コロン (記号)

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コロンcolon)は、欧文約物のひとつ「:」である。

自然言語での用法[編集]

国際的な用法[編集]

引用[編集]

直接引用句を持つ複文の中で、引用句の前におく。1行内で使うほか、コロンと引用句の間で改行する(しばしば引用句をインデントする)こともある。ただし現代英語では、強調する場合以外はコンマを使う。

He looked at the picture and exclaimed: “What a beautiful picture!”

He looked at the picture and exclaimed:

What a beautiful picture!

(彼は絵を見て驚いた。「なんて美しい絵だ」)

言い換え[編集]

説明言い換え。「X: Y」は、「X、つまりY」「X、言い換えるとY」、あるいは文中でなく単独で使われた場合は「XはYである」と意訳できる。

(3つの果物がある、りんごオレンジ、そしてブドウ

  • The agenda are as follows:

アジェンダは以下の通り)

その他[編集]

  • 時刻時間の、を区切る。時刻としての使用は ISO 8601 で規定されている。
    12:34:54(12時34分54秒、12時間34分54秒)
    12:34(12時34分、12時間34分、12分34秒)
  • 書物(特に聖書)の番号番号を分ける。たとえば「ヨハネ1:15 (John 1:15)」はヨハネによる福音書第1章第15節。
  • チェス棋譜で、を取ることを表す。たとえば「Nf3」はナイト (N) がf3に移動することを表すが、「N:f3」はf3に移動してそこの駒を取ることを表す。

ローカルな用法[編集]

(拝啓)

  • Dear Mr. Tarou:

(たろう様[男性])

数学での用法[編集]

  • 除法(割り算)を表す。÷。「割る」と読む。(日本ではあまり使われない。)
  • を表す。「対」(たい、つい)と読む。除算と異なり、「a : b : c」のように3つ以上並べる記述も可能である。
  • =(等号)と組み合わせた「:=」は、定義を表す。Unicodeでは1つの文字 (U+2254) が用意されている。
  • 集合を、を表す一時的な変数を使って定義する。たとえば、\{x \in \mathbb R : 10 < x \} は「10より大きい実数の集合」。ただしこれは \{x \in \mathbb R \mid 10 < x \} とも表す。
  • 行列内積を表す。
    A:B := \sum_i \sum_j A_{ij} B_{ij} \, (2つ目のコロンは「定義」)

コンピュータでの用法[編集]

プログラミング言語[編集]

  • いくつかのプログラミング言語では、ラベル(命令文の行に付ける名前)の終わりに使われ、goto文等のジャンプ先を示す。
  • いくつかのプログラミング言語では、"::" と二つ続けてスコープ解決演算子として使われる。
  • BASICでは、行内での命令セパレータ(区切り)である。つまり、1行で複数の命令を実行させたいとき(IF THEN ELSE構文など、1行で書く必要があった)各命令の間にコロンを置く。これをマルチステートメントと呼び、処理系によっては容量の節約や実効速度のわずかな向上が見込めるが、ソースリストが読みにくくなるという弊害を伴いやすい。しかし、1行の入力で即時に実行されるダイレクトモードでは、複数の命令で処理を行いたいならば下の例のようにマルチステートメントを使う必要がある。
    P=19800:T=1.05:PRINT P*T
  • Object REXX ではディレクティブの構文の前に::が置かれる(::CLASS, ::METHOD, ::REQUIRES, ::ROUTINES, ::ATTRIBUTE, ::CONSTANTなど)
  • いくつかの言語で「:=」が代入を表す。なおそれらの言語では「=」は(代入ではなく)等号である。
  • 範囲を表す。
    • MATLABやその影響を受けたScilabOctaveなどでは、等差数列からなるベクトル(配列)を表す。たとえば、「10:20」は「10 11 12 … 10」、「100:10:200」は「100 110 120 … 200」。
    • Pythonでは、スライス(リストの一部を取り出したもの)の添数の範囲を表す。たとえば「a[1:10]」。
    • Microsoft Excel ではセルの範囲を表す。たとえば「A10:20」は「セルA10からA20まで」。
  • Pythonではそのほか、ブロックの始まり、無名関数の定義、辞書型の初期化などを表す。

その他のコンピュータ分野[編集]

版組み[編集]

大文字・小文字[編集]

アルファベットを使い文頭を大文字で始める言語では、コロンの後を大文字で始めるか小文字で始めるかが問題になる。

イギリスヨーロッパ大陸の大半では小文字、アメリカ合衆国では大文字で始めることが多い。アメリカの The Chicago Manual of Style は、コロンの後に直接引用句または複数の文が続くときに大文字で始めるとしている。

スペース[編集]

欧文では、伝統的に、コロンの前に狭いスペース、後に広いスペースが入れられてきた。フランス語では現在もこのスタイルだが、現在の英語では、コロンの前のスペースは入ず、後にのみ入れる。

日本語の横書き版組みでは、コロンを半角とし、その前後に4分角(14角)ずつのスペースを入れ、合わせて全角とする。等幅フォントでは、これら前後のスペースを含めた全角分のグリフが全角コロンにデザインされている。

符号位置[編集]

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
: U+003A 1-1-7 &#x3A;
&#58;
コロン
colon
˸ U+02F8 &#x2F8;
&#760;
modifier letter raised colon
܃ U+0703 &#x703;
&#1795;
syriac supralinear colon
܄ U+0704 &#x704;
&#1796;
syriac sublinear colon
U+1365 &#x1365;
&#4965;
ethiopic colon
U+1804 &#x1804;
&#6148;
mongolian colon
U+205D &#x205D;
&#8285;
tricolon
U+2236 &#x2236;
&#8758;

ratio
U+A6F4 &#xA6F4;
&#42740;
bamum colon
U+A789 &#xA789;
&#42889;
modifier letter colon
U+FE55 &#xFE55;
&#65109;
small colon
U+FF1A 1-1-7 &#xFF1A;
&#65306;
コロン(全角)
fullwidth colon

関連項目[編集]