ドン (通貨)

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ドン
đồng Việt Nam(ベトナム語)
50dong1985.jpg
50ドン紙幣
ISO 4217
コード
VND
中央銀行 ベトナム国家銀行
 ウェブサイト www.sbv.gov.vn
使用
国・地域
 ベトナム
インフレ率 3.5%
 情報源 The World Factbook Inflation rate (consumer prices)
(2017年)
補助単位
 1/10 ハオ(通貨廃止)
計算上のみで、硬貨・紙幣ともに発行されていない。
 1/100 シュウ(通貨廃止)
計算上のみで、硬貨・紙幣ともに発行されていない。
通貨記号
複数形 この通貨の言語に形態学的な複数形区別はない。
硬貨
 流通は稀 200
500
1000
2000
5000
紙幣
 広く流通 1000
2000
5000
10,000
20,000
50,000
100,000
200,000
500,000
 流通は稀 100, 200, 500

ドンベトナム語đồng)は、ベトナム通貨単位。国際通貨コード (ISO 4217) はVND。通貨記号はであらわす。補助単位はハオ(hào, 毫)と、シュウ(xu, 樞)であり、1ドン=10ハオ=100シュウである。現在はどちらの補助単位も現金の単位としては使われていない。

2020年7月29日現在で、1000ドン=4.53円

歴史[編集]

ベトナム語のドンは漢字のであり、一ドンは一銅、つまり銅銭一枚分の意である。ベトナムは古くは銅銭が流通し、通貨名はこれからとられている。フランスに植民地化されたフランス領インドシナ時代は、フランス語米ドルを意味するピアストルが通貨単位であったが、ベトナム語ではドン、あるいはを意味するバク(ベトナム語bạc)と読んだ。独立後、南北ベトナム両国は別々の通貨を発行したが、単位はともにドンを使用した。南ベトナムの併合後、ドンが共通の通貨単位として使われるようになった。

北ベトナム[編集]

1946年ベトミン政府(ベトナム独立同盟会、のちのベトナム民主共和国(北ベトナム政府))は、それまでのフランス領インドシナ・ピアストルを置き換える形で、ピアストルと同価の独自通貨ドン(đồng)を導入。その後、二度のデノミを実行。1951年に100:1のレート、その後1958年に1,000:1のレートで通貨切り下げを行なった。

南ベトナム[編集]

南ベトナム500ドン紙幣(1966年)

第二次大戦後、戦前の宗主国フランスの意を受けて存在していたベトナム国が、1953年にフランス領インドシナ・ピアストルとドンの両通貨名で紙幣を発行していた。その後、南ベトナムを掌握していたベトナム国勢力が一掃され、アメリカ合衆国の支援を受けたベトナム共和国(通称南ベトナム)に政権を引き渡した。その間、通貨はピアストルと同価の「ベトナム共和国ドン」が使用された。1975年のサイゴン陥落の後、南ベトナムの通貨は「解放ドン」に変更され、1解放ドン=500旧ベトナム共和国ドンであった。

統一ドン[編集]

1976年に南北ベトナムが統一され、ベトナム社会主義共和国が成立。1978年5月3日に通貨ドンも統一され、1新ドン=1北ベトナム・ドン=0.8南ベトナム「解放ドン」の価値であった。

ドン切り下げ[編集]

1985年9月14日に、ドンのデノミネーションが行われ、1新ドン=10旧ドンとなった。この後、慢性的なインフレーションが開始し、1990年代初頭まで継続することとなった[1]

貨幣[編集]

2019年3月の為替レートで、1ベトナムドンが約5程度(約200ドン=1円)[2][3]と、小額な通貨単位である。必然的に桁数が多くなるため、一般的には3桁で区切られ、"."(ピリオド)が用いられる(命数法を参照のこと)。長年続くインフレーションもあり、1,000ドン未満で購入できる商品はほとんどない。このため、下3桁を省略する、または1,000=1キロという意味で1,000ドンを「1k」と表記することがある。

紙幣[編集]

