランド(Stewart Armstrong Copeland、1952年7月16日 - )は、アメリカ合衆国のプロミュージシャンである。イギリスのロックバンド、ポリス(The Police)のドラマー。3人編成という少人数バンドで、手数が多いのにもかかわらず曲に彩りを与え歌を引き立たせる独自のドラムスタイル。複雑なリズムを叩きながらも同時にハーモニーも歌う。ロックドラムに留まらず影響を与え続けているドラマーの一人。ポリスの活動以外にもいくつかのバンドでの活動をしつつ、一方で、コッポラ映画などでのサウンドトラックを手がけ、オーケストラを率いての公演もおこなう。ドラムやパーカッション以外にも管楽器、弦楽器、鍵盤楽器など多くの楽器を演奏し、オーケストラのスコアリングも自らおこなう。
2010年の「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のドラマー」に於いて、第7位。
来歴[編集]
バージニア州のアレクサンドリアで4人兄弟の末っ子として生まれた。父マイルス・コープランドJrはミュージシャンでありCIAの設立時メンバーエージェント。レバノンのベイルートでビューローチーフを務めた。エジプト大統領ナセルとの関係も深かった。母はスコットランド人の考古学者。長男マイルス・コープランド3世はインディレーベルを創業しポリスはここからデビューした。のちI.R.S.レコードを創業しR.E.M.やゴーゴーズを世に送り出した。またポリスの初期のマネージャーも務めた。次男のイアンは、ポリスのブッキング・エージェントを務めている。スチュワートはミュージシャンであった父親の楽器を引き継いで所有し、また演奏している。
スチュワートは、生後数ヶ月でエジプトのカイロに転居し、1957年にベイルートに転居。少年時代を中東で過ごし、12歳でドラムを始めた。1967年から2年間イングランドの学校で学び、その後カリフォルニア州の大学に通った。イングランドに戻り、1975年にプログレッシブ・ロック・バンドのカーヴド・エアに加入、2枚のアルバムに参加した。また、1982年にはバンドボーカリストのソーニャ・クリスティーナと結婚している(後に離婚)。
ポリス[編集]
1976年12月、すでに解散することが決まっていたカーブド・エアのラスト・ツアーの最中、1974年からジャズ・フュージョン・バンド、ラスト・イグジットを結成して活動していたスティングのステージを偶然見て一目惚れ、度重なる説得をして、1977年にポリスを結成[1]。スチュワートは当初、パンクブームに乗るバンド構想を立てたが[1][2]、その後はレゲエやプログレなどの要素も組み入れ、1980年代を代表するバンドの1組となる。
よく挙げられるレコードと楽曲:
- Outlandos d'Amour - "So Lonely", "Roxanne", "Can't Stand Losing You"
- Regatta de Blanc - "Message in a Bottle", "Walking on the Moon", "The Bed's Too Big Without You"
- Zenyatta Mondatta - "Driven to Tears", "Don't Stand So Close to Me", "Man in a Suitcase"
- Ghost in the Machine - "Invisible Sun", "Every Little Thing She Does Is Magic"
- Synchronicity - "Synchronicity I", "King of Pain", "Wrapped around Your Finger", "Every Breath You Take", "Synchronicity II"
コープランドはまた、クラーク・ケントというペンネーム・芸名でもレコーディングを行っている。1978年にイギリスのヒットチャートに入った "Don't Care" 、1980年にリリースされたグリーン10インチアルバム、アフリカへの巡礼の旅の結果生まれた1985年にリリースされた The Rhythmatist などである。
ポリス活動停止期間中の活動[編集]
1986年のポリス活動停止中、スチュワートはジャズベーシストのスタンリー・クラーク、シンガーソングライターのデボラ・ホーランドとアニマル・ロジックを結成する。このトリオはファースト・アルバムで成功し世界ツアーにも出たが、その後はレコード・セールスは下がり、バンドは続かなかった。
コープランドは映画のサウンドトラックを書き始めた。Talk Radio、『ウォール街 (Wall Street) 』、See No Evil, Hear No Evil などである。テレビ番組『ザ・シークレット・ハンター (The Equalizer) 』や Dead Like Me、ビデオゲーム『スパイロ・ザ・ドラゴン』のサウンドトラックや、オペラやバレエの楽曲も書き始めた。1983年、フランシス・フォード・コッポラ監督の映画『ランブルフィッシュ』の音楽で、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。コープランドはテレビドラマ『バビロン5』のテレビジョンパイロット『序章(前編・後編)(ビデオ/LD邦題:CGスペース・アドベンチャー バビロン5)』"The Gathering" の音楽も書いたが、番組が週次でシリーズ化されると音楽担当は元タンジェリン・ドリーム (Tangerine Dream) のクリストファー・フランケに変わった。またテレビジョンパイロットのライターズ・エディションが放映されたときは、クリストファー・フランケのものに代わっていた。
