アニマルズ
アニマルズ | |
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![]() 左から、エリック・バードン、アラン・プライス、チャス・チャンドラー、ヒルトン・ヴァレンタイン、ジョン・スティール(1964年) | |
基本情報 | |
別名 |
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出身地 |
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ジャンル | |
活動期間 | |
レーベル | |
公式サイト | Animalsandfriends.info |
メンバー |
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旧メンバー |
アニマルズ(The Animals)は、イギリスのロックバンドである。音楽性はブルース・ロック、ブルー・アイド・ソウルなどだが、1960年代後半にアメリカに渡ってからは、反戦歌「スカイ・パイロット」などのサイケデリック・ロックの作品も残した。1960年代半ば、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、キンクスなどと共に人気を博した。アメリカでは、いわゆるブリティッシュ・インベイジョンの代表格のバンドの一つとされている。ブルースに根ざした作風が特徴だった。
ボーカルのエリック・バードンが「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第57位にランクインしている[2]。
キャリア[編集]
1963年、イギリスのニューカッスル・アポン・タインでエリック・バードン(ボーカル)、アラン・プライス(オルガン、ピアノ)、ヒルトン・ヴァレンタイン(ギター)、チャス・チャンドラー(ベース)、ジョン・スティール(ドラムス)の5人で結成。バンド名はグラハム・ボンド・オーガニゼーションのグラハム・ボンドが命名[3]。ライブがあまりにもワイルドだったため、観客から「Animal!」という声が多くかかったことから、メンバー自ら名乗るようになったという由来が語られたことがあるが、2013年のインタビューでエリック・バードンが否定している。
音楽性はブルース色が非常に強く、ジョン・リー・フッカーの「Boom Boom」などをコピーしている。対照的に、シングル曲にはヒットを意識してブリル・ビルディング系の作曲家の作品が多く取り上げられる。
多数のヒット曲の中、「朝日のあたる家」が最大のヒット曲として知られている。これはアメリカの伝統的なフォーク・ソングを、ブルース的な解釈でカバーしたものである。また、「朝日のない街」(We Gotta Get out of This Place)は、全英2位に輝き、ブルース・スプリングスティーンやボン・ジョヴィなど、多くのアーティストがカバー。ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2011年版)では235位にランクされた[4]。特にスプリングスティーンはこの曲について、彼の1970年代の曲作りにおいて影響を受けた曲の1つとインタビューで語っている[5]。 他にも「悲しき願い」(オリジナルはニーナ・シモン。70年代にサンタ・エスメラルダのカバー版もヒット)、「孤独の叫び」(後にグランド・ファンク・レイルロードがカバー)など数多くのヒットを放つ。
同じ時期に活躍していたこともあり、ビートルズとも仲が良かった。チャス・チャンドラーは、ジミ・ヘンドリックスを見出したことでもよく知られている。
1966年に、本拠地をサンフランシスコへ移し「エリック・バードン&ジ・アニマルズ」として再始動し、グレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレインなどとシスコ・サウンド(ウェストコースト・ロックのひとつ)と呼ばれるようになる。この時期の代表曲に「サンフランシスコの夜」があり、また1968年の曲「スカイ・パイロット」は、サイケデリック・ロックの反戦歌と認識されている。1968年4月にズート・マネー(キーボード、ベース、ボーカル)、同年7月に以前ズート・マネーズ・ビッグ・ロール・バンドとダンタリオンズ・チャリオットでマネーと共に活動した元ソフト・マシーンのアンディ・サマーズ[注釈 1](ギター)が加入し、10月に2枚組アルバムLove Isを発表した[注釈 2][6]。
エリック・バードン&ジ・アニマルズの日本公演は、当初1968年9月の予定であったが、ビザ取得が困難だったため同年11月に延期されて実現した。この際のトラブルとしてよく知られている事件は、日本のプロモーターが彼等が全く面識のない反社会的勢力で、マネージャーを監禁して来日の延期で損失した金額として$250,000を要求したうえ、翌日までにバンドと共に出国しなければメンバー共々危害を加えると脅したことである。マネージャーは$250,000の借用書に署名させられたが、機転を利かせて相手が英語がわからないことをいいことに、自分は銃を突きつけられているので署名したと借用書に書き込んだ。そして、彼等はツアー用機材を全て残して、直ちに日本を去った[7]。
1975年および1983年に、オリジナル・メンバーで一時的に再結成した。1994年に、ロックの殿堂入りを果たしている。
ディスコグラフィ[編集]
アルバム[編集]
- 『ジ・アニマルズ』 - The Animals (1964年、US) / The Animals (1964年、UK)
- 『ジ・アニマルズ・オン・ツアー』 - The Animals on Tour (1965年、US)
- 『アニマル・トラックス』 - Animal Tracks (1965年、UK) / Animal Tracks (1965年、US)
- 『アニマリズムズ』 - Animalisms (1966年、UK) / Animalization (1966年、US)
- 『アニマリズム』 - Animalism (1966年、US)
- 『エリック・イズ・ヒア』 - Eric Is Here (1967年、US) ※エリック・バードン&ジ・アニマルズ名義
- 『サンフランシスコの夜』 - Winds of Change (1967年) ※エリック・バードン&ジ・アニマルズ名義。旧邦題『ウィンズ・オブ・チェンジ』
- 『野性の若者たち』 - The Twain Shall Meet (1968年) ※エリック・バードン&ジ・アニマルズ名義。旧邦題『トウェイン・シャル・ミート』
- 『エヴリー・ワン・オブ・アス』 - Every One of Us (1968年、US) ※エリック・バードン&ジ・アニマルズ名義
- 『愛』 - Love Is (1968年) ※エリック・バードン&ジ・アニマルズ名義。旧邦題『ラヴ・イズ』
- 『ビフォー・ウィー・ワー・ソー・ルードリー』 - Before We Were So Rudely Interrupted (1977年)
- 『アーク』 - Ark (1983年)
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d e Deming, Mark. The Animals Biography, Songs & Albums - オールミュージック. 2021年12月16日閲覧。
- ^ Rolling Stone. “100 Greatest Singers: Eric Burdon”. 2013年6月8日閲覧。
- ^ 白谷潔弘 『ブルース・ロック・アンソロジー ブリティッシュ編』シンコーミュージック・エンタテイメント、2017年、26頁。ISBN 9784401644926。
- ^ Rolling Stone. “500 Greatest Songs of All Time: The Animals, ‘We Gotta Get Out of This Place’”. 2019年12月7日閲覧。
- ^ DoubleTake. “Will Percy Interviews Bruce Springsteen”. 2019年12月7日閲覧。
- ^ Summers (2006), p. 165.
- ^ Summers (2006), pp. 173–179.
注釈[編集]
参考文献[編集]
- Summers, Andy (2006), One Train Later: A Memoir, Piatkus, ISBN 978-0-7499-5150-4