  • 100紙幣は、市中ではもうほとんど流通していない。200紙幣は、極稀にスーパーマーケットや薬局など、少額商品が多い商店でのお釣りとして出されることがある。500紙幣は、地方では自転車駐輪料金などの少額決済などで普通に使用される。都市の郵便局やスーパーマーケットなどでは、少額紙幣のお釣りが出せない時は、1,000未満の端数はレジ係の裁量で切り捨て/切り上げられる事ある。また、お釣りをアメ玉封筒などの現物で代用されることもある。都市部・地方問わず小売商店では、1000以下のお釣りが必要な値付けは行わず、したがって200紙幣や500紙幣は、ほとんど用いられない。特に都会部の小売店では5000単位の値付けがされることが多く、観光客向けの店では普通10,000単位の値付けがされることが多い。
  • 10,000紙幣以上は偽造防止の為、紙製紙幣ではなくポリマー紙幣を使用している。
  • 旧札である旧50,000紙幣と旧100,000紙幣(ともに紙製)は、既に流通が停止されており、使用不能の失効券である。
  • 2016年5月6日、中央銀行65周年を記念して100紙幣を発行したが、これは決済に用いることはできない記念紙幣である[4]
  • 2006年8月30日から発行されているポリマー製10,000幣については、表面右上の額面を表す「10000」の数字について他に記載されている数字と異なり、コンマフランスの影響を受けて「,」ではなく「.」を用いている)が無い。これは原版作成時にコンマを忘れてしまったためであるが、貨幣として特に問題なく使えるとの理由で改訂されることなく、また今後も改訂の予定はない。

紙幣のデザイン[編集]

紙幣の表面に描かれている人物は、既に流通が稀となっている100紙幣を除き全て初代国家主席ホー・チ・ミンである。そのため裏面のデザインと発行年(紙製紙幣は印刷されている発行年・ポリマー紙幣については2003年シリーズとされているが、実際の流通開始年を記す。なお、ポリマー紙幣のシリアル番号の始めの2桁はその紙幣の印刷年を表す)について解説する。

紙製紙幣

  • 100紙幣(緑)- 表・国章と100の数字、裏・ナムディンのフォーミン(普明)寺、1991年発行
  • 200紙幣(橙)- トラクターを使った農業、1987年発行
  • 500紙幣(桃)- ハイフォン港、1988年発行
  • 1,000紙幣(青と黄)- タイグエン省の象による木材運搬、1988年発行
  • 2,000紙幣(青と桃)- 紡績工場、1988年発行
  • 5,000紙幣(青)- ドンナイ省のチアンダム、1991年発行

ポリマー紙幣

  • 10,000紙幣(黄土色)- バクホー油田、2006年発行
  • 20,000紙幣(青)- クアンナム省ホイアン来遠橋(日本橋)、2006年発行
  • 50,000紙幣(桃)- フエの皇宮のフーバン(敷文)楼とグエンルオン殿、2003年発行
  • 100,000紙幣(緑)- ハノイの文廟のクエヴァン(奎文)閣、2004年発行
  • 200,000紙幣(橙)- ハロン湾の香炉岩、2006年発行
  • 500,000紙幣(青緑)- ゲアン省ナムダン県キムリエン社(村)にあるホー・チ・ミン生家、2003年発行

硬貨[編集]

  • 現在、200、500、1000、2000、5000硬貨が存在しているが、流通はまれである。これらにはホー・チ・ミンの肖像画は刻印されておらず、ベトナムの国章が刻印されている。
  • 200、500は銀色、1000、2000、5000は真鍮色である。
現在のVNDの為替レート
Google Finance: AUD CAD CHF EUR GBP HKD JPY USD
Yahoo! Finance: AUD CAD CHF EUR GBP HKD JPY USD
XE: AUD CAD CHF EUR GBP HKD JPY USD
OANDA: AUD CAD CHF EUR GBP HKD JPY USD
fxtop.com: AUD CAD CHF EUR GBP HKD JPY USD

符号位置[編集]

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+20AB - ₫
₫
ドン記号

脚注[編集]

外部リンク[編集]