ピーター・ガブリエルなど他のアーティストのバックでもドラムを演奏した。2000年、プライマスのベーシスト Les Claypool 、フィッシュのギタリスト Trey Anastasio と、ジャムバンド Oysterhead を作った。2002年、ドアーズのレイ・マンザレクとロビー・クリーガーに、新アルバムのレコーディングとツアーに起用されたが、怪我のあと、相互に民事訴訟を起こすという形に終わった。2005年、アバンギャルドギタリスト David Fiuczynski と新しいプロジェクト Gizmo をスタートさせた。
2006年に、ポリスを描いた映画「Everyone Stares: The Police Inside Out」をサンダンス映画祭に出品した。
2006年4月現在、BBC放映のテレビ番組『Just the Two of Us』にジャッジとして出演。8人のセレブリティが8人のプロの歌手とデュエットを組んで歌を歌うという番組である。
2007年 ポリス再結成[編集]
49回グラミー賞でポリス再結成を果たし、ワールドツアーを敢行。5月のカナダを皮切りに、米国や欧州を回り、最終地は日本で2008年2月に来た。スチュワートは、映画『Everyone Stares: The Police Inside Out』のプロモーションのため春に来日した。その際、パンクスプリングにDJとして出演。
ドラミング[編集]
精密かつエネルギッシュで、スネアドラムではなくバスドラムでバックビートを打つという、レゲエに影響を受けた革新的なドラムスタイルで知られる。彼の独特のサウンドの特徴は、硬くてハイピッチにチューニングした“クラック”スネアドラムとリムショットをその中心に置き、しばしばハイハットとバスドラムだけで演奏される手数の多い巧みなハイハットワークにある。ポリリズムを用いるアプローチは、同時代のドラマーに大きな影響を与えるその独特なプレイスタイルを確固とするものである。ただし「ポリス・ライヴ」などを聴くと、かなりリズムが「走る」タイプのドラマーであることがわかる。高橋幸宏は、彼のドラミングについて、タイミングが前であること、フラムの多用を特徴として挙げている[3]。
また、その高い技術・腕前を見せるというよりも、歌・楽曲への敬意としてグルーヴ感を強調するプレイで知られる。このことの大切さを、ドラム・クリニックでも強調している。その時コープランドは、観客に何かを示せる数少ない現代のドラマーの1人だ、と紹介され、シンプルなロックのビートを2分間、叩いてみせた。たった2分間にも関わらず、彼のプレイの微妙な変化はグルーヴ感を増し、観客の心を満たしてみせた。シンプルでありながら楽曲を壊す事のない、しかしそれでいて存在感のあるプレイスタイルが彼の持ち味と言えよう。
TAMAのドラムとパイステのシンバルを長きに渡り愛用している。パイステからは、近年スチュワート・コープランドモデルのライドシンバルが発売された。シンバルのエッジとカップ部分以外の全体がメタリックブルーに着色されていると言う特徴を持つ。また、日本が誇るパーカッショニストのツトム・ヤマシタとTAMAの共同開発の「オクタバン」を画期的に使用していた。グリップはレギュラーグリップで、ほぼ全曲の演奏をこなす。左手のスナップや指先のコントロールは絶妙である。
脚注[編集]
- ^ a b 『THE POLICE & STING』 SHINKO MUSIC MOOK アーカイヴ・シリーズ Vol.16 シンコーミュージック 2008/1/31 ISBN 978-4-401-63173-5 History 1978-1983 立川芳雄 P21
- ^ 『rockin' on』 株式会社ロッキング・オン 2008年3月号 連載ROCK GREATS SPECIAL vol.27 THE POLICE P81
- ^ 『スコラ 坂本龍一 音楽の学校 ドラムズ&ベース 2回目〜ドラムの演奏におけるリズム論〜』(2010年6月5日初回放送)
外部リンク[編集]
- スチュワート・コープランド公式サイト
- Stewart Copeland at Drummerworld
- Stewart Copeland at BehindTheDrums.com - discography and equipment list
- Stewart Copelandの作品 - MusicBrainz(英語)
- スチュワート・コープランド - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- Stewart Copeland Interview
- PUNKCAST#1013 Q&A at Walter Reade Theater NYC, Aug 5 2006. (Realplayer, mp4)
- Stewart Copeland: the Think Different Drummer Mac OS X Conference keynote (MP3)
- Stewart Copeland at G. Schirmer, Inc.
- Another Biography
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